コラム

Column

誰もがSalesforceを使いこなし、真の価値を実感してもらうために
~Salesforceプラットフォーム定着・活用支援スタートの背景

2021年4月1日、Salesforceを用いたサービス提供における業界リーダーである株式会社NTTデータと株式会社セラクが、Salesforceプラットフォームの定着・活用支援領域における協業を発表。Salesforce社が掲げるクロスクラウド戦略を体現する施策を打ち出した。本記事では、両社のキーマン同士の対談を再現。業務提携の背景、思い、そして未来構想などを語り合った。

  • ――まずは、Salesforceを取り巻く状況についてお聞かせください。

  • 朝岡:Salesforceに携わるようになってから6年になります。6年前のSalesforceはあくまでSFAのひとつに過ぎなかったので、正直、ここまで日本を席巻するとは思ってもいませんでした。ところが、今では国内だけでも年率で20%強伸びている成長企業になっています。その要因のひとつに、この数年の間に沸き起こっている「DX」推進というキーワードがあげられます。

  • 多くの企業が、顧客とのタッチポイントとなる顧客接点領域を重視。テクノロジーの進化でタッチポイントが多様化する中で、いかに顧客を捉えるかはB2B、B2C両方において重要でありCRMの重要性はより高まっています。Salesforceは、Customer360という概念でまさにこれを実現し、グローバルにおけるNo.1のシェアを持つに至りました。

  • このCustomer360を実現するためには、コマースとSFA、コンタクトセンタなど複数のSalesforceプロダクトを組み合わせることが必要となります。これをクロスクラウドと呼びますが、弊社へもクロスクラウドに関するご要望が増えています。

  • そういった背景からSalesforce市場は加速的に拡大を続け、ユーザーはもちろん、Salesforceを活用してビジネスしている、いわゆるエコシステムパートナーも増えています。その中には我々のようなSIerもいれば、グローバルで活躍しているコンサルティングファーム、セラクさんのようなプレイヤーもいます。Salesforce自体が伸びているので、そこにビジネス機会があるということでパートナーも増え続けています。

  • 安部:需要が増え続けているというのは、朝岡さんがおっしゃった通りで、それは我々も日々感じています。プレイヤーについて補足をさせていただければ、コンサルティングや初期導入に注力する会社はたくさんあります。Salesforceのパートナーとして認定されている会社は、日本国内でおよそ500社。その中にはアクティブに動いている会社や最近パートナーになったばかりの会社などがありますが、一番多いのは初期導入のベンダーさんで、そこでトップを走っているのがNTTデータさんです。

  • Salesforceには勢いがあり、新しく導入する企業も多いので、初期導入ベンダーもその後のケアもきちんとしなくてはと思っているものの、次から次へと仕事がきて嬉しい悲鳴をあげているのが実情です。クライアントも、最初は自分たちで運用するつもりで頑張りますが、やはりITのプロではないので、いきなり使いこなすのは難しく、私たちはそこに大きな課題を感じ、Salesforceの定着・活用に特化していこうと考えました。プレイヤーの中でその領域に特化している会社は非常に少ないというのが現状としてあります。

  • 朝岡:安部さんがおっしゃるように、Salesforceのエコシステムの中にたくさんのパートナーがマッピングされている中で、確かに定着や運用支援の部分は薄くなっています。もちろん、我々としては、導入したお客様とも長いお付き合いをしていて、さらなる定着・活用支援をやらなければならないという課題感は持っていますが、リソースも限られています。

  • そういった意味でも、先ほどお話ししたクロスクラウドという考え方が重要になります。もともとSIビジネスは、NTTデータだけで完結できているわけではありません。もとより我々は、いろいろな人たちと連携して成り立っているビジネスなので、Salesforceにおいても開発やインテグレーションというところは、パートナーと連携する必要があると考えています。したがって、Salesforce導入後の定着・活用の領域をカバーしてくれる、信頼できるパートナーの存在は重要です。

  • とはいえ、NTTデータとしてはお客様との信頼関係を重視しているので、パートナー選定は当然、慎重になります。当社の中にパートナーの選定基準があります。もちろん開発力やSEの実力値、コストといったところが定量化されていて、また一つひとつのプロジェクトの評価もスコア化されています。また、パートナーのランクがありますが、自分が外の会社だったら“嫌だな”と思うくらいのシビアな条件があります。

  • ――セラクは、その厳しい条件をクリアした企業ということですね。ちなみにセラクに対してどのような第一印象をお持ちだったでしょうか。

  • 朝岡:1年前、セラクさんの方からアプロ―チがありました。私たちを含め、数社に向けて手紙を送っていたようですが、スタッフ部門の人間が偶然、「Salesforce」という言葉を見て、私たちの部門に繋いでくれました。それを受け取ったときには、正直、それほど関心は持てませんでした。ただ、その手紙によるアプローチは古典的だけれども、今の世の中では斬新だと感じました。元々、パートナーが必要な領域という認識があったので、上司に相談してお会いすることにしました。

  • 面談を実施するまでは、決して期待値が高かったわけではありませんが、実際にお会いして何度か会話を交わしていくうちに、印象が大きく変わりました。最終的にセラクさんをパートナーとして選定させてもらったポイントは3つあります。

  • まずは「企業風土、人間力」です。協業検討において宮崎社長をはじめとした幹部の方とも会話をさせてもらいました。印象は人財を大事にしている企業だと感じました。また安部様はじめとしたマネージャーの方、現場の推進者の方もカスタマーサクセスマネージャーとして最も大事なお客様視点での志向、コミュニケーション力という人間力を持っていることを確認できました。

  • そして二つ目に「チャレンジ精神」があげられます。先ほど説明した通り、弊社はクロスクラウド構築がターゲットになります。そのためにはカスタマーサクセスマネージャーにもクロスクラウド実現力が必要となります。セラクさんは従来のSFA領域だけでなくデータアナリティクスやデジタルマーケティング領域と積極的にカバレッジを広げ、我々の期待に応えてくれていました。

  • 最後に「人財育成力」ですね。今後のビジネス拡大において最も必要となるのは、支えるエンジニアの量と質の拡大になります。セラク様はここにおいてもチャレンジな目標を掲げ、弊社の期待を実現してくれると確信しました。

  • ――セラクとしては、NTTデータ様と協業することでどのような価値が提供できると考えていたのでしょうか。

  • 安部:Salesforceが売れている状況の中で、その定着に課題感があるということは、誰かが声をあげて打ち出しているわけではありませんが、うすうす誰もが気づいていました。起きている問題はとても大きいのですが、とはいえ、各社がそこに正面から切り込んでいくという状況ではありません。当社はそこに切り込んでいますが、問題が大きすぎて声が届きません。微力ながら、そういった状況を打破する使命や義務が我々にあるのではないかと考えました。

  • 多くのSalesforceユーザーとお付き合いのあるNTTデータさんとご一緒させていただくことで、まだ課題に気づいていない方や、気づいているけれども手立てがない、自分たちでどうにかしようとしている方々に対して、影響力がある形でメッセージが届けられるのではないかと考えました。これは我々単独では決して成しえないことです。

  • また、これからSalesforceを使おうと考えている方々に対しても、これまでの成功事例を元にしたノウハウでSalesforceの定着化マーケットを形成できると考えています。それはビフォーアフターで見てみると、非常に大きなことです。これから中長期にかけて協業させていただきますが、これからの5年間とこれまでの5年間では、まったく違う世界観になると思っています。

  • 朝岡:Salesforceにおいては、クロスクラウドが広がっていくことにお客様は期待を感じていますが、せっかく導入しても上手く使えないとなると幻滅のフェーズに入り、広がりようがありません。幻滅をいかに持ち上げられるかというところが重要です。そこが解決すれば、“次のプロダクトも入れよう”という我々のビジネスにも繋がります。

  • 安部:朝岡さんのおっしゃる通り、Salesforceは非常に魅力的な製品ではありますが、ユーザーが“このシステム微妙だな”と一度でも思ってしまうと、色々な意味で“活用モチベーションが上がらない”という心理になってしまいがちです。しかし、それが反対に回り始めると、“このシステムはあれもこれもできてすごい”というマインドに変わるのです。私たちは、そういった良いサイクルを生み出したいと思ってますし、それを目の前で見てきました。

  • 朝岡:そうですね。Salesforceを導入して終わりではなく、そこから使いこなすためには、結局、現場でお客様に成り代わって一生懸命サポートするメンバーが必要ですが、それはNTTデータのピースだけではできません。「Salesforceを入れたらこんなことができます」という世界観を伝えても、結局は自分たちではできなかったのですが、セラクさんと協業することで、ようやく実現できるという感覚です。

  • また、外部リリースする前にセラク様内で実施している勉強会にスピーカーとして参加する機会をもらったのですが、当社からの連携の狙い、期待値を説明した後も会議に聴講者として参加しました。そこで社員の方の前向きさ、熱心に新しいことを習得しようとする取り組みを発見することができました。カスタマーサクセスの領域からの協業になりますが、Salesforceの高スキル者となる方にはさらに密になって連携し、当社で取り組んでいる新しいテクノロジー領域にもご参加いただき、双方にメリットが出る人財育成もできるのではないかと考えました。非常に期待大ですね。