コラム詳細

Salesforceの導入失敗事例と現場の悲鳴とは?

2023年04月13日

  • Salesforce
  • 営業DX

はじめに

Salesforceを導入したものの、なぜか現場から思ったほど活用できていないという話を聞く経営者は少なくありません。多機能なSalesforceを導入したのにもかかわらず、なぜそのようなことが起きるのでしょうか。

 

※Salesforce(セールスフォース)を最大活用するために導入時に必ずやらなければいけないポイントを詳しく解説しているこちらの資料「Salesforceを活用で最初に絶対やるべき4つのポイント」と併せてご活用ください。

 

Salesforceを導入したが、なぜか現場からは不評

経営者は、Salesforceを導入することで各種情報の集約化や、それに伴う経営の加速化を期待していたはずです。しかし、活用現場からはその思いとは違った声が上がってくることがあります。そんな声に耳を傾け、解決策を模索してみましょう。

 

悲鳴(1)Salesforceを分かる人がどこにも居ない

課題:ちょっとした質問を問い合わせる先がない

Salesforceに詳しい管理者(アドミニストレータ)がおらず、トラブルやちょっとした操作方法が分からない時に問い合わせする先がない場合があります。この場合、現場の「ちょっと詳しい社員」にそうした質問が集中してしまいます。その社員はそうした問い合わせ対応に追われて本業に集中できない上、Salesforceに関する知識が限られているため、最適な方法を回答できない等、Salesforceの活用が進まない要因になります。

 

解決策1:管理者(アドミニストレータ)やインフルエンサーを育てる

Salesforceでは、管理者(アドミニストレータ)や、活用促進の役割を担うインフルエンサー(影響力のある発言を行い、他のユーザに参加を促すキーパーソン)の確保を推奨しています。まずは、製品を理解し、簡単な操作方法を知って貰うことで、Salesforceの良さを実感してもらうところから始めましょう。Salesforceが提供する「Trailhead」や「Trailblazer Community」といったサービスを上手く活用し、製品理解を深めましょう。

 

オンライン学習サービス「Trailhead」を活用
「Trailhead」とはSalesforceのオンライン学習サービス(e-learningサービス)で、Salesforceが無料で提供しているサービスです。例えば、登録したデータの可視化を行うため、レポートやダッシュボードについて知りたいとします。「Trailhead」の検索機能を使うと関連した学習項目が一覧で表示され、初心者向けの基礎的な内容から、さらにスキルアップするための中級、上級といった段階的な学習内容を確認できます。また開発者向けにも初級~上級までの学習が用意されていており、将来的に管理者(アドミニストレータ)を目指す場合には、アドミニストレータ認定資格やSalesforce認定資格などの学習もできる網羅的な内容となっています。

 

Salesforce利用者向けのコミュニティ「Trailblazer Community」を活用
「Trailblazer Community」はSalesforceが提供しているSalesforce利用者向けのコミュニティです。Salesforceについて困ったときは「Trailblazer Community」で質問を投稿し、それを見た他のユーザからアドバイスを受けることができます。つまずき易いポイントは共通していることも多いため、過去のやり取りから解決の糸口を掴むこともできます。

 

解決策2:人材育成が難しいなら、外部のプロフェッショナルに支援を仰ぐ

管理者(アドミニストレータ)やインフルエンサーを育てることが時間的、人員的に難しい場合は、外部リソースへ依頼するという選択肢を検討しましょう。Salesforceのパートナー企業には、活用のコンサルティングや管理者(アドミニストレータ)を派遣してくれる企業もあります。そうした企業は、それぞれの企業に必要なアドバイスや支援を提案してくれるため、自社に必要な人材をスピーディーに手配してくれます。当社でもSalesforceの導入から導入後の定着化・活用の支援が可能ですので、お困りの場合はお気軽にご相談ください。

 

悲鳴(2)Excelとの二元管理で作業時間が倍になる

課題:Excel管理を止められず、Salesforceとの二元管理に

Salesforceの導入前に行っていたExcelによる管理業務を、システム導入後も続けてしまうケースがあります。勿論、Salesforceでは対応出来ない部分がある等、やむを得ない事情がある場合もあるでしょう。一方で、Excel資料と比べて、見た目や操作方法が大きく変わることに対する抵抗感や、Salesforceの知見がないために従来の運用からシフト出来ていないケースもあります。

 

解決策:Salesforceが得意なことを理解する

情報を複数のツールで管理するということは、更新にもメンテナンスにも、手間や時間を要します。出来る限り一元管理できるよう、ExcelよりもSalesforceが得意としている部分は積極的にSalesforceへ移管して一元管理できるような体制を目指しましょう。

 

複数のデータベース連携がされた状態で管理可能
Salesforceで管理している「顧客」「商談」「売上」「ケース(報告書)」といった情報を、Excelで管理しようとすると別々のファイルやシートに分ける形になります。こうして分かれたデータは、関数を使って紐づけや集約をする必要があります。こうした加工には、Excel関数の知識が必須です。一方のSalesforceは、情報そのものは別々のオブジェクト(顧客、商談などのデータベース)に登録されていますが、仕様上オブジェクト同士は関連付けて表示されるため、ユーザは一つの画面で確認ができます。また、登録したデータはCSV出力が可能です。データ登録はSalesforceに限定し、どうしてもExcelで管理が必要な場合にのみ、Salesforceから出力するようにして情報の一元化を進めましょう。

 

レポートやダッシュボードは対象期間の切り替えや更新設定が可能
週次や月次でレポートやグラフを作成している場合、Excelでは都度対象データを選択しなければ更新されません。つまり、担当者が手を動かさなければ対象期間の変更やグラフの更新が行えません。一方のSalesforceでは、予めレポートやダッシュボードの更新タイミングを設定できます。更に更新したデータを関係者へのメール通知するよう設定が可能です。こうした機能を活用すれば、担当者は毎回手を動かさなくても、データは更新される上、関係者への通知までSalesforceが対応します。Excelで定例的に資料を作成しているのであれば、そうした情報をSalesforceのレポートやダッシュボードで表示させることで、更新作業の手間を大幅に削減できます。

 

悲鳴(3)カスタム開発した部分のメンテナンスに追われている

課題:注意が必要。カスタム開発のメンテナンスは自分たち

Salesforceを導入する多くのお客様がカスタム開発を実施されています。使い勝手をよくするために追加開発を重ねることで、徐々に構造が複雑化してしまうケースが多くあります。カスタム開発部分はSalesforceの保守対象外となるため、自社できちんと管理する必要があります。このため、管理者(アドミニストレータ)はカスタム開発部分のメンテナンスに追われてしまい、Salesforceの活用推進どころではなくなってしまうのです。

 

解決策:基本は標準機能を最大限活用する、が正解

Salesforceは顧客情報や商談管理、レポートやダッシュボード以外にも、標準機能だけで十分必要な機能が備わっています。また、サポートやバージョンアップも標準機能を対象にしているため、機能改善や機能追加の恩恵にあずかるには、標準機能の活用が重要です。しかし、すでにカスタム開発部分のメンテナンスに追われ、自力での対応が難しい場合は、活用・定着運用に特化した外部のプロフェッショナルに相談するのがおすすめです。

 

悲鳴(4)顧客情報の重複登録が発生してしまう

課題:同じ会社名や担当者が登録されている。最新の情報か分からない

複数人でSalesforceに情報を登録していると、データの重複登録はどうしても発生してしまいます。登録者を限定する、登録前に必ず確認をする、など運用でカバーするにも限界があります。

 

解決策1:データの重複登録を防ぐには、Salesforceの機能を活用

Salesforceには、データの重複登録を防ぐための機能が複数用意されています。そうした機能を活用することで、重複データの無い顧客情報を目指しましょう。

 

「一致ルール」機能について
この機能は、Winter’15のバージョンアップ以降、デフォルトで有効化されている機能です。対象となるオブジェクトは以下の通りです。

 

  • ・取引先
  • ・取引先責任者
  • ・リード

 

例えば、名刺交換をした取引先責任者をSalesforceに登録するとします。「一致ルール」機能では登録する氏名、役職、会社名など、複数項目を基に類似性のある既存データの有無を確認します。「一致ルール」機能は、デフォルトのルールを適用するほかに、自社独自のカスタムルールを設定することも可能です。

 

「重複ルール」機能について
「重複ルール」機能は、「一致ルール」機能で重複データと判定されたデータの処理方法を設定することが出来ます。例えば、登録を阻止する、登録は出来るが上長に通知する、といったものです。この「重複ルール」機能を活用するには、「一致ルール」機能が有効化されている必要がありますので注意しましょう。

 

Salesforce(セールスフォース)の最大活用には、定着(データが蓄積)していることが重要です。そのための導入時に必ずやらなければいけないポイントを詳しく解説しているこちらの資料「Salesforceを活用で最初に絶対やるべき4つのポイント」もご活用ください。

 

まとめ

この記事ではSalesforce導入後に聞こえてくる現場からの悲鳴、そしてその解決策を紹介してきました。実際にSalesforceを運用するなかで見えてくる課題は様々ですが、つまずきやすいポイントは多くの企業で共通しています。解決の糸口が見えても、自力で対応することが難しい場合もあります。そうした場合は、Salesforceに関する製品理解やサポート実績のあるSalesforce定着活用のプロフェッショナルに相談しましょう。
当社には300名(23年5月時点)を超える専門コンサルタントが在籍し、それらの問題を解決するため、お客様の視点に立ってSalesforceの定着・活用支援サービスを行っています。導入当初の活用法などについても、当社カスタマーサクセスチームの無料相談からお問い合わせください

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