コラム詳細

Salesforce 結合レポートの活用・作成方法とは?

2023年04月13日

  • Salesforce
  • レポート・ダッシュボード
  • 定着・活用

はじめに

セラクCCCのSalesforce推進部のAです。「Salesforceレポートの活用・作成方法とは?」でご紹介させていただいたように、レポートはSalesforceに蓄積したデータを可視化したい場合にとても便利ですが、複数のオブジェクトを扱うのは苦手です。異なるオブジェクトのデータを並べて検討するといったように、関連した情報をまとめて一度に分析したい時には、レポートを組み合わせて作成する[結合レポート]が役立ちます。
本記事では、結合レポートの基本的な作成方法や機能についてご紹介します。

 

また、レポートに関する重要なポイントを詳しく解説しているこちらの資料「レポートを攻略する10の技」と併せてご参考にしてください。

 

Salesforce(セールスフォース)の結合レポートとは?

Salesforceの結合レポートとは、共通する項目を持つレポートを1つにまとめる機能です。1つの作成済みレポートを1つの[ブロック]として最大で5ブロックまで、ブロックごとにレポートタイプと検索条件を指定して結合できます。また、1ブロックについて2,000レコードずつ、5ブロックで合計10,000レコードまで表示できます。

 

結合レポートのメリット

結合レポートは、共通の項目を持つ複数のオブジェクトについて関連するデータを見やすくリスト化したり、単独のレポートでは集計や比較が難しい数値について複数のレポートを並べることで分析もできます。

 

結合レポートの制限

結合レポートには、通常のレポートとは異なり、一部のグラフを使えない、CSVでエクスポートできない、ダッシュボードのコンポーネントに使えないなどの制限もあります。そのため、メリットだけでなく、制限も把握したうえで、レポートやダッシュボードなどの他の分析機能と使い分けましょう。

 

Salesforceの結合レポートの作成方法とは?

結合レポートの作成方法について解説します。本記事では、例として「営業担当者が、進行中のケースがあることを知らずに取引先に連絡してしまうことを防ぐ」結合レポートを作成します。

 

1.要件定義

最初に、目的のために必要な要件を定義します。
[ケース]には[取引先名]の項目がありますが、営業担当者が商談の電話をする前に、進行中の[ケース]レコードを全て人力でチェックするのは非効率的です。
そこで、「取引先名」を共通項目として[商談]レポートと[ケース]レポートを結合します。[取引先名]でグループ化し、[進行中]の[商談]と[ケース]だけを表示します。最後に商談の[金額]や[完了予定日]など、まとめて確認したい[項目]を追加すれば「営業担当者が、自分の担当する商談の取引先について進行中のケースがあるか」一目で分かります。
それでは、実際にレポートを作成していきましょう。

 

2.結合レポート作成


<結合レポートの選択>

 

次の画面へ遷移したら左上の[ブロックを追加]から使用するレポートを選択します。レポートの選択が完了したら、同じ作業を繰り返して必要なレポートを全て追加します。

 

今回は、ブロック1に[商談]レポートがある所に、[ケース]レポートを追加します。

 

3.ブロックの追加


<追加レポートの選択>

 

次の画面へ遷移したら、左上の[ブロックを追加]から使用するレポートを選択します。レポートの選択が完了したら、同じ作業を繰り返し、必要なレポートを全て追加します。

 

今回は、ブロック1に[商談]レポートがある所に、[ケース]レポートを追加します。

4.グループ化の設定


<[取引先名]で、ブロックをまたいでグループ化する>

 

ブロック同士をグループ化して結合するために、[アウトライン]タブから、[ブロックをまたいでグループ化]を選択し、結合の軸にする共通の項目を選びます。

 

今回は[取引先名]を共通項目として[ブロックをまたいでグループ化]します。
これで、[商談]と[ケース]の2つのレポートを[取引先名]を軸に結合できます。

 

5.表示レコードの抽出や表示項目の設定

画面左にある[検索条件]のタブを使い、表示するレコードを絞り込み、このレポートを見やすく整えていきます。通常のレポートとの違いは、ブロックごとに条件を設定する必要があることです。
最後に、通常のレポート作成と同じように、必要に応じて[アウトライン]タブから、
[項目]の追加や削除などを行って見やすく整えます。

 


<完成した[商談]と[ケース]の結合レポート>

 

今回は、[商談]ブロックの[商談状況]が[進行中]のものを検索します。次に、[ケース]ブロックの[クローズ日時]について、演算子を[次の文字列と一致する]と設定して空白のままにすると、[クローズ日時]が空欄のレコードを抽出できます。
商談の[金額]や[完了予定日]など、まとめて確認したい[項目]を追加して作成は完了です。

 

Salesforceの結合レポートの機能を使いこなそう

異なるオブジェクトのレポートを結合する以外にも、結合レポートが力を発揮する場合を把握して、使いこなしましょう。

 

上半期と下半期など、同一オブジェクトのデータを比較する

1つのオブジェクトのレポートについて、複数の検索条件を設定できるのも、結合レポートの強みです。
例えば、商談の上期受注数と下期受注数を比べたい場合、2つの[商談]レポートを結合し、それぞれに検索条件を設定すれば、商談実績を半期ごとに確認・比較できます。

 

案件化率や受注率などを簡単に計算する

Salesforceの結合レポートを使えば、案件化率や受注率も簡単に計算できます。
例えば受注率は、[商談]レポートを2つ結合し、分母になる受注数と分子になる案件数を[項目]としてそれぞれのブロックに表示します。[クロスブロック集計項目を追加]し、上記の2項目をパーセント表示する数式を入力すれば完成です。この結合レポートを確認すれば、受注率を簡単に把握できます。

 

まとめ

結合レポートを使いこなせば、Salesforceで管理する各種データを関連づけて、経営戦略や営業活動の判断に活用できます。しかし、効率的に結合レポートを作成するためには目的に合わせてどのような結合レポートを作ればよいか、という知見が必要です。「結合レポートを使いこなせる人材を育てたいが、社内教育まで手が回らない」「データ分析の具体的なノウハウを知りたい」といったことでお悩みでしたら、ぜひセラクCCCの無料相談からお問い合わせください
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