時事ネタ – ルートテック|ビジネスライフとキャリアを応援する情報メディア https://www.seraku.co.jp/tectec-note Wed, 14 Feb 2024 08:57:20 +0000 ja hourly 1 https://wordpress.org/?v=6.2.9 人手不足の業界で働く!就活でのメリットを解説 https://www.seraku.co.jp/tectec-note/recruit/recruit_shortage/ https://www.seraku.co.jp/tectec-note/recruit/recruit_shortage/#respond Thu, 28 Dec 2023 05:52:37 +0000 https://www.seraku.co.jp/tectec-note/?p=22771 はじめに
  • 超少子高齢化による労働人口の激減や育成の追いつかなさが原因
  • 人手不足の業界への就職は検討の価値あり
  • 人手不足の業界にいくと、大変ではあるものの早期に大きな成長をする 可能性がある
  • 専門職であれば、技術を習得すると今後社会人として大きな武器となる
  • 周囲の意見に惑わされず、業界研究や自己分析をして、幅広く志望業界を検討しよう

人手不足はなぜ起こっている?

帝国データバンクによる調査によると、企業の半数以上である52.1%が「正社員が不足している」と答えています。加えて、「非正規社員が不足している」と感じている企業も30.9%いるという結果が出ており、現在は企業にとって圧倒的な人手不足といえます。

「人手不足なのになぜ雇わない、雇われない?」と感じる転職希望組もいますが、これから社会に出る就活生にも原因が見えてこないかもしれません。これには原因と呼べるものがいくつかあり、現在の社会背景や歴史などを知る必要があります。次項で解説します。

参考:帝国データバンク – 人手不足に対する企業の動向調査(2023年10月)

人手不足の原因・理由

最近声高に人手不足が叫ばれている原因の主なものは次のような理由です。

  • 超少子高齢化によって労働人口が激減に向かっている
  • 求められる労働のレベルが急激に上がっている
  • 労働者の育成がうまくいっていない

一番大きな原因は日本における極端な少子高齢化です。人口の大変多い世代が高齢者となり、現役をどんどん引退しています。また、広く知られている通り、その下の世代からはずっと人口が減ってきています。文字通りの人手不足、人口不足です。今までの社会の便利さは、労働人口の多さで賄われてきましたが、これからは労働人口の不足による不便さを余儀なくされる可能性すらあります。こちらは次の項目の「2025年問題」の項目も参照してください。

また、社会の高度化により、一人ひとりの労働者に求められる労働レベルが上がり続けています。全員がこの高度化についていける訳ではなく、また人材の育成にも時間がかかるため、労働人口の減少スピードにこれが追いついていないともいえます。

ただし、ピンチはチャンスという言葉もある通り、人材を企業は常に求めており、就活生からみれば就職しやすい社会状況でもあるのです。とくに人手不足が顕著な業界をこのあと解説していきます。

2025年問題とは?

超高齢化社会がよりいっそう深刻化するといわれるのが2025年であり、一般的に「2025年問題」と呼ばれます。1947~1949年生まれのいわゆる「団塊の世代」が2025年に75歳以上の後期高齢者となるため、働き手の不足や社会保障費の増加などさまざまな問題が到来すると懸念されているのです。この世代は約800万人いて、現在の日本では一番人口が多い世代であり、労働人口の大幅な減少も予測されています。

参考:厚生労働省 – 今後の高齢化の進展 ~2025年の超高齢社会像~ (PDF)

人手不足といわれる業界は?

とくに人手不足となっている業界はいくつかあります。慢性的な人手不足が問題になっている業界や、コロナ禍の影響で急激に人手不足となった業界などがあり、さまざまな理由で人手不足に見舞われているのが現状です。次で詳しく紹介します。

IT業界

IT業界は、以前から人手不足といわれている業界のひとつです。経済産業省によると、2030年に79万人のIT人材が不足すると予測されています。人材育成が難しい職業にもかかわらず、需要が年々増え続けており、人手不足がなかなか解消していません。IT業界はスキルを身に着けると専門職として稼げる職業なので、就活でこの業界を視野に入れるのはよい選択といえるでしょう。

物流・運送業

物流・運送業は人手不足が叫ばれている業界の代表です。昨今ネット通販が大変盛んになったのもあり、物流・運送のキャパシティは限界に近づきつつあります。最近では、現場にIT技術を積極的に取り入れオペレーションの簡略化を実現したり、政府もこの業界の人手不足解消に向けて動いていたり、各方面から対策に力を入れているようです。そのため、就職先として物流・運送業を選ぶと就職難易度自体は下がる可能性があります。

ただし大変な人手不足の業界であり、また次に述べる通り、物流・運送業界特有の問題もあるため、進路のひとつとして考えるときはこのあたりの問題を頭に入れておくべきでしょう。

物流・運送業界の2024年問題とは

働き方改革関連法によって、一般企業での時間外労働は原則月45時間・年間360時間が上限とされ、大企業では2019年4月、中小企業では2020年4月からすでに施行されています。

しかし、物流・運送業界では業務の特性上、時間外労働は年間960時間までとされ、実際の施行も2024年3月までの猶予が与えられました。この期限が近づいてきたことで今後起こるとされているのが「物流・運送業界の2024年問題」です。2024年4月からは物流・運送業界にも時間外労働に上限が課せられるため、日本社会の輸送能力が限界を迎える可能性があると懸念されています。

参考:全日本トラック協会 – 知っていますか?物流の2024年問題

宿泊業

宿泊業はコロナ禍で需要に大幅に減った結果、大量解雇が起きました。しかしながら現在はコロナ禍を脱し、海外からの旅行客が急増したため、以前とは逆に需要が急激に増え供給が追いついかない事態になっています。現在、以前と比較してホテルの一泊料金がどこも高騰しているのは、ホテル自体の不足とともに激しい人手不足が同時に起きているためです。そのため、宿泊業界は採用されやすい業界といえるでしょう。

飲食業

飲食業は宿泊業と同じく、コロナ禍で需要が大幅に減って解雇が起きたものの、現在はコロナ禍から回復し飲食店に利用者が戻ってきたため、需要が急激に増えています。こちらも宿泊業同様に人手不足が起きており、採用されやすい業界といえるでしょう。

介護・看護業

介護・看護業界も以前から人手不足が叫ばれている業界のひとつです。専門知識と資格が必要であり、人の命を預かる厳しい仕事であることから、必要な数の人材が常に不足しています。その代わり、資格と経験を身に着けるとこの先仕事には困らないという大きなメリットがあるので、就職を検討する価値は大いにあります。

建設業

建設業は新築の建設だけでなく、老朽化した道路や建物の修繕・建て替えなど需要が増えているにもかかわらず、技術者の高齢化による引退や若者不足などの問題があり、深刻な人手不足に陥っています。もともと建設業は職業柄、長時間労働になりがちな仕事であり、そこに昨今の人手不足が重なって長時間労働に拍車がかかっているという事情があるようです。また建設業は「3K(きつい・汚い・危険)」といわれ敬遠された時期があり、現在の人手不足の一因となったようです。

しかし最近では、たとえば昔ではほとんど存在しなかった女性の現場監督もいて、世間のイメージより就職難易度は下がっているといえます。長時間労働などの問題にも取り組む企業も多く、建設業界への就職を検討する価値はあります。

人手不足の業界への就職は?

人手不足の業界は、すぐにでも人に来てほしいため、他の業界より就職しやすいのは確かです。しかしながら「ブラック企業」という言葉が以前から知られている通り、心理的安全性を確保できる職場であるかどうか、不安を感じる人も多いでしょう。しかし、人手不足の業界に就職することはメリットも多いです。それぞれ解説します。

人手不足の業界に就職するメリット

人手不足の業界に就職することは実はメリットが多くあります。次項でそれぞれ説明します。

成長できる

人手不足のため、これから入社してくる人材の育成は企業にとって急務です。また、人手不足の現場は手が足りていないために必然的にやることが多く、業務量がどうしても増える傾向にありますが、それが結果として人手が足りている職場に勤めるよりずっと早い成長につながるといえます。チャレンジ精神がある方にはよい環境といえるのではないでしょうか。

専門性を身に着けることで必要とされる人材になれる

IT業界や介護・看護業の仕事は専門職であるため、知識と実務経験があると転職に大変有利となります。一般職と比較して、基本的に今後の仕事に困ることはまずないでしょう。その代わり、介護や看護の仕事は資格を取る必要があります。

介護業界は無資格で入社しても、働きながら資格取得を目指せる職場もありますが、看護業務は基本的に働くにあたって資格が必要であることには気を付けましょう。看護の道を志し、進路変更や社会人にいったんなったあとに看護の大学や専門学校にいく人もいます。

企業に人材が入ってきたとき、先輩として重宝される

人材不足の企業は人を大量に採用します。ほかの人より一足先にその企業に入っていると、その分早く「先輩」になれるので、後輩の面倒をみる機会にも恵まれるでしょう。とくにマネジメントの経験があると、今後の仕事人生において大変大きな武器となります。

人手不足の業界に就職するときに気を付けるべきこと

先ほどは人手不足の業界に就職するメリットを解説しました。しかし、デメリットもいくつかあります。次項で解説します。

ブラック企業に気を付ける

一般的に人手不足となると、一人あたりの仕事量の負担が増大し、しかし仕事は減らないので、現場の社員の負担が増大します。すると現場の空気が悪くなったり、ひどい場合は人をこき使ったりする、いわゆる「ブラック企業」と呼ばれる状態に陥る企業も少なくありません。そうならないように社内教育やICTの活用、マネジメント・経営方針の工夫をおこなうのが企業の通常の姿ではありますが、なかなかうまくいっていない企業も実在します。

外部からそれを知ることは困難ですが、求人内容・企業研究や面接で訪問したときの社員の雰囲気などに違和感が出る場合もあります。企業と接する際は、できれば様子を確認しておきましょう。

周囲の意見に惑わされない

人の長所や能力はそれぞれまったく違うものです。企業も同じように、それぞれさまざまな個性をもっています。ある人には合わない企業も、別の人には非常に肌に合うことがあるのはこのためです。人手不足の業界は大変な忙しさであるため、評判がよくないこともあるでしょう。周りの人の意見や世間の評判は参考になるものではありますが、あまり振り回されるのもよくありません。

重要なのは「自分がどうしたいか」です。自分軸をしっかりもち、広く業界を検討する方法もあることを覚えておいてください。

まとめ

現代では、超少子高齢化による労働人口の激減が見込まれており、労働者の育成も追いつかず、多くの企業は人手不足に陥っています。 しかしこれは、考えようによっては就職しやすい状況ともいえます。これを機に人手不足の業界への就職を検討するのもひとつの手でしょう。
業務量の多さに振り回される可能性はありますが、それにより早く大きく成長できる可能性が大きかったり、専門職であれば経験を積むことにより将来のキャリアパスが開かれたりするなど、メリットが多くあります。
人手不足の業界にいくには不安要素もありますが、周囲の意見に惑わされず、自分軸をしっかり見据えながら、幅広く志望業界を検討してみましょう。

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ビジネスと人権|企業に求められる取り組みと社会的責任とは? https://www.seraku.co.jp/tectec-note/recruit/recruit_humanrights/ https://www.seraku.co.jp/tectec-note/recruit/recruit_humanrights/#respond Mon, 25 Dec 2023 05:24:02 +0000 https://www.seraku.co.jp/tectec-note/?p=22233 はじめに
  • 企業も人権を守る責任がある
  • 事例から企業と人権侵害の関係を理解しよう
  • 海外の法制化は日本企業も影響を受ける
  • 日本企業の課題とガバナンス強化や情報開示など求められる取り組みがある
  • ビジネスパーソン一人ひとりの人権保護意識が重要

ビジネスにおいて人権に関わることとして、ハラスメントや長時間労働・賃金の未払いなどを想像する方は多いでしょう。
しかし、グローバルにビジネスを展開する日本企業にとって、世界視野の人権尊重意識をもつ必要があります。なぜ、企業と人権について理解する必要があるのか、その理由を解説します。

そもそも人権とは

すべての人々が、生命と自由を確保し、幸せな生活をおくれる権利で、生まれながらにもつ人間が人間らしく生きるための権利です。何者もこれを侵害してはいけない権利とも言えます。
この権利を明確化したのが、1948年に国連総会で採択された「世界人権宣言」です。ここにたどり着くまでには大変長い年月を要しました。
先人の努力に感謝して、人権尊重を重視する現代に生きる私たちが、確固たる意識の強化を進めていくことが大切です。

世界で高まる人権への意識

人権侵害に対する対応は強い権力を担う国が行うものとされてきましたが、企業活動がグローバル化する中で、国連は2011年「ビジネスと人権に関する指導原則」(以下、指導原則)を採択し公表しました。
奴隷制や人身売買・児童労働などに反意を感じる人々が増え、世界的な人権保護の意識が高まったことも要因です。
以下の表は、指導原則の国・企業、そして救済の3つの柱についてまとめたものです。国や企業の義務や責任を明確にし、救済のための仕組みや法制化が明記されています。

ビジネスと人権に関する指導原則 3つの柱
第一の柱第二の柱第三の柱
人権を保護する国家の義務人権を尊重する企業の責任救済へのアクセス
運用上の原則運用上の原則運用上の原則
  • 一般的な国家の規制および政策機能
  • 国と企業の連携
  • 紛争影響地域における企業における人権尊重の支援
  • 政策の一貫性の確保
  • 企業方針によるコミットメント
  • 人権デューデリジェンス
  • 救済への取り組み
  • 置かれている状況を踏まえた対応
  • 国家による司法手続き
  • 国家による非司法的苦情処理の仕組み
  • 非国家基盤型の苦情処理の仕組み
  • 非司法的苦情処理メカニズムの実効性の基準

企業も人権を守る責任がある

日本企業も世界各国へ進出し企業活動を行っています。輸出入を考えても多くの国々とつながりがあるとわかります。
他の国より遅れましたが日本政府も2020年に「ビジネスと人権に関する行動計画」を策定し、企業も人権を守る責任があることを明確にしました。国と企業が先導して人権保護に動く必要性を説いたのです。

企業の人権意識の必要性

企業の人権尊重意識が低いと多くのリスクを負うことになります。たとえば、従業員の就業環境が悪ければストライキや人材の流失につながり、ステークホルダーからの信用を失えば、訴訟提起や行政罰の賦課の可能性も生じるでしょう。
さらに、SNSの炎上や不買運動によるブランド棄損は、ダイベストメント(株価下落・金融機関や投資家の投資引き上げ)を引き起こし財務リスクに直結します。
このように企業は自社に直接的あるいは間接的に関わるすべての人に対して、人権の尊重と保護する意識をもつ必要があります。

企業の人権意識の必要性の説明図

企業が守るべき人権は多い

以下の表は人権リスクにつながる内容をまとめたものです。
さまざまな立場の人々に対し、それぞれ尊重すべき人権があります。ビジネス活動を行う上で、人権侵害につながる事柄は経営リスクに直結する可能性がありますが、企業は、自社内目線からビジネスが人々に及ぼすリスクという広い視点で考える必要があるでしょう。

企業活動における人権に関するリスク
賃金の不足・未払い 生活賃金賃金の不足・未払い
生活賃金
居住移転の自由居住移転の自由 表現の自由表現の自由
過剰・不当な労働時間過剰・不当な労働時間 結社の自由結社の自由 先住民族・地域住民の権利先住民族・地域住民の権利
労働安全衛生労働安全衛生 外国人労働者の権利外国人労働者の権利 環境・気候変動に関する人権問題環境・気候変動に関する人権問題
社会保障を受ける権利社会保障を受ける権利 児童労働児童労働 知的財産権知的財産権
パワーハラスメント(パワハラ)パワーハラスメント
(パワハラ)
テクノロジー・AIに関する人権問題テクノロジー・AIに関する
人権問題
賄賂・腐敗賄賂・腐敗
セクシャルハラスメント(セクハラ)セクシャルハラスメント
(セクハラ)
プライバシーの権利プライバシーの権利 サプライチェーン上の人権問題サプライチェーン上の人権問題
マタニティハラスメント/パタニティハラスメントマタニティハラスメント/
パタニティハラスメント
消費者の安全と知る権利消費者の安全と知る権利 救済へのアクセスする権利救済へのアクセスする権利
介護ハラスメント(ケアハラスメント)介護ハラスメント
(ケアハラスメント)
差別差別
強制的な労働強制的な労働 ジェンダー(性的マイノリティを含む)に関する人権問題ジェンダー(性的マイノリティを含む)に関する人権問題
企業活動における人権に関するリスク
賃金の不足・未払い 生活賃金賃金の不足・未払い
生活賃金
居住移転の自由居住移転の自由
表現の自由表現の自由 過剰・不当な労働時間過剰・不当な労働時間
結社の自由結社の自由 先住民族・地域住民の権利先住民族・地域住民の権利
労働安全衛生労働安全衛生 外国人労働者の権利外国人労働者の権利
環境・気候変動に関する人権問題環境・気候変動に関する人権問題 社会保障を受ける権利社会保障を受ける権利
児童労働児童労働 知的財産権知的財産権
パワーハラスメント(パワハラ)パワーハラスメント
(パワハラ)
テクノロジー・AIに関する人権問題テクノロジー・AIに関する
人権問題
賄賂・腐敗賄賂・腐敗 セクシャルハラスメント(セクハラ)セクシャルハラスメント
(セクハラ)
プライバシーの権利プライバシーの権利 サプライチェーン上の人権問題サプライチェーン上の人権問題
マタニティハラスメント/パタニティハラスメントマタニティハラスメント/
パタニティハラスメント
消費者の安全と知る権利消費者の安全と知る権利
救済へのアクセスする権利救済へのアクセスする権利 介護ハラスメント(ケアハラスメント)介護ハラスメント
(ケアハラスメント)
差別差別 強制的な労働強制的な労働
ジェンダー(性的マイノリティを含む)に関する人権問題ジェンダー(性的マイノリティを含む)に関する人権問題

また、サプライチェーン上の間接的に関わる人々に対しても、人権を尊重する責任があります。
たとえば、下図の生産現場で人権侵害があり問題を生じた場合、そこで生産された品物を利用する自社は、生産現場の体制に対処しなかった責任を負う必要が生じるのです。
サプライチェーンが国境を越える現代、守るべき人権はさらに増加するでしょう。

サプライチェーンの説明図

企業に求められる対応

企業は、自社の労働者を含めたステークホルダーに対して、人権リスクを評価し、そのリスクの高さに応じて対処・検証した情報の公開を行うよう求められます。
そのプロセスをデューデリジェンス(略:DD)と言います。これを経営システムに組み込みサスティナビリティとすることが重要です。

デューデリジェンス・プロセス及びこれを支える手段の説明図

事例から見る 企業と人権

ここからは、実際に企業の人権意識の低さが招いた事例を紹介します。どの事例も日本企業に関わりがあります。

某エンタメ企業の性加害

経営者が労働者に直接行った人権侵害の例です。
長年にわたり性加害を繰り返し多くの被害者が出ました。世界的にも批判を浴び、所属タレントの流失や多くの企業が所属タレントの自社CMや広告への起用契約を解消しました。
この起用契約の解消は、人権侵害を起こした企業と取引することは、人権侵害に荷担していると認識されることを避けた結果と言えます。

人種差別と労働環境が起こした暴動

日系自動車企業のインド工場で起こった人種差別の例です。
上司が労働者をカースト名で呼び、差別的発言や暴力的行為を行い、これに対し労働者が暴力を振るったことがきっかけです。
労働者は停職処分・上司は処分無しとなったため、組合側が労働者の処分の取り消しを求めましたが、企業側が拒否しました。
この対応に対して暴動が起こり、この工場は1か月以上の操業停止と死者まで出ています。
インドで根強い差別意識と階級格差を起因とした事例ですが、インド進出を検討する企業にとっては大きなハードルとなりえます。

設備管理を怠ったための自然破壊と人的被害

ナイジェリアでは、長年にわたり原油採掘が行われ、多くの採掘場と輸出用のパイプラインが設置されています。
設備の老朽化や事故により大量の原油の流出が起こり、広範囲の森林や田畑・居住地域が汚染され続けています。
国や石油会社の対応が後手に回り、地域住民の健康被害も生じており深刻な状況です。国や企業の、住民を守るという人権意識の低さが原因と言える事例で、住民が安心して暮らせるまでに、どれだけの時間がかかるのか想像もできません。

人権保護に向け法制化が進む

奴隷制や児童労働などの他にも、企業の人権意識の低さが生じさせた人権侵害の例を見てきました。
こうした現状を解消すべく、世界的には、人権保護に向けた法制化を進める国が増えました。
法制化された内容と、日本に及ぼす影響について詳しく見ていきましょう。

法制化を進める国々

以下は、法制化が進む国々の代表的な例です。
奴隷制の廃止やDDの義務化など自国の企業に対してだけでなく、関連する他国籍の企業へも対応を求めていることが特徴です。サプライチェーン上の一員であるという意識の表れだと言えます。

諸外国の主な人権関連法案
法令制定時期概要
イギリス現代奴隷法2015年対象:年間売上高が3600万ポンドを超える英国で活動する営利団体・企業(外国企業も対象)
義務:毎年度、自身の事業とサプライチェーン上で奴隷労働や人身取引の発生を防ぐために、当該年度に講じた方策を公表
フランス企業注意義務法2017年対象:従業員規模5000人以上のフランスに本社を置く企業、または事業所等がフランス国内にあり、国内外で従業員1万人以上を雇用する企業
義務:人権デューデリジェンスに関する計画書の作成と同計画書の実施
オーストラリア現代奴隷法2018年対象:欧州内で事業を行う企業等(外国企業も対象)で、その傘下にある事業体を含む年間収益1億ドル超の企業
義務:サプライチェーンとそのオペレーションにおける現代的な奴隷制度について調査し、リスク評価の方法とその軽減措置について毎年報告
オランダ児童労働注意義務法2019年 対象:オランダ市場に製品やサービスを提供・販売する全企業(外国企業も対象)
義務:児童労働を防止するために、適切なレベルのサプライチェーン上のデューデリジェンスを行ったことを示す、表明文を提出
ドイツサプライチェーン・デューデリジェンス法2021年 対象:2023年1月1日より従業員3000人以上のドイツ国内の企業(外国企業も対象)
義務:間接的な取引先も含め自社のサプライチェーンに関わる国内外すべての企業が、人権や環境をリスクにさらさないよう注意を課す

グローバル化により日本の受ける影響

奴隷制や児童労働などは、日本人にとって他国の話という印象をもつでしょうが、決してそうではありません。
世界各国と関係性をもちながら企業活動を行っている日本企業にとって、関係国の法律や意識の変化に敏感である必要があります。
先述したエンタメ企業の性加害事件は世界中から批判を浴びました。日本人の人権意識の低さが露見したと捉えられるのです。
さらにSDGsの観点からも、人権保護に対する意識を強くもち、企業活動を行う必要があります。

日本企業の課題と求められる取り組み

海外と取引のある企業は、大企業のみならず中小企業も人権保護の意識をもち対応に取り組む企業が多いです。
しかし、直接関係の無い企業はその重要性に気づいていない場合があります。直接的だけでなく、間接的に関係のある企業も視野に入れると、身近な問題になる可能性があります。
以下では、求められる取り組みについて見ていきましょう。

社内取り組み

社内では、まず労働者の人権を尊重することが重要です。適切な就労時間や賃金の支払い・ハラスメントの防止対策・救済窓口の設置や提案など、精神的にも身体的にも苦痛を受けずに働ける環境を整える必要があります。
さらに、日本で就労している外国籍の人々も増えています。性別やハラスメントのみではなく、国籍・人種・宗教などさまざまな人権への取り組みが必要と言えるでしょう。

ステークホルダーへの取り組み

ステークホルダーには、投資家や金融機関など資金提供に関わるなど、自社の利益に直結する人々が含まれます。ステークホルダーに対しては、ガバナンスの強化や迅速な情報開示などにより、継続的に信用を得る取り組みが求められます。これらは、環境や社会の持続可能性の確保を目的とするESG対策にもつながるでしょう。

サプライチェーンへの取り組み

商材の調達先や輸出入・運搬など流通過程・販売などに関わる人々へも、ステークホルダーと同様の責任を負う必要があります。さらに、相手側の人権侵害へも適切な対応が求められます。サプライチェーン上のDDをしっかり行うことで、自社およびステークホルダーの保護へもつながるでしょう。

ビジネスパーソンの取り組み

ビジネス活動の中で人権を尊重することは、企業の努力だけでは成しえません。そこで働く個々人が、それぞれに人権尊重の意識をもち、取り組みを行う必要があります。
パワハラや人種・宗教などへの配慮や対応は個人が率先してできる人権保護のひとつと言えます。
さらに、企業に所属する一員として広い視野をもつことも重要です。人権尊重はビジネスパーソンの心得のひとつと認識しましょう。

人権保護をビジネスに活かすために

国・企業・ビジネスパーソンがそれぞれ人権保護の意識をもって企業活動を行うことが重要です。かりに人権侵害が起こった場合も、速やかな情報公開と真摯な対応が望まれます。
地域によっては根強い人権侵害や差別が残るところもあります。グローバル社会で生きていくためには、それらの情報を収集し、適切な対応をすることが重要です。この記事に記載した人権保護の意識を参考に、ビジネスに活かしていきましょう。

まとめ

就活の際には、志望企業で自分ができること・やりたいことを優先して考えがちです。
しかし、これからは志望企業が掲げるコンプライアンス意識・ガバナンス・そして人権保護の意識を、自分のここと捉えられること・尊重できることも重要なポイントです。
IT化により、さらに世界は近くなり、企業活動における人権尊重はますます重要になっていくでしょう。

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労働分配率とは?志望企業選びに活用できる経済の知識を解説 https://www.seraku.co.jp/tectec-note/recruit/about_laborshare/ https://www.seraku.co.jp/tectec-note/recruit/about_laborshare/#respond Fri, 22 Dec 2023 08:16:23 +0000 https://www.seraku.co.jp/tectec-note/?p=22389 はじめに
  • 労働分配率とは企業の付加価値のうち人件費に充てられる割合を示したもの
  • 労働分配率を見ることで企業の労働環境や待遇などについて予測が可能
  • 労働分配率は高すぎても低すぎても企業にとって好ましいとはいえない
  • 日本の大企業では労働分配率が低い傾向にあり中小企業では高い傾向にある
  • 労働分配率などのデータを理解し広い視野をもって志望企業を選択しよう

就職活動において志望企業を検討する際は、社風や福利厚生など、あらゆる要素を視野に入れて考えるものです。この記事では、そうした要素のひとつ「給与」に関わりの深い指標、「労働分配率」について解説します。労働分配率を通して日本企業の現状を把握し、企業選びやキャリアプラン形成に新たな視点を加えてみましょう。

労働分配率の基礎知識

まずは、労働分配率にまつわる基本的な情報についてお伝えします。

労働分配率とは

労働分配率とは、企業が生み出した「付加価値(付加価値額)」のうち、どのくらいが人件費として分配されているかをパーセンテージで示したものです。企業の経済的な健全性や社会の公正性を評価する指標として用いられます。

以下が労働分配率を求める計算式です。

  • 労働分配率(%)=人件費÷付加価値×100

労働分配率が高いということは、企業が従業員の給与などに多くの金額を回していることになりますので、従業員の満足度が高く保たれている可能性があります。一見すると、労働分配率は高いほどいいように思えますが、そう単純なものではありません。詳細は後述しますが、労働分配率は高すぎず低すぎず、適正な水準に保たれていることが重要です。

付加価値とは

労働分配率を求める計算式のうち「付加価値」とは、企業が商品やサービスを生み出す過程で生じる価値のことです。企業の経済的な活力を示す指標であり、これが高いほど、企業は高い利益を上げているといえます。求め方には「控除法」と「加算法」があり、一般的に控除法は中小企業向け、加算法は大企業向けとされています。

控除法は企業の売上高から「外部購入価格」を差し引くものです。外部購入価格とは「企業の活動ではなく、外部から購入した価格」で、原材料費・水道光熱費・外注加工費・運送費などが該当します。

加算法は、製造過程を経ることで付加価値が積み上がる形の計算方法で、人件費や税金、賃貸料などの経費を当期純利益に足すことで付加価値を求めます。

人件費とは

労働分配率を求める計算式のうち「人件費」とは、従業員に対して支払われる給与や賞与、福利厚生費などの合計金額のことです。労働分配率を計算する際は、人件費がどれだけ付加価値に占めるかを見ることになります。

人件費に該当するものとしては、おもに以下が挙げられます。

  • 給与
  • 賞与
  • 退職金
  • 役員報酬
  • アルバイト/パートの給与
  • 社会保険料
  • 福利厚生費
  • 研修教育費

労働分配率の読み解き方

ここからは、労働分配率によって何がわかるのか、その読み解き方を解説します。

労働分配率で何がわかる?

労働分配率は企業の経済状況を理解するための重要な指標です。企業がどれだけの付加価値を労働者に還元しているかを見ることで、企業の労働環境や待遇、働きがいについてある程度予測を立てることが可能です。しかし先述の通り、労働分配率は高ければいいというものではありません。以下より、労働分配率が高い状態と低い状態について考えていきます。

労働分配率が高い状態

労働分配率が高い企業、すなわち付加価値に対する従業員報酬の割合が高い企業は、労働条件が比較的良好とされます。従業員の満足度やモチベーションが高く保たれ、将来的には企業自体の成長や収益の向上にもつながるかもしれません。また、労働分配率の高さは、離職率の減少や優秀な人材の確保にも寄与するでしょう。

その反面、人件費の割合が高いということは、設備投資など人材以外の要素に費用が回っていないとも取れます。結果として生産性が下がり、利益の確保が難しくなっていることもあり得ます。

労働分配率が低い状態

一方、労働分配率が低い企業は、経営に余裕があるものの、人件費が少ないために従業員のモチベーションが低下しているかもしれません。労働分配率が低い企業とは、付加価値のうち労働者への報酬に回す割合が少ない企業を指します。これは企業が利益を重視し、コスト削減による効率化を目指す傾向がある可能性を示しています。

ただし、労働分配率が低いからといって必ずしも労働環境がよくないとは限りません。人件費が低いぶん、設備投資や研究開発に費用を充てているケースも考えられます。

労働分配率に見る日本企業の現状

ここからは、日本企業における労働分配率の現状を実際に見てみましょう。

企業規模別の労働分配率

上記は中小企業庁による、労働分配率の推移を企業規模別に示したグラフです。これを見ると、中小企業では労働分配率が長年にわたって高止まりしており、また大企業ほど低下する傾向がないことがわかります。対して、大企業の労働分配率は中小企業と比べると低い水準で推移しています。

大企業と労働分配率の関係

日本の大企業の労働分配率は比較的低い傾向にあります。大企業では株を保有している株主への配当や、設備投資・研究開発などに多くの資源を投じる必要があることが理由のひとつです。

さらに昨今のコロナ禍を経て、「内部留保」も増加傾向にあります。内部留保とは、企業の利益から税金や配当などを差し引いたもので、社内に貯めておくお金のことです。今後、コロナ禍のような事態がまた起きないとは限りません。そのため、大企業では内部留保の割合が増え、労働者の賃金に回される余裕が少なくなっているのです。とはいえ、大企業の賃上げ率は2023年に高い水準となり、これからも給与アップが進む可能性はあるでしょう。

中小企業と労働分配率の関係

中小企業の労働分配率は業種や経営状況により変動があるものの、大企業と比較すると高い傾向にあります。そもそも中小企業では分母となる利益の水準が低いことと、従業員への報酬によって人材の確保・育成に力を入れる傾向が強いためです。

中小企業では経営資源が限られているため、利益が伸びても直接的な賃上げにつながるとは限らないとも考えられます。ただし、社員一人ひとりの企業への貢献度が高いため、業績が良好な場合には、大企業以上に高い労働分配率を示すこともあります。

まとめ

労働分配率は高くても低くてもいいわけではなく、また企業の経済状況をひも解くには規模・業種をはじめ、さまざまな要素を考慮しなければなりません。大企業だから安泰ではなく、中小でも元気な企業は多く存在します。企業研究の際には表面にとらわれず、広い視野をもって行うことが大切なのです。

労働分配率の背景にある、企業の経営方針や従業員への取り組みを読み取ることで、自身の働きたい環境や求める待遇が見えてきます。データへの理解を深め、経済の流れを把握し、就活に活かしてみてはいかがでしょうか。

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長期金利とは?金利変動がビジネスや就活に与える影響  https://www.seraku.co.jp/tectec-note/recruit/recruit_interestrate/ https://www.seraku.co.jp/tectec-note/recruit/recruit_interestrate/#respond Wed, 20 Dec 2023 02:02:00 +0000 https://www.seraku.co.jp/tectec-note/?p=22154 はじめに
  • 長期金利とは金銭の貸し借りが1年以上になる場合に適用される金利
  • 2023年10月、日本銀行はYCCの修正を決定した
  • YCCの影響で今後は銀行預金の金利や住宅ローンの金利などが上がる見通し
  • 金利が上がると経営面で大きな打撃を受ける企業もある
  • 企業の経営が傾くと従業員の給料や雇用にも影響があるかもしれない

金利と景気は密接な関係にあります。長期金利は景気がよくなれば高くなり、悪くなれば低くなる傾向にあるため、「経済の体温計」ともいわれています。不景気になれば就活に影響すると考える方も多いでしょう。今回は、金利の基礎知識や金利変動で起こり得る影響を解説します。

金利とは?

一般的に金利とは、借りたり貸したり(預けたり)したお金に対して発生する利息の割合のことです。たとえば、100万円を借りて金利が10%の場合、返済時には100万円+10%(10万円)を払うことになります。また、銀行に100万円を預けて2000円の利息がついた場合の金利は0.002%となります。
金利が上昇するのは資金需要の高まる景気のよいときです。一方で、不景気になると商品・サービスなどを売れない企業が経済活動を抑制するため、金利は低下します。下記の表のようにお金を貸す側と借りる側の需給関係によって変動するのが金利です。

借りる側(個人・企業)貸す側(金融機関)金利
需供増お金を借りたい個人(企業)が増える貸したいがお金が足りなくなる上がる
需供減お金を借りたい個人(企業)が減る貸したいがお金を借りてもらえない下がる

長期金利と短期金利の違い

金利は長期金利と短期金利に大別されますので、具体的にご紹介します。

長期金利とは?

長期金利とはお金の貸し借りをする期間が1年以上になる場合に適用される金利のことです。経済ニュースで長期金利という言葉が出てきた場合は、10年物国債(債務の返済期限が10年の国債)の金利を指します。
国債とは政府が金銭を借りるために発行する借用書です。政府が公共事業や公共サービスを行う上で資金不足のときに、「機関投資家」と呼ばれる銀行や保険会社・証券会社などから国債を発行して借り入れます。
また、10年物国債は10年物国債利回りと同義語です。国債は債券市場で売買されており、価格変動と共に利回りも変動します。
利回りとは国債の満期時に得られる利息だけでなく、売却したときに得られる利益も含まれており、投資金額に対する収益の割合を指します。

短期金利とは?

短期金利とは、1年未満の金銭の貸し借りにおいて適用される金利です。短期金利は市場でのお金の流通量や需給バランスで上がったり下がったりします。
たとえば、多くの人がお金を借りた場合、資金を融通し合うためにも短期金利は上昇します。
一方で、上昇しすぎた場合は日本銀行がお金を市場に供給して金利を抑えるという仕組みです。

これまでの日銀の金融政策

これまで、景気を回復させるために日銀が取ってきた金融政策をご紹介します。

金融緩和政策

2016年に日本銀行は、金融緩和政策の一環でイールドカーブ・コントロール(長短金利操作・YCC)を導入しました。
YCC導入の目的は、短期で政策金利、長期で国債の金利を操作して景気を回復させることです。具体的にはイールドカーブ全体の操作や国債の利回りに関する調整をします。
日本銀行が民間銀行から国債をたくさん買うことで、国債の価格が上昇します。
すると、民間銀行側は当初よりも儲けが出るでしょう。民間銀行にお金が増えると今度は安い金利で企業に資金を供給できると考えました。さらに、日本銀行は、民間銀行が積極的に企業にお金を貸し出すように「マイナス金利政策」を打ち出しました。

金融緩和政策の結果

マイナス金利政策とは、「民間銀行が日本銀行にお金を預けたままにしておくと利息をマイナスにする」というものです。しかし、金利収入で儲けていた銀行や保険会社などの業績悪化が目立つようになりました。
そこで、「長期金利に関してはゼロ%程度にとどめる」という別の政策も始めましたが、いくら日本銀行がお金を増やしても返せるあてがなければ企業は借りません。結局、景気は回復せず、日本銀行の目論見は外れてしまいました。

2023年10月に修正された金融政策

2023年10月に日本銀行は長期金利の引き上げを発表しました。背景には何があったのでしょうか。以下から詳しくご説明します。

イールドカーブ・コントロールの修正

2023年10月31日、金融政策決定会合において日本銀行はイールドカーブ・コントロールの修正を決定しました。「年1.0%が上限」としていた長期金利を今後は「年1.0%を目途にする」とあらためて、「1.0%」を超すことも一定程度容認するとしました。
長期金利引き上げの一因には円安があります。近年、日本は円安が続いており円の価値が下がっています。今まで通り、日本銀行が国債を買っていると市場に多くのお金が出回り、円の価値が下がってさらに円安を加速させる恐れがあるためです。

長期金利上昇で個人と企業に起こる変化

以下から、長期金利の上昇で個人と企業に起こる変化をご説明します。

金利が上がることで個人が受ける影響

金利が上昇すると、私たちの生活も変わります。身近な例を出すと銀行預金の金利や住宅ローンの金利などが上がるでしょう。お金は預けやすくなる一方で、借りにくくなるとも言えます。また、外国との金利差が縮まれば円安から円高にシフトして食料品・日用品などが安くなるとも考えられます。

金利が上がることで企業が受ける影響

金融機関からお金を借り入れる際の利率も上がるため、企業の支払利息の増加や利益減少につながる恐れがあります。支払利息が増加すると設備のコストを見なおす企業も増えるかもしれません。
たとえば、高額の機械や製品などを長期的に導入している企業は長期金利がかかりますので、機械や製品を卸している企業の受注が減ることにつながりかねないでしょう。
また、数年にわたって債務の利払いすらままならない、破綻寸前の企業もあります。これまでは、政府や銀行などの支援で存続できていましたが、金利が上がると大きな打撃を受ける可能性もあります。
そうなると、従業員の給料が減らされたり解雇されたりする可能性もあるかもしれません。

まとめ

銀行が金利を下げても返せるあてがなければ企業はお金を借りません。
一方で、金利が上がると借りにくくなったり、存続が危ぶまれたりする企業もあります。
みなさんも、長期金利が上がると自分の志望する業界や自分自身にどのような影響を与えるのか今一度考えてみてください。

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ウェルビーイングとは?その重要性とメリットを解説 https://www.seraku.co.jp/tectec-note/industry/wellbeing/ https://www.seraku.co.jp/tectec-note/industry/wellbeing/#respond Wed, 22 Mar 2023 08:27:24 +0000 https://www.seraku.co.jp/tectec-note/?p=14922 はじめに

昨今、健康や幸福を指すウェルビーイングという言葉に注目が集まり、耳にする機会も増えているのではないでしょうか? 取り入れたいと考えつつも、具体的な方法がつかめないなど、疑問もあるかと思われます。本記事ではウェルビーイングとは何であり、どのような取り組みがあるのかを、詳しく解説します。これを機に、ぜひウェルビーイングを身近なものとしてください。

ウェルビーイングとは

ウェルビーイングとは

ウェルビーイング(well-being)とは、身体的・精神的・社会的に満たされた良好な状態にあることを意味する概念で、広い意味での健康や幸福を指す言葉です。初出は1946年、WHO(世界保健機関)の設立に際して、その憲章の中で述べられました。

またウェルビーイングは全体的に良好な状態を指している点から、一時的・瞬間的ではなく、良好な状態を維持できることに、その特徴があります。

ウェルビーイングの類義語

ウェルビーイングは直訳すると、よい状態です。概念的な言葉のため、広い意味での健康や幸福を指しており、似た言葉も数多く存在しています。以下では、ウェルビーイングについて考える際、近い意味で聞くことの多い言葉を簡単に解説します。

類義語の一覧

ウェルビーイングの類語意味
ウェルネス
(wellness)
よりよく生きようとする生活態度
(ウェルビーイングに含まれる要素)
ウェルフェア
(welfare)
福祉や福利厚生
(ウェルビーイングを達成する手段)
クオリティ オブ ライフ
(Quality of life=QOL)
人生や生活の質
(ウェルビーイングを達成する手段)
ウェルビーイング経営パーパスにウェルビーイングを取り入れた経営、
パーパス経営の一形態
パーパス経営
(パーパスとは)
パーパスを理念に掲げた経営
(パーパスとは企業が重んじる価値観のこと)

ウェルビーイングを達成すべき目的と考えると、ウェルネスはウェルビーイングに含まれる要素であり、ウェルフェアやQOLはウェルビーイング達成の手段と言えるでしょう。

SDG’sとの関わり

2015年に国連で定められた持続可能な開発目標であるSDG’sには、17のゴールが設定されました。その目標の1つであるゴール3「すべての人に健康と福祉を(Good Health and Well-being)」の中では、まさにウェルビーイングが目標として設定されました。

ウェルビーイングは現在も世界中の国や機関で研究されており、その注目度も上がっています。日本でも内閣府、厚生労働省、文部科学省らがウェルビーイングに関する取り組みに力を入れており、各地方でも多様な取り組みが行われています。参考として、下記は内閣府と富山県の取り組み事例です。

日本政府の取り組み事例として、内閣府ではウェルビーイングを経済財政政策に位置付けています。政府の政策運営に活かすため、国民の生活品質や満足度に関する調査や、関係府省庁と連携するための連絡会議を設置しています。

参考:内閣府|Well-beingに関する取組

地方自治体の取り組み事例として、富山県ではウェルビーイングを成長戦略の中心に位置付けています。十人十色の幸せの実感をスローガンにウェルビーイングへの理解を呼び掛け、県民生活に寄り添った指標づくりを行っています。

参考:富山県|ウェルビーイングの推進

ウェルビーイングが注目された背景

ウェルビーイングが注目された背景

ウェルビーイングは現在、国連をはじめ、さまざまな国や機関、日本の官公庁も取り上げるほど注目されています。ここではウェルビーイングが注目された背景4つを紹介します。

多様性の拡大

昨今の社会では多様な価値観や背景を持つ人材が増え、その能力を最大限に発揮するための取り組みが、重要課題となりました。このため企業経営においても、従業員の多様性に対応するため、環境整備の重要性が高まっています。

ウェルビーイングはその解決策として、従業員エンゲージメントと幸福感を向上させるとともに、企業の競争力を高め、イノベーションを生みやすい環境につながります。

少子高齢化による人材不足

国内では少子高齢化が加速し、将来的に深刻な人材不足に陥ることが予測されています。終身雇用の維持が難しくなり、若者を中心に価値観に合う組織を求めて転職することが一般化しました。企業においても、事業に貢献する人材の確保や定着は、大きな課題といえるでしょう。

企業は利益だけでなく、幸福を追求する姿勢として、産休や育休、介護への理解なども明確にする必要があります。ウェルビーイングへの取り組みによって、従業員やその家族を大切にする姿勢は、企業に対する従業員エンゲージメントを向上させ、従業員の定着につなげられます。

働き方改革や新型コロナの影響

2019年から始まった働き方改革では、残業時間の規制や産業医の導入、同一労働・同一賃金の適用などが定められました。また2020年に起こった新型コロナウイルス感染症の拡大は、行動自粛によるリモートワークの拡大をはじめ、社会生活や働き方を大きく変えるきっかけになりました。

これらの影響に対応するため、企業はテレワークや副業、従業員の子育てや介護への理解など、健康でやりがいを持って働くための対応が求められています。そして、これらを実現する解決策として、ウェルビーイングに対する注目が高まっているのです。

ムーンショット型研究開発制度

ムーンショット型研究開発制度は、人々の幸福(Human Well-being)に向けた、破壊的イノベーションの創出を目指す挑戦的な開発制度です。この制度では人々の幸福に向けて、さまざまな社会課題の解決を目指し、社会・環境・経済の3領域から9つの目標を設定しています。いずれもムーンショットと言える、革新的な研究開発を推進する国家の大型研究プログラムです。

人々の幸福に向けたムーンショット目標
目標1身体、脳、空間、時間の制約からの解放
目標2疾患の超早期予測・予防
目標3自ら学習・行動し人と共生するAIロボット
目標4地球環境の再生
目標52050年の食と農
目標6誤り耐性型汎用量子コンピュータ
目標7健康不安なく100歳まで
目標8気象制御による極端風水害の軽減
目標9こころの安らぎや活力を増大

参考:内閣府|ムーンショット型研究開発制度

セラクもITの分野から、ムーンショット型の研究開発としてバイタルプログラムと、みどりクラウドに取り組んでいます。以下にそれぞれを紹介します。

バイタルプログラムは、予防医療と健康維持を目的としており、簡単な健康アンケートを実施することで、個人と組織のメンタルヘルスを可視化できるツールです。セラクの従業員の多くはITエンジニアであり、顧客先でIT支援に取り組む従業員やリモートワーク従事者も多く、その心理的ストレスや、健康リスクに関わる本質的な課題を解決するために誕生しました。

参考:株式会社セラク|バイタルプログラム

みどりクラウドは、セラクが考えるスマート農業として「農業にITの勝つ力」をもたらし、総合的にサポートすることで生産者を支え、農業を強くするために開発されました。IoTの効果的な利活用をはじめ、生産者と実需者をつなぐサポートや、気象・市況・農薬情報の把握に役立つ営農支援サービスなどが、研究開発チームによって進められています。

参考:株式会社セラク|みどりクラウド

ウェルビーイングの要素や指標

ウェルビーイングの要素や指標

ここまでに、ウェルビーイングが広い意味での健康と幸福を指す言葉であると解説してきました。それでは、人はどのようなときに幸福を感じるのでしょうか? 以下ではウェルビーイングを実現・向上するために必要な要素や指標、考え方について触れていきます。

ギャラップ社の調査

ウェルビーイングに関する有名な調査の1つが、アメリカの世論調査研究所であるギャラップ社による調査です。世界的な調査やコンサルティングを行うギャラップ社は、毎年発表される世界幸福度調査にもデータを提供しており、ウェルビーイングを形成する5つの要素を示しています。この要素については以下の項目でより詳しく触れていきます。

ウェルビーイングを形成する5つの要素

ギャラップ社が示したウェルビーイングの形成要素を高めることで、ウェルビーイングを向上し、より充実した内容にできます。以下の表で、この5つの要素について解説します。

ウェルビーイングの5つの要素意味
キャリアウェルビーイング
(Career Well-being)
キャリアに対する納得感
仕事の経歴や役職のほか、家事や育児、ボランティア活動や趣味など
ソーシャルウェルビーイング
(Social Well-being)
社会生活の充実
家族や友人、同僚や上司などと社会生活上で良好な関係を結べているか
フィナンシャルウェルビーイング
(Financial Well-being)
経済的な健康
安定した収入や資産があるかなど
フィジカルウェルビーイング
(Physical Well-being)
心身の健康
身体的な健康や日々の前向きな気持ち、仕事に感じるやりがいなど
コミュニティウェルビーイング
(Community Well-being)
地域との適切な関わり
家族や友人、学校や会社など、自分が属するコミュニティと良好な関係を結べているか

ポジティブ心理学

ポジティブ心理学は、何が人生を価値あるものにするかについて、科学的に研究する学問です。その研究では個人の幸福と、組織・社会の幸福の双方に焦点を当てています。

またポジティブ心理学は科学的な研究で、エビデンスの活用を重要視しており、幸福やウェルビーイングを「PERMA(パーマ)」という尺度で測る特徴があります。

PERMA理論

PERMA理論では幸せを向上させ、不安・うつ・ストレスを減らすためのアプローチとして、ウェルビーイングの向上に関与する5つの指標を、以下のように定義しています。

PERMA理論の5項目意味
ポジティブエモーション
(Positive emotion)
前向きでポジティブな感情
うれしい・おもしろい・楽しい・感動・感激・感謝・希望など
エンゲージメント
(Engagement)
物事への没頭
仕事や趣味など、時間を忘れて集中し、積極的に関わっている状態
リレーションシップ
(Relationship)
他者との良好な関係
他者からの援助や、自分が誰かを助けたりするなど
ミーニング
(Meaning)
生きる意味や意義の自覚
自分は何のために生きているかの自覚、生きがいを持っているかなど
アカンプリッシュメント
(Accomplishment)
物事の達成感
仕事やプライベートの課題達成や、成功の喜びなど

フロー理論

フロー理論とは、高度なレベルの集中により、技術を習得し、成長させていく過程を理論化させたものです。一流のアーティストやアスリートが、どのような場面で幸福を感じるか追及する過程で、フローの状態が発見されました。

このフロー状態とは、我を忘れて物事に没頭する状態です。いわゆる「ゾーン」のことを指しており、非常に集中した状態と言えます。図解のように自らが持つ技術で、達成を目指せる高さの難易度に挑戦している時に、入りやすい状態であると判明しています。

フロー理論の説明図

フローの種類

フロー状態には、エンターテイメントや芸術鑑賞などに夢中になる受動フローや、仕事や趣味に没頭する能動フロー、また長さによる違いもあります。このフローの種類を以下の表にまとめました。いずれも人が幸福を感じる状態としてウェルビーイングと密接な関係があります。

フロー状態の種類
受動フロー受動的な行動から発生するフロー状態
テレビやラジオ、コンサートや映画など(受動的な没頭)
能動フロー能動的な行動から発生するフロー状態
仕事や勉強、スポーツやトレーニングなど(能動的な没頭)
マイクロフローごく短いフロー状態
歌唱や演奏、楽しい会話など(一時的な集中)
ディープフロー長く深いフロー状態
勉強や仕事、読書や映画など(仕事や趣味への没頭)

企業がウェルビーイングを導入するメリット

企業がウェルビーイングを導入するメリット

ウェルビーイングを導入することで、企業経営の面でも多くのメリットが得られます。ここでは、ウェルビーイングによる経営面でのメリットについて解説します。

生産性や創造性の向上

近年の心理学研究を通じて、やりがいや幸福感を持って働く人は、そうでない人より生産性や創造性が高いと判明しました。つまりウェルビーイングによる従業員の健康と社会的な充実は、企業における生産性や創造性を向上させるメリットにつながります。

多くの企業がウェルビーイングに取り組む理由はそこにあります。もちろん、ウェルビーイングだけでは達成できませんが、大きな要素であることは確かです。そのため企業活動にウェルビーイングを取り入れることは、価値のある取り組みと言えます。

従業員エンゲージメントの向上や離職率の低下

ウェルビーイングへの取り組みは、従業員個々人の健康のみならず、仕事のやりがいや働きやすさといった、ワークエンゲージメントにつながることも重要なポイントです。その取り組みの継続は、愛社精神や貢献意識といった従業員エンゲージメントの向上にもつながります。従業員エンゲージメントの高い企業は、長期に渡って活躍できる人材を確保できるでしょう。

このようにウェルビーイングの向上に取り組み続けることによって、企業は重要な資産と言える、経験ある人材を確保でき、離職率の低い環境を実現できます。

企業価値の向上と人材確保

企業がウェルビーイングに取り組むことで、必然的に長期に渡って活躍する人材が増えていきます。そのような企業では、従業員の家庭や健康の問題と、仕事の両立が大きな課題となるでしょう。しかし、ウェルビーイングの向上は、それらの解決にも寄与できます。

この姿勢は、従業員を大切にする企業というブランド力を生み出し、企業価値も高めます。またその企業価値は、新規の人材確保においても大きな要素となるでしょう。

ウェルビーイングを導入する際の注意点

ウェルビーイングを導入する際の注意点

ポジティブな内容の多いウェルビーイングですが、推進するためには注意すべき点もあります。社員の幸福と企業の利益が相反してしまうケースです。ウェルビーイングは推進することで長期的なメリットを得られますが、短期的には投資も必要となるため、利益を逃す可能性もあります。

そもそも企業が利益を上げられなければ、従業員を幸福にすることは難しいでしょう。利益を出すための活動と上手くバランスを取りながら、従業員やステークホルダーにとっての幸福を、追求していくことが大切です。

ウェルビーイングの推進や取り組みの事例

ウェルビーイングの推進や取り組みの事例

ウェルビーイングが注目され、推進される中で、新たに生み出されて耳にする言葉や取り組みも増えました。ここでは広く聞かれるようになった言葉や取り組みとして、健康経営とデジタルウェルビーイングについて解説します。

健康経営

健康経営とは、従業員等の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に実践する経営形態であり、要約すると健康こそが会社と社会の原動力と考える経営形態です。政府が定める成長戦略のひとつであり、経済産業省の推奨によって広く知られる言葉になりました。

参考:経済産業省|健康経営

政府や地方自治体の取り組み

ここでは健康経営の推進と取り組みの事例として、経済産業省の健康経営銘柄と、東京都の職域健康促進サポート事業を紹介します。

健康経営銘柄は、日本政府による国民の健康寿命の延伸に関する取り組みの1つとして、東京証券取引所の上場会社の中から健康経営に優れた企業を選定・紹介する制度です。

参考:経済産業省|健康経営銘柄

職域健康促進サポート事業は、東京都による健康経営推進を目的とした、東京商工会議所と連携した取り組みです。従業員の健康に配慮した経営の実施に向けた具体的な取り組みの支援が行われています。

参考:東京都福祉保健局|職域健康促進サポート事業

デジタルウェルビーイング

デジタルウェルビーイングは、心身共に健康で満たされた状態を指すウェルビーイングに、デジタルを加えた言葉です。デジタル機器への依存を防止し、適切な距離を保ちながら幸福を実現しようとする概念を指します。2018年のイベントをきっかけに、Googleによって提唱されました。

GoogleやAppleの取り組み

昨今の情報化社会は、インターネットやデジタル機器の発達で便利になった一方、スマホ依存やSNS疲れといった問題も生まれました。これらを防止するため、GoogleはAndroid OS9からDigital Wellbeingを、AppleもiOS12からスクリーンタイム、iOS15から集中モードを導入しました。これらは現在、デジタル機器との適度な距離を保つためのツールとして、OSに標準搭載されています。

まとめ

ウェルビーイングは健康や幸福を生み出し継続する取り組みであると同時に、SDG’sや拡大する多様性に対応するための重要な考え方です。企業経営でもウェルビーイングに取り組むことで、創造性や生産性を向上させるほか、離職率の低下や新規人材の確保など、さまざまなメリットが得られます。現在では、ウェルビーイングを向上させる多くの要素や指標が発見され、政府や地方自治体でも多くの取り組みが行われています。

このように、ウェルビーイングによって得られる健康と幸福は誰にとっても大切なものですが、その形は人それぞれのため決まった形はありません。取り組む人たちそれぞれが、ウェルビーイングの大切さを理解するとともに、自分にとって最善といえるウェルビーイングの形を理解することが大切です。

最後のチェックポイント

  • ウェルビーイングとは広い意味での健康や幸福
  • SDG’sや多様性の拡大を背景に注目度が高まった
  • ウェルビーイングを推進する取り組みも数多く存在する
  • 企業経営においてもウェルビーイングは多くのメリットをもたらす
  • ウェルビーイングが利益と相反しないような注意が必要
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リカレント教育とは?知識をアップデートさせる学び直し! https://www.seraku.co.jp/tectec-note/industry/recurrent-education/ https://www.seraku.co.jp/tectec-note/industry/recurrent-education/#respond Fri, 17 Mar 2023 06:53:59 +0000 https://www.seraku.co.jp/tectec-note/?p=14874 はじめに

リカレント教育をご存知でしょうか? 知識を常に最新版にアップデートする学び直しと就労をサイクルのように繰り返すことを指します。そのメリットや課題は何かを徹底的に解説します。また、国の補助金制度や、リカレント教育で何を学んだらいいのか分からない方のために、英語の学び直しを例に詳しく解説します。技術革新の中、急速な時代の変化の波に乗り遅れないよう共に学んで参りましょう。

リカレント教育とは

リカレント教育とは

リカレント教育とは、学校教育を終えて就労しているビジネスパーソンに向けて提唱された概念です。具体的には、フルタイムの就労と就学を繰り返すサイクルを指します。ただし日本では、働きながらの学び直しも指します。ITなどの急速な技術革新に伴い、今までの常識だけでは通用しない時代に突入しました。そのため、個人個人においても、常に知識のアップデートを意識しなければなりません。終身雇用の時代は過去のものになりました。自身のスキルアップが次への大きなステップアップにつながるでしょう。

リカレント教育と生涯学習との違い

リカレント教育と生涯学習との違いは、目的とその範囲でしょう。リカレント教育は仕事に必要なスキルを獲得するために学習するものです。それに対して生涯学習はスポーツ・ボランティア・趣味など仕事と関係のないスキルまで磨き、生きがいを得るために学習することを目的としています。いわばリカレント教育より、生涯学習の方が広義の概念であると言えるでしょう。リカレント教育は、生涯学習の1つの形態と言えます。

リカレント教育とリスキリングとの違い

リカレント教育とリスキリングとの違いは、リカレント教育が自発的に教育を受けるのに対して、リスキリングは企業が戦略的に社員に業務上必要なスキルを獲得させることを指します。また、リカレント教育がフルタイムの就労と就学の繰り返しに対して、リスキリングは働きながら学ぶというニュアンスが強いでしょう。さらにリスキリングは転職というよりは、自社のために必要なスキルを自社で補うという側面があります。

リカレント教育のメリット

リカレント教育のメリット

リカレント教育のメリットは、時代の急速な変化に対応し、自身の知識をアップデートできることです。フルタイムの就労・就学を交互に繰り返して、常に知識を最新版にアップデートし、企業の競争力を高めることも可能になるでしょう。また高い給与水準にある職種について学び資格などを取得すれば、収入増になり、モチベーションのアップにもつながります。さらに、キャリアの選択肢も広がるでしょう。

リカレント教育の個人のメリット

リカレント教育の個人のメリットは、仕事上のスキルアップやキャリアアップを目的とした学びと就労を繰り返す結果、より好条件で次の仕事を得られることがあります。たとえば収入が増え、即戦力として活躍できることなどがあげられるでしょう。また、パソコンスキルなどの習得をすることで、テレワークなどの多様な働き方ができるようになります。このように時代の流れに合わせた働き方や職種選びも可能でしょう。

需要のある高給な職種に就ける

昨今のデジタル技術の急速な普及と発展のため、IT業界が広がりを見せています。とくにIT系技術職・経営・経営企画・商品開発・営業推進・営業企画・研究・企画・マーケティング・クリエイティブ職などが、需要が高いです。これらの職種への転職には、高度な技術・資格が必要とされますが、給与も高い水準にあります。人材不足も相まって、リカレント教育を受ければ、これらの業種に必要な資格の勉強もできるでしょう。

AIに置き換わる業務から脱却できる

リカレント教育を受けることで、将来機械化できない業務に携われるようになれる選択肢が増えます。AIは、創造性のある業務・コミュニケーションを必要とする業務・マニュアル化できない想定外のことが起こり得る業務などには、向いていません。これらAIが苦手な業務に関する資格を勉強し、取得することで、将来的に業務が無くなる心配をしなくてすむ可能性があります。AIと競争でなく、共存できる職種の勉強をすることで、これからの時代を勝ち残れるかもしれません。

職場で即戦力になれる

リカレント教育を受けると、職場で即戦力として働けるようになります。企業は即戦力の人材を、必要なスキルの有無・目標の有無・向上心の有無で見分けています。とくに就業先での必要なスキルは、働くうえで重要でしょう。また、リカレント教育などで培う学び直す習慣は、企業に向上心をアピールすることにつながりやすいです。さらに、学びがあれば、必然的に目標をもつことにもつながりやすいでしょう。

職務経歴にブランクがあっても就職・復職しやすい

以前行っていた業務でも、ブランク中に仕事内容がアップデートしている可能性があります。また就職氷河期世代のように働きたくても働けなかったブランクがあっても、リカレント教育を受けることで、第二新卒のような形で就職を勝ち取ることもあり得るでしょう。リカレント教育を受けて、○○の資格を取得できましたなどのアピール材料が増えて、就職・転職活動をスムーズに進められます。

キャリアの選択肢が広がる

リカレント教育を受けることで、幅広い知識を取得できます。企業が倒産した時や、新たな分野の職種を探す時に、有利に働くでしょう。汎用性の高いスキルを身につけて、どの業界に行っても使えるスキルの取得が一つのおススメです。終身雇用でなくなった現在、個人で先々のことを見据えて、積極的にリカレント教育を受けるといいでしょう。自分のキャリアは、自分で守り築く時代に入っていると言えるかもしれません。

リカレント教育の企業のメリット

リカレント教育の企業のメリットは、業務を効率化できたり、生産性が高まったりすることでしょう。また、複数のスキルを身につけた人材が社内にいることによって、人員の配置転換などにより人手不足を解消できる可能性が広がります。常にリカレント教育を受けた人を社内に取り込むことによって、新しい価値観を社内に持ち込め、企業は活性化するでしょう。それによって、企業間の競争力も高まります。

リカレント教育で企業ができること

リカレント教育で企業ができること

リカレント教育で企業ができることは、費用対効果が出るまで、辛抱強く待つことでしょう。リカレント教育に対して懐疑的になり、従業員への学費のサポートや長期教育休暇制度の整備をためらってしまうと、リカレント教育の恩恵を受けることは難しくなります。お金の問題と時間の問題は、個人で解決するには限界があるため、企業のサポート体制は重要になってくるでしょう。また、新人への教育より、既存の社員を再教育したほうが効率良く、リスクも軽減できるメリットもあります。

従業員への学費サポートが必要

時間の捻出とともに課題なのが、従業員への学費サポートの問題でしょう。リカレント教育は、目に見える形で成果が現れるまでに時間を要します。しかし後々大きな成果が現れることを考えて、従業員への学費サポートは大きな先行投資と考えてみてはいかがでしょうか。いかに人材を確保するかを考えた時、リカレント教育のメリットは企業にも将来的に大きいはずです。目先の利益にこだわらず、長い目で見て判断しましょう。

労働環境整備が必要

従業員がリカレント教育を受けられる時間を確保できるように、制度を整える必要があります。時短勤務・フレックスタイム制度・就業時間内での学習や、長期教育休暇制度などの労働環境の整備が大切でしょう。なかでも長期教育休暇制度のように、欧米などのような本来のリカレント教育の在り方を体現している企業は、日本ではまだ希少です。もしかしたらこれは、企業の努力だけではなく、国をあげての労働環境整備が必要なのかもしれません。

リカレント教育の課題点

リカレント教育の課題点

リカレント教育における課題点は、まず周囲の理解が得られにくいことがあげられるでしょう。そもそも日本では、長期休暇制度が充実している企業はまれです。また、採用の際は、実務経験で培ったスキルが優遇されます。さらに、個人だけでは、金銭面の負担も小さくないでしょう。なおリカレント教育を受けられる教育機関は増えていますが、カリキュラムの選択肢の幅は、まだ広いとは言えないなどの課題点もあるようです。

リカレント教育の個人の課題点

リカレント教育における個人の課題点は、まず自身のキャリア形成を考えて、何を学ぶか目的をはっきりさせることです。目的が明確になったら、家族や職場の理解を得なければなりません。また、育児や介護などをしなければならない家庭環境の場合は、時間の捻出も大変です。さらに、リカレント教育を受けたからといって、実務経験で勝る人に勝てるだけの付加価値がなくては競争に勝つことは難しくなるでしょう。

以下の画像は従来型の人生モデルとリカレント教育を取り入れた人生モデルのイメージです。これを踏まえて、学び直しで生じる課題を見ていきましょう。

従来型の人生モデルとリカレント教育を取り入れた人生モデルのイメージ

フルタイムの長期学習への周囲の理解を得られにくい

大学への再入学などをすれば、長期的に休職をしなくてはならないこともあるでしょう。その場合、職場や家族の理解が必要になります。しかし日本の企業で、長期教育休暇制度を実施している企業は、まだ希少でしょう。このように長期的な勉強時間の確保と、金銭的負担の心配が出てきます。この場合、まだまれですが、積極的にリカレント教育を推進している企業に転職することが望ましいでしょう。

学んだことへの正当な評価が得られにくい

新卒採用と違い、中途採用の場合、日本の企業は実務経験を重要視しています。リカレント教育で得た知識を付加価値にしなくては、他の求職者と差をつけられません。資格必須の仕事の資格を取得しながら、前職の実務経験を活かせるよう、計画的にリカレント教育を受ける必要があるでしょう。必ずしも資格だけあれば、スムーズに再就職を勝ち取れるとは限りません。リカレント教育をプラス要素にして、付加価値をつけましょう。

何を学ぶか選択が難しい

復職後のキャリア形成を長期的に考えて、何を学ぶか目的を明確にしなければ、せっかく学んだことが無駄になってしまうことがあるでしょう。リカレント教育は手段です。目的は自身で考えなくてはなりません。英語を学ぶとしたら、何のために英語を学ぶかまで考えることが望ましいです。英語を使わない仕事を復職後に選べば、せっかく学んだことが後々に生きてきません。復職後の具体的な職種のイメージを持ちながら、勉強するといいでしょう。

リカレント教育と補助金

リカレント教育と補助金

リカレント教育における国からの補助金制度は、企業向けのものと、個人向けのものがあります。元来企業の人材育成は、企業内の研修制度などで行ってきました。しかしその人材育成費が経費削減対象となりつつあります。企業も個人もリカレント教育に出せる金額には限りがあるでしょう。そこで国の補助金制度を紹介します。

人材開発支援助成金制度

人材開発支援助成金制度は、企業向けの補助金制度です。主に従業員のキャリアライフの全期間において、段階的かつ体系的な職業スキルの習得を促進するものです。企業が雇用する従業員に対して、職務に関連した専門知識やスキルを習得させるための職業訓練などを計画的に実施した場合や、人材育成制度を従業員に適用した際に経費を一部助成する制度です。下記が厚生労働省の人材開発支援助成金制度に関するページです。参考になれば幸いです。

参考:厚生労働省|人材開発支援助成金

教育訓練給付制度

教育訓練給付制度は、雇用保険のある企業で1年以上働いた社会人向けの補助金です。ただし2回目の利用の際は、3年以上の勤続が必須になります。国の指定する対象講座を修了すると、自ら負担した受講費用の20%~70%の支給が受けられます。

求職者支援制度

求職者支援制度は、フリーターなどの非正規雇用の方・無職の方・主婦の方など、雇用保険を受給できない求職者向けの補助金です。一定条件のもと、月額10万円の支給を受けながら、訓練を受けられます。詳しくは下記の厚生労働省の「ハロートレーニング」をご覧ください。

参考:厚生労働省|ハロートレーニング

リカレント教育で英語を学ぶメリット

リカレント教育で英語を学ぶメリット

リカレント教育を受ける一例として英語を学ぶメリットは、転職に有利になったり、昇給・昇進に役立ったりするところです。たとえ現在海外との取引がなかった企業でも、インターネット広告などの効果により、海外から自社の製品を注文したいという案件が入ることも考えられるでしょう。その時英語スキルがあれば、大いに役立ちます。

転職に有利

実際に業務で英語を使わない企業でも、海外から発注の連絡があった時、英語スキルがあると重宝されるでしょう。他に英語スキルがある人が社内にいなければ、それは唯一無二のスキルになります。オンリーワンの人材になれるでしょう。

昇進・昇給に役立つ

英語スキルがあると、こなせる職種の幅が広がり、昇進・昇給にもつながるでしょう。社内規定で、ある程度の英語スキルが必要な企業もあります。海外におけるビジネスチャンスをつかみ、自身の英語スキルで成果を残せれば、高評価を得られるかもしれません。

海外での就業ができる可能性が出てくる

英語ができると、部署によっては海外出張を任されたりすることもあるでしょう。また、さまざまな要因から国外で働きたいと考えている人がいても不思議ではありません。そのために外資系企業を選択するとなると、英語力が必須になるでしょう。

リカレント教育で英語を学ぶデメリット

リカレント教育で英語を学ぶデメリット

リカレント教育で英語を学ぶデメリットは、主に2点あります。1点目は英語に限らず、語学の習得には時間を要することがあげられます。2点目は、将来的にAIの進歩により、Google翻訳がより音声翻訳にも対応できる可能性があることを否定できないことです。どの業界も職種もいずれAIに切り替わる分野は出てくるでしょう。しかしそれはまだ先のことです。今しばらくは英語をリカレント教育で勉強するメリットはあるでしょう。

まとめ

リカレント教育とは本来、学校を卒業した社会人が仕事のスキルをアップデートするために、就学と就労をフルタイムで繰り返すサイクルの教育を指します。目的は企業においては、競合他社との競争を優位に進めるためにあると言えます。個人においては、新しい知識を身に付けて時代の急速な変化に対応し、就労に役立てることも可能です。教育訓練給付制度や求職者支援制度を積極的に活用し、学び直しを深めてみてはいかがでしょうか。

最後のチェックポイント

  • 本来のリカレント教育とは、社会人のフルタイムの就学と就労の繰り返し。
  • リカレント教育を受けることで、選べる職種の幅が広がる。
  • リカレント教育によって、業務の効率化や生産性アップにつながる。
  • リカレント教育の課題点は、費用の負担と時間の捻出。
  • リカレント教育への国の補助金制度は、企業向けと個人向けのものがある。
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リスキリングとは?何を学ぶ?個人が行うメリットや注意点をご紹介! https://www.seraku.co.jp/tectec-note/industry/reskilling/ https://www.seraku.co.jp/tectec-note/industry/reskilling/#respond Fri, 10 Mar 2023 06:38:51 +0000 https://www.seraku.co.jp/tectec-note/?p=14806 はじめに

昨今ではIT人材の不足や、ITに関する知識がないために、時代の変革についていけない企業や人々が多いとされています。そのような中、2020年9月にリクルートワークス研究所は、新しいスキルを身に付けることの重要性を説いた提言書、「リスキリング 〜デジタル時代の人材戦略〜」を発行しました。
リスキリングで得たスキルは自身の成長につながるだけでなく、ビジネスの場においても市場価値を高めてくれますので、今回はリスキリングの意味や必要性・方法などを詳しくお伝えしていきます。

リスキリングとは?

リスキリングとは?

リスキリングは英語で、「Re-skilling」と表記し、「必要な技術やスキルを学びなおし、日々変化する社会に対応すること」を意味します。
リスキリングという言葉は、2020年のダボス会議(世界経済や環境問題などを議論する場)で「リスキリング革命」が発表されたことを機に広がりました。

リスキリング革命とは、「2030年までに10億人をリスキルする」という世界規模の目標です。「世界中の人々が今より高い水準の教育やスキル・仕事などを習得する機会につなげられるように目指すこと」を目的としています。
2022年10月には日本でも、岸田総理大臣が「5年間で1兆円をリスキリングの支援に投じる」と発言して注目を浴びました。

リスキリングはなぜ必要と言われているのでしょうか?

リスキリングはなぜ必要と言われているのでしょうか?

リスキリングの重要性は年々高まっていますが、なぜ必要なのかわからない方も多いでしょう。以下から詳しくご説明します。

第4次産業革命とリスキリング

第4次産業革命に向けて変化し続ける技術に対応するためにも、リスキリングは必要とされています。
第4次産業革命とは、IoT・AI・ビックデータの活用によりもたらされる技術革新のことを指します。従来ヒトが行っていた労働をAIやロボットが代替したり、画一的かつ大量生産のサービスから個々にカスタマイズされたサービスへ移行したりしていく流れの総称です。

DXとリスキリング

第4次産業革命を浸透させるにはDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進も欠かせません。DXとは「企業がITツールやテクノロジーなどを活用してビジネスの推進を展開していき、他社との競争力を高めること」を指します。

一方、経済産業省が発表した「DXレポート」ではIT人材不足が増加していくなかで、業務効率の低下や国際競争に敗れることが懸念されています。リスキリングによって専門スキルを身に付けることの重要性が増しているともいえるでしょう。

新型コロナウイルスとリスキリング

新型コロナウイルスの蔓延を機にリモートワークや在宅ワークなどのオンライン業務が増え、私たちの働き方も変わりました。対面でこなしていた業務がオンラインに移行した結果、今までと違うやり方に対応できない人々が増えています。
現状を打開するためには、新たなワークスタイルへ適応していくことが必要不可欠であり、新しくスキルを習得するためにもリスキリングの重要性が高まっています。

リカレント教育・アンラーニングとの違い

リカレント教育・アンラーニングとの違い

リスキリングは、リカレント教育やアンラーニングとどのように異なるのでしょうか。以下からご説明します。

リカレント教育とは?

英語の「リカレント(Recurrent)」には、「循環する」「繰り返す」といった意味があります。「リカレント教育」とは「個人が必要なタイミングで職場を離れて教育を受けたのち、再び職場に復帰する」という仕組みのことです。リスキリングが業務と並行して行うのに対して、リカレント教育は大学や専門学校などの教育機関における学び直しを指します。

また、リスキリングは「企業が主導して、社員にスキルの獲得を促す」学習方法ですが、リカレント教育は「個人の意思でスキルや技術を学ぶこと」を意味します。

アンラーニングとは?

「学習棄却」の意味をもつ「アンラーニング(Unlearning)」は、今までの仕事の信念や知識をいったん捨てて新しく学びなおすことです。リスキリングの目的が知識やスキルの「獲得」なのに対して、アンラーニングは「棄却」が目的です。

変化が著しい現代社会に対応するためには新たな知識を得るだけにとどまらず、ときには従来のやり方を捨てる必要があります。捨てると言っても過去のスキルを忘れることではなく、意図的に使用停止にするだけなので、必要なときに再び使うことが可能です。

個人がリスキリングを行うメリット

個人がリスキリングを行うメリット

個人単位でもリスキリングに挑戦することは可能です。以下からリスキリングを行うメリットについてご紹介します。

キャリアが開ける

リスキリングにより新しいスキルを獲得することは、自身の成長とともに、勤めている企業への貢献にもつながります。業務を効率化したり生産性を高められたりすると、自社内で活躍の場が増える可能性があります。
業務の幅が広がれば、キャリアも開ける可能性が大きいでしょう。

転職にも有利

企業での実践を通してスキルや知識を身につけるOJT(On-the-Job Training )では、習得したスキルが特定の企業でしか通用しない可能性があります。しかし、リスキリングでは汎用性の高いスキルを身につけることが可能です。そのため、リスキリングで新たなスキルを獲得すると、転職時にも有利です。
たとえば、企業内のデジタル化や自動化などのスキルを持った人材はどこの企業でも需要が高いとされるので、自身の市場価値を高めることにもつながります。

国からの補助金を活用できる

個人で、資格を取ったり学びなおしたりするには金銭面での負担がかかりますので、厚生労働省が施行している「教育訓練給付制度」の活用をおすすめします。教育訓練給付制度とは、厚生労働大臣が指定する通学講座や通信講座の受講終了後に、受講費用の一部が補助金として支給される制度です。

受給には、「就労してから現在まで、雇用保険に3年以上加入している」または、「離職後1年以内でかつ、雇用保険に3年以上加入していた」という条件が必要です。

参考:厚生労働省|教育訓練給付制度

企業がリスキリングを行うメリット

企業がリスキリングを行うメリット

企業側が従業員にリスキリングを行うことで得られるメリットを知っておくと、資格や勉強する際に役立ちますので以下からご紹介します。

人手不足にも対応可能

ICT人材の種類とそれぞれの人材がどのくらい不足しているかを表したグラフ

上記の画像からもおわかりいただける通り、先端技術を必要とするIT業界は専門性が高いため、全国的に人材不足が深刻です。国内においては、10年以内に最大79万人のIT人材が不足するともいわれています。
そのため、従業員にITスキルを身に付けてもらい、人手不足に対処していきたいと考えている企業は増え続けています。

生産性向上や業績アップに期待できる

企業がリスキリングを実施する目的は、従業員の知識のアップデートです。知識を得ることで従業員のキャリアが開けると、「さらに企業へ貢献したい」と考える人も増えるでしょう。
企業と多くの従業員の間で絆が深まれば企業全体の生産性向上や業績アップにもつながり、莫大な利益に直結する可能性があるため、リスキリングの実施は企業側にもメリットがあります。

イノベーション企業へ変わるきっかけとなる

イノベーション企業へ変わるためにリスキリングを推進している企業があります。イノベーション企業とは新たな価値を創造して社会に貢献する企業のことであり、実現するには今までになかった考え方や技術を組織の中に取り入れることが欠かせません。
イノベーション企業は今後も増加するため、能動的に新しいスキルの獲得に向けて行動する人材は需要があるといえます。

リスキリングを実施する際の注意点

リスキリングを実施する際の注意点

リスキリング実施の際には注意点を知っておくことが大切ですので、以下からご説明します。

アンラーニングが必要な場合もある

リスキリングと並行してアンラーニングが必要になるケースもあります。
時代にそぐわない仕事の価値観や、やり方が残っているとリスキリングの効果も高まりません。リスキリングを行う前にアンラーニングを行い、過去のスキルを使用停止にすることで、新たに得た知識を吸収しやすくなります。

モチベーション維持に気を付ける

リスキリング受講中に、モチベーションが下がってしまう場合もあります。リスキリング実施の際にはモチベーション維持にも気をつけましょう。一例として、モチベーション維持には達成後の自分へのご褒美を用意することでやる気につなげるという方法があります。
また、ToDoリストを作成して進捗状況を可視化するとタスクの優先順位が明確になり、作業効率がアップします。

課題解決に結びつく教材を選ぶ

自身の業務や社内の課題解決に結びつく教材を選びましょう。「質のよい教材=リスキリングの効果を発揮できる」とは限りませんので、教材選びは慎重に行う必要があります。
教材選びや何を学ぶか、どのような資格を取得すべきか迷われた際は、下記からご紹介している内容を参考にしてみてください。

リスキリングで何を学ぶ?

リスキリングで何を学ぶ?

リスキリングではまず、「何を学ぶか」を考える必要があります。以下から紹介しますのでご参考ください。

ITスキル

リスキリングではDX推進が深く関わっているため、ITスキルが人気です。
中でもプログラミングスキルは、コンピュータに対して論理的な指示を与えるうちに、ロジカルシンキングや問題解決能力を高めることにつながり、業務トラブル時にもスムーズに解決策が打ち出せるようになります。

デジタルマーケティングスキル

今後もスマホやデジタル機器を保有する人が増えていくため、インターネットやSNS・メールなどを活用したデジタルマーケティングの需要は高まっていきます。
デジタルマーケティングを学ぶ中で、商品・サービスの売り方や顧客心理を分析する力が身に付きますので、効率的に収益をあげられます。

データ分析スキル

近年はさまざまなシステムが開発されて、日々膨大なデータが蓄積されています。集めたデータを整理して加工した上で、数値から情報を読み取って活用するスキルをデータ分析といいます。
しかし、企業の大半は収集したデータをビジネスに活用できていませんので、データ分析が行える人材は貴重といえるでしょう。

英語スキル

英語の基礎はだれもが義務教育で学び終えているため、難易度がそれほど高くないと感じる人が多いかもしれません。しかし、2022年に大手語学学校のEF(Education First)が実施した「世界最大の英語能力指数ランキング」では、日本人の英語力は低く、世界111か国中80位という結果になりました。見方を変えると、日本人で英語ができる人材は貴重という捉え方もできます。
実際に、最近では海外企業と取引をする企業が増えていますので、英語ができる人材の需要は高まっています。

コミュニケーションスキル

コミュニケーションスキルはビジネス分野全般において必要なため、転職活動や就職活動などの採用面接で重視する企業は多いです。また、管理職やリーダーといった役職に就いている方も、部下や同僚との信頼関係を築くうえでなくてはならないスキルとされています。
昨今では、新型コロナウイルスの影響からテレワークの導入が進み、オンラインでのコミュニケーションスキルも求められる傾向にあります。

業務効率化スキル

DX推進には業務効率化を進めることが欠かせません。しかし、企業のほとんどはDX人材の育成に追いついていませんので、業務効率化ができる人材は価値が高いといえるでしょう。
DX人材になるために取っておきたい資格の1つにMOSがあります。理由はマイクロソフト製品を業務で利用する企業は非常に多く、実務に活用できるからです。また、エクセルのマクロの知識はプログラミングを学ぶ際にも役立ちます。

リスキリングのおすすめ資格

リスキリングのおすすめ資格

上記の見出し「リスキリングで何を学ぶ」のスキルの順番に沿って、以下からおすすめの資格をご紹介します。

Python3エンジニア認定基礎試験

PythonはAI技術の開発言語にも利用されているため、年々注目されています。Pythonの基礎を学びたい方には「Python3 エンジニア認定基礎試験」の受験がおすすめです。2022年時点での合格率は75%~80%とされており、難易度もそこまで高くありません。経済産業省のITに関する能力を評価する指標「ITSS(IT Skill Standard/ITスキル標準)」にも掲載されており、資格を取得することで、企業に対しても明確なスキルを持っているとアピールできます。

Webアナリスト検定

「Webアナリスト」はWebサイトの分析、改善を行う人のことです。
「Webアナリスト検定」では、データ分析方法や考え方、集客方法・リピーターを増やすコツ、コンバージョンへのつなげかたなど実践面で役立つ知識が学べるため合格後は実務でも活かせるでしょう。

ビジネス統計スペシャリスト

「ビジネス統計スペシャリスト」とは、エクセルを使用してデータ分析したのち、分析結果を正確に理解して応用する能力を評価する試験です。面倒な計算もエクセルが処理してくれるため、数学が苦手な人にもおすすめです。
現在では、非エンジニアでも「データ分析スキル」を求められる機会が増えているため、デジタル人材育成の第一歩としてリスキリングに取り入れる企業が増えています。

TOEIC

英語力を示すためには「TOEIC」がおすすめです。企業によっては、TOEIC900点以上で年収がアップするケースもあります。
英語力は幅広い企業で評価されるスキルですが、時間やコストがかかるためゼロから人材を育成する企業は少ないです。自ら英語の資格を取得すると知識の証明にもなりますし、社内評価もあがるでしょう。

コミュニケーション検定

「コミュニケーション検定」とは株式会社サーティファイが主催している検定で、ビジネスにおける言葉遣いや会話、TPOに合わせた対応などの能力を証明する資格です。初級と上級の2つに分かれており、受験料や試験時間が異なりますので、あらかじめチェックしておきましょう。
基本的なマナーやトラブル時の対処法など、ビジネスマナーを基礎から学びたい方におすすめです。

MOS

MOSは日々の業務で、多くの文書や資料を作成している方におすすめです。
ExcelやWordなどの機能をあらためて学びなおすと、今まで知らなかった便利な機能に気づく機会にもなります。リスキリングを受けた従業員が周りと情報を共有することで、業務効率化や生産性の向上にもつながりやすくなります。

勉強をする際のポイント

勉強をする際のポイント

資格やスキルを取得する際は、以下3つのポイントに気を付けて勉強に取り組みましょう。

1.目標を決めて細分化しよう

まず、何の資格を取得したいか、なぜこのスキルを学ぶべきなのかといったビジョンをはっきりさせましょう。ビジョンを具体化して細分化することで一つずつクリアしていくことが大切です。
とくに独学では、モチベーションを維持することは大変ですが、学ぶ目的を明確にすることで、一人でも勉強を進められます。

2.目標から必要になるものを選ぼう

目標が決まったら、目標に沿ったスキルの取得手段を考えます。たとえば、プログラミング言語を学習する場合は、AI開発するならPython、スマホアプリを作るならJavaなど自分の目的と合致する言語を選択します。
目標が定まらない状態でなんとなく言語を選んでしまうと、あとでもう一度違う言語を学びなおさないといけない可能性が出てきますので、気を付けましょう。

3.勉強方法を工夫しよう

3つ目のポイントは、自分が毎日勉強できる環境を整えることです。
日々のルーチンワークにするには、毎日の勉強時間を固定しましょう。つい、時間を忘れてしまうという方はアラームをセットすることが有効です。

リスキリングの事例

リスキリングの事例

他企業や自治体のリスキリングの事例はどのようなものでしょうか? 以下から日本国内と海外の事例をそれぞれご紹介します。

鳥取県

鳥取県では、2021年8月からオンライン学習を中心にリスキリング事業を進めています。従来は対面型の職業訓練を実施していましたが、新型コロナウイルスの影響で、対面での研修が難しくなりました。
メリットは地元にいながらも都市部のような研修が受けられることで、転職者だけではなく企業側の人材育成にも積極的に活用されています。

広島県

2022年4月、広島県は自治体としては初の取り組みとなる、「リスキリング推進検討協議会」を設置しました。デジタル分野の人材育成支援だけではなく、雇用の中で人材を生かすための施策を進め、県内企業の競争力を高めようという試みです。
広島県は、DXの進展下においてIT基礎知識の習得を図る目的としてITパスポート取得支援制度も設けており、受験料の補助を行っています。

富士通株式会社

2020年4月に富士通は従業員のだれもが均等に学べる機会を見直し、社内ポータルサイトのリニューアルを行いました。社内ポータルサイトでは、IT技術からビジネススキルまで約9600コースの受講が可能です。
また、興味のある仕事を登録しておくと社内公募システムと連携し、募集がかかると本人を推奨してくれるため、社員のモチベーションアップにつながっています。

マイクロソフト社

2020年6月マイクロソフト社は、新型コロナウイルスの経済損失による失業者2500万人に対して、IT関連の講座を無料提供すると発表しました。
マイクロソフトや子会社がもつ専門技術に特化した講座の受講から、AI面接まで幅広く対応し、失業者がデジタル人材として再就職できるように支援する取り組みです。

リスキリングおすすめツール・講座

リスキリングおすすめツール・講座

リスキリングおすすめツール・講座を以下からご紹介します。無料のものもありますので、興味のある方はご参考ください。

Schoo(スクー)

Schoo for Businessでは、業務効率化や機械学習、コミュニケーション能力向上など幅広いジャンルの講座を提供しています。
リスキリングの最先端企業であるサントリーやKDDIなども導入しており、研修や自己啓発などさまざまな目的で利用できます。

Aidemy(アイデミー)

オンライン型プログラミングスクールのAidemyはAI技術に特化しており、「未経験からでもAIエンジニアになれる」とも評価されています。個人だけではなく法人に向けたDX人材育成サービスも行っているため、多くの企業が導入しています。
約10万人のユーザが利用している、Aidemy Freeという無料教材も用意されていますので、興味のある方は登録してみてはいかがでしょうか。

Pathfinder(パスファインダー)

「Pathfinder(パスファインダー)」は、2018年にアメリカでSalesforce社とDeloitte社が共同でスタートした、DX人材育成プログラムです。
Salesforceをゼロから学べるカリキュラムが組まれており学習のイメージがつきやすく、コードも不要なことから、ITに関する知識があまりない方にもおすすめです。

弊社株式会社セラクでもITエンジニアを積極的に採用しています。
未経験からでもITエンジニアへのキャリアチェンジが可能でかつ教育環境も整っていますので、ご興味がある方はぜひご応募ください。
採用情報はこちら

まとめ

先の読めない時代だからこそ変化に対応できる柔軟性は必要です。今後ますますIT人材を含めてスキルのある人は重宝されていきます。
リスキリングで得た技術やスキルはキャリアを築くためにも有利ですので、日々学び続けて知識をアップデートしていきましょう。

最後のチェックポイント

  • リスキリングはDX推進と共に需要を増している
  • リスキリング受講中はモチベーション維持に気を付ける
  • 課題解決に結びつく教材を選ぶことが大切
  • リスキリングではまず「何を学ぶか」を考える必要がある
  • 資格やスキルを取得する際は3つのポイントに気を付けて勉強する
  • リスキリングは国内海外問わずさまざまな事例がある
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ユニコーン企業とは?ランキングとともに定義や意味を解説 https://www.seraku.co.jp/tectec-note/industry/unicorn-company/ https://www.seraku.co.jp/tectec-note/industry/unicorn-company/#respond Wed, 01 Mar 2023 00:43:08 +0000 https://www.seraku.co.jp/tectec-note/?p=14588 はじめに

昨今、テレビドラマの題材ともなった「ユニコーン企業」。のちの大企業へと成長する可能性が高いとされ、投資家をはじめとして世界中から注目を集めている存在です。この記事では、ユニコーン企業にまつわる基本情報から、世界と日本の動向、そしてユニコーン企業が社会にもたらす影響について探っていきます。

ユニコーン企業とは? 意味と定義を解説

ユニコーン企業とは? 意味と定義を解説

ユニコーン企業とは、アメリカのベンチャーキャピタリストであるアイリーン・リー氏によって2013年に発案された概念です。具体的には、企業価値評価額が10億ドル以上、かつ創業してから10年以内で、未上場のベンチャー企業やスタートアップ企業のことを指します。

また絶対的な条件というわけではありませんが、多くのユニコーン企業がITを活用したビジネスを行うテクノロジー関連企業であることから、これもユニコーン企業の定義のひとつとされることがあります。

ユニコーンとは何? 「ユニコーン企業」の由来

ユニコーン企業という言葉が生まれた2013年当時、先述した条件に当てはまる企業はわずか39社ほどでした。希少価値が高く、資金提供を行えばのちに多大な利益をもたらす可能性のある企業を、投資家たちはユニコーンに例えたのです。

「ユニコーン」は一角獣とも呼ばれる伝説上の生物で、一本の角が生えた馬の姿で表現されます。メジャーリーグの実況などでロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平選手が、ユニコーンに例えられるのを耳にした人もいるのではないでしょうか。ユニコーンとは、現実離れした、めったに現れないような存在のことを示す言葉でもあるのです。

ユニコーン企業と似ている言葉

ユニコーン企業と似ている言葉には、「デカコーン企業」と「ヘクトコーン企業」、そして「ゼブラ企業」があります。具体的にそれぞれどのような違いがあるのか、以下で簡単に解説します。

デカコーン企業

デカコーン企業とは、創業10年以内で未上場、そして企業価値評価額が100億ドル以上の企業のことで、2023年2月時点では世界で50社ほどが該当します。「デカコーン」は10倍を意味する単位「Deca」とユニコーンを合わせた造語で、ユニコーン企業の10倍の評価額が付けられた企業という意味で使われます。

ヘクトコーン企業

ヘクトコーン企業とは、創業10年以内で未上場に加えて、企業価値評価額が1000億ドルを超えた企業のことを指します。「ヘクトコーン」の「hecto」は100倍を意味する接頭辞で、こちらもユニコーンと合わせた造語です。2023年2月の段階で、この条件を満たす企業は世界中に3社しか存在していません。

ゼブラ企業

ゼブラ企業とは、2017年に4人の女性起業家によって提唱された概念で、社会貢献やサステナビリティなどの「共存性」を重視するスタートアップ企業のことです。「企業の利益」と「社会への貢献」という、相反する理念を両立する考え方から、白黒模様のシマウマ(ゼブラ)に例えられたのが名前の由来になります。

ユニコーン企業が他社との競争を経て成長し、事業分野でのオンリーワンとなっていくのに対し、ゼブラ企業はライバルである他社とも共存し、協力しながら社会貢献を行っていくのが主な特徴です。こうしたあり方は近年、SDGsの広がりとともに注目されています。

世界のユニコーン企業

世界のユニコーン企業

以下の表は、世界のユニコーン企業における、2023年2月時点での企業価値評価額ランキングです。珍しい存在だからこそその名が付けられたユニコーン企業ですが、現在は世界中に数多く存在しています。ここからは世界の地域別に、代表的なユニコーン企業の例を見ていきましょう。

順位企業名評価額(10億ドル)業種
1
ByteDance
$140中国AI、SNS
2
SpaceX
$127アメリカ宇宙関連
3
SHEIN
$100中国Eコマース
4
Stripe
$95アメリカフィンテック
5
Canva
$40オーストラリアソフトウェア
6
Checkout.com
$40イギリスフィンテック
7
Instacart
$39アメリカデリバリー
8
Databricks
$38アメリカデータ管理
9
Revolut
$33イギリスフィンテック
10
Epic Games
$31.5アメリカゲーム開発

参考:CB Insights|The Complete List Of Unicorn Companies

アメリカ

アメリカのユニコーン企業で代表的なのは、2002年にイーロン・マスク氏によって設立された「Space Exploration Technologies Corporation」、通称スペースXです。宇宙での輸送サービスを事業内容とし、民間企業としては初の有人宇宙飛行を成功させました。

こうした宇宙関連企業のほか、フィンテック(金融とITを組み合わせたサービス)やAIなど、アメリカには多彩な分野のユニコーン企業が数多く存在します。世界全体のユニコーン企業のうち、アメリカの企業は約半数と最多であり、その理由としては、新興企業への「ベンチャーキャピタル」による投資が盛んであることが挙げられます。

ベンチャーキャピタルとは

ベンチャーキャピタルとは、ベンチャー企業やスタートアップ企業など、未上場の新しい企業に投資を行う投資会社のことです。企業に出資して株式を取得し、将来企業が成長した際に利益を得ることをねらいとしています。アメリカはベンチャーキャピタル発祥の地であり、その投資額は日本のベンチャーキャピタルと比較して34倍(2018年)となったこともあります。

アジア・オセアニア

アジアで有名なユニコーン企業には、動画アプリ「TikTok」を運営する中国の「ByteDance」があり、2023年2月現在、企業価値評価額世界1位を記録しています。中国ではほかにも、オンラインでファッション販売を行う「SHEIN」や中国最大規模のSNSを運営する「Xiaohongshu」など、消費やサービス関連企業が多く見られるのが特徴です。

グラフィックデザインツールを提供する「Canva」(オーストラリア)やオンライン学習サービスを運営する「Byju’s」(インド)も、この地域の代表的なユニコーン企業です。しかし昨今ではインドネシアや韓国・ベトナム・タイなど、多くの国からユニコーン企業が誕生しています。

ヨーロッパ

ユニコーン企業はヨーロッパでも増加しています。イギリスではいずれもフィンテック系企業の「Checkout.com」や「Revolut」、ドイツでは業務改善ツールを提供する「Celonis」、スウェーデンでは蓄電池の開発を事業とする「Northvolt」などが代表的です。

フランスでは、2013年に国家主導でスタートアップ企業を支援する取り組みが行われ、「2025年までにユニコーン企業を25社にする」という目標を2022年のはじめに達成しました。フランスのユニコーン企業には、携帯端末など電子機器のリファービッシュ品(中古品として回収し、修理・整備・点検を行ったもの)販売を行う「Back Market」などがあります。

なぜユニコーン企業が増えているのか

なぜユニコーン企業が増えているのか

ここまででお伝えしたように、ユニコーン企業はさまざまな国で生まれ続け、世界規模で増加傾向にあります。なぜ今ユニコーン企業が増えているのか、その理由を解説していきます。

資金調達方法の多様化

ユニコーン企業が増加している理由のひとつに、資金調達方法が多様化したことがあります。企業が成長し活動していくためには、資金は必要不可欠です。かつてはIPO(企業が新規に証券取引所に上場し、誰でも株式の売買ができるようにすること)を行うことで資金を調達することが一般的でした。

しかし、最近ではベンチャーキャピタルや大手企業に投資してもらうなど、上場を目指さなくても資金を得やすい環境になってきています。特にベンチャーキャピタルは、業界の規模・投資額が大きくなっていることもあり、未上場企業でも多額の資金を得て評価を上げ、ユニコーン企業となるケースが増えているのです。

IT技術の進歩

インターネットやスマートフォンの普及・発展も、ユニコーン企業が増えている理由に数えられます。インターネットやクラウドを活用したサービスは、新規事業を起こす際に必要な初期投資が比較的少ないとされています。その一方で、インターネットは世界中にサービスを提供することができ、自国のみならず全世界を相手にビジネスを行うことが可能です。

そうしたIT分野を事業の中心に据えることで、創業間もない企業でも短期間で業績を上げることが望めるようになりました。変化の激しいIT業界では、それだけ急成長を遂げるユニコーン企業も生まれやすいと考えることができます。

少ない?日本のユニコーン企業数

少ない?日本のユニコーン企業数

世界中でユニコーン企業が増加している一方、日本におけるユニコーン企業の数は、2023年2月時点で以下の一覧にある6社とされています。なぜ日本国内のユニコーン企業はここまで少ないのでしょうか。

企業名とおもな事業内容
Preffered Networks機械学習・深層学習の研究と実用化
スマートニュースニュースアプリ「SmartNews」運営
SmartHRSaaS型クラウド人事労務ソフト提供
Spiber新世代バイオ素材の開発
Playcoインスタントプレイゲームの開発
Opnオンライン決済などフィンテック事業

参考:CB Insights|The Complete List Of Unicorn Companies

起業する人が少ない

日本にユニコーン企業が少ない理由として、諸外国と比べてそもそも起業する人が少ない、起業しやすい環境が整っていないことがあります。GEM(グローバル・アントレプレナーシップ・モニター)が行った調査によると、「過去2年間に、新しく事業を始めた人を個人的に知っていますか」「今後6か月以内に、自分が住む地域に起業に有利なチャンスが訪れると思いますか」という質問で、日本は50か国中最下位でした。

日本では、大企業への就職など安定を求める意識が強いとされます。それに加えて、起業の手続きが煩雑であったり、起業が失敗したときに再就職などが難しかったりと、意識・環境の両面で起業する人が生まれにくい傾向があるといえます。

参考:経済産業省|起業家精神に関する調査報告書(みずほ情報総研株式会社)

ベンチャーへの投資額が少ない

ベンチャー企業やスタートアップ企業への投資額が少ないことも、日本でユニコーン企業が生まれにくい理由のひとつです。日本ではベンチャーキャピタルそのものが少なく規模も小さいため、ベンチャーキャピタルによる投資額をアメリカと比較すると、100分の1以下という圧倒的な差が開いています。

投資額が少ない理由はこのほかにも挙げられます。日本は未上場株式の取引市場があまり存在せず、取引自体が難しいことや、未上場の企業は信頼性などの面で投資リスクが大きいとされることなどです。そうした理由から資金調達の方法として上場を選ぶ企業が多く、ユニコーン企業の条件に当てはまらなくなるのです。

参考:内閣官房|ベンチャーキャピタル投資の国際比較

人材が少ない

ベンチャー企業やスタートアップ企業は、認知度の低さなどから大手企業と比べて人手不足に陥りやすく、育成に割く時間やコスト面などを考慮して即戦力となる人材を求める傾向があります。それに加えて、多くのユニコーン企業はテクノロジー分野で事業を展開しているため、デジタル・ITに精通した人材は必要不可欠といえるでしょう。

しかし、日本ではそうしたIT人材が慢性的に不足しており、DX(デジタルトランスフォーメーション)の遅れによる経済損失の可能性まで予測されています。拡大し続けるIT需要と新しい技術に対応できる人材を育てることで、ユニコーン企業が生まれる可能性も上がっていくかもしれません。

ユニコーン企業を増やすメリット

ユニコーン企業を増やすメリット

2018年6月、日本政府はグローバルに活躍するスタートアップ企業を創出するために、育成支援プログラム「J-Startup」を立ち上げました。また、経団連(日本経済団体連合会)は2027年までに、国内のユニコーン企業を100社に増やすという目標を掲げています。ユニコーン企業を増やすことで、日本にどのようなメリットがあるのでしょうか。

参考:経済産業省|J-Startup
参考:一般社団法人 日本経済団体連合会|スタートアップ躍進ビジョン【概要】

経済成長につながる

先述の通り、日本はユニコーン企業をめぐる世界の大きな動きに出遅れているのが現状です。アメリカのメタ・プラットフォームズ(旧称Facebook)や中国のXiaomiも、かつてはユニコーン企業でしたが、現在では世界規模の大企業に成長しています。

高度経済成長期にベンチャー企業だったホンダやソニーは、その後世界で活躍する企業になりました。同じように今のユニコーン企業が将来的に日本経済をけん引し、新たな市場の開拓や社会課題の解決につながる存在になることが期待されているのです。

新たな雇用創出につながる

ユニコーン企業が増え、経済が活性化すれば、新たな雇用機会の創出にも期待が持てます。ベンチャー企業やスタートアップ企業に人材を集めるには、「人材の流動性」を向上させることが重要とされています。

政府は今後、リスキリング(新しい職業に就くため、または今の職業で必要とされる業務の変化に適応するために、新たな知識やスキルを学ぶこと)から転職までを一体的に支援し、大企業だけでなく、のちのユニコーンが生まれ得る成長分野に人材が移動するよう促す方針です。

まとめ

日本経済新聞社が独自に実施している「Nextユニコーン調査(2022年版)」では、特に業務用SaaSや製薬・医療機器の分野で、次世代のユニコーン企業を目指すスタートアップ企業が多く見られます。ユニコーンとなる日本企業をさらに増やしていくには、政府による支援の仕組みや投資家の増加などのほか、失敗を受け入れ、起業などの挑戦をしやすい環境をつくることが必要といえるでしょう。

ユニコーン企業をめぐる動向を見ることで、日本と世界の経済トレンドや社会課題、そしてそれを解決するための新しい技術を把握することにつながります。これからのユニコーン企業は社会にどのようなイノベーションをもたらすのか、注目しましょう。

最後のチェックポイント

  • ユニコーン企業とは評価額10億ドル以上・創業10年以内・未上場の企業
  • かつては珍しかったユニコーン企業だが、今は世界中に数多く存在する
  • 資金調達方法の多様化やIT技術の進歩がユニコーン企業増加の要因といえる
  • 日本では起業する人やVCの投資額が少ないため、ユニコーン企業が少ない
  • ユニコーン企業が増えることで経済成長や社会課題解決の可能性が期待される
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エシカル消費とは? SDGsを実現するために個人でもできる消費行動 https://www.seraku.co.jp/tectec-note/industry/ethical-consumption/ https://www.seraku.co.jp/tectec-note/industry/ethical-consumption/#respond Tue, 27 Dec 2022 02:01:59 +0000 https://www.seraku.co.jp/tectec-note/?p=13348 はじめに
  • エシカル消費は倫理的な配慮のある消費
  • 持続可能な社会を実現する重要な取り組み
  • 配慮の分野には環境、人や社会、地域がある
  • SDGsを実現する未来のために実践と継続が重要
  • 個々人が意識して何がエシカルかを考えることが大切

エシカル消費とは、地球や人間社会に配慮した倫理のある消費行動のことです。SDGs(持続可能な開発目標)を実現するために、消費者個人でもできる取り組みとして注目されており、国内外でさまざまな施策が行われています。この記事ではエシカル消費について、得られるメリットやその必要性を、個人でもできることを中心に解説します。

エシカル消費とは

エシカル(ethical)とは、倫理的という意味の英語です。これに倣ってエシカル消費を簡単にいうと、倫理的な配慮が伴った消費行動という意味になります。ここでいう倫理的な配慮とは具体的にどのようなものでしょうか。以下の項目でより詳しく解説します。

エシカル消費とSDGsとの関係

エシカル消費を理解するうえで重要な意味を持つのが、SDGs(Sustainable Development Goals)です。SDGsは、人類がこの地球で暮らし続けていくために世界中のさまざまな立場の人々が話し合い、2030年までに達成する持続可能な開発目標として、2015年9月に国連で17のゴールが定められました。エシカル消費はその12番目のゴール「つくる責任 つかう責任」に含まれており、日本国内でも消費者庁をはじめ、さまざまな組織や団体が普及・啓発に取り組んでいます。

参考:消費者庁|エシカル消費特設サイト

エシカル消費の例から見たできること

エシカル消費とは倫理的な配慮が伴った消費行動です。この配慮は、大きく分けて環境・人や社会・地域という3つの分野に分けられます。以下では、分野ごとに行われているエシカル消費の例やこれまでの取り組み事例、個人でもできることを解説していきます。

環境への配慮

地球環境への配慮が伴う消費もエシカルな消費です。それでは環境への配慮とは、具体的にどのようなものでしょうか。以下の項目では取り組み事例とともに、消費行動で実現できる環境への配慮について、より詳しく解説します。

省エネへの取り組み

エネルギー問題と環境汚染は、世界中にさまざまな課題が存在します。

この課題に対して、エシカル消費の考え方であれば、消費者の立場でも省エネ製品や環境負荷が少ない商品を選択することで、地球温暖化や環境汚染に配慮した消費行動が可能です。

例えば、こまめに電気を消したり、省エネ家電を利用したりすることで、節電やエネルギー消費に配慮したエシカルな消費を実践できます。また自然エネルギーや再生可能エネルギーの利用、ウォームビズやクールビズの実践も省エネを意識したエシカルな消費です。

減農薬やオーガニックへの理解

減農薬や自然の恵みを生かして生産したオーガニック(有機)農産物や、その加工品を選択することもエシカルな消費です。またIT技術による省力化や、品種改良などで品質向上を図るスマート農業によって作られた商品を取り入れることも、環境負荷に配慮したエシカルな消費です。

選択の目安として、日本には有機もしくはオーガニックと表示するための有機JAS認証という制度があります。この制度で認証された商品を取り入れることで健全な土を守ること、食べる人、使う人、作る人の健康を守ることに貢献できます。スマート農業については以下も合わせて参考にしてください。

参考:株式会社セラク|みどりクラウド

3Rの実践

3R(スリーアール)とは、ごみを減らすリデュース(Reduce)、捨てずに使うリユース(Reuse)、ごみとなったものや資源を再活用するリサイクル(Recycle)の頭文字を取った言葉です。

3Rはリデュース、リユース、リサイクルの優先順位を反映した消費行動で実践できます。ゴミを減らし、できるだけ捨てずに使い、それでもゴミとして出さなくてはならないものは再生利用につなげましょう。

3Rを通じて行う環境保全(エコ)に関する取り組みも、個人でできるエシカルな消費です。

人や社会への配慮

人や社会への配慮がある消費もエシカルな消費です。それでは人や社会への配慮とは、具体的にどのようなものでしょうか。以下の項目で詳しく見ていきましょう。

フェアトレード

フェアトレードとは、途上国の生産者に無理をさせず、適正な価格で取引する仕組みのことです。国内外にさまざまな取り組みがあり、この仕組みの中で作られた商品をフェアトレード商品といいます。普段の生活にフェアトレード商品を取り入れることも、人や社会に配慮したエシカルな消費です。

フェアトレードの基準には、労働者に適正な賃金が支払われることや労働環境の改善、子どもの権利保護や児童労働の撤廃などが盛り込まれています。国内外のさまざまな組織や団体で取り組みが行われており、認証マークも複数存在しています。

社会貢献につながる商品や取り組み

売上の一部が寄付などの社会貢献につながる商品や、障がいを持つ人たちの支援につながる商品を選択することも、エシカルな消費です。また、社会的な取り組みに力を入れる企業に対して、消費者の立場から応援することも、エシカルな消費につながります。

この社会貢献につながる商品や取り組みには以下のようなものがあります。

  • コーズマーケティング(Cause Marketing)

    自社の製品を通じて社会貢献活動につながることを顧客に訴求するマーケティング手法。

  • CSR(Corporate Social Responsibility)

    企業の社会的な責任のもと、金銭的な利益よりも社会的な利益のために企業が自主的に行う活動。

地域への配慮

通販よりも地域の商店街を使うことや地元の産品を購入すること、被災地を支援した消費など、地域への配慮がある消費行動もエシカルな消費です。それでは地域への配慮とは、具体的にどのようなものでしょうか。以下の項目で詳しく見ていきましょう。

地産地消

地産地消の観点からもエシカルな消費を実現できます。

例えば地元で採れた農産物や海産物、地域の特産品や伝統技術の継承につながる商品を購入することで、輸送コストの削減や地域の活性化につながります。また、通信販売よりも地元の店舗を使うことや、地元のメーカーを応援することでも、地域経済への貢献が可能です。

スーパーマーケットや大手メーカーの製品を使っていると、あまりなじみのない商品があるかもしれませんが、あらためて地元の伝統や特徴に目を向けることで、新しい発見があるかもしれません。

被災地支援

被災地を支援する消費、いわゆる応援消費もエシカルな消費につながります。被災地を支援するため間接的に復興を助ける消費行動として、2011年の東日本大震災をきっかけに広く知られるようになりました。

近年では、新型コロナウイルスの感染拡大による影響で、困っている生産者や飲食店を支援する動きが増えています。このような動きは当事者への直接的な支援だけでなく、食品ロスの削減にもつながります。

認証を受けたマークやラベル

エシカル消費につながる商品を選ぶ際、判断の目安となる認証を受けたマークやラベルが存在します。これらは第三者機関が安全性や品質などの認証基準を設けて発行しています。以下の項目で詳しく見ていきましょう。

エシカルマーク

エシカル消費につながる認証には、環境・人や社会・地域などの分野で多くの種類があり、これらの認証を受けたラベルやマークがエシカルマークです。普段の消費生活で手に入る商品にも、このマークやラベルを持つ商品が数多く存在しています。

マークを目安に商品を選択することで、認証された分野のエシカル消費を実践できます。購入の際にはどのようなラベルやマークであるかを確認してみましょう。

マークはあくまで目安

マークやラベルはあくまでエシカル消費の目安にすぎません。ITやIoT(モノのインターネット)技術の導入などで小規模でも適正に管理された製品や、地元の企業を応援できる製品など、マークがない製品でもエシカル消費につながるものは数多く存在しています。

エシカル消費を実現する答えはひとつとは限りません。自分が住む地域や環境によって、何がエシカル消費につながるのかを考えながら、消費行動に反映することが大切です。

エシカル消費で実現する未来

エシカル消費は、地球環境・人や社会・地域への倫理的な配慮の伴った消費行動です。これを実践することで環境問題や人権問題、貧困を解決し、持続可能な社会を支え合って実現する未来がその目標です。この未来を実現するため、現在も国内外でさまざまな取り組みが行われています。

以下の項目では、エシカル消費が抱える問題点とその解決方法について説明します。

エシカル消費が抱える問題点と解決のために

エシカル消費は国内外でさまざまな取り組みが進んでいます。しかし現状ではまだ発展途上です。認証マーク取得のハードルの高さや認知度、小売価格の高さや入手のしやすさ、機能面での疑問といった多くの問題点を抱えています。

今後もエシカル消費を実践する中でこれらの課題を解決し、成果と恩恵を得るためには、エシカル消費を知り、学んだ人たちの活躍こそが不可欠です。そのためにも多くの人が協力してエシカル消費を実践するとともに、理解や仕組みについて考えながら、これらを実現する未来のために実践と呼びかけを続けていくことが重要です。

まとめ

人類が直面している課題の解決を目指してSDGsが設定されました。エシカル消費はこの中の「つくる責任 つかう責任」に含まれており、地球環境・人や社会・地域への倫理的な配慮がある消費行動として、その重要性が呼びかけられています。

エシカル消費は環境問題や人権問題、貧困を解決し、持続可能な社会を支え合って実現するための重要な取り組みです。世界中にさまざまな団体や組織があり、認証やマークも数多く存在していますが、これらはあくまで目安であり、マークがなくても多くの取り組みや製品が存在します。

大切なことは消費者個々人がエシカル消費を意識し、何がエシカルにつながるのかを考えて消費行動に反映することです。

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スマートリングとは? iPhone連携や電子マネー対応なども解説 https://www.seraku.co.jp/tectec-note/industry/smart-ring/ https://www.seraku.co.jp/tectec-note/industry/smart-ring/#respond Tue, 27 Dec 2022 00:10:52 +0000 https://www.seraku.co.jp/tectec-note/?p=13328 はじめに

スマートウォッチをはじめとした体に装着するウェアラブルデバイスは、珍しいものではなくなりました。スマートウォッチを身に着けている人を見かけることは日常的な光景ですし、VRゲームをプレイするときに使うウェアラブルゴーグルが家にあるという人も中にはいるでしょう。最近、新しいもの好きの間では新たなデバイスに注目が集まっています。それがスマートリングです。この記事でご紹介します。

スマートリングとは

スマートリングとは

スマートリングは指輪の形をしている次世代型デバイスです。スマホと連携することで、スマホを取り出さなくても通知を受け取れたり、遠隔操作や音声通話ができたりします。健康管理に関するライフログを取れるスマートリングも存在します。スマートロック機能つきのスマートリングや、電子マネー決済機能つきのスマートリングといったユニークな製品も最近は登場しており、注目が集まっているのです。

日本製より海外製のものが多い?

スマートリングは日本製の製品がまだ少なく、海外製の製品が多い傾向にあります。中には日本で充電できなかったり、日本語に対応していなかったりすることもあるようです。日本で充電できる製品かどうかをしっかり確認し、困る場合は日本語に対応している製品を選ぶようにしましょう。海外製の場合は交換や修理をしてもらう必要が出てきたときに国内で対応可能か、それとも製造国に問い合わせが必要かも注意するポイントです。サイズ感や装着感も日本人の感覚とは違う場合があるので、可能であれば事前に実物を手に取って確認できるといいかもしれません。

スマートリングのSuica対応は?

スマートリングがスマホと連携できるならSuicaとも連携できる? 気になる方は多いようですが、SuicaやPASMOが使用可能なスマートリングは2022年12月時点では未発売です。これらの交通系ICカードを使うにはそのデバイスがFelicaに対応している必要がありますが、そのようなスマートリングはまだ存在していないのです。現時点では残念ながらそのような製品の発表もありません。Suicaをスマートリングで使いたいと考えている人は気を付けましょう。

スマートリングを使ってできること

スマートリングを使ってできること

スマートリングは一言でいえば「スマホを持たずに機能を使える」ことが魅力ですが、単にメールやSNSの通知を受け取るだけでなく、実にさまざまな機能が搭載されています。中にはこれほど小さな指輪で実現できるのが信じられないような機能もあります。製品によって実装されている機能に違いはありますが、スマートリングを使って何ができるかをみていきましょう。

スマホ操作

スマートリングを通じて、メールやスマホの着信の通知が受け取れます。スマートリングによるスマホの遠隔操作では実に多くのことができます。スマホから手を離した状態で、スマートリングに触れるだけで画面操作、カメラ撮影、音楽再生の操作などが可能です。マイクとスピーカー内蔵のスマートリングでは、リングのみで音声通話やメールの読み上げ、スマホの音声アシスタントを利用できます。工夫次第では音声アシスタントを通じてパソコンや家電の遠隔操作も可能になるでしょう。

健康管理

スマホと連携して、スマートリングを装着している人の心拍数や血圧だけでなく、睡眠状態、運動時間などのヘルスケアに関するログが取得可能です。スマホアプリと組み合わせて、健康管理の精度を大幅に上げることができます。スマートリングは気軽に装着できるため、24時間ライフログを取得するのに向いています。睡眠管理に優れたスマートリングではログ取得・アプリの精度が高く、睡眠状況の改善に役立つでしょう。

電子マネー決済

電子マネー決済のスマートリングでは、リングのみで決済ができます。カバンからスマホや財布を取り出す必要がなく、決済機器にリングで触れるだけで支払いができます。動作が最小限で済むため大変便利で、電子マネー決済での支払いを多用する人にうってつけの機能です。ただし前述の通り、Suicaでの決済ができるスマートリングは今のところありません。また、スマートリングの決済方法がお店で使えるかは確認する必要があるでしょう。

スマートロック

スマートロックとは、スマホに代表されるデジタルデバイスを使って施錠・開錠ができるシステムです。ドア側で後付け可能であることから、企業だけでなく個人宅にも導入されるケースが増えています。スマートロック対応のスマートリングでは、リングのみで施錠・開錠でき、鍵を持ち歩く必要がありません。スマートリングはいつも身に着けているものなので、紛失や盗難といったリスクが低く、これをドアの鍵にすることで失くす可能性を減らせるでしょう。

NFC機能

NFC(Near Field Communication)とは、日本語で「近距離無線通信」を意味します。交通系ICカードやスマホの電子マネー決済のように、触れるだけで対応機器と通信できる技術です。身近なところでは運転免許証やマイナンバーカードもこの機能を搭載しており、ICチップがついています。NFC搭載のスマートリングでは、リングで決済端末に触れるだけでキャッシュレス決済ができるものがあります。NFC機能を使用するスマートリングは、無線で通信するため充電不要であることも大きな特徴です。

おすすめの選び方

おすすめの選び方

スマートリングの機能は多岐にわたり大変便利ですが、製品ごとに使える機能が大幅に異なるため、購入の際は自分の使用目的にあった製品であるかを事前に確認しておくことが大切です。また、自分が持っているスマホが対応しているかどうかも確認する必要があります。スマートリングを選ぶ際のコツをみていきましょう。

対応OSで選ぶ

iPhoneやiPadなどのApple製品で使いたい場合はiOS対応のスマートリングを、Android端末で使いたい場合はAndroid OS対応のスマートリングを選ぶようにしましょう。OSのバージョンによっては使えないこともあるので、とくに古いスマホを使っている方は事前に使用可能か調べておきましょう。

機能で選ぶ

使用目的に合わせてスマートリングを選ぶようにしましょう。前述した通りスマートリングにはさまざまな機能がありますが、製品ごとに搭載されている機能が大きく違うため、たとえば通話機能が欲しかったのに購入した製品では通話できないということがあり得ます。事前に商品ページを確認し、目的に合った製品を選ぶようにしましょう。指輪という形態であることから、サイズがゆるくなって水に落ちる場合が考えられるので、防水設計のものを選ぶのもよいでしょう。

サイズやデザインで選ぶ

スマートリングは海外製のものが多いため、欧米サイズ表記となっている製品が多くあります。とくに手が小さい女性はサイズを気にする必要があるかもしれません。製品によっては購入前にサイズキットを使ってサイズを決められたり、あらかじめ数種類のリングが用意されている場合があります。また、スマートリングは通常の指輪よりデザインの幅が狭くなりがちです。しかし最近ではデザイン性の高さを特徴とするスマートリングもあり、選択の幅が広がりつつあります。

スマートリングが向いている人

スマートリングが向いている人

スマートリングが向いている人は次のようなタイプの方でしょう。スマホを持たず通話したい、電子マネー決済をするのにいちいちスマホを取り出すのが面倒、スマートロックを楽に使いたい、ライフログや睡眠記録を取りたい、ウェアラブルデバイスを使いたいが腕時計が苦手でスマートウォッチをつけたくないといった方々です。新しいもの好きの人にも向いているでしょう。

注目する2022年商品をチェック

注目する2022年商品をチェック

数年前から新製品の登場が相次ぐスマートリングですが、注目を浴びている製品をいくつかご紹介します。それぞれの特徴の違いから、スマートリングをどうやって生活に活かしていけるのかが見えてくるでしょう。スマートリング選びの参考にしてください。

EVERING

EVERINGはお店の決済端末にリングで触れるだけで決済できるスマートリングです。ただし使えるのはVisaタッチ決済のみのため、自分が行くお店で使えるかどうかは注意する必要があるでしょう。万が一リングを落としたとき、スマホアプリからすぐに決済機能を停止できるのは特筆すべきポイントです。5気圧防水機能つきであることや、金属アレルギーの人でも使える素材であること、充電不要なことも大きな特徴です。

  • 主な機能:キャッシュレス決済機能/充電不要/5気圧防水/スマートロック対応/ジルコニアセラミック素材使用/Bluetooth機能なし、ヘルスケア機能なし/Android、iOS対応

ORII

ORIIは骨伝導スピーカー・マイク搭載のスマートリングです。リングを耳に当てることで音の聞き取りができ、リングに向かって話すと内蔵のマイクが声を拾うので、スマホを取り出さなくてもリングのみで音声通話が可能です。音声アシスタントを通じてスマホやスマート家電の遠隔操作もすることができます。見た目は重そうですが10g前後と軽く、10種類のリングが付属しているのでサイズを選びません。音声通話やスマホ操作をスマートリングで済ませたい人向けの製品です。

  • 主な機能:スマホ通知/音声やジェスチャーによるスマホ操作が可能/リングのみで通話が可能/ノイズキャンセリングマイク搭載/Bluetooth4.0搭載/防水機能/充電式/ヘルスケア機能なし、決済機能なし/Android6.0以降、iOS10以降対応

Oura Ring

Oura Ringはヘルスケア管理に特化したスマートリングです。精度の高い計測ができ、とくに睡眠記録に優れています。睡眠サイクルの他、睡眠中の体温、心拍数、呼吸数のログの取得が可能で、アプリで睡眠のコンディションまで知ることができます。また、チタン製で金属アレルギーの人も使いやすいでしょう。ファッションブランドGUCCIとコラボしたOura Ringも発売されており、デザイン性を追求したい人はこちらもチェックしてみるといいかもしれません。

  • 主な機能:ヘルスケア機能/睡眠記録機能/Bluetooth搭載/防水機能/チタン製/充電式/通知機能なし、通話機能なし、決済機能なし/Android以降、iOS対応

so+

so+はスマホの遠隔操作に優れたスマートリングです。スマホを持たずにリングに触れるだけで操作が可能です。写真や動画の撮影、SNSやWebページやの閲覧操作、音楽の再生・停止などができます。スマホから手を離したまま撮影やSNSを楽しみたい人向けのスマートリングです。

  • 主な機能:スマホ・タブレット遠隔操作機能/Bluetooth搭載/充電式/防水機能/通知機能なし、通話機能なし、決済機能なし、ヘルスケア機能なし/Android6.0以降、iOS10以降対応

まとめ

スマートリングとは指輪型のウェアラブルデバイスのことで、スマホと連携することでさまざまな機能を便利に扱えます。製品ごとにできることが大きく違うので、購入する場合は目的に合ったものを選ぶようにしましょう。海外製のものが多いので、日本語に対応しているかどうか確認が必要です。新しい製品が次々に発売され、今注目のデバイスといえるでしょう。

最後のチェックポイント

  • スマートリングは指輪型のウェアラブルデバイスである
  • スマホと連携することでさまざまな機能が使える
  • スマホの遠隔操作、健康管理、電子マネー決済、スマートロックなどが使える
  • 海外製のものが多いので日本語に対応するかは確認が必要
  • Suica対応のスマートリングは現時点では存在しない
  • 製品ごとにできることが大きく違うため、目的にあった製品を選ぼう
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脱炭素とは?脱炭素社会への課題と日本・世界の取り組みまで解説 https://www.seraku.co.jp/tectec-note/industry/decarbonization/ https://www.seraku.co.jp/tectec-note/industry/decarbonization/#respond Fri, 23 Dec 2022 08:39:35 +0000 https://www.seraku.co.jp/tectec-note/?p=13223 はじめに

地球温暖化をはじめとした環境問題対策は、人類全体の課題といえるでしょう。近年、環境問題対策で注目されているのが「脱炭素」という考え方で、英語表記では「Decarbonization」といいます。脱炭素とはどのようなものなのか、脱炭素社会を目指すうえで課題となる事柄や国内外の動き・取り組みについて解説します。

脱炭素とは?

脱炭素とは?

脱炭素とは簡単にいえば、二酸化炭素の排出を実質ゼロにしようという取り組みのことです。地球温暖化を促進させる温室効果ガスのうち、二酸化炭素が占める割合は7割以上にものぼります。世界の気温上昇に歯止めをかけるためには、年々増加している二酸化炭素の排出量を減らすことが必要不可欠であるという認識が国際的に広まっていることは、後述するパリ協定での満場一致の採決からも伺えます。二酸化炭素排出実質ゼロの脱炭素社会を実現するべく、国や企業は多様な施策を打ち出しています。

参考:気象庁|温室効果ガスの種類

なぜ重要視されている?

なぜ重要視されている?

二酸化炭素をはじめとした温室効果ガスがあることで、私たちの暮らしている地球は適切な温度に保たれていますが、大気中の濃度が高くなりすぎると温暖化によってさまざまな問題を引き起こします。例をあげると、平均気温の上昇で南極・北極の氷が解け海面が上昇して陸地が減る、異常気象によって農作物の収穫量が減り食料不足が起こるといった問題です。国連サミットで2015年に採択されたSDGsも踏まえて、持続可能な未来のために気候変動対策は避けて通れないものであり、世界全体で取り組んでいくべき課題だという認識が強まっています。

脱炭素推進のきっかけ

続いて、脱炭素社会推進のきっかけとなった出来事やチェックしておきたい環境問題に関する言葉について解説します。パリ協定は、温暖化対策に関する国際条約として2020年まで効力を持っていた京都議定書の後継ともいえる取組みです。また、ニュースなどでも何かと耳にする機会の多いSDGsの目標のひとつは脱炭素社会とも関連があります。

パリ協定

パリ協定は温室効果ガス排出量の削減を求める国際的取り決めで、2015年に合意されました。途上国を含む196カ国が公平な合意を示し、満場一致で採択された点が大きな特徴です。2020年までの温暖化対策目標として先進国に課せられていた京都議定書と違い、各国に自主的な取り組みを促すボトムアップのアプローチが採用された点も特筆すべき部分といえるでしょう。平均気温上昇の2℃を目標、1.5℃に抑える努力を追求するといった長期目標達成のため、効果的な取り組みとして脱炭素化が推進されるようになりました。

SDGs

持続可能な世界を実現するため2030年までに達成すべき国際目標として、国連総会で採択されたのがSDGsです。教育・ジェンダー格差や貧困問題といった多種多様な課題について触れており、17のゴールと169のターゲットで構成されています。SDGsを達成することによって少子高齢化や多様性による変化といった多くの問題が解決できると注目を集めています。脱炭素社会を目指すことは、13番目の目標として掲げられている「気候変動に具体的な対策を」の実現にもつながります。

脱炭素とカーボンニュートラルの違いは?

カーボンニュートラルは、温室効果ガスの排出をできる限り減らしたうえで、二酸化炭素を吸収してくれる植物の働きによってトータルの排出量を実質ゼロにしようという試みのことを指します。脱炭素との違いは、森林保全や植林活動を通じて二酸化炭素の吸収をしてくれる植物を確保し、温室効果ガスの削減をはかるという点です。基本的な考え方は共通しているため、脱炭素とカーボンニュートラルを同じ意味の言葉として使用する場面も多いです。

企業経営や投資面でも注目されている

脱炭素は企業経営や投資信託の観点からも注目されていて、パリ協定を機に気候変動対策を織り込んだ経営戦略や目標設定を掲げる企業も増えています。次世代エネルギー開発など将来性のある分野も多く、脱炭素に関する銘柄・ファンドに投資家や金融業界も高い関心を寄せています。持続可能な社会を実現していくため、環境問題への対策は今後の企業経営に避けては通れない重要事項のひとつであるといえるでしょう。

脱炭素実現に向けた国内外の取組み

脱炭素実現に向けた国内外の取組み

パリ協定をきっかけに多くの国が脱炭素社会を目指し、多様な部門で取り組みが進められています。政策や補助金といった国が主導する活動だけでなく、企業が主体となって省エネルギーや環境保全に取り組んで脱炭素化を目指している事例もあります。この項目では日本や世界の動きや具体的な事例を紹介します。

法整備をはじめとした日本政府の動き

日本では2050年カーボンニュートラルの実現に向けて、新たな補助金を設けたり法律を策定したりといった動きが見られます。2021年5月には改正地球温暖化対策推進法が成立され、2022年10月には国の財政投融資と民間からの出資を元にファンド事業の側面から脱炭素を促進する株式会社脱炭素化支援機構が設立されました。そのほか、太陽光発電導入やCO2削減比例型設備導入支援に関して新たな補助金が予算計上され、脱炭素社会への設備投資を促しています。

参考:環境省|脱炭素ポータル

脱炭素先行地域

脱炭素地先行地域とは、温室効果ガス排出実質ゼロを実現するためのモデルケースとして環境省に選ばれた地域のことです。地元企業や金融機関、地方自治体が中心となり、再生可能エネルギー発電設備の導入や地域の自然資源を活用したCO2吸収源対策といった取り組みが進められています。脱炭素社会への意欲と実現性の高い地域から近隣地域へと波及し、日本全国へと取り組みを広げていく脱炭素ドミノ倒しを起こすため、さまざまな施策が打ち出されています。

日本企業の取組み

発電などのエネルギー転換・産業・運輸といった、暮らしを営む過程で多量の温室効果ガスが排出されています。脱炭素社会を実現するためには、石油や石炭といった化石燃料に変わる次世代エネルギーの利用や、再生可能エネルギーを生成するための新たなテクノロジー開発が鍵となります。この項目では、日本企業がどのような取り組みを行っているのか2つの事例を紹介します。

取り組み事例1

NTTデータでは自社のエコ活動だけに留まらず、グリーン事業を通じて他社の温室効果ガス排出量削減支援や電力の最適化といったソリューション提供も行っています。商品の製造から消費までのサプライチェーン全体で脱炭素化を考え、自社のデジタル技術を活用したグリーンコンサルティングサービスで戦略立案から実行支援までをトータルでサポートしているのが特徴です。

取り組み事例2

日産リーフをはじめとした多彩な電動車両を展開している日産自動車では、2030年代早期より主要市場へ送り出す新型車をすべて電動車両にするという目標を掲げ、より効率的なバッテリー技術やエコシステムの開発に力を注いでいます。そのほか佐賀県小城市と「脱炭素化および強靱化に関する連携協定」を結び、電気自動車を活用した災害時の電力供給体制の構築をする活動も行っています。

世界の動き

現在125カ国・1地域が2050年までに、(世界最大のCO2排出国である中国は2060年までに)カーボンニュートラルの実現を表明しています。EUでは削減目標に応じた複数のシナリオの分析、英国では電力需要をシミュレートするなど、脱炭素社会を実現するための方法を模索しています。また、新型コロナウイルス感染拡大の影響で落ち込んだ景気回復の一環としての脱炭素分野における政策的支援も活発です。各国とも地球温暖化対策を制約ではなく未来への先行投資と考え、研究開発や先端技術の導入を積極的に支援しています。

参考:経済産業省|資源エネルギー庁 第2節 諸外国における脱炭素化の動向

取り組み事例1

iPhoneをはじめ日本でも高いシェアを誇るApple社も、脱炭素化を目指してクリーンエネルギーや気候変動対策に力を入れている企業のひとつです。2018年以降オフィスや直営店などグローバル事業活動での電力のすべてを再生可能エネルギーでまかなっているほか、他社と提携して森林管理に投資して炭素除去にも取り組んでいます。

取り組み事例2

ダノンビオやオイコスなどの乳酸菌食品で親しまれているダノン社は2021年12月に、英国非政府組織慈善団体であるCDPから3部門すべてで最高評価であるトリプルAを受賞しました。ダノン社はバリューチェーン全体で2050年までにカーボンニュートラルを達成するための戦略を立てています。気候変動対策・水セキュリティ対策・森林保全の3つの調査において3年連続受賞を達成したことで、大企業が環境問題について取り組むことの意義を示しました。

まとめ

地球温暖化へブレーキをかけるためには、多くの人々が当事者意識を持って取り組む必要があります。個人で取り組むのは難しいように感じる方もいるかもしれませんが、自動車ではなく公共交通機関を利用する、脱炭素化を推進している企業の製品を選ぶといった行動も脱炭素化社会へのアクションです。気軽に始められる小さな取り組みの積み重ねが脱炭素社会への一歩となります。

最後のチェックポイント

  • 脱炭素とは二酸化炭素の排出を実質ゼロにしようとする取り組みのこと
  • 持続可能な社会を実現する有効な気候変動対策として重要視されている
  • 企業経営や投資の観点からも注目が集まっている
  • 日本政府は法整備や補助金支給、先行地域の選出などで脱炭素社会を奨励
  • デジタル技術や再生可能エネルギーの活用で脱炭素化を進める日本企業もある
  • 諸外国でも脱炭素政策が打ち出され、海外企業も多様な施策を展開
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ニューノーマルとは?意味、起きた変化と必要なスキルや課題を解説 https://www.seraku.co.jp/tectec-note/industry/new-normal/ https://www.seraku.co.jp/tectec-note/industry/new-normal/#respond Fri, 23 Dec 2022 01:51:36 +0000 https://www.seraku.co.jp/tectec-note/?p=13091 はじめに

新型コロナウィルスが流行し 、生活やビジネスでの環境が一変するとともに「ニューノーマル」という言葉を耳にする機会が増えました。しかし「ニューノーマルってどんなこと」と聞かれると答えに詰まってしまう方も多いのではないでしょうか。この記事ではニューノーマルの言葉の意味から使われるようになった背景、生活やビジネスの何が変わったのか解説していきます。世の中の変化と共に必要になったスキル、ニューノーマルを推進していくうえでの課題と対策も紹介いたします。

ニューノーマルとは

ニューノーマルとは

ニューノーマルとは過去の常態(平常の状態)に戻ることのない新しい常態のことです。ここでは、ニューノーマルの言葉の意味をわかりやすく掘り下げます。また、いつからニューノーマルが提唱されるようになったのかも解説をしていきます。

言葉の意味

ニューノーマルを単語で分解すると「ニュー」(New)と「ノーマル」(Normal)になります。直訳では新しい常態・標準という意味です。世の中に大きな出来事が起き、その後生活様式や日常の標準が変化します。変化が大きかったり長引いたりすると、変化した状態からもとに戻ることができず、新たな生活様式や新しい日常の標準が定着します。今回のニューノーマルはコロナウィルスの流行という大きな出来事によってもたらされたと言えるでしょう。

ニューノーマルという言葉が使われるようになった背景

ニューノーマルという言葉が提唱されたのは実はコロナ禍がはじめてではないことをご存じでしょうか。1番はじめに提唱されたのは1990年代から2000年代初頭のITが普及しはじめた頃です。検索エンジンや携帯電話の広がりにより今までのビジネスモデルや経済の価値観が通じなくなりました。また、2008年に起きたリーマンショックの頃にもニューノーマルが提唱されています。その際は、世界的経済不況に 陥った原因が変わらなければもとの資本主義社会へ戻ることはないだろうと論じられました。

生活の変化

生活の変化

コロナウィルスが流行ったことで私たちの生活には変化が起きました。人と距離を取り、なるべく直接触れ合うことを避けることが推奨されています。日常生活ではどのような変化が起きているのか詳しく説明していきます。

ソーシャルディスタンス

人と距離を取って接することや大人数で集まらないといった、物理的に距離を取るソーシャルディスタンスが推奨されています。通常の会話をするときは、マスクをつけた状態で約2メートル離れると 感染予防ができるとされています。オフィスでは大人数が集まらないように出社日を減らし、人によって異なる出社日にしている企業が増えました。映画館やイベントホールの座席は観客同士の座席の距離を空け、収容人数を減らして営業している場所もあります。

外出を控える

緊急事態宣言により不要不急の外出を控える要請が出されました。それに伴い、業務ではリモートワークを推進する企業が増えました。里帰りや旅行などの遠出は避け、日常生活でも買い物は一度に まとめ買いするなど、外出を避け「ステイホーム」「おうち時間」といった家の中で過ごす時間が増加しています。リモートワークや自分の時間を充実させるためにインターネット環境を整え、インターネットサービスやサブスクリプションの利用を開始する人も多くなりました。

ビジネスの変化

ビジネスの変化

人との物理的距離を保つことが日常の新しい定義となりつつあり、ビジネスの分野では非対面や非接触でのサービスが収益の拡大を見せました。社内での取り組みでは、業務のIT化や事業継続計画(BCP)の見直しを重要視する企業が増えています。ここではそうしたビジネスの変化について説明していきます。

非接触サービスの拡大

店舗でも人と接触を控える考えが広がっています。キャッシュレス対応の店舗では交通系を含むICカードでのタッチ決済が普及しました。また、バーコードを利用した決済も増加しています。ファミリーレストランや居酒屋では、店員を呼ばずに各テーブルに配置されたタッチパネルで注文をするシステムの導入をする動きも盛んです。一部のファストフード店ではアプリでのオーダーにより、レジに並ばず出来上がりのタイミングで商品を受け取れる仕組みができています。

eコマース(EC)サービスの拡大

外出時間が短くなり、百貨店などへ出向かず、家の中でECサービス(インターネットの決済を利用したサービス)を利用する人が増えました。ネットショッピングではパソコンやスマートフォン1つで注文をしたら後日家に届くところまで完結します。今までインターネット販売をしていなかった店舗や品物も新たに参入してきています。今後もネットショッピングだけでなく、フードデリバリーやサブスクリプションなど、ECサービス利用者の増加と共に新たなECサービスの拡大が進んでいくことでしょう。

業務のIT化

リモートワークやテレワークをきっかけに業務のオンライン化を進める企業が増えました。テレワークで必要となるWeb会議ツールや勤怠管理ツールの導入率が高まっています。業務の効率化という点では、ファイル共有ツールを利用することでどの場所にいてもファイルを見ることができるようになりました。また、リモート営業や会議が増えた今、名刺をクラウド上に保存して、企業の情報を一元管理し、営業に役立てるというツールも需要が伸びています。

事業継続計画(BCP)の見直しや重要性

BCP(Business Continuity Plan)は事業継続計画のことです。天災や人災、パンデミックなど危機的状況に対して企業の被害を最小限に抑え、早期復旧に努めて事業を継続させる計画のことを言います。コロナ禍以前と現在では経営状態のよい企業のBCPは大きく変わってきています。パンデミックが起き、補助金や助成金だけでは経営がなりゆかず倒産してしまった企業も少なくありません。未来予測が難しい今、これから何が起きるか予測して変化に対応できるBCPへの見直しが重要視されています。

働き方の変化

働き方の変化

ニューノーマル時代になり、テレワークや業務のIT化を推進する企業が増えました。雇用形態もメンバーシップ型雇用からジョブ型雇用へ移り変わろうとしています。ここではニューノーマル時代の働き方がどう変化しているのか説明していきます。

テレワーク・リモートワーク

テレワーク・リモートワークのイメージ図

パンデミックの影響により社内でクラスターが発生するのを防ぐため、出社を控えてテレワークやリモートワークを推奨する動きが全国で起こりました。テレワークやリモートワークでは、企業以外の自宅や移動先などさまざまな場所で業務ができます。テレワークを進めるにあたっては、業務のIT化や社員の就労環境を整えることが必然となります。出社が必要な業務がなくなった企業では、広いオフィスが必要なくなり手放した、という事例もあります。

オンラインでの会議や営業活動

直接人と会う機会が減り、多くの会議や営業活動が対面式からオンラインに移行しました。会議や打ち合わせに活用できるWeb会議ツールも複数の企業からリリースされ数多く存在します。オンラインでの営業活動は今までのように現場に足を運ぶ方法からWeb会議ツールを使用した方法に変化しています。オンラインでの会議や営業活動は、移動時間や会議室の準備が必要ないため比較的自由な場所と時間でできるのでスケジュールが組みやすく、次の商談の提示もしやすいのが特徴です。こちらが提示した資料を相手方がダウンロードして共有することもできるようになっています。

ジョブ型雇用の増加

今までのメンバーシップ型雇用では同期と一斉に研修をして、年功序列で昇格や昇給のあることが大半でした。ほぼ毎日出社をしているため、勤務態度や仕事が目に見えてわかり、そのおかげで雇用も成り立っていたといえます。しかし、テレワークが増えた今、現場での勤務態度や仕事ぶりを見ることができません。そのため専門性が高く結果を重視し、その人にできる仕事を任せるジョブ型雇用にシフトしてきています。

ニューノーマル時代に求められるスキル

ニューノーマル時代に求められるスキル

ニューノーマル時代で生活や働き方が変わりました。業務のIT化やテレワーク、リモートワークが増えたことで求められるスキルにも変化が起きています。ここではどのようなスキルが求められるようになったか説明していきます。

オンラインでのコミュニケーションスキル

ニューノーマルのコミュニケーションでは、伝えたいことをわかりやすく伝える文章力や、相手の言葉を読み解くスキルが必要です。オンラインでのコミュニケーションはチャットやメールといった文章でのやり取りがメインです。手軽にやり取りできる分、迅速に返信をする必要があります。文章のポイントは、まず結論を頭に書き、短くまとめるよう心掛けると、自分の言いたいことが相手に伝わりやすくなるでしょう。それに加えて、 相手の文章からも言いたいことは何か、大事な部分はどこか理解できるとコミュニケーションがスムーズに進みます。文章力や読解力を上げるには、普段から本や新聞などの文章に触れて、その文章が言いたいことはなにかをまとめるようにすると伝え方や要約がつかめるようになるでしょう。

モチベーションを管理する力

テレワーク・リモートワークでは周りに一緒に頑張る同僚がいない中、1人で仕事へのモチベーションを保つ必要があります。しかし、高いモチベーションを維持し続けることは難しいです。

業務中のモチベーションの保ち方は1時間に1度5~10分程の休憩を挟むことをおすすめします。気持ちや頭のリフレッシュにつながり休憩後の仕事へのモチベーションが復活すると言われています。作業する場所に飲み物や簡単なおやつを用意して気持ちを切り替えながら業務に励むのもいいでしょう。
日常生活で心がけることは運動をすることです。1日に10分程度の散歩をするだけでもモチベーションが上がります。休日には仕事のことをまったく考えず完全にオフの状態にするとリフレッシュにつながります。

心身の健康を管理する力

自身で心身の健康を管理する力も、ニューノーマル時代には必要です。テレワーク中心の生活になると通勤をしなくなるため運動量が減ります。運動を怠ると体が硬くなり、集中力の低下にもつながります。日々適度な散歩や運動を行うことで心身のリフレッシュにもなり仕事の集中力が上がるでしょう。

Web会議やミーティングが無ければ仕事に向き合う時間も自己裁量になりやすいです。そうなると、仕事が終わらないからとご飯や休憩を挟まず続けることで、過労につながる恐れがあります。結果、精神にも悪い影響を与えてしまいかねません。仕事がたまっていても、休憩時間を決めて少しでも休むことで頭のリフレッシュにもつながり、仕事の効率を上げることができるでしょう。

セルフマネジメント能力

セルフマネジメント能力も、ニューノーマル時代に必要なスキルと言えます。従来の出社する勤務の場合は、近くに先輩社員がいるので自分の将来像を描きやすいです。仕事のやり方も、わからなければ先輩にすぐ聞くことができました。テレワークやリモートワークが中心の今、そばに先輩はいないことが多いのではないでしょうか。手本や指標となる人物がいないので自分の将来像が掴みにくく、 わからないことが出てきてもすぐに聞ける環境ではないため自分で考える必要があります。

将来像については、自己分析を行い、自分が今後どのようにしていきたいのかを考え、目標を立ててその達成を目指すことで見えてくる可能性があります。仕事に対しては、どう取り組んだら効率がよいか、仕事をしやすいかを考え、計画を立てて行動することが大切でしょう。

トラブル解決力

リモートワークやテレワークで何かトラブルが発生した時に、すぐに相談できる人はいないことが多いでしょう。 最近はインターネット検索で答えが見つかることも多く、解決方法の手順を丁寧に解説しているサイトも多数あります。仕事をするうえで起きやすいトラブルや、解決のための思考方法についてはビジネス本などにも多くヒントがあります。上司に相談せずに行うと取り返しのつかないことになりかねない、というものでなければ自分で解決できる力を持つとよいでしょう。普段の業務中から、もしこの場でトラブルが起きたらどう対処するかを考えてみましょう。何パターンか予防策や解決策を考えておくといざ何か起きた時に冷静に対処できるはずです。

ニューノーマルを推進していく上での課題と対策

ーノーマルを推進していく上での課題と対策

ニューノーマルに対応していくことは新しい時代に適応していくためにも大切なことです。今までと異なる常態のニューノーマルを推進していくうえではさまざまな課題もあります。ここでは課題と対策について説明していきます。

コミュニケーション不足

ニューノーマルな働き方で出社が減り人と顔を合わせて会話をすることが減りました。チャットやメールでの業務連絡が多くなった半面、人とのコミュニケーション不足に陥りがちです。コミュニケーション不足により仕事のトラブルを1人で抱えてしまうことや、個人的な問題を抱え込んでしまい仕事に影響を及ぼしてしまうことがあります。対策としてはチャットで気軽に会話ができる状態を作ることや、ミーティングのはじめや終わりに日常会話を心掛けることが挙げられます。

セキュリティの保持

ニューノーマルな働き方によりテレワークやリモートワークが増え、パソコンや機材を持ち出すことで情報を社外で取り扱う頻度が増えています。社外での情報の管理やセキュリティ対策を行っていないと、情報漏えいやパソコンへのウィルス侵入が起きかねません。対策としては外部のフリーWi-Fiを使用しない、セキュリティチェックを定期的に行う、情報を外部コピーしないといったセキュリティの保持に関するルールを作り、社員に周知させることが挙げられます。

労働環境の確保

テレワークやリモートワーク、業務のIT化といったニューノーマルな働き方を推進していくには労働環境の確保が必要です。社員が使う社外用のパソコンの配布やパソコンの設定、自宅のインターネット環境整備の準備が基本となってくるでしょう。現在の業務でPCに入れるソフトは何が便利か、その他に必要な物はあるか検討が必要です。現在ではリモートワークに移行しやすいツールがありますので、利用することでニューノーマルな労働環境の確保に近づけるでしょう。

人事評価

ニューノーマルな働き方の推進により、現場で仕事ぶりを見ることが減っている昨今では、仕事の成果に対して評価基準を取り入れている企業が多くなってきています。個人が所持している資格やスキルに合わせて、仕事の種類や量を割り当てる企業も増えてきています。企業によっては所持している資格に応じて手当がつく場合もあるでしょう。今までの年功序列の制度に比べて、年齢や社員歴関係なく個々で競い合える職場環境が作りやすいと言えるでしょう。

まとめ

コロナウィルスによってもたらされたニューノーマル時代の到来で、物理的に人との距離を取り外出を控えるようになりました。ビジネスシーンでは非接触での接客やオンラインでの会議、リモートワークが推進されています。チャットやメールでのコミュニケーションが増え、これまで以上の文章力や読解力が求められています。一人で作業することが増えたので、モチベーション管理能力や自身のマネジメント管理能力もあるとよいでしょう。必要とされる知識やスキルを身に着けて、これからのニューノーマル時代で活躍できる人材になっていきましょう。

最後のチェックポイント

  • ニューノーマルとは新しい常態を指しもとの標準には戻ることができないという意味
  • コロナウィルスの流行で生活様式やビジネスに大きな変化が訪れた
  • ビジネスシーンでは非接触の接客や業務のIT化が進んでいる
  • 非対面におけるやり取りの増加で新しいコミュニケーションスキルが求められている
  • テレワークにより自身のマネジメント力や心身の管理能力が求められている
  • 企業として推進していくうえで課題は残っているが解決策も増えてきている

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再生可能エネルギーとは?メリットはあるのに普及しない理由も解説! https://www.seraku.co.jp/tectec-note/industry/renewable-energy/ https://www.seraku.co.jp/tectec-note/industry/renewable-energy/#respond Tue, 20 Dec 2022 03:01:29 +0000 https://www.seraku.co.jp/tectec-note/?p=13071 はじめに

「未来に向けて環境に優しい取り組みを行っていこう」という考え方は、世界共通認識になりつつあります。現在、次世代型のエネルギーとして注目を集めている再生可能エネルギーもその一つです。この記事では再生可能エネルギーの必要性や課題を、事例と共にわかりやすくご紹介します。

再生可能エネルギーとは?

再生可能エネルギーとは?

再生可能エネルギー(自然エネルギー・グリーン電力)とは、自然由来の持続可能エネルギーのことを指し、「再エネ」という略称でも親しまれています。
再生可能エネルギーは「永遠に枯渇することのないエネルギー」、「利用頻度以上の速度で自然に再生するエネルギー」という意味をもち、対して化石燃料やウランのような限りがある資源を「枯渇性エネルギー」と呼ぶこともあります。
SDGsで掲げられる7番の目標である「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」にも通じていることから、世界でも重要視されているエネルギーです。

再生可能エネルギーはなぜ必要?

地球温暖化や環境破壊のリスクを回避するためにも再生可能エネルギーは必要です。石油や石炭などのエネルギーを使用することで、CO2(二酸化炭素)をはじめとした温室効果ガス(GHG)が排出されると以下のような問題が出てきます。

  • 気温の高い国で発生している伝染病患者の増加
  • 動植物の減少および、それに伴う食糧難
  • 氷河や氷床の解氷による海面上昇の結果、小さな島国の水没危機

こういったリスクを緩和するためにも再生可能エネルギーの必要性は増しており、世界規模での課題となっています。

再生可能エネルギー取り組みの歴史

再生可能エネルギーが意識されるようになった背景にはどのような出来ごとがあったのでしょうか? 以下からご紹介します。

日本はオイルショックがきっかけ

1973年、第4次中東戦争の勃発により、原油価格の高騰を招いた第一次オイルショックが起きました。
この混乱をきっかけに日本では再生可能エネルギーへの取り組みが本格化され、翌年の1974年にはエネルギーの長期的な安定供給の確保を目指す「サンシャイン(SS)計画」を発足しました。また、1980年にはサンシャイン計画の推進機関となる「新エネルギー総合開発機構」、(現在の「新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)」)と、再エネ研究の基盤となった「石油代替エネルギーの開発及び導入の促進に関する法律」(代エネ法)が設立されました。

地球温暖化問題からCOPが発足

COP「締約国会議(Conference of the Parties)」とは、「気候変動枠組条約」の加盟国が、地球温暖化を防ぐための議論を行う場です。COPの最終目標は、地球温暖化防止のために温室効果ガスの濃度を安定化させることです。
主な決定事項に1997年、京都で開催されたCOP3(京都議定書)と、2015年フランス・パリで開催されたCOP21(パリ協定)が挙げられます。
温室効果ガスの排出責任は主に先進国にあるというCOP3に対してCOP21では、「先進国、途上国問わず世界の平均気温上昇を産業革命前と比べて2度未満に抑えつつ、さらに1.5度未満を目指すこと」という目標を掲げました。

再生可能エネルギーの種類(発電事例)

再生可能エネルギーの種類(発電事例)

再生可能エネルギーにはどのような種類があるのでしょうか? 発電事例をご紹介します。

太陽光発電

太陽光発電とは、太陽光パネル(太陽電池)を通して集めた太陽光を電気に変えるシステムのことです。
太陽光パネルは屋根や壁、窓などに設置できるため送電ロスが少なく、メリットの一つとされています。ただし、雨や曇りの日は発電量が少ないことや、設備費用が高いことなどの課題もあります。

ソーラーアップドラフトタワー

ソーラーアップドラフトタワー(ソーラーチムニー)とは、太陽熱を利用する発電所のことを指します。太陽光で熱せられた空気を煙突(チムニー)に集めて気流を発生させ、その気流によってタービン(液体がもつエネルギーを回転エネルギーに変換する機器)を動かし、エネルギーを発生させるというシステムです。
太陽光発電と異なり赤外線エネルギーの利用ができ、水が不必要なため砂漠でも建設可能という利点があります。

地熱発電

地熱発電とは、地下のマグマのエネルギーを利用して発電するシステムのことです。まず、地下1,000m~3,000m付近にある地熱貯留層に溜まった雨水を地中のマグマを利用して温めます。次に、地熱流体(高温・高圧の熱水、蒸気など)を取り出し蒸気と熱水に分けてから熱水を地中に戻し、蒸気のみをタービンで回して発電します。純国産のエネルギーであるため、世界情勢によって価格変動が起きにくいエネルギーです。

海洋温度差発電

海洋温度差発電は、太陽により温められた表層海水と冷たい深層海水との温度差をタービン発電機で変換する発電方式です。
現在は、表層海水と深層海水の温度差が年間を通じて平均20℃以上の地域のみが対象となっており、日本では沖縄周辺地域が該当します。
水温が急激に変わらないため発電量が安定しており、予測も簡単であることがメリットの一つです。

水力発電

水が高所から低所へ流れ落ちる力を利用して発電する方法を水力発電といいます。
水力発電所の中には「ダム式発電所」と呼ばれるものがあり、ダム式発電所では昼間に高所のダムの水を低所の発電所内へ向けて流し込み、発電所内の水車を回して発電します。一方、夜間はダムの水を貯水することも可能です。

波力発電

波力発電は、波のもつエネルギーを利用して発電する方法であり、一番メジャーなものは「振動水柱型波力発電」です。
振動水柱型波力発電は発電装置の中に海水が流れ込み、中の空気室で海面が上下に運動することで押し出された空気が、タービンを回して発電する仕組みになっています。タービンに直接波が当たらないため、腐食や故障しにくいのがメリットです。

振動水柱型波力発電の説明図

風力発電

風力発電とは、大きな風車から受ける風の力を利用して発電する方法です。
風を受けて風車が回ると、発電機内の増速機と呼ばれる機械が風車の回転速度を上げます。そして、回転速度の上がったより強いエネルギーを、発電機に伝えることで電気に変換します。
再生可能エネルギーの中では、比較的コストを抑えられるという点がメリットです。

バイオマス発電

バイオマス発電は、木屑や可燃ゴミなどを燃やすときの熱を利用して電気を起こす発電方式のことです。
バイオマスとは、生物資源(bio)の量(mass)を表す概念で、化石燃料以外の動植物から生まれた資源のことを指します。植物は燃やすと二酸化炭素を排出しますが、加工前の植物が光合成により大気中の二酸化炭素を吸収するため、二酸化炭素の排出量は実質ゼロともいえます。

再生可能エネルギーの供給方法

再生可能エネルギーの供給方法

近年では再生可能エネルギーの利用を促進するために、スマートグリッドが注目されています。スマートグリッドとはどのようなものか、メリットや仕組みをご紹介します。

スマートグリッドとは?

スマートグリッドとは、ネットワークや通信端末などのIT技術を組み込んだ次世代型の電力網のことです。元来の目的は大規模停電を防ぐためにアメリカで発案されたものであり、以下のようなメリットがあります。

  • 電力の供給側と受給側がネットワーク上でデータの送受信が行えるため、供給側が電力需要をリアルタイムで把握できる
  • 遠方からでも発電量や供給量を調整できるため、必要な場所に必要な電力を送れる

また、再生可能エネルギーは「発電量が不安定」なため、既存の電力網に組み込みにくい点が課題でした。しかし、スマートグリッドを用いることで電力需要に対して複数の電源から電力送信が可能になりました。

計画的な発送電に欠かせない機器

スマートグリッドはスマートメーターや、HEMS(Home Energy Management System:ホーム・エネルギー・マネジメント・システム)と連携することで、計画的に発送電が行えます。
スマートメーターは、ネットワークを通じて家庭や地域の電力使用量を電力会社に伝えてくれる次世代型電力量計のことです。他方、HEMS(ヘムス)は各部屋における各機器の消費電力や、再生可能エネルギーによる発電量を確認できる機器のことを指します。

再生可能エネルギーのメリット・デメリット

再生可能エネルギーのメリット・デメリット

再生可能エネルギーにもメリットとデメリットが存在します。
メリットだけではなく再エネが普及しない背景も知り、皆で解決策を考えていくことが大切です。
以下から再生可能エネルギーのメリットとデメリットをご紹介します。

  • メリット
  • 全国どこでも設備設置が可能なため国内エネルギーの自給率向上が見込める
  • 永続的にエネルギーが供給でき全国どこでも電力が受給できる
  • トラブルや災害が起きても最小限の被害で済み設備修理費用も安価
  • 温室効果ガスを排出しないため化石燃料に代わる新たな製造産業が生まれる

  • デメリット
  • 天候によって発電量が不安定になる
  • 発電コストが高い
  • エネルギー資源の種類や発電所の設置に適している場所などを調べる手間やコストがかかる
  • 従来の発電方法と異なるため発電規模の縮小や価格の高騰が見込まれる

環境に優しい再生可能エネルギーが普及しない主な理由には、発電量が不安定、さまざまな面でコストがかかるといった点が挙げられます。以下からはデメリットに加えた日本の課題と解決策をご紹介します。

デメリットに加えた日本の課題

デメリットに加えた日本の課題

日本で供給されているエネルギーの約8割は石油、石炭、天然ガスなどです。ただし、資源に乏しい我が国はそのほとんどを海外からの輸入に依存しています。また、2011年3月に発生した東日本大震災以降はエネルギー自給率が10%を下回っています。
さらに、震災の影響により定期検査で止まったまま再開の目途が立っていない原子力発電所が増えたことから、やむを得なくCO2の排出量が多い火力発電に切り替えられました。 そのため、2013年度には過去最高となる14億トンもの温室効果ガスを排出しました。

現状を打開するために日本が取った政策

現状を打開するために日本が取った政策

再生可能エネルギーへの課題やデメリットを打開するために、日本が取った政策をご紹介します。

カーボンニュートラルを目指すと宣言

カーボンニュートラルとは、2050年までに温室効果ガスの排出をゼロの状態にするという世界規模での目標です。2020年には日本政府も、カーボンニュートラルを目指すと宣言しています。
また、翌年の2021年には「2030年度のエネルギーミックス」が見直され「第6次エネルギー基本計画」が閣議決定されました。
エネルギーミックスとは、さまざまな発電方法を取り入れ(ミックスして)社会に電力を供給する方法です。
第6次エネルギー基本計画では2030年を目標に、火力発電を76%から41%に減らして再生可能エネルギーの比率を36~38%に引き上げることや、CO2排出量を2013年度と比べて46%削減すること、将来的には50%削減を目指すことなどが目標とされています。

カーボンニュートラルと「3つの水素エネルギー」

近年ではカーボンニュートラルに向け水素エネルギーが注目されています。水素エネルギーの種類は大きく3つに分類されます。
水素エネルギーのメリットは、利用時にCO2を排出しないため環境負荷への低減を期待できる点や、地域の事業者が地域の資源から水素をつくることで地域産業活性化へつなげてくれる可能性と、エネルギーを貯蔵することで災害時にも有効活用ができるといった点です。
また、水素は燃料電池(水素と酸素を化学反応させて電気を起こす装置)を通して「電気」と「熱」、2つのエネルギーを供給できるため、エネルギーの有効利用ができます。

1.グレー水素

「グレー水素」は、石油・石炭・天然ガスなどの化石資源から抽出される水素のことです。グレー水素使用時にCO2は排出されませんが、元々の資源に炭素が含まれているため、水素を取り出す際には二酸化炭素が発生します。そのため、カーボンニュートラルの観点からは評価されておらず「グレー」の水素と表現されています。

2.ブルー水素

グレー水素生成時のCO2処理を行うと、「ブルー水素」になります。CO2処理方法の1つに、CCS(Carbon dioxide Capture and Storage)があります。CCSは「地中貯留」と訳され、CO2を回収して地中に留めておく技術のことです。
価格面で最も実現可能性の高い方法ですが、日本国内で適した土地が少ないことや、「永続的に、CO2が漏れることなく貯留され続けるかどうか」という疑念があります。

3.グリーン水素

再エネ由来の電気から水を電気分解して生成した水素を「グリーン水素」といいます。グリーン水素は燃焼時だけでなく、生産過程においても排気ガスやCO2を出さないので、脱炭素時代に向けてのクリーンエネルギーとして注目を浴びています。
ただし、水を電解するには多くの電力が必要です。そのため、電力コストを抑える方法の考案や電解をおこなう「水電解装置」の開発を進めていき、装置自体のコストを低減することも重要です。

FIT制度

2012年、再エネ発電の導入が進まないことから「再生可能エネルギー固定価格買取制度(Feed-in Tariff、略してFIT制度)」が定められました。FIT制度とは、電力会社が再生可能エネルギーを国が決めた価格で買い取るために、国民の電気料金から費用を徴収するという法律です。その費用のことを「再生可能エネルギー発電促進賦課金」、略して再エネ賦課金(ふかきん)といいます。

また、再エネの発電機材を購入した売電事業者は国や電力会社から認定を受ける必要があります。2017年のFIT法改正により、事業者自らの申請手続きが必要となりました。現在では、インターネットからの電子申請も可能です。

FIP制度

2022年4月に 再生可能エネルギー特別措置法が改正され、それに伴い市場連動型の導入支援(Feed-in Premium、略してFIP制度)が施行されました。
再エネ賦課金による消費者の負担の増大に加えて、太陽光発電の拡大により昼間の電力需要数が減少し、電力会社が固定価格で買電をするとロスにつながる課題が出てきたためです。

そこでFIP制度では、再エネの売電価格を固定価格から市場価格に変更しました。時間帯によって売電価格が変動するため今後、発電事業者は「いつ・誰に・いくらで再エネ電力を売るか」という判断が求められます。

ただし、FIT制度時と同程度の収益を見込めない可能性も懸念されているため、国は電力の需要数に応じて補助金(プレミアム)を出すと公表しています。

RE100とは?

RE100とは?

2014年に発足したRE100には、現在24の国から356社が参加しています。RE100とは英語の「Renewable Energy 100%」の略称で、直訳すると「再生可能エネルギー100パーセント」という意味です。「事業で使用する電力を100パーセント再生可能エネルギーにする」という目標を掲げた企業のみが加盟しています。

RE100設立の意図は、電力需要側である企業が再エネの必要性を電力供給側(政府や電力会社、小売電気事業者など)に訴えることにより、需要を高めることです。需要が高まることで電力供給側は再生可能エネルギーの開発を進めることになり、政府や関係機関も新たな法令を作り出す必要性が出てきます。
企業自らが動くことで、「脱炭素社会」に近づくことがRE100の狙いです。

なぜ大手企業ほど取り組みが求められるのか?

今や、地球温暖化対策は世界的な取組みのため、とくに海外進出を行っている大手企業ほどRE100に加盟する傾向が強いです。日本からも66社が参加しています(2022年3月現在)。
また、近年ではESG投資Environment(環境)、Social(社会)、Governance(企業統治)を重視している株主が多いこともあり、すでにヨーロッパでは化石燃料に投資している企業を投資対象から外す動きも見られます。

まとめ

再生可能エネルギーは環境に優しいエネルギーですが、なかなか普及しにくいのも現状です。しかし、限りある資源を使い続けることは不可能ですし、いつまでも枯渇性エネルギーに頼り切っていては「持続可能な社会」を実現できません。
今、世界中が「脱炭素化に向けて私たちにできることは何か? 」を合言葉に行動しています。環境や未来を考える際にはぜひ、再生可能エネルギーを取り入れることも選択肢の一つとして考えてみてください。

最後のチェックポイント

  • 再生可能エネルギー(再エネ)とは、自然由来で持続可能なエネルギーのこと
  • 再エネは地球温暖化を防ぐためにも有効
  • 再エネは「永遠に枯渇しない」というメリットがある
  • 再エネのデメリットは「発電量が不安定」「発電コストが高い」など
  • カーボンニュートラルに向け水素エネルギーが注目されている
  • 「脱炭素社会」を目指すことがRE100の最大目標
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SDGsを簡単にわかりやすく解説!17の目標を企業や個人でできること https://www.seraku.co.jp/tectec-note/industry/sdgs/ https://www.seraku.co.jp/tectec-note/industry/sdgs/#respond Tue, 20 Jul 2021 04:08:46 +0000 https://www.seraku.co.jp/tectec-note/?p=6111 はじめに
  • SDGsとは、2030年をゴールとした持続可能でよりよい世界を目指す国際目標のこと
  • 掲げられた17つの目標には、169のターゲットが設定されている
  • すべての目標は、すべてを一つの事柄として問題解決に取り組むもの
  • 目標達成のためには、世界中の人々が手を取り合って取り組むことが必要
  • 「誰かがやればいい」ではなく「一緒にやろう」と考え方を改めることも重要
  • SDGsの問題は、一人ひとりが当事者である自覚を持とう

「SDGs」または「持続可能な開発目標」という言葉を、聞いたことがあるでしょうか。具体的な内容は知らないまでも、報道番組やネットニュース記事で見聞きしたことがある方も多いでしょう。
この記事では、SDGsの意味や内容、行われている取り組みなどを簡単に、わかりやすくご紹介していきます。

SDGs(持続可能な開発目標)とは?

SDGsとは、Sustainable Development Goalsの略で、日本語では「持続可能な開発目標」と言います。2015年9月に開催されたサミットで採択され、2030年をゴールとして17つの目標が掲げられ、169のターゲットが設定されました。具体的な内容は「世界中の環境・差別・貧困・人権問題といった課題を、2030年までに解決していこう」という世界共通の計画・目標です。

そもそも持続可能な開発とは

「持続可能」とは、現在の状態を維持しつつも将来のために環境や資源を守っていくことです。「開発」とは、世界中の人々が安心安全に暮らしていけることを指します。つまり、持続可能な開発とは「人間の活動が自然環境に悪影響を与えず、改善するための活動を長期間に渡って実施・維持し続けられる」ことを意味しています。
実現のためには、個人だけでなく企業や国などの枠にとらわれず、世界中すべての人が協力し合って取り組むことが重要です。発展途上国と先進国が共に取り組む普遍的なものとして、日本の外務省もSDGsへ積極的に取り組んでいます

参考:外務省|SDGsとは?

SDGsが掲げる17の目標を簡単に解説!

SDGsには、持続可能な開発のために17つの目標が掲げられています。目標にはそれぞれ、達成度合いを確認するためのターゲットと指標が定められています。ターゲットとは、目標の内容を具体的にしたもので、すべて合わせて169個です。指標はさらに細かく目的を定めたもので、232もの数があります。
ここからは、17つある目標の内容や目指すものについて、簡単に解説していきます。

参考:外務省|SDGグローバル指標(SDG Indicators)

1.貧困をなくそう

この目標が目指すのは『あらゆる場所のあらゆる形態の貧困を終わらせる』ことです。
世界的に感染症が流行した影響もあり、極度の貧困状態にある人は7億人以上、世界人口の約10%を占めています。この貧困は、決して途上国だけの問題ではありません。先進国でも貧困は起こっており、日本でも7人に1人の子どもが「相対的貧困」の状況に置かれています。「相対的貧困」とは所属する社会の一般的な水準より低い状況で暮らさなければいけない、という貧困の形です。貧困の形態は他にも、社会的な差別や排除によるもの、必要な住居・教育関連のサービスが受けられないなど、さまざまな形があります。

2.飢餓をゼロに

この目標が目指すのは『飢餓を終わらせ、食糧安全保障および栄養改善を実現し、持続可能な農業を促進する』ことです。世界では、8億人以上が飢餓・食糧不足に陥っています。飢餓状態では生産性を上げられず、貧困・飢餓状態から抜け出すこと自体、難しいのが現状です。また、2050年には20億人まで増加すると言われており、世界各国で対処が必要とされています。

飢餓の深刻化は、近年の異常気象や感染症の拡大も一因と言えますが、それだけが原因ではありません。大きな原因は食品ロスです。
日本でも2021年度の年間食品ロス量は523万トンとなっており、世界の食料支援量(2021年度は約440万トン)の1.2倍に相当します。飢餓をゼロにするためには、食料をより多くの人々へ届けることが重要です。そのためには食材を無駄なく使い、食べ残さないように個人レベルから取り組み、食品ロスを減らすことが大切と言えるでしょう。

3.すべての人に健康と福祉を

この目標が目指すのは『あらゆる年齢の、すべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する』ことです。
日本では国民全員が健康保険に入るため、誰もが治療を受けやすくなっています。しかし世界では、世界人口の約半分にあたる人々が、病気や怪我をしても適切な治療を受けられないでいます。途上国では社会福祉サービスが十分に整っていないことが原因の一つです。治療を行うための環境整備も不十分であるため、医者や薬が足りていない、検査や手術の設備がないといった問題も解決する必要があるでしょう。

多種多様な健康問題やさまざまな疾病に対処するためには、多くの取り組みが必要になります。例えば、保険制度の整備や財源確保、衛生施設の敷設や状態改善などが挙げられます。あらゆる角度から検討し、解決へつなげることができれば、世界的な福祉支援は大幅に前進できるでしょう。

4.質の高い教育をみんなに

この目標が目指すのは『すべての人に公正かつ平等で質の高い教育を確保し、生涯学習の機会を促進する』ことです。
日本には義務教育の制度があり、ほとんどの子どもは学校に通い、読み書きや計算などを学びます。日本では当たり前となっていますが、世界と比べると非常に恵まれているといえるでしょう。

世界には「学校がない・教師がいない・障害がある・働かないと生活できない・戦争や紛争が続いている」などの理由から教育を受けられない子どもが多くいます。教育を受けられずに大人になると、正しい知識や収入を得る手段が身につけられません。そのことが、貧困から抜け出すことが難しくなり、学びも得られないという負のループが続く原因と言えるでしょう。
もし、低所得国のすべての母親が中等教育を受けられれば、1200万人の子どもたちを発育阻害から救い出せると言われています。病気に対する知識も身につけられれば、子どもの死亡率を5割近く減らすことも可能となるでしょう。

5.ジェンダー平等を実現しよう

この目標が目指すのは『ジェンダー平等を達成し、すべての女性および女児の能力強化を行う』ことです。そしてジェンダー平等には、女性の社会進出を妨げる問題の解決だけでなく、LGBTQの権利や差別問題の解消も含まれます。
一部の国では、18歳未満の子どもを強制的に結婚させる「児童婚」や、本人の同意なく大人の都合で強制的に「女性器の切除」が行われています。また、先進国でもジェンダー格差や差別が残り、根付いているのが現状です。

日本を例に挙げると、産後の職場復帰が難しい、医学部志望の女子学生が性別を理由とした不当な点数配分をされる、といった事例があります。途上国において貧困に苦しむ女性たちが学びの機会や手に職をつける機会が得られれば、貧困問題の解決や、飢餓・健康問題の解決にもつながっていくでしょう。

6.安全な水とトイレを世界中に

この目標が目指すのは『すべての人々が安全な水と衛生的な環境を利用可能にし、持続可能な管理を確保する』ことです。
途上国をはじめとして、世界には生活のインフラ整備が不十分で、浄水処理や衛生状況が整っていない国や地域があります。そのため、いまだ数十億人が安全に管理された飲料水や、衛生的な環境での生活ができていません。安全な水を利用できない人は世界人口の約3分の1と言われており、トイレが利用できず汚染されたままの水を使用する人は約18億人です。そのうち、不衛生な水による疾患で命を落とす子どもは年間180万人と、深刻な状態にあります。

排水処理による水質管理や、衛生設備や環境を整えることで、安心安全な飲料水の確保や水の再利用、利用効率の改善を図ることが可能になります。また、今後深刻化すると言われている水不足にも備えられるため、農業用水の安定供給や食料問題の解決につながるでしょう。

7.エネルギーをみんなにそしてクリーンに

この目標が目指すのは『すべての人々が、安価かつ信頼できる持続可能な近代的エネルギーを使用可能にする』ことです。
国連の発表によると、世界で電気を利用できない人は、2020年の時点で7億8900万人と言われています。多くは農村部に暮らす人で、薪や石炭などを燃やすことで生活しています。その中でも貧しい人々は夜に明かりを灯すことができず、仕事や勉強に手をつけられないのが現状です。

石炭や石油を使用した発電は、二酸化炭素の放出量を増やすため、温暖化を加速させる要因です。有害物質を含む煙も発生するため、人体に悪影響を及ぼす可能性があります。しかし、世界で使用されているエネルギーのうち、太陽光や風力などの再生可能エネルギーによって作られたものは、電力全体の17.5%ほどしかありません。安全でクリーンなエネルギーを利用可能にするために、エネルギー効率の改善や、再生可能エネルギーの利用拡大が求められています。

8.働きがいも経済成長も

この目標が目指すのは『すべての人々の生産的な雇用とディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)を促進し、持続可能な経済成長を推進する』ことです。
国際労働機関(ILO)によると、世界的な感染症の流行や、終わりの見えない紛争の影響により、2022年は世界で約2億500万(失業率でみると5.8%)もの人が失業しています。内訳には発展途上国の人々や女性が多い傾向にあるようです。

また、2022 年の推計では 2 億 1,400 万人の労働者が極度の貧困状態で生活しており、働く貧困層(ワーキングプア)の人口も増加傾向にあります。貧困は飢餓に直結しやすく、仕事や生活のために移住を選択する場合もあるでしょう。住む人がいなくなれば、その国には課題だけが残り、問題の解決はできません。
経済成長によって新たな雇用が生まれれば、失業する人を減らすことや、貧困・飢餓問題とともに解決を図ることも可能になるでしょう。

参考:国際労働機関|世界の雇用及び社会の見通し 動向編 2023 年版

9.産業と技術革新の基盤をつくろう

この目標が目指すのは『しなやかでレジリエント(柔軟性や回復力のある)なインフラ構築と、持続可能な産業化および技術革新の推進を図る』ことです。
開発途上国では、多くのインフラが未整備となっています。インフラには「交通網・上下水道・送電網・ダム・ネットワーク」といった産業面と「学校・病院・公園」などの生活面、それぞれを支える施設が該当します。共通しているのは「社会で共有するもの」である点です。
これらのインフラ整備が不十分なため、途上国の生産性は欧米諸国と比べて大きな差ができています。必要なインフラが整備できれば、途上国の人々の生活水準が上がるだけでなく、持続可能な産業促進の一歩となるでしょう。同時に、貧困・飢餓問題の解決にもつながります。

10.人や国の不平等をなくそう

この目標が目指すのは『各国内および各国間の不平等を正しく見直し解決する』ことです。
現在の世界では、世界の富裕層の10%が世界の総所得額の約40%を占めていると言われています。その一方で、1日2ドル以下の貧困生活を強いられている人々も多く、大きな所得格差があります。グローバル経済は潤沢な資産をもつ富裕層に有利なシステムといえ、貧困層に恩恵がないのが現状です。このような状況では、働いても貧困から抜け出せず、富裕層との生活格差がさらに開いていくでしょう。

また、性別や人種などのさまざまな理由により、教育・就労・医療といったサービスの利用にも不平等が発生しています。中国を例に挙げると、賃金が高い都市部への移住が戸籍制度によって制限されています。中国政府は農村部への支援を行っていますが、教育の質を含め、所得格差は拡大する一方です。

11.住み続けられるまちづくりを

この目標が目指すのは『すべての人が快適で安全に暮らせる持続可能なまちづくりを実現する』ことです。
世界人口の半数にあたる人々が都市部で暮らしています。豊かで便利な生活を求めて都市部へ移住する人は今後も増え続け、2030年には世界人口の6割、約50億人に達すると言われています。このまま都市部の人口が急増し続けた場合、豊かな生活を維持するために、多くのエネルギー消費につながるでしょう。消費が増えることから、大量の排気・廃棄による大気汚染や環境汚染、騒音問題が深刻化する懸念もあります。

もし、人口の密集する都市部で災害が起きた場合、電気や水道などのライフラインが使用できなくなることで、多くの命が危険にさらされるでしょう。災害だけでなく、人口が密集する都市部では経済格差が激しく、スラムが形成されやすくなり。治安の悪化にもつながります。都心部の人口密集を避けるためには、多くの人が心地よく住み続けられるよう、安全なまちづくりを行い、スラムを改善していく必要があります。

12.つくる責任 つかう責任

この目標が目指すのは『持続可能な消費と生産のパターンを確保する』ことです。
「2.飢餓をゼロに」の項目で解説したように、世界では現在、8億人以上が飢餓に苦しんでいます。しかし地球の人口は増加しており、2050年には97億人に達すると予想されています。人口が増えれば消費も増えるため、現状のまま消費と生産を続けていくと、将来的に必要な資源に限界が来るでしょう。需要と供給のバランスが大きく崩れる可能性もあります。
飢餓を改善しつつ人口増加に対応するには、すべての人が生活の質から改善していくことが重要です。そのため、生産者側には「つくる責任」を、消費者側には「つかう責任」を意識することが求められています。それぞれに求められている点から、主なものをご紹介します。

  • 「つくる責任」
  • 生産過程における廃棄物の抑制
  • 温室効果ガスや化学物質などの放出量低減
  • 消費者へのリユース・リサイクルを呼びかける
  • 「つかう責任」
  • 資源の無駄遣いをせず、最大限有効活用する
  • リユースやリサイクルを意識して行う
  • 食品を買い過ぎない、食べ残さない、余りを活用する

13.気候変動に具体的な対策を

この目標が目指すのは『地球温暖化と気候変動による影響を軽減するため、緊急対策を講じる』ことです。
気候変動には、太陽周期の変化などの自然現象が原因の場合もありますが、この目標では人間の活動が原因となっているものを指します。化石燃料(石炭、石油、ガスなど)を使用することで温室効果ガスが発生します。このガスは毛布のように地球を覆い、太陽からの熱を閉じ込めるため、気温が上昇していくのです。

温室効果ガスの要因に、二酸化炭素とメタンがあります。たとえばガソリンを使用した自動車の運転、暖房目的の石炭利用、ごみの埋立地から発生するガスなどが挙げられます。これらの温室効果ガスの排出は世界各地で生じていますが、世界の排出量68%を占めるのは先進国です。誰もが意識した行動を起こす必必要があり、先進国は率先して対策に臨むべきと言えるでしょう。

参考:国際連合広報センター|気候変動とは?

14.海の豊かさを守ろう

この目標が目指すのは『持続可能な開発のために世界の海洋・海洋資源を保全し、持続可能な形で利用する』ことです。
海は地球の表面積の70%以上を覆っており、その性質や海流・温度は、地球上の気象条件などを決定づける原動力となっています。身近な飲料水や海岸線も、海の恩恵と言えるでしょう。

しかし、マイクロプラスチックの海洋流出や汚染物質の海洋投棄により、海洋汚染の問題は深刻化しているのが現状です。海の酸性化が進み、生態系の破壊や個体数の減少など、さまざまな悪影響の要因となっています。加えて、海産物の乱獲問題も起こっており、海の生態系が絶滅の危機に直面しています。
これらの問題に対処するためにも、各国で定めた海洋保護区の徹底した管理や、海洋の酸性化を抑えるための規制の導入が大切です。また、関連するSDGsの目標も多いため、問題を包括的に捉え、並行して取り組むことが必要と言えるでしょう。

15.陸の豊かさも守ろう

この目標が目指すのは『陸の生態系や森林環境を保全して絶滅危機を回避し、土地の環境悪化による砂漠化を阻止し、再生と保全を図る』ことです。
地球の表面積の約30%である陸は、人間の活動によって森林面積を大きく減らしました。その影響で約100万種類もの動植物を絶滅危機にさらしており、土地の劣化と砂漠化に歯止めがかからず、深刻さを増しているのが現状です。これらの森林破壊や砂漠化は、生態系の破壊だけでなく、貧困と闘う人々の生活に大きな影響を与えています。
森林の維持と回復は、気候変動の改善や絶滅危惧種の保護、天然資源の安定性につながります。同時に、自然と暮らす先住民の居住地の保護や作物の安定確保につながるため、貧困・飢餓問題の改善にも貢献できるでしょう。

16.平和と公正をすべての人に

この目標が目指すのは『持続可能な開発のため、すべての人が司法にアクセス可能な平和で包摂的な社会を促進し、すべての説明責任を果たせるよう、効果的な制度を構築する』ことです。
では、目標における「平和」と「公正」とは何でしょうか。簡潔にまとめると以下の3点です。

  • 差別や暴力を受けない
  • 災害や紛争に苦しまない
  • 同じ立場で話し合い、助け合える

LGBT・人種・宗教・体型など、あらゆる面での差別が暴力や紛争・戦争の引き金になり得ます。紛争や戦争は、一度起こると容易には治まらず、子どもたちの将来を奪うことにつながるでしょう。そのような中では満足に教育を受けられず、雇用に恵まれずに児童婚を強いられる、といった問題も引き起こします。
SDGsにおける主要理念は「誰一人取り残さない」という考え方です。この目標が目指すところは、世界中の人々が少しずつ意識を変えていくことが重要と言えるでしょう。

17.パートナーシップで目標を達成しよう

この目標が目指すのは『持続可能な開発のために実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する』ことです。
これまでに見てきた1~16の目標は、ひとりの力だけでは実現できません。達成するためには、世界中のあらゆる人々が手を取り合い、ともに取り組むことが必要です。各国政府や企業だけでなく、地域や個人からでも取り組める目標や課題もあります。目標を達成するには「誰かがやればいい」ではなく、自身も当事者である自覚を持ち「一緒にやろう」と考え方を改めることも重要になるでしょう。世界中の人々とのパートナーシップを大切にし、目標を達成して目指していくことが求められています。

参考:一般社団法人SDGs支援機構|SDGsジャーナル

世界で広がるSDGsの取り組み

『持続可能な開発レポート(Sustainable Development Report)2023』が発行され、193ヵ国の達成状況やランキングが発表されました。ランキング結果は1位フィンランド、2位スウェーデン、3位デンマークと続き、日本は21位でした。
1位であるフィンランドは「ジェンダー平等」が進んでおり、フルタイムで働く女性も多く、子育て支援や介護といった福祉・社会保障に力を入れています。出産の際には社会保険庁から母親手当の支給があり、受ける内容は「子ども1人あたり170ユーロの現金支給」もしくは「育児パッケージ」の2つから選択可能です。「育児パッケージ」の中身は、箱が最初のベッドとして利用できるよう配慮されたものとなっており、SDGsへの貢献につながっています。

参考:SDSN|Sustainable Development Report 2023

世界企業の取り組み

スウェーデン発祥の企業である「IKEA」は、日本でも人気の高い、北欧家具や日用雑貨を製造・販売している企業です。
IKEAは「2030年までに再生可能素材またはリサイクル素材のみを調達する」という目標を掲げ、実現できるよう取り組んでいます。2023年時点で、IKEA製品の60%以上が再生可能素材から製造されており、10%以上がリサイクル素材を含んでいます。工場で使用する電力も再生可能電力100%を達成しており、SDGsの目標達成に貢献しているといえるでしょう。
また、すべての商品を最初の段階からリユース・リサイクル可能であることを念頭にデザインすることで、循環型ビジネスやビジネスパートナーシップの実現・推進を目指しています。

参考:IKEA(イケア)|イケアのサステナビリティ戦略

日本企業の取り組み

日本はプラスチック使用量と廃棄量が世界的にも多く、速やかな削減対策が必要な状況です。
その中、食器用洗剤などを取り扱うKao(花王株式会社)では、本体や詰め替え容器の軽量化や、低炭素原料へ置き換える取り組みを行っています。この取り組みにより、プラスチック使用量は従来比より約40%の削減を達成しました。しかし、生産量の増加に伴ってプラスチックの総使用量は増加しているのが現状です。より一層の削減に取り組み、2040年までに「ごみゼロ」を、2050年までに「ごみネガティブ(包装容器のプラスチック使用量より、プラスチック再資源化に関与した量が多い状態)」を目指すとしています。

参考:Kao(花王株式会社)|ごみゼロ

SDGs達成のために個人からできること

SDGsの17の目標は、いずれも簡単ではない問題で、個人で何ができるのかと考える方も多いでしょう。
ここからは、SDGsに個人がどのように取り組めるのか、例を挙げてご紹介します。

電気や水道を無駄遣いしない

家庭で、そして個人で簡単に取り組めるSDGsは、節電や節水です。節電の代表例としては「電気をつけっぱなしにしない」「エアコンの設定温度を見直す」などがあり、節水では「シャワーの時間を短くする」「手洗い中に水を出しっぱなしにしない」などが挙げられます。
家電製品を買い替える際も、節電や節水を意識した製品への買い替えを行うと、生活に取り入れやすくなるでしょう。

食品や日用品はしっかり使い切る

日本はモノにあふれています。しかし、多くのモノを買っても、使いきれなかったり食べきれなかったりすると、それはゴミになってしまいます。
買い物の時は使い切れる量、食べきれる量だけにして、最後までしっかりと使い切りましょう。また、バイキングなどを利用する際も、自分で食べきれる量をお皿に盛ること、盛った分はしっかり食べきることを意識することが重要です。

詰め替え可能な商品を選ぶ

日常的に使う洗剤や石けん、シャンプーなど、最近ではさまざまな詰め替え商品が販売されています。詰め替え可能な商品を選ぶことで、プラスチックゴミの削減ができます。また、詰め替え商品は本体よりも割安に販売されていることも多いため、長期的な節約にもつながるでしょう。

ゴミの分別やリサイクルを意識する

しっかりとした分別でゴミの量を減らすこと、資源ゴミの回収に協力することも、個人で取り組みやすいSDGsです。
家庭から排出されたゴミは処理場に集められ、燃やせるゴミを燃やします。その際に発生する二酸化炭素は地球の温暖化につながります。
びんや缶だけでなく、段ボールやペットボトル、プラスチック製品のリサイクルを意識することも、身近なSDGsです。

マイバッグやマイボトルを利用する

レジ袋の有料化やプラスチックストローの廃止などが進んだ今、マイバッグやマイボトルの持ち歩きを普段から取り入れている人も多いのではないでしょうか。
スーパーやコンビニのレジ袋や、カフェでテイクアウトの際に使用するプラカップなど、プラスチックのゴミはさまざまです。これらの利用を減らすことは、海洋汚染や地球温暖化などの問題に対する取り組みにもつながります。同時に、長期的な出費も削減でき、家計の節約にもつながるでしょう。

まとめ

SDGs(持続可能な開発目標)について、紹介・解説してきました。2030年をゴールとして掲げられた目標は、いまだ改善すべき点が多く残り、ゴール目標に到達できない可能性が高いと言われています。目標達成のためには、世界中の人々が手を取り合い、ともに取り組んでいくことが重要です。
17の目標は個々で解決できるものではなく、すべてが一つの事象といえるほど、密接に関係しています。私たち一人ひとりが当事者である自覚を持ち、身近なところからSDGsに取り組むことが必要なのかもしれません。

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ワーケーションとは?デメリットを超えるメリットに注目! https://www.seraku.co.jp/tectec-note/industry/workation/ https://www.seraku.co.jp/tectec-note/industry/workation/#respond Fri, 20 Nov 2020 07:45:17 +0000 https://www.seraku.co.jp/tectec-note/?p=4268 はじめに

コロナ禍によってテレワークの普及は進みました。そのテレワークの先に、ワーケーションという概念があります。同じ仕事をするなら、生産性の高い仕事をしたいと思うのは自然な流れではないでしょうか。観光地やリゾート地などで、テレワークを行いながら余暇を楽しみ、心身共にリフレッシュできる新しい働き方をこの記事ではご紹介します。

ワーケーションとは

ワーケーションとは

ワーケーションの意味は、観光地などでテレワークをしながら、余暇を楽しむ新しい働き方を指します。そのタイプは大きく分けて2種類です。福利厚生を重視した休暇型と、業務を重視した業務型です。さらに業務型の中に、地域課題解決型・合宿型・サテライトオフィス型の3種類があります。

ワーケーションを実施すれば、長期休暇を取らなくとも、観光地などで働きながら余暇を楽しめます。根底にある考えは、休暇を取りづらい人が、仕事をしながら観光を楽しめる一石二鳥の働き方です。休暇なのに働かなければならないという発想では本末転倒です。あくまで生産性の向上や、働きながらリフレッシュするというのが目的です。

休暇型

休暇型のワーケーションとは、有給休暇などと組み合わせ、ホテルや温泉・リゾート地などに長期滞在してテレワークを行う働き方です。主に福利厚生の一環として行うワーケーションを意味します。企業側のメリットは、有給休暇取得の促進につながり、それに伴い企業への従業員の満足度が上がることです。また、新しい働き方を模索する就活生の関心を引くこともできるのが休暇型の特徴です。

業務型

業務型のワーケーションとは、通常の勤務地をリゾート地などに変えて、社内メンバーと合宿するワーケーションを意味します。休暇型と違い、業務に重きを置いたワーケーションと言えるでしょう。業務型には、主に地域課題解決型・合宿型・サテライトオフィス型の3種類があります。ここではこれらについて詳しく解説します。

地域課題解決型

地域課題解決型のワーケーションとは、文字通り地域の課題に対して、企業・従業員・自治体の3者で解決策を模索するワーケーションを指します。それらを企業・個人の視点で捉えることで、新たなアイディアを創出できる可能性があります。また、課題解決を通じて、企業の人材育成の場にもなります。

合宿型

合宿型のワーケーションとは、社内のメンバーとリゾート地で会議などを共に行うワーケーションです。場合によっては複数の企業で実施することもあります。合宿型ワーケーションは主に平日に行うため、地域では平日の観光需要の増大が期待できます。また企業側では、その地域に将来的にサテライトオフィスを建てるきっかけにもなるでしょう。

サテライトオフィス型

サテライトオフィス型のワーケーションとは、地方に企業が別オフィスを設けたり、自治体がシェアオフィスという形で企業に提供したりするワーケーションを指します。お試し移住ができるなどのメリットがある一方、宿泊費・交通費などの企業側のコスト負担や、セキュリティリスクなどの対策を講じなければなりません。

ワーケーションのメリット・デメリット

ワーケーションのメリット・デメリット

いざワーケーションを導入しようとすると、対策を考えなければならない課題があります。しかしそれらの課題に対して対策を講じれば、残るのはメリットです。抱えている課題と、享受できるメリットを天秤にかけてみましょう。ここではいくつかのメリット・デメリットの事例を詳細にご紹介します。

ワーケーションのメリット

ワーケーションのメリットは多岐にわたります。リフレッシュ効果、有給休暇取得の促進、生産性の向上などです。後に紹介するデメリットをマイナスとしてカウントしても、それらを上回るメリットは魅力的です。企業・従業員・受け入れ地方自治体の三者三様のメリットについてご紹介します。

企業のメリット

企業のメリットとしてあげられるのが、従業員の満足度の向上です。昨今の働き方改革などによって、就活生の中には、ワーケーションのような新しい働き方を求める人たちが出てきました。テレワークのみならずワーケーションを行っている企業はまだ希少です。就活生へのアピールポイントの一つと言えるでしょう。また2017年からワーケーションを実施しているJALでは、有給休暇取得率が25%に達しました。それにより福利厚生の整ったホワイト企業というイメージを持たれやすくなり、優秀な人材の確保にも一役買っているでしょう。

参考:日本航空|ワークスタイル変革

従業員のメリット

従業員のメリットは、勤務地がリゾート地に変わることによるリフレッシュ効果を期待できることです。短時間で仕事を終わらせて、観光に行きたいと自然に思うことで、生産性の向上も期待できます。またクリエイティブな職種の方は、普段と違うリフレッシュできる環境で、新たなアイディアを創出することも期待できます。豊かな自然に触れて、心身のストレスが軽減されると、仕事のパフォーマンスが向上しやすくなるからです。最後に長期休暇を取りづらい場合などは、ワーケーションをすることによって、仕事をしながら観光地などに長期滞在できるのも大きなメリットです。このように従業員のメリットは大きいと言えるでしょう。

受け入れ地方自治体のメリット

受け入れ地方自治体のメリットは、平日や閑散期などに経済効果があることです。また、企業とつながることで、将来的なサテライトオフィスの建設や雇用の創出にもつながることもあります。さらに、地域課題解決型・合宿型・サテライトオフィス型のいわゆる業務型のワーケーションは、過疎化の進む地方への個人の移住定住促進にもつながりやすいのも大きなメリットです。とくに地域課題解決型のワーケーションでは、地域の課題を企業の方と共に考えて解決をめざすため、そこに携わる優秀な人材が将来的に移住することも期待できるでしょう。

ワーケーションのデメリット

ワーケーションの抱えるデメリットも多岐にわたります。セキュリティリスク、コストの問題、従業員の勤怠管理の問題などが思い浮かぶでしょう。また、従業員も普段以上にオンとオフの切り替えが難しくなる人も出てくるかもしれません。さらに、作業環境が整っていないと、逆にストレスを感じる可能性もあります。

企業のデメリット

企業のデメリットは、テレワーク同様セキュリティリスクが伴うことです。公共のフリー Wi-Fiにつなげば、情報漏えいリスクが発生します。ノートパソコンの紛失や盗難などの物理的なセキュリティリスクもあります。さらに、交通費や宿泊費などのコスト面の負担も少なくありません。
また、従業員の勤怠管理も煩雑化します。成果型の働き方でなければ、どこまでを成果として勤務時間に入れるのかなど、あらかじめ決めておく必要性が出てきます。今までの業務フローを、ワーケーションができるように作りなおす手間もかかります。
加えて、電子印鑑などを使わず、紙媒体で契約している企業への対策も求められます。企業にとっての課題は多いと言えるでしょう。

従業員のデメリット

従業員のデメリットとしては、オンとオフの切り替えが難しくなることです。仕事をしながら余暇を楽しむはずが、ずっと仕事のことばかりが気になる人もいるかもしれません。本来の目的とは逆に余暇に仕事をするようでは本末転倒です。自己管理が重要でしょう。
またWi-Fi環境が整っていないと、オンライン会議などで、かえってストレスになることもあります。そもそも業務をオンラインで完結できない職種の人は、ワーケーションができません。就活時に、ワーケーションができる業界を見極める必要があります。

ワーケーション時の注意点

ワーケーション時の注意点

ワーケーションを行うにあたり、セキュリティ対策・環境整備・勤怠管理などの社内システムの変更といった課題がありました。企業はワーケーションに適した形で準備をする必要があります。
また、従業員は仕事の効率を上げるための働き方であることを踏まえ、自己管理をきちんと行うといいでしょう。さらに成果を提示するためには、綿密なコミュニケーションも心がける必要があります。まだまだ模索中の新しい働き方なので、企業も従業員も対策すべき課題を理解する必要があるでしょう。

対策すべき課題点

対策すべき課題点はいくつかあります。まずはワーケーション候補地の選定と、通信環境の確認です。2番目にセキュリティや勤怠管理の見直しなどの規制の整備です。3番目に宿泊費、交通費などの必要経費を誰が具体的に負担するかなどです。それらへの対処策を詳しく解説します。備えあれば患いなしです。

環境や規制の整備

企業においては、通信環境の整っているワーケーションリゾート地をあらかじめ決めておくことが重要な対策手段です。また就業規則を、ワーケーション時にも活用できるよう改定する規制作りも大切です。とくにコストの面で、誰が具体的に何にいくら支払うのか、事前に決めておくようにしましょう。従業員のコストへの負担が増えれば、ワーケーションそのものに行きたがらなくなるなどの問題が出てきます。しかし企業によるコスト負担にも限りがあります。企業も従業員も納得できる負担額を、社内で話し合いましょう。ケースバイケースということも起こり得ます。その場合もどういうケースでは、どうするなどのルール作りを先にするとよいでしょう。

セキュリティや勤怠管理の見直し

企業でモバイルWi-Fiなどを貸与し、フリーWi-Fiにつながないようにして、情報の漏えいを防ぎましょう。またそれらのモバイル端末の物理的紛失や盗難に備えて、いざ問題が起きた時、どう対処するのかをあらかじめ決めておきましょう。従業員にだけでなく、企業全体でそれらの管理をしておくことが大切です。また勤怠管理においては、タイムカードなどの紙媒体で管理していた場合は、オンラインでも管理できるシステムを導入しておくとよいです。さらに人事評価の目安、指針を細かく具体的に設定しましょう。何をして何をどのくらいまで作業を進めたかなど、細かくオンラインでの報告を徹底して、従業員の仕事内容の詳細の把握に努めましょう。

補助金や助成金の活用

ワーケーションにおいて発生する宿泊費や交通費は、企業や従業員にとって悩ましい問題です。こうした問題を解決したいならば、企業のワーケーションの誘致に積極的な地方自治体を、ワーケーション地に選ぶとよいでしょう。それらの費用を、地方自治体が補助金や助成金で負担してくれる可能性があるからです。積極的にワーケーションを誘致している地方自治体を調べて、その制度を活用しましょう。企業も従業員も地方自治体も潤うワーケーションならではの方法です。

また、こうした地方自治体はWi-Fiの通信環境も整っている可能性が大きいので、積極的に活用していきましょう。三位一体で向き合うと、課題を克服できる可能性が高まります。

まとめ

ワーケーションとは、テレワークを行いながらリゾート地で余暇を楽しむ新しい働き方です。福利厚生を重視した休暇型と、業務の生産性を重視した業務型があります。テレワーク時と似たような課題もあれば、ワーケーションならではのセキュリティや費用負担の課題もあります。これらの課題に対して、企業と従業員だけで解決するのは至難の業です。ワーケーションを誘致している地方自治体が増えている昨今、それらの地方自治体をワーケーション地に選び、費用の負担を軽減する補助金制度などを積極的に活用していきましょう。
企業・従業員・地方自治体が共に、お互いの課題を解決するためのパートナーとして役割を担うことで問題解決に進むでしょう。

最後のチェックポイント

  • ワーケーションとは、観光地などでテレワークしながら余暇を楽しむこと。
  • ワーケーションには、大別して業務型と休暇型の2種類がある。
  • ワーケーション時の課題を知り、それらへの対策を講じる。
  • メリットは、企業・従業員・地方自治体の3者にある。
  • 企業・従業員だけでなく、地方自治体と共に課題解決をする。
  • 補助金・助成金などの制度を活用できるワーケーション地を選ぶ。
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