確定申告 – ルートテック|ビジネスライフとキャリアを応援する情報メディア https://www.seraku.co.jp/tectec-note Fri, 19 Jun 2026 01:46:05 +0000 ja hourly 1 https://wordpress.org/?v=6.2.9 確定申告はスマホで完結!やり方や必要なもの・準備を解説 https://www.seraku.co.jp/tectec-note/freelance/bp-kakuteishinkoku-smartphone/ https://www.seraku.co.jp/tectec-note/freelance/bp-kakuteishinkoku-smartphone/#respond Tue, 03 Mar 2026 01:38:31 +0000 https://www.seraku.co.jp/tectec-note/?p=45549 はじめに
  • スマホからの確定申告は、マイナンバーカード方式とID・パスワード方式の2種類
  • ID・パスワード方式は新規発行が停止され、発行済みの人のみ利用可能
  • マイナンバーカード方式では、電子証明書を利用するかで準備手順が異なる
  • マイナポータルアプリは証明書の自動取得に必要だが、必須ではない
  • 年分選択を誤ると、申告書の作成を初めからやり直す必要があるため要注意

確定申告はスマホから手続き可能

スマホから確定申告(e-Tax送信)を行う方法は、マイナンバーカード方式とID・パスワード方式の2つです。マイナンバーカード方式では電子証明書利用の有無で、事前準備の手順および申告書の作成手順が変わるため、3通りあるとも言えるでしょう。また、ID・パスワード方式は新規発行の受付が停止されているため、発行済みの人以外は利用できません。
マイナンバーカード方式で電子証明書を利用した確定申告を行う場合は、AndroidとiPhoneのどちらもマイナポータルアプリのインストールが必要です。

マイナポータル
  1. Android:Android 11以上、Chrome 最新版
  2. iPhone:iOS 16以上、Safari 最新版
確定申告書等作成コーナー
  1. Android:Android 13.0以上、Chrome 最新版
  2. iPhone:iOS 17.7以上、Safari 最新版

スマホからの確定申告に必要な推奨環境は上記の通りです。確定申告に使用するスマホのOSバージョンと、ブラウザのアップデートができているか確認しておきましょう。また、推奨環境は更新されることがありますので、最新情報を国税庁やデジタル庁の公式サイトで確認しておくと安心です。

確定申告する際は期限に注意!

確定申告は申告できる期間が定められています。期限までに確定申告ができない場合は、税務署に明確な理由を伝えて相談することが大切です。また、申告して納税が必要となった場合にも期限が定められています。確定申告が必要なのにしなかった場合、または納税期限を守れなかった場合などは、罰則を受ける可能性がありますので注意が必要です。
スマホから確定申告を行うためには、マイナポータルのダウンロードと、アプリからの利用申請・登録が求められることがあります。ただし、マイナンバーカードや電子証明書には有効期限がありますので、確定申告前に期限が過ぎていないかを確認することが大切です。

確定申告をスマホで行う方法と必要な事前準備

前述したように、スマホから確定申告を行う方法は2つあります。マイナンバーカード方式で進める場合には、マイナポータルアプリを利用して事前準備を行います。ただし、認証時にスマホ用電子証明書またはiPhoneのマイナンバーカードを利用しない場合は、必ずしもマイナポータルアプリが必要ということではありません。
事前準備を進めるために必要なものは、以下の5点です。

  1. マイナンバーカード(電子証明書が有効なもの)
  2. マイナンバーカード用利用者証明用電子証明書のパスワード(数字4桁)
  3. マイナンバーカード用署名用電子証明書のパスワード(半角英大文字と数字を含む6~16文字)
  4. マイナンバーカードの読取に対応したスマホ(対応機種でない場合は、ICカードリーダライタが必要)
  5. マイナポータルアプリのインストール(最新版であるか要確認)

    Android端末 → Google Playストア
    iPhone → App Store

ID・パスワード方式で確定申告を行う場合は、マイナンバーカード関連のパスワードやアプリの準備が不要です。代わりに、税務署で発行した専用のID・パスワードが必要になります。
どちらの方式で進めるかは、確定申告書作成コーナーで作成を開始する際に表示される「提出方法に関する質問」への回答で決まります。「マイナンバーカードを利用しますか?」という質問に「はい」を選択することでマイナンバーカード方式になり、「いいえ」を選択することでID・パスワード方式となります。どちらで進めるかをあらかじめ決めて、準備をしておくことでスムーズに確定申告が行えるでしょう。
スマホの機種によって事前準備手順に違いがあるため、AndroidiPhoneそれぞれ別記事にてご紹介します。

マイナンバーカード方式で必要な準備とは?

マイナンバーカード方式では、認証時のマイナンバーカード読み取りを省略するかどうかが選択可能です。省略したい場合は、事前準備でスマホ用電子証明書またはiPhoneのマイナンバーカードの申請・登録を済ませておく必要があります。マイナンバーカードの読み取りを省略しない場合は、他の認証方法がないため、本人確認をする度にマイナンバーカードの読み取りが必要です。
電子証明書を利用する場合と利用しない場合で、必要な準備がどのようなものか、表にまとめましたのでご参照ください。

AndroidiPhone
電子証明書を
利用する
・スマホ用電子証明書を搭載したスマホ
・スマホの最新Webブラウザ環境(Chromeなど)
・最新版のマイナポータルアプリ
・ポップアップ通知の許可
・資料(源泉徴収票・支払調書・医療費明細・事業帳簿・還付口座・控除証明(保険・住宅ローン・寄附など))
・iPhoneのマイナンバーカード登録を済ませたスマホ
・スマホの最新Webブラウザ環境(Safariなど)
・最新版のマイナポータルアプリ
・ポップアップ通知の許可
・資料(源泉徴収票・支払調書・医療費明細・事業帳簿・還付口座・控除証明(保険・住宅ローン・寄附など))
電子証明書を
利用しない
・マイナンバーカード
・マイナンバーカードの読取に対応したスマホ
・非対応機種の場合はICカードリーダライタ
・スマホの最新Webブラウザ環境(Chrome・Safariなど)
・ポップアップ通知の許可
・マイナンバーカード用署名用電子証明書のパスワード(半角英大文字と数字を含む6~16文字)
・マイナンバーカード用利用者証明用電子証明書のパスワード(数字4桁)
・資料(源泉徴収票・支払調書・医療費明細・事業帳簿・還付口座・控除証明(保険・住宅ローン・寄附など))

ただし、確定申告ソフトなどの利用でマイナポータルアプリを利用しない場合は、この事前準備が必要ない可能性があります。確定申告ソフトを利用している人は、申告書の作成に必要なものを確認して、準備を行いましょう。

ID・パスワード方式で必要な準備とは?

ID・パスワード方式で確定申告を進める際に必要なものは、税務署で本人確認をして発行してもらったID・パスワードです。ただし、2025年10月1日よりID・パスワード方式で使用する ID・パスワードは、新規発行が停止されました。そのため、ID・パスワードが未発行の場合は、ID・パスワード方式が利用できません
ID・パスワード方式で確定申告を進める方法は、スマホのWeb上から確定申告書等作成コーナーにアクセスする必要があります。ご自身のスマホ環境を確認して、問題なくアクセスできるか確認しておきましょう。

参考:確定申告書等作成コーナー|スマホご利用ガイド(P17)
参考:国税庁|「確定申告書等作成コーナー」で利用するID・パスワードの新規発行停止について

個人事業主・フリーランスは確定申告ソフトの活用がおすすめ

確定申告は、個人事業主・フリーランスにとって重要な業務の一つです。しかし、青色申告や白色申告に必要な帳簿作成や書類作成には、一定の税務知識が求められます。
確定申告に対応した会計ソフトや確定申告ソフトを利用することで、作業時間や負担を大幅に軽減可能です。また、e-Taxに対応しているソフトであれば電子申告をスムーズに行うことも可能で、税制改正や法改正などにも対応しやすくなります。

  1. やよいの青色申告 オンライン
  2. マネーフォワード クラウド確定申告
  3. freee会計
  4. タックスナップ

上記のようなクラウド型ソフトは、確定申告も会計にも活用できるため、確定申告ソフトの利用を始める場合に便利なソフトです。また、タックスナップは「確定申告がスマホで完結」と話題にもなっており、マイナンバーカードさえあれば作成から提出までアプリで完結できます。

スマホで確定申告する際の注意点

国税庁は、マイナンバーカード方式の利用を推奨しています。マイナンバーカードの利用を前提とした制度整備が進められていますので、スマホから確定申告する際は、最新情報の確認を行いましょう。
その他、注意しておくべき点を簡単にご紹介します。

  • ID・パスワード方式は暫定的な対応

    2025年10月1日に、ID・パスワード方式の新規発行は停止されました。発行済みの場合は利用できますが、早めにマイナンバーカード方式へ切り替える必要があります。

  • 年分の選択で対象年分を誤ると、再作成が必要

    作成を始める段階で表示される「令和○年分」の選択のことです。この選択を間違えてしまうと、修正ができないため作成し直しとなります。入力内容すべてのやり直しになりますので、しっかり確認しましょう。

  • 確定申告には申告期限があり、期限厳守

    期限に間に合わなかった場合、延滞・督促などで納付金額が増える可能性があります。日付や時間を確認しながら、期限に遅れないよう確定申告を行いましょう。 また、夜間・締め切り直前は混雑しやすいため、申告書作成は余裕を持って行うことが大切です。

  • e-Taxや確定申告書等作成コーナーはメンテナンス時間がある

    e-Taxや確定申告書等作成コーナーは基本的に24時間利用可能ですが、終日メンテナンスを行う日もあります。メンテナンス時間帯は、作成しても送信できない可能性があるため、稼働時間には注意が必要です。利用する前に、メンテナンスのお知らせを確認してから作成しましょう。

  • 確定申告書等作成コーナーの利用は安定した通信環境が重要

    確定申告書等作成コーナーはWebブラウザ環境を利用するため、安定した通信環境が重要となります。混雑しやすい時間帯を避けて利用しましょう。 また、e-Taxを利用した確定申告をスムーズに行うためにも、マイナンバーカード方式へ移行がおすすめです。

  • マイナポータル連携での自動取得はマイナンバーカード方式のみ

    医療費通知や保険料控除などの自動取得は、原則としてマイナンバーカード経由のみ可能です。ID・パスワード方式単独では連携できません。

よくある質問

スマホからの確定申告で、よくある質問や疑問点と、その回答をご紹介します。

スマホから確定申告できる?

可能です。
スマホから確定申告する場合は、マイナンバーカード方式かID・パスワード方式の2つから選べます。ただし、ID・パスワード方式に必要なIDとパスワードは、新規発行が停止されています。
今後、スマホから確定申告する方法は、マイナンバーカード方式のみになっていく可能性があります。

スマホからの確定申告で必要な準備は?

スマホからの確定申告では、マイナンバーカード方式を選ぶか、ID・パスワード方式を選ぶかで、必要な準備内容に違いがあります。
この記事内でも必要な項目を挙げていますので、ご参照ください。
マイナンバーカード方式で必要な準備
ID・パスワード方式で必要な準備

医療費控除はスマホから手続きできる?

手続き可能です。
マイナポータル連携を行うことで、簡単に手続きできます。領収書の提出・提示は原則不要ですが、税務署に求められた際にすぐ提示できるよう、保存しておくことが大切です。

確定申告はいつまで?

2026年の確定申告期間は、2026年2月16日(月)から3月16日(月)までです。期限にどうしても間に合わない場合は、お近くの税務署に相談しましょう。
申告期限をすぎると、無申告加算税や延滞税が科されるため、要注意です。

マイナンバーカードなしでも確定申告できる?

ID・パスワード方式を使えば、スマホからe-Tax送信が可能です。
ただし、対応できる申告内容に一部制限がかかる場合があり、暫定方式のため、マイナンバーカード方式への移行が推奨されています。
※ID・パスワード方式用のID・パスワードは、2025年10月1日に新規発行が停止されたため、取得している人のみが利用できます。

控除証明書はどれくらい保存する?

控除証明書(医療費控除・寄附金控除・生命保険料控除など)や領収書は証憑と呼ばれ、この証憑の保存期間は、確定申告の提出期限の翌日から数えて5年間または7年間保存、と証憑ごとに定められています。提出した日からではありませんので、保存する際は期間を間違えて破棄しないよう注意しましょう。

まとめ

スマホから確定申告を行う方法は、マイナンバーカード方式とID・パスワード方式の2つがあります。2025年10月1日以降、ID・パスワード方式の新規発行は停止されているため、今後はマイナンバーカード方式が主流となるでしょう。
マイナンバーカード方式では、マイナンバーカードやアプリ登録、電子証明書、対応機種のスマホなどの事前準備が求められます。また、申告期限を守らない場合には罰則が科される可能性があるため、忘れずに申告を行う必要があります。医療費通知などの自動取得機能はマイナンバーカード方式のみが利用可能で、確定申告をスムーズに進めるためには最新の環境や通信状況を整えることが重要です。

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【iPhone版】スマホから確定申告を進める方法とは?|事前準備と申告手順 https://www.seraku.co.jp/tectec-note/freelance/bp-kakuteishinkoku-iphone/ https://www.seraku.co.jp/tectec-note/freelance/bp-kakuteishinkoku-iphone/#respond Tue, 03 Mar 2026 01:36:33 +0000 https://www.seraku.co.jp/tectec-note/?p=45742 はじめに
  • 確定申告方法は、マイナンバーカード方式とID・パスワード方式から選択できる
  • 電子証明書を利用する際はiPhoneのマイナンバーカード機能の申請・登録が大事
  • ID・パスワード方式は、専用のID・パスワードを発行済みの人のみ利用可能
  • 控除証明書などの発行には時間がかかることがあり、日程に余裕を持った準備が重要
  • 申告書の控えや関連データをPDFで保存し、翌年以降に活用できる

iPhoneのスマホで確定申告するための事前準備

iPhoneのスマホから確定申告をする方法は2つあります。

  1. マイナンバーカード方式
  2. ID・パスワード方式

マイナンバーカード方式はiPhoneのマイナンバーカード機能を利用する方法と、認証のたびにマイナンバーカードを読み取る方法に分かれます。認証ごとにカードを読み取る方法はAndroidの場合と変わらないため、この記事ではiPhoneのマイナンバーカード機能を利用する方法をご紹介します。
ID・パスワード方式は税務署で発行済みのID・パスワードの用意が必要であり、マイナンバーカードの準備は必要ありません。ただし、ID・パスワードの新規発行は停止しているため、発行済みの人しか利用できない点に注意が必要です。未発行の人がスマホから確定申告をするには、マイナンバーカード方式のみが選択できます。

マイナンバーカード方式の場合(iPhoneのマイナンバーカード/利用あり)

iPhoneのマイナンバーカード機能を使用して確定申告を行う場合は、以下の手順で事前準備を進めます。もしマイナンバーカードをiPhoneに追加していない場合は、追加してから事前準備を行ってください。iPhoneのマイナンバーカード機能を活用することで申告時の認証が簡略化され、スムーズに手続きが進められます。

  1. マイナポータルアプリを起動して、画面の案内に従い初期設定を行います。初期設定が終わったら、マイナンバーカードを読み取って利用者登録を行ってください。

  2. アプリのメニューから「スマホ用電子証明書を申請する」を選択し、表示された2種類の証明書(署名用電子証明書・利用者証明用電子証明書)にチェックを入れます。
    確認画面で内容を確認して「申請する」を押し、次に進みます。

  3. マイナンバーカードを再度iPhoneで読み取り、完了画面が表示されたら、新しいパスワードを設定します。 署名用電子証明書は6~16文字の半角英数字、利用者証明用電子証明書は4桁の数字で設定してください。 設定したパスワードは忘れないようにメモしておきましょう。

  4. 申請が完了すると、マイナポータルから登録可能になったことがプッシュ通知で通知されます。通知内の「登録する」を選び、電子証明書をスマホに登録します。

  5. 最後に、生体認証やパスワードの設定を行いましょう。生体認証(Face IDやTouch ID)やパスワードの設定を進め、認証を完了させます。
    「生体認証などの設定完了」と表示されたら完了です。

参考:確定申告書等作成コーナー|スマホご利用ガイド(P8)
参考:デジタル庁|マイナンバーカードをiPhoneに追加する方法

生体認証でログインできるか確認して問題がなければ、iPhoneのマイナンバーカード機能を利用した、マイナポータルアプリの事前準備は完了です。
次に控除証明書などの取得準備へ進みます。控除証明書などの取得手順は、次の章をご参照ください。

マイナンバーカード方式の場合(iPhoneのマイナンバーカード/利用なし)

iPhoneのマイナンバーカード機能を利用せず、マイナンバーカード方式で確定申告を行う場合は、マイナポータルを経由した控除証明書などの取得から準備を始めます。外部サイトにログインすることもあるので、パスワードの確認をしてから進めましょう。また、取得完了までに時間がかかる場合があるため、日程に余裕を持って準備しておくことが大切です。
事前準備の手順は、以下の5ステップです。

  1. マイナポータルアプリの確定申告事前準備ページにアクセスして「証明書等の取得をはじめる」をタップしてください。

  2. 取得したい証明書を選択してください。取得したい証明書は、控除と収入から選択できます。医療費控除は自動的に選択されている場合があります。
    控除
    ・医療費控除
    ・寄附金控除(ふるさと納税)
    ・社会保険料控除
    ・生命保険料控除
    ・地震保険料控除
    ・小規模企業共済等掛金控除
    ・住宅ローン控除

    収入
    ・給与
    ・公的年金等
    ・株式の特定口座
    ・生命保険の一時金
    ・生命保険の年金
    「+選択」の表記がある証明書にチェックを付けた場合は、発行サイトを選択する画面が表示されます。リストにチェックを入れる、または直接入力して次へ進みます。

  3. 取得したい証明書ごとに、必要な外部サイトと連携を行います。
    画面の案内に従い、マイナンバーカードによる本人認証や「マイナポータルに表示する」ことへの同意を進めてください。

  4. 「外部サイトとの連携完了」と表示されたら、証明書発行企業のサイトで電子交付サービスの利用者登録や、電子交付への同意を行います。登録完了後、民間送達サービスと証明書発行企業を連携してください。
    ※利用登録の完了や申請内容の承認には数日かかる場合があります。

  5. 取得したい証明書の状況が「完了」と表示されたら、事前準備は完了です。
    状況表示が「未完了」または「処理中」の場合は、表示が「完了」になるまで待ちましょう。

参考:マイナポータル|07 確定申告の事前準備

ID・パスワード方式の場合

ID・パスワード方式で確定申告を進める場合は、マイナンバーカード関連の準備が不要です。代わりに、税務署で本人確認をして発行してもらったID・パスワードが必要です。ただし、2025年10月1日よりID・パスワード方式で使用する ID・パスワードは、新規発行が停止されました。そのため、発行済みの人以外は利用できません。未発行の場合は、マイナンバーカード方式で確定申告を行ってください。
また、確定申告書等作成コーナーから作成する際にも、控除証明書などの電子データを読み込む手順があります。控除証明書や領収書などのデータを読み込むには、iPhoneへ事前にダウンロードしておく必要があるため、申告に利用するデータの用意を忘れずに行いましょう。

参考:確定申告書等作成コーナー|スマホご利用ガイド(P17)
参考:国税庁|「確定申告書等作成コーナー」で利用するID・パスワードの新規発行停止について

iPhoneのスマホから確定申告を行う手順

iPhoneで必要な事前準備が完了したら、確定申告書の作成に移ります。マイナンバーカード方式、ID・パスワード方式それぞれ手順が異なりますが、iPhoneのマイナンバーカード機能を利用しない際の作成手順はAndroidとiPhoneでほぼ同じです。
iPhoneのマイナンバーカード機能を利用せず、マイナンバーカード方式で確定申告する場合は、認証を求められた際に毎回カードを読み取る必要があります。手元にマイナンバーカードを用意しておきましょう。

マイナンバーカード方式の場合

iPhoneのマイナンバーカード機能を利用した、マイナンバーカード方式の手順をご紹介します。こちらの方法はAndroid版のスマホ用電子証明書と同様に、生体認証など(Face IDやTouch ID)が利用でき、マイナンバーカードを読み込む手間が省けます。

  1. iPhoneのマイナンバーカードを搭載したスマホから確定申告書等作成コーナーにアクセスし、申告書の種類や申告年分を選択します。
    「提出方法に関する質問」で「はい」を選択し、マイナンバーカード方式を選択してください。

  2. 証明書のデータを取得するため、マイナポータルと連携します。
    「連携する」を選択するとマイナポータルアプリが起動しますので、ログインを行ってください。登録情報を確認し、次に進みます。

  3. マイナポータル連携画面で「本人情報」や「家族情報」の取得を選択し、必要な証明書一覧を確認します。
    証明書のチェック項目に間違いがないか確認し、不要な項目はチェックを外して次に進みます。

  4. 申告する所得の種類(給与所得、事業所得など)を選択し、必要な情報を入力します。マイナポータル連携で取得した情報が自動で反映されるため、内容に不足や間違いがないか確認し、不足分は追加入力します。
    所得控除やその他の控除(医療費控除や寄附金控除など)についても、画面の案内に従って確認・入力してください。

  5. xmlデータの読込画面が表示されます。読込が必要なxmlデータ(生命保険料控除証明書など)を持っている場合はアップロードを行ってください。読み込んだxmlデータは、該当する項目に自動で反映・計算されます。
    申告に必要なxmlデータは、この画面の時にすべて読み込みましょう。この後の画面では、xmlデータを読み込むことができません。

  6. 自動計算された税額や還付額を確認します。還付金がある場合は受け取り口座を、納付金額がある場合は納付方法を、それぞれリストから選択してください。入力が確認できたら次へ進みます。
    納付方法の詳細が知りたい場合は、国税庁のサイトをご確認ください。
    参考:国税庁|納税・納税証明書手続

  7. 個人事業主やフリーランスの人は、必要に応じて住民税に関する事項や財産債務調書を入力してください。申告者の住所や氏名を入力し、管轄の税務署情報を確認して、事業所の所在地を入力します。

  8. 作成した申告書の内容を確認し、訂正が必要な場合は修正します。
    画面の案内に従ってマイナンバーカードを読み取り、e-Tax送信画面で「送信する」をタップします。送信結果が表示されたら、内容を確認してください。

  9. 申告書の送信結果を確認したら、申告書の控えをPDFで保存します。必要に応じて印刷し、翌年以降の申告に利用できるようデータを保存しておきましょう。

以上の手順で、iPhoneのマイナンバーカード機能を利用したマイナンバーカード方式での、確定申告書の作成・送信・データ保存が完了となります。

ID・パスワード方式の場合

マイナンバーカードを使わずに、税務署から発行されたID・パスワードを用いて確定申告を行う場合の手順をご紹介します。

  1. iPhoneのマイナンバーカードを搭載したスマホから確定申告書等作成コーナーにアクセスし、申告書の種類や申告年分を選択します。
    「マイナンバーカードをお持ちですか?」の質問に「いいえ」を選択し、続けて表示される選択肢から「e-Tax(ID・パスワード方式)」を選んで次に進みます。

  2. 証明書のデータを取得するため、マイナポータルと連携します。
    「連携する」を選択するとマイナポータルアプリが起動しますので、ログインを行ってください。登録情報を確認し、次に進みます。

  3. e-Taxログイン画面で、届出完了通知に記載されたIDとパスワードを入力してログインします。ログイン後に表示される登録情報を確認し、必要があれば修正してください。

  4. xmlデータの読込画面が表示されます。読込が必要なxmlデータ(生命保険料控除証明書など)を持っている場合はアップロードを行ってください。読み込んだxmlデータは、該当する項目に自動で反映・計算されます。
    申告に必要なxmlデータは、この画面の時にすべて読み込みましょう。この後の画面では、xmlデータを読み込むことができません。

  5. 申告する所得を選択し、画面案内に従って本人確認を行い、各所得金額を入力します。控除項目(医療費控除や寄附金控除など)も同様に入力してください。入力が終わったら「次へ」をタップします。

  6. 自動計算された税額や還付金額を確認し、必要があれば修正します。還付金がある場合は受取口座を入力し、納付金額がある場合は納付方法を選択して進めます。
    納付方法の詳細が知りたい場合は、国税庁のサイトをご確認ください。
    参考:国税庁|納税・納税証明書手続

  7. 申告者や扶養親族のマイナンバー、住所などの情報を入力して「次へ」をタップして進みます。
    個人事業主やフリーランスの人は、必要に応じて住民税に関する事項や財産債務調書を入力してください。申告者の住所や氏名を入力後、管轄の税務署情報を確認して、事業所の所在地を入力します。

  8. 申告書の送信結果を確認したら、申告書の控えをPDFで保存します。必要に応じて印刷し、翌年以降の申告に利用できるようデータを保存しておきましょう。

以上の手順で、ID・パスワード方式での確定申告書の作成・送信・データ保存が完了となります。

Androidから確定申告を行う場合は?

Androidから確定申告を行う場合も、マイナポータルアプリや確定申告書等作成コーナーを利用して、申告が行えます。マイナンバーカード方式を選んだ場合にはスマホ用電子証明書を利用することが可能です。マイナポータルと連携しなくても確定申告を行うことは可能ですが、連携しておくと生体認証などで認証が進められるため、読み取りの手間が省けて便利になります。また、ID・パスワードが発行済みであれば、ID・パスワード方式の選択も可能です。
Androidスマホから確定申告を行う具体的な準備や手順については、別記事でご紹介しています。

スマホから確定申告を行う際に迷ったら

スマホから確定申告をする方法として、国税庁はマイナンバーカード方式の利用を推奨しています。ID・パスワードの新規発行も停止となり、マイナンバーカード前提とした制度整備が進められていますので、スマホから確定申告する際は、最新情報の確認を行いましょう。
具体的な注意点やQ&Aについては、別記事でご紹介しています。

まとめ

iPhoneで確定申告を進めるには、マイナンバーカード方式とID・パスワード方式、2つの方法があります。
マイナンバーカード方式では、iPhoneに搭載されたiPhoneのマイナンバーカード機能を活用する方法と、認証のたびにマイナンバーカードを読み取る方法に分かれます。一方、ID・パスワード方式は税務署で発行されたIDとパスワードを使用しますが、新規発行は停止されているため、発行済みの人のみ利用可能です。未発行の場合はマイナンバーカード方式を選択する必要があります。 iPhoneからの申告も確定申告書等作成コーナーの利用が必須であり、事前準備として証明書の取得やアプリの設定を行う必要があります。

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https://www.seraku.co.jp/tectec-note/freelance/bp-kakuteishinkoku-iphone/feed/ 0
【Android版】スマホから確定申告を進める方法とは?|事前準備と申告手順 https://www.seraku.co.jp/tectec-note/freelance/bp-kakuteishinkoku-android/ https://www.seraku.co.jp/tectec-note/freelance/bp-kakuteishinkoku-android/#respond Mon, 02 Mar 2026 07:43:58 +0000 https://www.seraku.co.jp/tectec-note/?p=45621 はじめに
  • マイナンバーカード方式は、電子証明書あり・なしで事前準備の内容が変わる
  • 電子証明書を利用すると、マイナンバーカードの読み取りが省略できる
  • ID・パスワード方式は新規発行が停止されており、発行済みの人のみ利用可能
  • 控除証明書などの発行には時間がかかることがあり、日程に余裕を持った準備が重要
  • 申告書の控えや関連データをPDFで保存し、翌年以降に活用できる

Androidのスマホで確定申告するための事前準備

Androidのスマホから確定申告をする際は、3つの方法を選択できます。

  1. マイナンバーカード方式(電子証明書あり)
  2. マイナンバーカード方式(電子証明書なし)
  3. ID・パスワード方式

マイナンバーカード方式では、電子証明書を利用するかしないかで、必要な事前準備が変わります。本人確認の認証時にマイナンバーカードの読み取りを省略したい場合は、電子証明書を利用することをおすすめします。
ID・パスワード方式はマイナンバーカード関連の準備がない代わりに、税務署で発行済みのID・パスワードの用意が必要です。ただし、新規発行は停止しているため、発行済みの人しか利用できません。未発行の人がスマホから確定申告をするには、マイナンバーカード方式のみになります。

マイナンバーカード方式(電子証明書あり)の場合

マイナンバーカード方式で、電子証明書を利用する場合に必要な事前準備の手順をご紹介します。

  1. マイナポータルアプリを開いてマイナンバーカードを読み取り、画面の案内に従い、利用者登録を行います。

  2. メニューから「スマホ用電子証明書を申請する」を選択し、表示された2種類の証明書(署名用電子証明書・利用者証明用電子証明書)にチェックを入れます。
    確認画面で内容を確認して「申請する」を押し、次に進みます。

  3. マイナンバーカードをスマホで読み取り、完了画面が表示されたら次へ進み、新しいパスワードを設定します。
    署名用電子証明書は6~16文字の半角英数字、利用者証明用電子証明書は4桁の数字で設定してください。
    設定したパスワードは忘れないようにメモしておきましょう。

  4. 申請が完了すると、プッシュ通知で登録可能になったことが通知されます。通知内の「登録する」を選び、電子証明書をスマホに登録します。

  5. 最後に、生体認証やパスワードの設定を行いましょう。スマホのセキュリティ設定から登録を進め、認証を完了させます。
    「生体認証などの設定完了」と表示されたら、マイナポータルアプリの準備は完了です。

参考:国税庁|スマホ申告ご利用ガイド(詳細版)
参考:デジタル庁|02 スマホ用電子証明書をスマートフォンに利用登録を行う

生体認証でログインできるか確認して問題がなければ、次に控除証明書などの取得準備へ進みます。取得手順は電子証明書を利用しない場合と同じですので、次の章を参考にしてください。

マイナンバーカード方式(電子証明書なし)の場合

スマホ用電子証明書を利用せず、マイナンバーカード方式で確定申告を行う場合は、マイナポータルを経由した控除証明書などの取得から準備を始めます。外部サイトにログインすることもあるので、パスワードの確認をしてから進めましょう。また、取得完了までに時間がかかる場合があるため、日程に余裕を持って準備しておくことが大切です。
事前準備の手順は、以下の5ステップです。

  1. マイナポータルアプリの確定申告事前準備ページにアクセスして「証明書等の取得をはじめる」をタップしてください。

  2. 取得したい証明書を選択してください。取得したい証明書は、控除と収入から選択できます。医療費控除は自動的に選択されます。

    控除
    ・医療費控除
    ・寄附金控除(ふるさと納税)
    ・社会保険料控除
    ・生命保険料控除
    ・地震保険料控除
    ・小規模企業共済等掛金控除
    ・住宅ローン控除

    収入
    ・給与
    ・公的年金等
    ・株式の特定口座
    ・生命保険の一時金
    ・生命保険の年金

    「+選択」の表記がある証明書にチェックを付けた場合は、発行サイトを選択する画面が表示されます。リストにチェックを入れる、または直接入力して次へ進みます。

  3. 取得したい証明書ごとに、必要な外部サイトと連携を行います。
    画面の案内に従い、マイナンバーカードによる本人認証や「マイナポータルに表示する」ことへの同意を進めてください。

  4. 「外部サイトとの連携完了」と表示されたら、証明書発行企業のサイトで電子交付サービスの利用者登録や、電子交付への同意を行います。登録完了後、民間送達サービスと証明書発行企業を連携してください。
    ※利用登録の完了や申請内容の承認には数日かかる場合があります。

  5. 取得したい証明書の状況が「完了」と表示されたら、事前準備は完了です。
    状況表示が「未完了」または「処理中」の場合は、表示が「完了」になるまで待ちましょう

参考:マイナポータル|07 確定申告の事前準備

ID・パスワード方式の場合

ID・パスワード方式で確定申告を進める場合は、マイナンバーカード関連の準備が不要です。代わりに、税務署で本人確認をして発行してもらったID・パスワードが必要です。ただし、2025年10月1日よりID・パスワード方式で使用する ID・パスワードは、新規発行が停止されました。そのため、ID・パスワードが未発行の場合は、ID・パスワード方式が利用できません。
確定申告書等作成コーナーから作成する際に、控除証明書などの電子データを読み込む手順があります。控除証明書や領収書などのデータを読み込むためには、スマホにダウンロードしておく必要がありますので、申告に利用する分を用意しておきましょう。

参考:確定申告書等作成コーナー|スマホご利用ガイド(P17)
参考:国税庁|「確定申告書等作成コーナー」で利用するID・パスワードの新規発行停止について

Androidのスマホから確定申告を行う手順

必要な事前準備が完了したら、スマホから確定申告書の作成に移ります。マイナンバーカード方式、ID・パスワード方式それぞれに必要な手順がありますので、次からご紹介していきます。

マイナンバーカード方式(電子証明書あり)の場合

スマホ用電子証明書の申請・登録を済ませた、マイナンバーカード方式の手順をご紹介します。こちらの方法ではマイナンバーカードを読み込む手間が省けますので、気になる方は先にご紹介した事前準備の内容をご確認ください。

  1. スマホ用電子証明書を手続きしたスマホから確定申告書等作成コーナーにアクセスし、申告書の種類や申告年分を選択します。
    「提出方法に関する質問」で「はい」を選択してマイナンバーカード方式を選択してください。

  2. 証明書のデータを取得するため、マイナポータルと連携します。「連携する」を選択するとマイナポータルアプリが起動しますので、ログインを行ってください。登録情報を確認し、次に進みます。

  3. マイナポータル連携画面で「本人情報」や「家族情報」の取得を選択し、必要な証明書一覧を確認します。
    証明書のチェック項目に間違いがないか確認し、不要な項目はチェックを外して次に進みます。

  4. 申告する所得の種類を選択し、必要な情報を入力します。マイナポータル連携で取得した情報が自動で反映されるため、内容に不足や間違いがないか確認し、不足分は追加入力します。
    所得控除やその他の控除についても、画面の案内に従って入力してください。

  5. xmlデータの読込画面が表示されます。読込が必要なxmlデータ(生命保険料控除証明書など)を持っている場合はアップロードを行ってください。読み込んだxmlデータは、該当する項目に自動で反映・計算されます。
    申告に必要なxmlデータは、この画面の時にすべて読み込みましょう。この後の画面では、xmlデータを読み込むことができません。

  6. 自動計算された税額や還付額を確認します。還付金がある場合は受け取り口座を、納付金額がある場合は納付方法を、それぞれリストから選択してください。入力が確認できたら次へ進みます。
    納付方法の詳細が知りたい場合は、国税庁のサイトをご確認ください。
    参考:国税庁|納税・納税証明書手続

  7. 個人事業主やフリーランスの人は、必要に応じて住民税に関する事項や財産債務調書を入力してください。申告者の住所や氏名を入力し、管轄の税務署情報を確認して、事業所の所在地を入力します。

  8. 作成した申告書の内容を確認し、訂正が必要な場合は修正します。
    画面の案内に従ってマイナンバーカードを読み取り、e-Tax送信画面で「送信する」をタップします。送信結果が表示されたら、内容を確認してください。

  9. 申告書の送信結果を確認したら、申告書の控えをPDFで保存します。作成したデータをダウンロードし、翌年以降の申告に利用できるよう保存しておきます。必要に応じて印刷を行ってください。

以上の手順で、電子証明書を利用したマイナンバーカード方式での、確定申告書の作成・送信・データ保存が完了となります。

マイナンバーカード方式(電子証明書なし)の場合

マイナンバーカード方式で電子証明書を利用しない場合の手順をご紹介します。こちらの方法では、マイナポータル連携などの認証時にマイナンバーカードを読み取る必要がありますので、マイナンバーカードを手元に用意して進めてください。連携せずにデータを手入力する場合は、控除証明書や領収書などを用意しておきましょう。

  1. スマホから確定申告書等作成コーナーにアクセスし、申告書の種類や申告年分を選択します。
    「提出方法に関する質問」で「はい」を選択してマイナンバーカード方式を選択してください。

  2. 画面の指示に従ってマイナンバーカードを読み取り、暗証番号(利用者証明用電子証明書のパスワード4桁)を入力して本人確認を行います。

  3. 申告する所得の種類を選択し、必要な情報を入力します。マイナポータル連携を利用する場合は自動反映されますが、連携しない場合はすべて手入力で行います。医療費や保険料控除など、必要な控除情報を画面の案内に従って手入力してください。読み込むxmlデータの用意がある場合は、該当する項目は後の手順で自動反映されるため、空欄で問題ありません。

  4. xmlデータの読込画面が表示されます。読込が必要なxmlデータ(生命保険料控除証明書など)を持っている場合はアップロードを行ってください。読み込んだxmlデータは、該当する項目に自動で反映・計算されます。
    申告に必要なxmlデータは、この画面の時にすべて読み込みましょう。この後の画面では、xmlデータを読み込むことができません。

  5. 自動計算された税額や還付額を確認します。還付金がある場合は受け取り口座を、納付金額がある場合は納付方法を、それぞれリストから選択してください。入力が確認できたら次へ進みます。
    納付方法の詳細が知りたい場合は、国税庁のサイトをご確認ください。
    参考:国税庁|納税・納税証明書手続

  6. 申告者情報(氏名・住所・事業所所在地など)を入力し、管轄の税務署情報を確認します。個人事業主やフリーランスの方は住民税に関する事項も入力してください。

  7. 申告書の内容を確認し、訂正が必要な場合は修正します。その後、再びマイナンバーカードを読み取り、暗証番号を入力してe-Tax送信を完了させます。

  8. 申告書の送信結果を確認したら、申告書の控えをPDFで保存します。作成データもダウンロードして、翌年以降の申告に利用できるよう保存しておきましょう。
    必要に応じて印刷を行ってください。

以上の手順で、マイナンバーカード方式での確定申告書の作成・送信・データ保存が完了となります。

ID・パスワード方式の場合

マイナンバーカードを使わず、税務署から発行されたID・パスワードを用いて確定申告を行う場合の手順をご紹介します。

  1. スマホから確定申告書等作成コーナーにアクセスし、申告書の種類や申告年分を選択します。
    「マイナンバーカードをお持ちですか?」の質問に「いいえ」を選択し、続けて表示される選択肢から「e-Tax(ID・パスワード方式)」を選んで次に進みます。

  2. e-Taxログイン画面で、届出完了通知に記載されたIDとパスワードを入力してログインします。ログイン後に表示される登録情報を確認し、必要があれば修正してください。

  3. xmlデータの読込画面が表示されます。読込が必要なxmlデータ(生命保険料控除証明書など)を持っている場合はアップロードを行ってください。読み込んだxmlデータは、該当する項目に自動で反映・計算されます。
    申告に必要なxmlデータは、この画面の時にすべて読み込みましょう。この後の画面では、xmlデータを読み込むことができません。

  4. 申告する所得を選択し、画面案内に従って本人確認を行い、各所得金額を入力します。控除項目(医療費控除や寄附金控除など)も同様に入力してください。入力が終わったら「次へ」をタップします。

  5. 自動計算された税額や還付金額を確認し、必要があれば修正します。還付金がある場合は受取口座を入力し、納付金額がある場合は納付方法を選択して進めます。
    納付方法の詳細が知りたい場合は、国税庁のサイトをご確認ください。
    参考:国税庁|納税・納税証明書手続

  6. 申告者や扶養親族のマイナンバー、住所などの情報を入力して「次へ」をタップして進みます。
    個人事業主やフリーランスの人は、必要に応じて住民税に関する事項や財産債務調書を入力してください。申告者の住所や氏名を入力後、管轄の税務署情報を確認して、事業所の所在地を入力します。

  7. 申告書の送信前に入力した内容を確認し、問題がなければ「送信する」をタップします。
    ID・パスワード方式の場合、暗証番号(利用者識別番号のパスワード)を入力して送信を完了します。送信結果の確認画面で内容を確認し、エラーがあれば修正してください。問題なく送信できたら、受付結果の確認画面が表示されます。

  8. 申告書の送信結果を確認したら、申告書の控えをPDFで保存します。作成したデータをダウンロードし、翌年以降の申告に利用できるよう保存しておきます。必要に応じて印刷を行ってください。

以上の手順で、ID・パスワード方式での確定申告書の作成・送信・データ保存が完了となります。

iPhoneから確定申告を行う場合は?

iPhoneから確定申告を行う場合も、マイナポータルアプリや確定申告書等作成コーナーを利用して、申告が行えます。マイナンバーカード方式を選んだ場合には、iPhoneのマイナンバーカードを利用する方法があります。Android版のスマホ用電子証明書と同様に活用可能です。マイナポータルアプリと連携しなくても確定申告を行うことは可能ですが、連携しておくと認証省略できるため、手間が省けて便利になります。また、ID・パスワードが発行済みであれば、ID・パスワード方式の選択も可能です。
iPhoneから確定申告を行う具体的な準備や手順については別記事でご紹介しています。

スマホから確定申告を行う際に迷ったら

スマホから確定申告をする方法として、国税庁はマイナンバーカード方式の利用を推奨しています。ID・パスワードの新規発行も停止となり、マイナンバーカード方式を前提とした制度整備が進められていますので、スマホから確定申告する際は、最新情報の確認を行いましょう。
具体的な注意点やQ&Aについては、別記事でご紹介しています。

まとめ

Androidスマホで確定申告を行うには、マイナンバーカード方式(電子証明書あり/なし)とID・パスワード方式、合わせて3つの方法があります。
マイナンバーカード方式では、スマホ用電子証明書を利用するとマイナンバーカードの読み取りが省略可能で、電子証明書なしの場合でもマイナポータルを活用することで控除証明書などの取得・自動反映ができます。ID・パスワード方式は新規発行が停止されているため、発行済みの人のみ利用可能です。
スマホ申告には確定申告書等作成コーナーの利用が必須で、事前準備として証明書取得やアプリの設定を行う必要があります。制度整備が進められているため、最新情報の確認が重要です。

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損益通算とは?通算できる所得・できない所得一覧と適用可能なケースを解説 https://www.seraku.co.jp/tectec-note/freelance/bp-soneki-tsusan-toha/ https://www.seraku.co.jp/tectec-note/freelance/bp-soneki-tsusan-toha/#respond Wed, 21 Jan 2026 07:25:37 +0000 https://www.seraku.co.jp/tectec-note/?p=44762 はじめに
  • 損益通算とは、黒字の所得から赤字の所得を差し引いて相殺できる制度のこと
  • 内部通算とは、同一所得のなかで利益と損失を相殺できる制度のこと
  • 損益通算の対象となる所得は4種類ある
  • 損益通算をすると税金が減る場合がある

損益通算とは?

損益通算とは、黒字の所得から赤字の所得を差し引いて相殺できる制度のことです。損益通算を行うことで、所得税の負担が軽減できたり、節税対策に繋がったりするケースがあります。

理由は、日本の所得税が超過累進税率を採用していることと関係しています。
超過累進税率とは、課税対象となる財産や所得が増えるに連れて、段階的に税率が上がる仕組みのことです。逆をいえば、課税所得金額が減ると、段階的に税率が下がります。
このように、損益通算では、超過累進税率の仕組みを利用していることがわかります。

所得の課税方法

所得税は、各種所得を合算して税額を計算する総合課税が原則です。
一方で、一定の所得については、ほかの所得と合算せずに計算する分離課税が採られており、分離課税には申告分離課税と源泉分離課税があります。
以下に、それぞれの特徴を解説します。

確定申告が不要

  • 源泉分離課税:
  • 納税者に代わって支払者が税金を支払う方式
  • 特定の所得に対する税金を所得と完全に分ける

確定申告が必要

  • 1. 総合課税:
  • 納税者の所得を合算して、課税所得を算出する方式
  • 一定の配当等で、総合課税を選ぶと配当控除の対象になり得る
  • 2. 申告分離課税:
  • 確定申告で納税する際にほかの所得と合算しないで、課税所得を算出する方式
  • 申告分離課税の中には、一定の範囲で損益通算が認められるものがある(例:上場株式等の譲渡損失と配当等)※申告分離課税は制度の総称で、損益通算可否は所得の種類で異なるため

内部通算とは?

損益通算と似た言葉に内部通算があります。内部通算とは、同一所得のなかで利益と損失を相殺できる制度のことです。
たとえば、複数不動産所得があったとします。
片方は黒字(仮に不動産Aとする)で片方が赤字(仮に不動産Bとする)の場合は、利益(不動産Aの所得)から損失(不動産Bの所得)を引いた差額に課税されます。

内部通算は上記の例のように、同じ所得区分の中でしか適用されません。従って、不動産所得と配当所得、事業所得と利子所得といった、違う区分の所得同士は相殺できません。

損益通算できる所得

所得税法では、所得を10種類に区分しています。
そのうち、損益通算の対象となる所得は、以下の4つです。

  1. 不動産所得
  2. 事業所得
  3. 譲渡所得
  4. 山林所得

ただし、上記の所得であっても損益通算の対象外となるケースがありますので注意しましょう。
代表的な例は下記の通りです。

例:不動産所得

  1. 別荘のように、趣味・娯楽・保養・鑑賞などの目的で所有する不動産の貸付けに係るもの
  2. 不動産所得の金額を計算する上で、必要経費に入れた土地等の負債の利子

損益通算できない所得

損益通算の対象とならない所得は、以下の6つです。

  1. 利子所得
  2. 退職所得
  3. 給与所得
  4. 配当所得
  5. 一時所得
  6. 雑所得

上記のうち、利子所得と退職所得に関しては、所得金額の計算上、損失が生じることはありません。
給与所得・配当所得・一時所得・雑所得などは計算上損失が生じることはありますが、他の各種所得(損益通算ができない所得のグループ同士)では控除できません。

投資信託や株式投資で生じた損失は、上場株式等と通算可能

株式や投資信託などで損失が生じた場合は、同じ年分の上場株式等の利益等と相殺(損益通算)できます(代表的なものには上場株式等の譲渡損失が挙げられる)。
さらに、確定申告により、一定の要件のもとで、(申告分離課税を選択した)上場株式等の配当等(および一定の利子等)とも損益通算が可能です。
たとえば、投資信託の普通分配金(課税対象となる分配金)や上場株式などは、配当所得に分類されます。

投資信託や株式投資で生じた配当所得は、総合課税か申告分離課税のどちらかを選択できます。総合課税では、配当控除(国内株式等の配当等に関して適用される税額控除)ができ、申告分離課税では、上場株式等の売却損と配当所得の損益通算が可能です。

損益通算で確定申告が必要なケース

以下では、損益通算で確定申告が必要なケースを説明します。

投資信託や株式投資で損失が生じた場合

金融商品取引業者らを通じて生じた損失(上場株式等の売却)は、確定申告することで上場株式等の利益と損益通算が可能です。
また、損益通算しても控除しきれない損失については、確定申告により、翌年以後3年間にわたって上場株式等の利益から繰越控除できます。

繰越控除とは本年分の損失が控除しきれないときに、翌年以降に損失を繰り越せる制度です。繰り越した損失は翌年以降の利益から控除できます。

事業所得や不動産所得で損失が生じた場合

不動産所得・事業所得・山林所得のある方は、要件を満たせば青色申告ができます。
青色申告では、損益通算しても控除しきれない損失(純損失)が生じた場合、各年分の所得金額から控除できます(原則的にその純損失は翌年以後3年間にわたり繰り越せますが、一定の特定非常災害等では5年間に延長される場合があります)。
繰越控除を受けるには、損失が生じた年分を損失申告(確定申告)しましょう。また、翌年以降も控除を受ける場合は、控除を受ける年ごとに、確定申告で繰越額を申告書に記載する必要があります。

損益通算をするとどれくらい税金が減るか?

以下では、損益通算した場合と損益通算しなかった場合を比較して、実際の納税額にどれほど差が出るのかシミュレーションしてみました。

※1今回は、給与所得500万円(給与所得控除後の金額とする)ある方が、不動産所得:-200万円(200万円の赤字)を抱えているケースを例に挙げています。
※2また、式を簡素化するために、所得税の計算では所得控除(基礎控除・社会保険料控除等)を、住民税の計算では復興特別所得税・均等割りなどを考慮しておりません。

損益通算をしなかった場合

まず、損益通算しない場合を見ていきましょう。
その場合、不動産所得の赤字200万円を給与所得に通算しない前提のため、課税所得は500万円となります。

なお、所得税の税率は以下の通りです。

課税所得金額税率控除額
1千円から194万9千円まで5%0円
195万円から329万9千円まで10%97,500円
330万円から694万9千円まで20%427,500円
695万円から899万9千円まで23%636,000円
900万円から1千799万9千円まで33%1,536,000円
1千800万円から3千999万9千円まで40%2,796,000円
4千万円以上45%4,796,000円

所得税の計算:

  • 500万円 × 20% – 427,500 = 57万2500円

住民税の計算:

  • 住民税は、課税所得に対して一律約10%を課されるケースが一般的です(自治体により若干異なります)。
    住民税(課税所得500万円 × 10%):50万円
    → 所得税と住民税の合計納税額:107万2500円

損益通算をした場合

次に、損益通算を適用した場合の課税所得を算出します。

損益通算:

  • 500万円 – 200万円 = 300万円

所得税の計算:

  • 300万円 × 10% – 97,500円 = 20万2500円

住民税の計算

  • 課税所得300万円の場合:
    300万円 × 10% = 30万円
    → 所得税と住民税の合計納税額:50万2500円

損益通算した場合と損益通算しなかった場合の比較

課税所得:

  • 500万円 (損益通算しなかった場合)
    300万円(損益通算した場合)

負担税額:

  • 107万2500円(損益通算しなかった場合)
    50万2500円(損益通算した場合)

節税額:

  • 107万2500円 – 50万2500円 = 57万円

損益通算を適用すると課税所得が減り、税負担も大きく軽減されます。
上記のケースでは、不動産所得の赤字200万円を給与所得から差し引くことで、約57万円の節税効果が得られました。

確定申告で損益通算を行う方法

確定申告で損益通算する方法を解説します。

1. 必要書類の準備

以下に、確定申告で損益通算を行う際に必要な書類や、ケースごとに応じて用意する書類をまとめました。

  • 1. 確定申告書・ケースごとの申告書類
    ・確定申告書
    ・青色申告決算書(青色申告者)
    ・収支内訳書(白色申告者)
  • 2. 損益通算する所得に関する書類
    ・収入の証明書:収支報告書・源泉徴収票など
    ・必要経費の領収書:資産を購入・譲渡した際の領収書・山林の伐採や譲渡にかかる領収書など
    ・その他の証明書:不動産の保有を証明する書類・資産を購入・譲渡した際の契約書・山林の伐採や譲渡に関する契約書
  • 3. 本人確認書類(個人番号と身元確認ができるもの)
    ・マイナンバーカード、もしくはマイナンバーを確認できる書類(通知カード・住民票の写しなど)
    ・身元確認書類(運転免許証・パスポートなど)
  • 4. 各種控除の適用を証明できる書類
  • 5. 損益通算の対象となる損失の計算明細書(赤字の内容を計算した書類)
    ・上場株式等に係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除用の付表・特定居住用財産の譲渡損失の金額の明細書など

2. 確定申告書の作成・提出

確定申告書を作成したら、期間内に提出しましょう。
原則として、確定申告書の提出は、毎年2月16日から3月15日(土日祝にかぶる場合は翌営業日)となっています。

確定申告書の提出方法は複数ありますので、下記をご参考になさってください。

  1. 税務署の窓口に提出する
  2. 税務署へ郵送する
  3. e-Taxや国税庁の確定申告書等作成コーナーからオンラインで提出する

損益通算のQ&A

  • Q1. 副業で赤字が出ました。給与所得と損益通算できますか?
    A1. ケースによります。
    副業が事業所得に該当する場合は、給与所得との損益通算は可能です。
    一方で、雑所得の場合はできません。
  • Q2. 投資信託の損失は給与所得と損益通算できますか?
    A2. いいえ、できません。
    投資信託や株式の損失は申告分離課税の対象です。
    一方で、給与所得は総合課税に該当します。両者は所得の合計方法や適用される税率が異なるため、損益通算できません。
  • Q3. NISA口座内の損失は損益通算できますか?
    A3. いいえ、できません。
    NISAは投資で得た収益が非課税になる制度です。従って、税制上は利益や損失がないものとして扱われます。そのため、他の課税口座(特定口座や一般口座)の利益と相殺できません。
    これは、令和5年までのNISAやジュニアNISAにおいても同様です。
  • Q4. 国内株式と米国株式は損益通算できますか?
    A4. はい。対象となる主な金融商品であれば可能です。
    主な金融商品には、国内上場株式・国内上場ETF(上場投資信託)、REIT(不動産投資信託)・海外上場株式・海外上場ETF、REITなどがあります。
    海外株式の場合は為替変動も影響しますので、注意しましょう。
  • Q5. 特定口座(源泉徴収あり)を使っています。損益通算のために確定申告は必要ですか?
    A5. いいえ。原則として確定申告は不要です。
    ただし、特定口座で「源泉徴収あり」や「配当等の受入あり」を選択することが条件です。
    また、複数の金融機関で特定口座を保有している場合は、すべてが自動的に損益通算されませんので、確定申告が必要です。

まとめ

損益通算とは、1年間で生じた黒字の所得(利益)から赤字の所得(損失)を合わせて、相殺できる制度です。すべての所得税が損益通算できるわけではなく、対象外となるものもあります。
また、申告分離課税の対象となる所得と総合課税の対象となる所得といったような、異なるジャンルのものは損益通算できません。

とはいえ、ケースによっては課税所得の減額や節税対策につながりますので、複数の所得がある方にはオススメです。制度を正しく知って、積極的に活用しましょう。

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確定申告の期限過ぎたらどうなる?ペナルティや対処法を徹底解説 https://www.seraku.co.jp/tectec-note/freelance/bp-kakuteishinkoku-kigen-sugitara/ https://www.seraku.co.jp/tectec-note/freelance/bp-kakuteishinkoku-kigen-sugitara/#respond Wed, 14 Jan 2026 08:02:24 +0000 https://www.seraku.co.jp/tectec-note/?p=44425 はじめに
  • 確定申告の期限が過ぎたら、ペナルティで税金が多く加算される可能性がある
  • 気づいた時点で申告するとペナルティが軽減される場合がある
  • あまり長く放置しているとペナルティが重くなったり税務調査になったりする場合がある
  • 納税が難しい場合に猶予制度や延納制度が用意されている
  • 確定申告の遅れに気が付いた時点で早めに申告・納税しよう

確定申告の期限が過ぎたらどうなる?

確定申告の申告期間は、毎年2月16日~3月15日です(初日および最終日が土日祝の場合は翌平日に順延)。しかしこの期限に確定申告が間に合わない場合どうなるのでしょうか。

結論からいうと、放置が一番よくありません。遅延のために税金が高くなったり、税務調査が入って脱税を疑われて罰則を科されたりする可能性があるためです。
最善の対処は、遅延に気づいた時点で遅れてでも申告することです。正当な理由があると判断されれば遅延のための税金や支払い時期を考慮してもらえる場合があり、遅延のダメージを抑えられます。つまり、単に忘れていた場合でも、遅延は最短に抑えた方がよいということです。

確定申告が遅れた場合のペナルティ

このセクションでは、確定申告が遅れた場合のペナルティについて解説します。確定申告が遅れた場合、基本的に本来の納税額に遅延したペナルティの税金が加算されます。

無申告加算税が加算される

無申告加算税は、本来の納税額に加算される税金です。
ただし、無申告加算税がかからない、または減税になるパターンがあります。

  • 無申告加算税がかからない場合

    次の要件をすべて満たす場合、無申告加算税はかからない。
    (1) その期限後申告が、法定申告期限から1か月以内に自主的に行われていること。
    (2) 期限内申告をする意思があったと認められる一定の場合に該当すること。

このため、確定申告の期限が過ぎていた場合はできるだけ早めに申し出た方がよいといえるでしょう。

無申告加算税の税率について
(1) 無申告加算税の税率の原則・50万円までの部分:15%
・50万円超え300万円までの部分:20%
・300万円超えの部分:30%)
(2) 自主的に期限後申告した場合・納税額に関わらず5%
(3) 税務調査の事前通知後に期限後申告した場合・50万円までの部分:10%
・無申告の税額が50万円超え300万円までの部分:15%
・無申告の税額が300万円超えの部分:25%

参考:国税庁 – No.2024 確定申告を忘れたとき
参考:財務省 – 加算税制度の概要 (PDF)

延滞税が加算される

延滞税は、納税が遅れた日数に応じて課される税金です。税率は段階があり、最高税率は、原則として年14.6%となります。

青色申告特別控除が減額される

青色申告特別控除で確定申告をすると最大65万円控除されますが、確定申告の期限に遅れるとこの控除特典がなくなります。ただし、青色申告をすることで受けられる10万円の控除だけは遅延しても適用されます。

税務調査が入る可能性がある

税務調査は確定申告が正確におこなわれているかどうかをチェックしたり、脱税がおこなわれていないかを税務署または国税庁がおこなったりする調査のことです。法人・個人問わず税務調査は入る可能性があります。

確定申告があまりに遅延している場合、違法性を問われて税務調査が入る可能性があがるでしょう。また、犯罪性が高い場合は追徴課税を課され、罰則または高い税率の税金を払わなければいけない場合があります。確定申告は基本的に遅延しないよう、十分注意が必要です。

【確定申告が遅れた場合】パターン別解説

確定申告が遅れるパターンはいくつか考えられます。

  • 確定申告が終わってすぐ~1年以内の遅れ
  • 数年遅れたとき

また、還付申告のみ確定申告期間から遅れてしまった場合もあるでしょう。
次で解説します。

【確定申告が終わってすぐ~1年以内の遅れ】
後述の猶予制度を受けられる場合があります。まずは税務署に相談して、遅れてでも確定申告をしましょう。

【数年遅れたとき】
数年遅れた場合、遅延ペナルティの高い税金が課されたり、税務調査が入ったりする場合があります。とくに税務調査の結果、悪質と判断されると追徴課税を課される可能性があります。こういったペナルティを回避するためにも、気づいた時点ですぐに確定申告をおこなうことが肝要です。

【還付申告のみ遅れたとき】
還付申告のみの場合は、確定申告の時期以外でもいつでも申告できます(5年以内の場合)。ただし、青色申告特別控除を適用する場合は、還付申告であっても期限内提出が必要です。

確定申告が遅れた場合の救済制度

確定申告がやむを得ず遅れた場合、遅延のペナルティを軽減できる制度が用意されています。それぞれ利用条件や方法があるので、次で解説します。

【猶予制度】申告の猶予をもらえる

猶予制度は、納税を伸ばすことができる制度です。ただし利用するには、次の条件をすべて満たすことが必要で、満たした場合にのみ1年の範囲で猶予が与えられます。

  1. 次の(1)から(6)までのいずれかに該当する事実があること。
    • (1) 財産について、災害を受けたり盗難にあったりしたこと。
    • (2) 納税者や家族が病気にかかったり負傷したりしたこと。
    • (3) 事業を廃業したり休業したりしたこと。
    • (4) 事業について著しい損失を受けたこと。
    • (5) 上記の(1)から(4)に類する事実があったこと。
    • (6) 本来の期限から1年以上経過した後に、修正申告などにより納付すべき税額が確定したこと。
  2. 猶予該当事実に基づき、納税者がその納付すべき国税を一時に納付することができないと認められること。
  3. 申請書が提出されていること(上記1 (6) の場合は納期限までの提出)。
  4. 原則として、担保の提供があること。
    ※ ただし上記4は次のいずれかの場合、担保の提供は必要ない。
    • 1) 猶予を受ける金額が100万円以下である場合
    • 2) 猶予を受ける期間が3か月以内である場合
    • 3) 担保として提供することができる種類の財産がないといった事情がある場合

参考:国税庁 – No.9206 国税を期限内に納付できないとき

また、次の国税庁による資料も参考になるでしょう。納税が遅れたときの案内があります。

参考:国税庁 – 納税に関する総合案内

【延納制度】納税が難しいときに利用できる

延納制度は、本来納めるべき税額の2分の1以上を納付することにより、残りの納付期限を延長できる制度です。申請期間は、原則、確定申告をした年の5月31日までとなります。

参考:国税庁 – 【税金の納付】
参考:国税庁 – 手順5 延納の届出

確定申告の遅れに気が付いたときの対処フロー

確定申告を忘れてしまった、遅れてしまったことに気が付いたときはパニックになって何から手をつけたらいいのかわからない人もいるでしょう。
このセクションでは、確定申告の遅れに気が付いたときにおこなうべき対処のおおまかな流れを解説します。

ステップ1.状況整理

まずは状況整理をしましょう。いつの年度の確定申告を忘れたのか、必要なものはなにか、書類は手元にあるかどうか、どういう理由で遅れたか、なにを申告すべきかなどです。パニックになってうまく考えられない事態もあり得ますが、いったん落ち着いて、冷静に現状把握に努めましょう。

ステップ2.期限後申告

基本的には、分かった時点で期限後の確定申告をするべきです。なぜなら、早く申告した分だけペナルティが軽くなる可能性が大きいからです。
故意でない場合は遅延のペナルティが軽減される場合があります。詳細は税務署に訪れて職員に相談するとよいでしょう。また、税理士に有料で相談するなどして、専門家の助けを借りる方法もあります。

ここでは、確定申告の基本的な提出方法を説明します。

  • 税務署窓口で直接提出する

    所轄の税務署に訪れて直接確定申告用紙を提出し、納税する方法。対面で税務署の職員に相談できるのがメリット。通常の期限は確定申告最終日の17時まで。

  • 税務署の時間外収受箱に投かんする

    税務署の時間外収受箱を利用するのもよい。17時を過ぎても期日内に投かんすれば受け付けてもらえる。

  • 税務署宛てに郵送する

    税務署を訪れるのが難しい場合は所轄の税務署に郵送する方法もある。所轄の税務署を調べたい場合は国税庁のサイトに記載されている。通常の期限は確定申告最終日の消印有効。

  • e-Taxを利用する

    マイナンバーカードがあったらオンラインでの確定申告が可能。通常の期限は確定申告最終日の23:59まで。

ステップ3.納税・相談

遅延しても確定申告をおこない、確定した税金を払いましょう。このとき、ペナルティで加算税が課されたことにより一括ですべて払えない場合もあり得ます。そのときは税務署の職員に相談するよいでしょう。分割払いなどの相談にのってくれることがあるからです。

確定申告を遅らせないためのチェックリスト

確定申告を本来の期限までに提出するためのチェックリストです。基本的なことですが、重要なことです。すべてを必死に守ろうとすると負担に感じるかもしれませんが、チェックリストを活用してひとつずつ確実にこなしていきましょう。

CHECKポイント
  • 今年の確定申告の日付を把握しよう。
    →確定申告は”毎年2月16日~3月15日”(ただし初日、最終日が土日祝の場合は翌平日に順延)
  • 最終日より前に提出できるよう、余裕をもって計画を立てる
  • 必要な書類(レシート、領収書など)を整理する
  • レシート、領収書などから帳簿を作成する
    →青色申告だけでなく、白色申告も簡易的な帳簿の作成が必要
  • 医療費控除などで必要があれば明細書などの作成をおこなう
  • すべての準備が整ったら確定申告をおこなう(税務署へ直接提出、e-Taxを利用する等)

まとめ

確定申告の申告期間は、毎年2月16日~3月15日です(初日および最終日が土日祝の場合は翌平日に順延)。しかし、この期限に遅れてしまう場合もあるでしょう。最善の対策は”遅延に気づいた時点で遅れてでも申告すること”です。
確定申告の期限が過ぎたら、ペナルティとして無申告加算税や延滞税が加算されてしまうからです。しかし、事情があって確定申告が遅れた人のために猶予制度、延納制度といった救済制度も設けられています。また、あまり長く放置しているとペナルティが重くなったり税務調査になったりする場合があります。税務調査では追徴課税が課される可能性もでてくるでしょう。

確定申告は国民の義務です。遅れた場合のペナルティも法律で取り決められています。この記事では本来の期限に間に合わせるためのチェックリストも用意しました。活用して、しっかり確定申告を期限内におこなうようにしましょう。

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事業所得とは?雑所得との違いや判断基準を解説 https://www.seraku.co.jp/tectec-note/freelance/bp_business_income_basics/ https://www.seraku.co.jp/tectec-note/freelance/bp_business_income_basics/#respond Thu, 11 Dec 2025 07:59:50 +0000 https://www.seraku.co.jp/tectec-note/?p=43488 はじめに
  • 事業所得は所得税の10種類の1つで、継続的な事業収入が該当する
  • 個人事業主やフリーランスの収入は該当するが、不動産・山林所得は含まれない
  • 単発的な収入や不定期の活動は雑所得になりやすい
  • 事業所得を判断する重要な基準は、営利性・継続性・独立性の3つ
  • 事業所得では帳簿作成と記帳が義務化されている

事業所得とは何か、どうやって判断するのか、所得税の仕組みがわかりにくい、と感じる人は多いのではないでしょうか。
この記事では、事業所得の基本や雑所得との違い、判断基準を初心者向けにわかりやすくご紹介します。判定フローやチェックリストもありますので、ご自身が該当するかの確認にご活用ください。

事業所得とは

事業所得とは、10種類ある所得の1つです。

基本的には、農業・漁業・卸売業・小売業・サービス業などの事業を継続して営む、個人事業主やフリーランスの収入から得られる所得のことを指します。ただし不動産の貸付けは不動産所得、山林の譲渡による所得は山林所得と見なされる場合があります。事業所得にあてはまるか不安な場合は、税務署に問い合わせてみるといいでしょう。

どんな収入が該当する?

個人事業主またはフリーランスとしての仕事(ライター・デザイナー・エンジニア)から得られる収入が、事業所得に該当します。継続的・定期的なハンドメイド販売や、長期契約の家庭教師なども当てはまります。
ただし、単発で受け取った謝礼や不定期の副収入の場合は、雑所得の扱いになる傾向にあります。

  • 該当する収入例

    個人経営の企業・店舗
    フリーランスの仕事(Webライター・Webデザイナー・エンジニアなど)
    ハンドメイド販売(定期的に販売している場合)
    家庭教師(長期契約の場合)
    講師料(定期的な講演がある場合)

必要経費の考え方

事業所得における必要経費とは、収入を得るために直接的または間接的に必要となった費用のことです。
必要経費になるものと、必要経費にならないものの例を以下にまとめました。

必要経費になるものの例
  • 商品の仕入れにかかった費用などの売上原価
  • 雇った従業員に支払う給与や賃金などの人件費
  • 土地代・家賃・事務所や店舗の家賃

    (自宅兼事務所の場合は按分した事業利用分が経費に該当する)

  • 水道光熱費

    (家事按分の対象になる)

  • 取材や営業のための電車賃、ガソリン代などの旅費交通費
  • 電話代やインターネット利用料などの通信費
  • 文房具、事業に必要な備品などの消耗品費用

    (一定金額以内のもの)

  • インターネットやテレビ、カタログ印刷費用などの広告宣伝費
  • 取引先との会食や交流などを目的とした接待交際費
  • 事業税、印紙税などの租税公課  

    (国や地方公共団体などに納める税金や交付金といった会計上の勘定科目)

  • 事業用の高額な設備や車両などの減価償却費  

    (耐用年数に応じて分割して経費計上できる)

必要経費にならないものの例
  • 個人的な生活費: 食費や被服費など
  • 所得税、住民税、相続税など
  • 事業主自身の給与

    (個人事業主の収入から経費を差し引いた所得のこと)

  • 事業主自身の国民健康保険料や生命保険料

    (生命保険料控除などの所得控除の対象にはなる)

必要経費扱いになるものは、基本的に事業に直接必要であるものです。必要経費の領収書やメモ、銀行明細や帳簿などを整えておくと、必要経費である証拠になります。
間違えて捨ててしまわないよう、管理しておきましょう。

事業所得と雑所得の違い

国税庁の通達により、事業所得と雑所得の区別が明確化されています。事業所得とは、営利目的の事業であり反復的および継続的に行われる業務で得られる所得を指します。個人事業主やフリーランスとしての収入や、農業や漁業などから得られる収入のことです。
一方の雑所得は、先にご紹介したように、9つある他のどの所得区分にも該当しない、一時的・副次的な所得を指します。副業収入や公的年金、単発的な原稿・講演料などの収入が該当します。

経費や帳簿の扱いの違い

事業所得と雑所得では、経費や帳簿の扱い方にも違いがあります。事業所得の帳簿は青色・白色申告どちらも必要であり、法定帳簿の記録と記帳が義務化されています。
雑所得の帳簿は義務化されていませんが、表計算や会計アプリを活用して、必要なデータを統一化したり、入出金を継続して記録したり、収支一覧を作成しておくことが大切です。

事業所得雑所得
経費の
扱い
・事業に直接必要な支出のみを計上し、私費は除外する
・仕入・材料・外注費・送料・通信費・広告費・旅費・消耗品を中心に検討する
・家賃・光熱・通信などは事業使用割合で算定、家事按分の根拠(面積・時間)を記録する
・PCや機材などの高額資産は耐用年数で費用化し、減価償却だけでなく、一括償却の可否も確認する
雑所得の収入を得るために、直接必要な支出のみ計上する
・PC・スマホ・通信費・消耗品・旅費交通費・広告費・家賃の事業按分などが対象
・自宅家賃・光熱・通信は使用割合を算定し、家事按分の根拠(面積・時間等)を記録する
・領収書・請求書・明細を日付順に保管し、用途と金額が追えるようにする
・高額備品は耐用年数で減価償却し、少額備品は一括計上できるかを確認する
帳簿の扱い ・青色・白色申告ともに法定帳簿の作成・保存が必要で、記録・記帳しておくことが義務
・主要な仕訳帳・総勘定元帳に加え、現金出納帳・売掛帳・買掛帳などの補助簿も整備する
・取引発生後すぐに仕訳・記帳を行い、月次で残高と試算表を確認する
・青色申告の帳簿や決算関係書類、現金預金取引等の書類は原則7年の保存義務がある
・白色申告の場合は、法定帳簿の保存期間が7年、任意帳簿や現金預金取引等の書類は5年の保存義務がある
・記帳内容に不備があった場合は、青色申告の承認取り消しや過少申告加算税と見なされる可能性がある
・提示不可の場合は、故意と見なされると重加算税などの罰則が科される可能性がある
・義務の有無にかかわらず入出金を継続して記録する(収支一覧)
・表計算や会計アプリで日付・相手先・内容・金額・区分を統一して記録する
・証憑は最低5年の保存が目安(法定帳簿の保存期間に合わせて7年保存を推奨)
・電子取引はデータで、証憑と同じ期間保存する
・私用口座と雑所得の資金口座を分けると、記録・按分・証明が容易になる
・雑所得は青色申告の対象外のため、証拠・説明資料の整備が重要

上記の表にあるように、自宅を事業所として兼用する場合は、水道光熱費や通信費などを事業や副業で使用した割合を家事按分により計算し、その分だけを各所得(事業所得・雑所得)の経費として計上します。計上する際には、按分率の根拠となる記録(時間や事業所面積などの具体的な証拠)を残しておくことが重要です。
業務に関係のない私的利用分は、事業所得・雑所得いずれの経費にもできません。

青色申告の可否

青色申告は、事業所得・不動産所得・山林所得の、いずれかの所得がある個人が対象です。個人事業主やフリーランスとして事業所得がある人は、必要な届け出や帳簿準備を行って青色申告することで、青色申告特別控除や損失の繰り越しなどが受けられます。
雑所得は青色申告の対象外のため、白色申告での対応となります。雑所得でも、収入を得るために直接必要となった費用は、必要経費として計上可能です。忘れずに白色申告を行いましょう。

事業所得と雑所得の判断基準

事業所得かどうかを判断する基準として、以下のように定められています。この基準には、基本的に本業・副業は関与しません。

  • 事業所得と認められるかどうかは、その所得を得るための活動が、社会通念上、事業と称するに至る程度でおこなっているかどうかによる
  • 事業所得と業務に係る雑所得については、その所得を得るための活動の規模によって判定され、当該活動が事業的規模である場合には事業所得に、事業的規模でない場合には業務に係る雑所得に区分される

参考:国税庁|「所得税基本通達の制定について」の一部改正について(法令解釈通達)

判断基準にある「社会通念上の事業性」とは、その活動が一般社会の常識に照らして「事業と言えるか」を総合判定する考え方です。営利性・継続性・独立性や、記帳・証憑の整備など、要件を満たしているかを確認し、判断されます。
事業所得と判断されるために重要なポイントは、以下の6つです。

  • 対価を得ることを目的としている活動か
  • 単発ではなく、継続的・反復的に行われている活動か
  • 事業主として自らの判断と責任で経営し、損失のリスクも負っているか
  • 事業主としての意思決定の自由があるか
  • 規模、収入金額:活動の規模や収入が一定以上あるか

    (収入が300万円以下であっても、帳簿書類の保存があれば事業所得として認められる場合がある)

  • 事業活動に関する帳簿・書類が適切に作成・保存されているか

上記のポイントを総合的に見て、独立した事業と判断された場合に事業所得となり、一時的や副次的なものと判断される場合は、雑所得となります。

また、事業的規模であるかを判断するための目安も、次のように定められています。

収入金額記帳・帳簿書類の保存あり記帳・帳簿書類の保存なし
300万円
超え
概ね事業所得概ね業務にかかる雑所得
300万円以下業務に係る雑所得
※資産の譲渡は譲渡所得・その他雑所得

参考サイト:雑所得の範囲の取扱いに関する所得税基本通達の解説 3ページ目

自分の所得が事業所得か雑所得かわからない場合は、次にご紹介する判定フローをご確認ください。

かんたん判定フロー

事業所得か業務に係る雑所得かを判断するためには、記帳の有無や書類保存、営利性・継続性・独立性、収入規模などのポイントが重要です。
以下のフローチャートは、判断の目安としてまとめたものです。

事業所得と判断されるためには、前述した6つのポイントが重要です。記帳状況や活動の継続性、収入金額などの見方がわからない場合は、税務署に問い合わせて確認することをおすすめします。

事業所得の一例(Webデザイナー・Webライター・エンジニア・講師)

ここからはケース別に、かんたん判定フローで確認した事業の一例をご紹介します。
ただし、ここでご紹介するものは一例であり、同業種の人すべてに当てはまる訳ではありませんので、ご注意ください。

1.Webデザイナー

事業所得になるポイント
  • 業務に必要な設備やソフトウェアを、自分で用意・管理していること
  • クラウドソーシングや直接契約で、自身のクライアントを持っていること
  • 単発的ではなく、定期的または継続的な案件があること

具体的な事業例

・Webデザイン講座の開催や、テンプレート・素材などの販売
・企業の専属契約を結び、毎月や毎年など定期的に更新する
・小規模なデザイン事務所を設立し、複数のクライアントから定期的に仕事を請ける

2.Webライターの場合

事業所得になるポイント
  • Webライター業に明確な目的意識をもって、継続的に取り組んでいること
  • クラウドソーシングなどを活用し、クライアントや案件を自分で開拓していること
  • 納品物・成果物に対して正当な報酬を得ていること
  • 継続的に執筆活動を行い、売上を上げていること

具体的な事業例

・クラウドソーシングを活用し、月ごとに複数記事を納品する執筆案件を受け、継続的な報酬を得る
・特定の分野での専門知識を活かして電子書籍やレポートを自身で執筆・出版し、販売収益を得る
・企業ブログやSNS投稿の企画・執筆依頼を請け、定期的に記事やSNS文章をライティングし、運営をサポートする

3.エンジニアの場合

事業所得になるポイント
  • プロジェクト単位で請負契約を結び、特定の成果物に対して報酬を得ていること
  • 自分の裁量で仕事を進め、業務に必要なツールや環境設備を管理していること
  • 複数のクライアントから仕事を受けている、または継続的に案件をこなしていること

具体的な事業例

・複数のクライアントから定期的に案件を受注し、プログラミングやシステム開発を行う
・クライアントのシステムやアプリケーションの動作確認、テスト業務を請け負う
・企業や個人から依頼を受けて、既存システムやアプリケーションの保守・運用業務を行う
例:定期的なシステムアップデートや障害対応
サーバの監視やデータベースのメンテナンス

4.講師の場合

事業所得になるポイント
  • 独立または起業しており、講座やセミナーを開催していること
  • 講義の内容やスケジュールを自分で設定し、受講者を募っていること
  • 講座やセミナーが一度きりではなく、定期的に開催されていること

具体的な事業例

・制作した動画講座を月額制や都度課金などで提供し、オンラインスクールを運営して収益を得る
・自ら企画・運営して講座やセミナー、ワークショップを定期開催し、受講料を得る
・料理教室・絵画教室・写真講座など、趣味や特技を生かしたワークショップを定期的に開催し、運営する

家事按分の超入門

家事按分は、自宅や共用の費用から事業利用分だけを合理的に切り分けて経費にする考え方です。按分の対象費用は家賃・通信費・水道光熱費など、私用と事業用が混ざる支出で、事業に必要な部分のみを割合で計上します。計上する割合には根拠の説明が求められるため、証拠となる書類や明細などの記録を提示できるようにしておくことが重要です。
按分率は基準値÷基準値の合計で算出できます。計算に重要な基準値には、数字や算出結果の根拠として、明細書や実測値などの証拠が必要です。

按分率を決める方法
  • 面積:仕事専用スペースの面積÷住居全体の面積

    例:仕事20㎡÷全体100㎡=20%

  • 時間:業務利用時間÷総利用時間

    例:業務時間40h÷総時間160h=25%

家事按分額の算出方法
  • 金額×按分率で算出する
家事按分の注意点
  1. 証拠をいつでも確認できる状態で保存しておくこと

    平面図(自宅兼事務所の場合)
    作業時間のメモ
    通信明細
    電気使用の記録

  2. 過大計上になっていないか確認すること

    生活費分は除外して考え計算する
    毎年状況を見直して合理性を保つ

  3. 毎月または期末に、一貫した方法で処理すること(例:端数を四捨五入する)

よくある質問(Q&A)

事業所得と雑所得の違いや判断基準について、よくある疑問をまとめました。副業や個人事業主として活動する際、税務上の区分を正しく理解することはとても重要です。以下の質問と回答を参考にして、確定申告や税務処理の際の判断材料にしてください。

Q1: 副業が少額なら雑所得でOK?

副業が少額だからといって必ず雑所得になるわけではありません。事業所得と雑所得の区分は、以下の要素を総合的に見て判断します。

  • 収益の規模
  • 継続性
  • 営利性
  • 独立性

たとえば、単発的な活動や趣味の延長で得た収入は雑所得になりやすいですが、継続的に収益を得る目的で事業として活動している場合は、少額でも事業所得として認められる可能性があります。
副業の年間所得が20万円以下であれば所得税の確定申告は不要ですが、住民税の申告は必要です。また、源泉徴収されている収入がある場合は還付の可能性があるため、確定申告を行うと節税になる場合もあります。迷った場合は税務署や税理士に相談することをおすすめします。

Q2: 青色申告の65万円控除は誰でも使える?

青色申告の65万円控除は、事業所得や不動産所得がある個人事業主のみが利用できます。必要な条件は以下の3点です。

  • 税務署に「青色申告承認申請書」を提出して、承認を受けること
  • 正規に定められた複式簿記で帳簿を作成すること
  • 確定申告時に貸借対照表と損益計算書を提出すること

加えて、65万円控除を受けるためには、e-Taxによる電子申告を行うか、帳簿を「優良な電子帳簿」として保存することが求められます。「優良な電子帳簿」とは、訂正履歴の保存や検索機能があるなど、法的要件を満たすものです。雑所得では利用できない点にも注意しましょう。

Q3: インボイス登録は事業所得じゃないとできない?

インボイス登録は事業所得に限定されず、雑所得でも可能です。ただし、登録には「適格請求書発行事業者」として消費税課税事業者になる必要があります。課税事業者になると消費税の申告義務が発生し、税務負担が増える可能性がある点に注意が必要です。
雑所得扱いでも取引先からインボイスを求められ、登録が必要になるケースがあります。ただし、雑所得では青色申告や経費の損益通算ができません。登録内容が適切かどうかは、事業規模や取引先の要件をふまえて慎重に検討し、専門家に相談することがおすすめです。

迷ったときの最終確認リスト

判定フローを確認しても、不安や迷うことがあるかもしれません。最後に、自分の活動が事業所得になるかどうか、チェックリストを確認しましょう。

記帳に関するチェック
  • 売上や経費を記帳していますか?
  • 帳簿は正確で整理されていますか?
  • 複式簿記を使用していますか?(青色申告の場合)
  • 領収書や請求書などの証憑を保存していますか?
  • 毎月の収入と支出を分けて管理し、継続的に確認していますか?
  • 記帳は税務署が求める形式に準じていますか?
  • 過去の申告内容や帳簿が整備されていますか?
継続性・反復性に関するチェック
  • 収益を得る活動を定期的に行っていますか?
  • 単発の収入ではなく、長期的に続ける意思がありますか?
  • 毎月または毎年の収入が安定していますか?
  • 継続的な契約や取引先を複数持っていますか?
  • 活動内容が反復的なもので、計画的に収入を得られていますか?
  • 自らの裁量で業務を遂行していますか?
収入実態に関するチェック
  • 収入が社会通念上「事業」としてふさわしい規模ですか?
  • 営利目的で活動を行っていますか?
  • 特定の雇用関係に依存せず、独立して収益を得ていますか?
  • 取引先や顧客からの収入は事業活動に基づいていますか?
  • 国税庁が定めている判断基準は満たせていますか?

チェック項目に該当していれば、事業としての実態があると見なされ、事業所得と判断される可能性が高くなります。不安や悩みが解消されない場合は、お近くの税務署に問い合わせてみることもおすすめです。

まとめ

事業所得とは、所得税の10種類のうちの1つで、農業・漁業・小売業・サービス業など、個人事業主やフリーランスの継続的な事業活動から得られる収入を指します。
一方、単発の謝礼や不定期の副収入は、雑所得扱いになることが一般的です。事業所得では、収入を得るために必要な費用(仕入れ・家賃・通信費など)が必要経費として認められますが、個人的な生活費や所得税などは含まれません。継続性・反復性・収入規模・記帳の有無が重要な判断基準です。
税務区分に迷った場合は、税務署や税理士に相談することをおすすめします。

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退職金で確定申告が必要なケース|申告しないとどうなる? https://www.seraku.co.jp/tectec-note/freelance/bp-taishokukin-kakuteishinkoku/ https://www.seraku.co.jp/tectec-note/freelance/bp-taishokukin-kakuteishinkoku/#respond Mon, 17 Nov 2025 05:30:58 +0000 https://www.seraku.co.jp/tectec-note/?p=42848 はじめに
  • 退職所得の受給に関する申告書を提出することで退職所得控除が受けられる
  • 退職金を一時金として、一括で受ける場合は分離課税になる
  • 退職金を年金型で、分割して受け取る場合は総合課税になる
  • 確定申告を行わないとペナルティにつながるケースもある
  • 退職金の節税には確定申告の必要性を見極める判断が重要

人生の重要な財源となる退職金ですが、みなさんは退職金と確定申告の関係をご存じでしょうか。本稿では退職金に関する手続きや受け取り方法、確定申告の要否や節税ポイントを簡単に解説します。

退職金と税金の基本

退職金は人生の重要な節目で受け取る大きなお金です。退職金を一時金として、一括で受け取る場合は特別な税制が適用されるため、通常の給与とは扱いが変わります。確定申告は退職所得の受給に関する申告書を提出していれば不要になりますが、場合によっては必要となるケースもあります。

退職所得の受給に関する申告書(退職所得申告書)とは、退職する際、会社に提出する書類です。所得税法第203条に基づく手続きで、これにより退職金から退職所得控除を適用した所得税が源泉徴収されます。また住民税は会社側で税額を計算し、支払時に天引きして自治体に納入します。

参考|国税庁 A2-29 退職所得の受給に関する申告(退職所得申告)

退職金の受け取り後に確定申告が必要なケースとは

この項目では、退職金の受け取り後に確定申告が必要になる、代表的な7つのケースについて解説します。以下では、その違いを詳しく見ていきましょう。

ケース1.退職所得の受給に関する申告書を提出していない場合

退職所得の受給に関する申告書を提出していない場合、退職所得控除が適用されず、退職金の額面金額から一律20.42%の税金が源泉徴収されます。控除がなく税率も一律であるため、過払いとなるリスクがあり、これを修正するには確定申告が必要です。確定申告を行うことで、適切な控除が適用され、支払いすぎた税金の還付が受けられます。

ケース2.年金形式で退職金を受け取る場合

退職金は一時金として、一括で受け取る場合は分離課税になりますが、分割して年金形式で受け取る場合は総合課税となり、その際の収入は雑所得として扱われます。金額によっては年金形式の方が節税になる場合もありますが、他の所得と合算して確定申告を行う必要がある点に注意が必要です。

また企業によっては退職金を、一時金と年金形式に分割して支払うケースもあります。そのような場合は一時金の金額は分離課税が、年金形式で受け取る金額は総合課税が適用されます。

ケース3.外国から退職金や年金を受け取る場合

海外から入金される退職金や公的年金は、源泉徴収されないことがあるため、受け取り後に自ら確定申告を行う必要があります。後の項目でも触れますが、これを怠ると延滞税や無申告加算税につながるリスクがあります。

ケース4.医療費控除や寄附金控除などを適用したい場合

退職金の受け取り後、退職控除以外の所得控除を申告する場合には確定申告が必要です。所得控除は医療費控除や寄附金控除など(下表参照)があり、要件を満たすことで控除が受けられます。また申告時には確定申告書に退職所得を記載する必要があります。

▼所得控除の一覧(令和7年4月1日現在)
  • 雑損控除
  • 医療費控除
  • 社会保険料控除
  • 小規模企業共済等掛金控除
  • 生命保険料控除
  • 地震保険料控除
  • 寄附金控除
  • 障害者控除
  • 寡婦控除
  • ひとり親控除
  • 勤労学生控除
  • 配偶者控除
  • 配偶者特別控除
  • 扶養控除
  • 基礎控除
  • 特定親族特別控除※

    ※令和7年12月1日に施行され、令和7年分以降の年分について適用される

参考|国税庁 タックスアンサー No.1100 所得控除のあらまし

ケース5.年金収入や年金外の所得が一定額を超える場合

公的年金などの収入が400万円を超える場合も確定申告が必要です。その際、複数の公的年金がある場合は、それらを合算して計算します。また、公的年金等に係る雑所得を除いた所得が20万円を超える場合も、確定申告が必要です。

ケース6.事業収入に赤字がある場合

事業収入が赤字になった年は確定申告を行うことで、その赤字を総合課税の黒字(例:給与所得・不動産所得・山林所得など)と通算し、課税所得を減らすことができます。この処理を総合課税の損益通算といいます。

ただし一時金として受け取る退職金は分離課税となるため、退職金(退職所得)と事業赤字は損益通算できません。総合課税の赤字が残る場合は、青色申告の要件を満たすことによって翌年以後3年間、赤字の繰越(繰越控除)が可能です。

ケース7.年末調整が正しく行われていない場合

転職や離職、退職等で年末調整をしていない、または転職等で前職の源泉徴収票を提出していない場合には、所得が正しく申告されないため、税金が高くなる可能性があります。これを修正するには、確定申告で正しい所得を申告する必要があります。

確定申告を行わないとどうなるのか

この項目では、退職金の受け取り後、必要と考えられる確定申告を行わない場合について、そのリスクとペナルティを解説します。

税金を払いすぎることがある

退職所得の受給に関する申告書を提出していない場合、退職金の金額から一律20.42%の源泉徴収が行われます。この処理では一切の控除が適用されないまま、退職金の額面金額を基準に、一律の税率で所得税が計算されます。このような場合に確定申告を行わないと、退職金の所得額や控除額、税率などが訂正されないため、税金を支払いすぎる可能性があります。

延滞税や無申告加算税の可能性

退職金や年金が国外からの入金になる場合などは、条約などで非課税となる場合を除き、受け取る金額が公的年金等に係る雑所得として課税の対象となるため、所得税および復興特別所得税の確定申告を行う必要があります。そのような場合に確定申告を怠ると、延滞税や無申告加算税につながる可能性があります。

参考|国税庁 タックスアンサー No.1622 国際機関に勤務していた人が受給する退職年金に関する課税関係

退職所得控除以外の控除が適用されない

退職所得の受給に関する申告書を提出し、退職金にかかる所得税を源泉徴収で済ませた場合でも、一時金として一括で受け取る退職金は分離課税が適用されます。その他の控除を適用する場合や、事業赤字の損益通算を行う場合などは、自ら確定申告を行わなければ反映されない点に注意が必要です。

退職金にかかる税金の計算方法

この項目では退職金にかかる税金の計算方法について、一時金として受け取る場合(分離課税)と、年金形式で受け取る場合(総合課税)の、それぞれについて解説します。

退職金を一時金として受け取る場合は分離課税

退職所得の受給に関する申告書を提出し、退職金を一時金として一括で受け取る場合は、分離課税が適用されます。退職金は他の所得と合算せず、退職所得控除後の退職所得を算出し、その金額に所得税・復興特別所得税・住民税が課税されます。

▼退職金を一時金で受け取る場合(分離課税)のポイント
  • 所得区分:退職所得
  • 課税方法:分離課税
  • 控除:退職所得控除と課税退職所得金額に基づく税額控除
  • 確定申告:退職所得の受給に関する申告書を提出すれば原則不要
  • 留意事項:控除額が大きい、社会保険料がかからないが散財リスクがある

一時金として受け取る場合の計算方法

退職金を一時金として一括で受け取る場合の税金は、以下の手順で計算します。

・(退職金-退職所得控除額)×1/2=退職所得金額

▼退職所得控除額の計算表
勤続年数退職所得金額
・勤続年数が20年以下の場合40万円×勤続年数(最低80万円)
・勤続年数が20年超の場合800万円+70万円×(勤続年数-20年)

算出された退職所得金額から、以下の表に基づいて所得税の税率と控除額が決まります。

▼退職所得金額ごとの税率と控除額の一覧表
A 課税退職所得金額B 税率C 税額控除の
金額
1,000円から1,949,000円まで5%0円
1,950,000円から3,299,000円まで10%97,500円
3,300,000円から6,949,000円まで20%427,500円
6,950,000円から8,999,000円まで23%636,000円
9,000,000円から17,999,000円まで33%1,536,000円
18,000,000円から39,999,000円まで40%2,796,000円
40,000,000円以上45%4,796,000円

また、退職所得に対する住民税率は一律で、課税退職所得金額の10%です。

・住民税額=課税退職所得金額×10%-税額控除+均等割額

参考|国税庁 退職金と税 所得税及び復興特別所得税の源泉徴収税額の計算方法(令和7年分)

退職金を年金形式で受け取る場合は総合課税

退職金を年金形式で受け取る場合は総合課税が適用されます。公的年金などと同様に雑所得として扱われ、他の所得と合算して確定申告を行います。これにより受け取る年金額と他の所得、年齢などに応じて、所得税と住民税が課税されます。

▼年金形式で受け取る場合(総合課税)のポイント
  • 所得区分:雑所得
  • 課税方法:総合課税
  • 控除:公的年金等控除と確定申告で申告する各種の控除
  • 確定申告:年金以外の所得や控除の申告がある場合は必要
  • ポイント:散財リスクは少ないが控除額も小さい、社会保険料が増える可能性もある

年金形式で受け取る場合の計算方法

退職金を年金形式で受け取る場合の税金は、以下の手順で計算します。

  1. 雑所得の金額を計算する

    公的年金の収入金額(合計)-公的年金等控除額=雑所得

  2. 総所得金額を計算する

    雑所得の金額(退職年金はここに含まれる)+その他の所得金額=総所得金額

  3. 課税所得金額を計算する

    総所得金額-各種の所得控除額=課税所得金額

  4. 所得税額を計算する

    課税所得金額×税率-控除額=所得税額
    ※税率と控除額は下表(所得税の速算表)を参照

  5. 住民税額を計算する

    課税所得金額×10%(住民税率)-税額控除+均等割額=住民税額

▼所得税の速算表
課税される所得金額税率税額控除の
金額
1,000円から1,949,000円まで5%0円
1,950,000円から3,299,000円まで10%97,500円
3,300,000円から6,949,000円まで20%427,500円
6,950,000円から8,999,000円まで23%636,000円
9,000,000円から17,999,000円まで33%1,536,000円
18,000,000円から39,999,000円まで40%2,796,000円
40,000,000円以上45%4,796,000円

参考|国税庁 タックスアンサー No.2260 所得税の税率

確定申告の具体的な手続き

この項目では、確定申告を行う場合の必要書類と、手続きの手順について、以下のリストにまとめました。

▼確定申告の手順
  1. 必要書類を準備する

    ・退職所得の源泉徴収票(退職した勤務先が発行)
    ・医療費控除や寄附金控除を申告する場合は領収書)
    ・年金形式で受け取る場合は、年金の支払金額が記載された書類

  2. 申告書を作成する

    税務署から入手して手書きで作成するほか、会計ソフトや国税庁のWebサービス(確定申告書作成コーナー)での作成も可能

  3. 提出する

    税務署に持参、郵送、またはe-Tax(電子申告)を使って提出

  4. 申告期間は以下の通り

    確定申告の期間は原則として翌年2月16日から3月15日まで(日祝順延)

まとめ

退職金は人生の重要な財源ですが、税金の扱いを理解していないと損をすることがあります。退職金の受け取り方や納税金額で損をしないためにも、確定申告の必要性を判断し、適切な控除を適用して税負担を最小限に抑えましょう。

疑問点があればできるだけ早めに、会社側の経理や所轄地域の税務署に質問するとよいでしょう。必要書類や手続きの管理を徹底し、安心して新たな人生をスタートさせてください。本稿が理解の一助となることを願っています。

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医療費控除の範囲はここまで!対象費用と注意点まとめ https://www.seraku.co.jp/tectec-note/freelance/bp-medical-expense-scope/ https://www.seraku.co.jp/tectec-note/freelance/bp-medical-expense-scope/#respond Thu, 13 Nov 2025 01:01:47 +0000 https://www.seraku.co.jp/tectec-note/?p=42650 はじめに
  • 医療費控除は確定申告で申告できる控除で、申告することで節税対策や還付金の受け取りが可能
  • 医療費控除の対象者は、フリーランスや個人事業主、給与所得者および生計を一にする家族
  • 対象となる費用には、診療費、治療費、入院費、医薬品費、医療機器費、通院費等がある
  • 対象外の費用には、美容目的や健康増進目的のもの、健康診断や予防接種、タクシー料金などがある
  • 医療費控除を申告する際の領収書や補てん金額の明細書等は、5年間自宅保管の義務がある

医療費控除を申告する際、何が対象となる費用なのか、対象とならない費用にはどのようなものがあるのか疑問に思う方は多いでしょう。この記事では、いくらから医療費控除の対象になるのか、対象費用と対象外費用について詳しく解説します。

医療費控除とは

医療費控除とは、確定申告において申告できる控除の種類です。1年間に支払った医療費を申告することで、規定額より超過した分が控除対象になり、節税や還付が可能になります。

医療費控除の対象

医療費控除は、フリーランスや個人事業主、給与所得者など、申告納税者が利用できる制度で、確定申告や還付申告によって適用されます。対象となる人や所得金額、計算方法について見ていきましょう。

医療費控除の対象者

医療費控除の対象者は、納税者本人および生計を一にする家族です。同居家族以外にも、別居している子供の学費や生活費を援助していたり、別居している高齢家族に毎月仕送りをしたりする場合は、生計を一にする対象となります。
ただし、別居家族の主たる生活費がバイト代や年金でまかなわれ、食品や雑費等の一部を援助する場合は、生計を一にするとは認められません。

医療費控除を申告する際の所得額と控除額の計算

医療費控除の計算をする際に必要なものは、医療費等の領収書や、健康保険組合等から送付される「医療費のお知らせ」に記載される金額です。また、疾病によっては保険金や高額療養費等を受け取れる場合があり、この金額を証明する書類も必要になります。
支払った医療費の合計と受け取った保険金等の合計を以下の計算式にあてはめます。

差し引く基準額は、所得金額200万円以上は10万円、200万円未満は所得額の5%の金額となり、こちらも計算式にあてはめます。

以下の計算例は、各所得金額に応じた差引額と控除額の求め方、さらに所得額に応じた税率を掛けて還付額まで求める過程を表しました。

【所得金額200万円以上の計算式】
  • 例:所得金額320万円・支払った医療費80万円・保険金等受取金額37万円

  • 1年間に支払った医療費-受け取った保険金等-10万円

    800,000-370,000-100,000=330,000(控除額)

  • 所得金額320万円の税率:10%

    330,000(控除額)×10%=33,000(還付額)

【所得金額200万円未満の計算式】
  • 例:所得金額190万円・支払った医療費80万円・保険金等受取金額37万円

  • 1年間に支払った医療費-受け取った保険金等-所得金額の5%(190万円×5%)

    800,000-370,000-95,000=335,000(控除額)

  • 所得金額190万円の税率:5%

    335,000(控除額)×5%=16,750(還付額)

所得税の税率に関しては、以下の国税庁ホームページを参照しました。
参考:国税庁|No.2260 所得税の税率

医療費控除の対象となる費用

ここからは、実際に医療費控除の対象となる費用について詳しく解説します。

対象となる費用としては、以下があげられます。

・診療費・治療費・通院費にかかる交通費
・入院費・妊娠・出産費用
・歯科治療費・療養上の世話や付添い費用
・眼科治療費・介護保険制度により提供される施設・居宅サービス利用料
・リハビリテーションやマッサージ費用・おむつ利用料
・市販薬や医薬品の購入費・海外で支払った医療費
・医療機器の購入費やレンタル料・コロナ感染によるPCR検査費用

診療や治療に関する費用

医師の診療や治療を受けた際の費用です。ただし、同じ医療行為でも美容目的や健康増進目的等の場合は対象外です。保険診療の対象となった金額は、健康保険組合等から送付される「医療費のお知らせ」に記載されます。

診療費・治療費

けがや病気等で、医師の診療を受け治療目的の処置を受けた際の費用です。風邪をひいて医師の診察や検査等の診療を受け、治療目的の処置や処方箋を書いてもらうなどはよくある例でしょう。

参考:国税庁|No.1122 医療費控除の対象となる医療費

入院費

入院費と入院中の部屋代や食費が対象です。個人都合の個室代など差額ベッド代や、パジャマや歯ブラシ等の備品の購入代は含みません。また、親族以外に付添人を依頼した際の付添い料も対象です。
高額療養費や入院給付金等を受け取った場合は、医療費控除の額を計算する際に、対象となる疾病の医療費から差し引きます。

参考:国税庁|No.1126 医療費控除の対象となる入院費用の具体例

歯科治療費

歯科医師による診療や治療で、一般的な水準を著しく超えない範囲の費用が対象です。自由診療による高額な医療費も、一般的に使用されている金やポーセレンを治療材料とした場合は対象となります。
また、発育段階にある子供の不正咬合(こうごう)治療用の歯列矯正や、子供の通院のために付添う親の交通費も対象になります。ただし、美容目的の歯列矯正は対象外です。

高額治療費のローンなどは、その年度に支払った分が対象となり、未払い分は支払った年度に申告します。

参考:国税庁|No.1128 医療費控除の対象となる歯の治療費の具体例

眼科治療費

眼科医師による診療や治療費は対象です。眼鏡については、手術後の機能回復用に短期間装用するものや、幼児の未発達視力を向上させる等の治療目的の場合は対象となります。また、治療のために装着する特殊なコンタクトレンズの費用なども対象です。
ただし、近視や遠視などを矯正する日常用の眼鏡やコンタクトレンズは対象とはなりません。

参考:国税庁|No.1122 医療費控除の対象となる医療費

リハビリテーションやマッサージ費用

医師の処方や治療目的のリハビリや、あんまマッサージ指圧師・はり師・きゅう師・柔道整復師による施術は対象です。ただし、疲れを癒すためや体調を整える等の目的は対象とはなりません。

医薬品や医療機器に関する費用

処方薬や市販薬、医療機器の購入やレンタル料も対象となります。詳しく見ていきましょう。

市販薬や医薬品の購入費

治療や療養を目的とした処方薬や、市販の風邪薬・胃腸薬・痛み止め等の購入費は対象です。第2類医薬品、第3類医薬品ともに治療目的のものは対象になります。
医師の処方によるビタミン剤等は対象となる場合があります。

参考:国税庁|No.1120 医療費を支払ったとき(医療費控除)

医療機器の購入費やレンタル料

コルセット・義手・義足・松葉づえ・補聴器・義歯・眼鏡等の、治療目的の医療機器の購入やレンタル料は対象です。ただし、一般使いの眼鏡や美容目的のコルセット等は対象にはなりません。

通院や妊娠に伴う費用

妊娠出産に伴う費用や、医療費以外の通院費や付添い費用も対象となるものがあります。

通院にかかる交通費

通院のために公共交通機関を使った利用料は対象です。公共交通機関を利用した際の領収書がない場合も、家計簿に記載したり、医療費の領収書等に裏書したりすることで、通院のために利用したことの証明ができます。ただし、自家用車のガソリン代・駐車場代は対象外です。

また、幼児や児童の通院に親が同行した場合や、一人で通院できず付き添いが通常必要と認められる事情があり親族が同行した場合の、同行者の交通費も自家用車利用以外は対象です。

妊娠・出産費用

妊婦定期検診や検査費用、通院費、入院費、入院時の食事代は対象です。また、出産のために病院へ行く際は、公共交通機関を利用できないことを考慮し、タクシー料金も対象となります。
健康保険組合等から、出産育児一時金や家族出産育児一時金または、出産費や配偶者出産費などが支給された場合、その金額は医療費控除の計算をする際に医療費から差し引きます。

参考:国税庁|No.1124 医療費控除の対象となる出産費用の具体例

療養上の世話や付添い費用

看護師、准看護師、介護福祉士、家政婦等による療養上の世話や業務として行う付添い費用は対象です。ただし、実際にかかった費用のみで、謝礼金などは対象外となります。
また、家族や親戚縁者が行う私的な付添い費用は対象とはなりません。

介護や在宅医療に関する費用

続いて、介護や在宅医療に関する費用です。こちらも医療費控除の対象となるものがあります。

介護保険制度により提供される施設・居宅サービス利用料

デイサービスの利用料や在宅での入浴サービスなど、介護保険制度により提供されるサービス利用料の、自己負担額は対象です。補助金等で補てんされた金額は差し引きます。

おむつ利用料

6ヶ月以上の寝たきり状態で、医師の治療を受けている場合のおむつ代は対象です。医師が発行した「おむつ使用証明書」が必要となります。また、介護保険法の要介護認定を受けている場合、市町村長が交付する「おむつ使用の確認書」があれば、「おむつ使用証明書」に代用できます。

参考:国税庁|質疑応答事例 所得税目次一覧

その他の対象となる費用

他にも意外と知られていない費用も対象となるものがあります。

海外で支払った医療費

海外旅行中の怪我や病気で、現地の医師に支払った医療費も対象です。海外では、日本のような保健医療制度がないため、高額の医療費を支払うことになります。
その際、治療費を外国通貨で支払った場合は、支払った日付の外国為替の電信売相場と電信買相場の仲値(TTM)を円換算した金額を算出します。この金額を医療費として控除額の計算を行います。

コロナ感染によるPCR検査費用

コロナ等の症状を疑い病院を受診した際、医師の判断で検査が必要と認めた場合のPCR検査は対象です。しかし、個人的にコロナに感染しているか確認するために行うPCR検査は適用外となります。ただし、個人的に行ったPCR検査で、陽性の結果が出て治療を行った場合は対象となります。この場合、個人負担分が対象金額となり、公的資金分は含みません。

参考:国税庁|No.1122 医療費控除の対象となる医療費 タックスアンサー

医療費控除の対象にならない費用

ここからは、医療費控除の対象にならない費用について解説します。正しく区別して計上しない場合、領収書の提示や再申告を求められるなど、手間が生じ確定までの時間が伸びる可能性があります。
対象外の費用としては、以下があげられます。

・健康診断や人間ドック・家族や親類縁者の付添費用
・ビタミン剤やサプリメント購入費・診断書発行費用
・インフルエンザ等の予防接種費用・医師等への謝礼金
・タクシー料金や自家用車利用料

健康診断や人間ドック

健康診断や人間ドックなど、健康の維持や促進を目的としたものは対象外です。ただし、疾病が発見され治療へとつながった場合は、診療の一環とみなされ対象となります。

ビタミン剤やサプリメント購入費

ビタミン剤やサプリメントなど、病気の予防や健康の維持を目的としたものは対象とはなりません。医療費控除の対象となる医薬品は、疾病の治療を目的とするもののみです。

インフルエンザ等の予防接種費用

インフルエンザ等の予防接種など、ワクチン接種も対象にはなりません。病気の予防が目的のため、対象となるワクチンはありません。

タクシー料金や自家用車利用料

通院時のタクシー料金や自家用車を利用した際のガソリン代、駐車場代も対象にはなりません。公共交通機関を利用できない特段の事情がある場合に限り、タクシー料金が対象となる場合があります。

家族や親類縁者の付添費用

医療従事者や介護福祉士、家政婦等へ付添いを依頼した場合の依頼料については認められますが、謝礼金は認められません。また、家族や親戚縁者の付添いに支払った手数料や謝礼金も対象にはなりません。

診断書発行費用

保険金の請求等に利用するための診断書費用など、一般的な診断書費用は対象とはなりません。ただし、たとえば、A病院での治療をB病院へ引き継ぐための「診療情報提供料」にあたる診断書費用は対象となります。

参考:国税庁|別紙 診療情報提供書に係る診療情報提供料の自己負担額の医療費控除の取扱いについて

医師等への謝礼金

医師や看護師等に謝礼として渡した金品の費用は対象とはなりません。疾病の治療目的とは異なるためです。医療費控除は疾病の治療を目的とした費用に限られます。

医療費控除の特例(セルフメディケーション税制)とは

セルフメディケーション税制とは医療費控除の特例として、平成29年1月1日から令和8年12月31日までの間に、薬局やコンビニ等で購入した医薬品について控除が受けられる税制です。条件は以下の通りです。
対象医薬品についての詳細は厚生労働省のホームページを確認してください。

【セルフメディケーション税制の要件】
  • 健康診断等による健康維持活動を行っている
  • 購入費用が年間12,000円を超える(控除額の上限88,000円)
  • 通常の医療費控除との併用はできない
  • 対応医薬品を確認する

参考:国税庁|No.1132 セルフメディケーション税制の対象となる特定一般用医薬品等購入費
参考:厚生労働省|セルフメディケーション税制(特定の医薬品購入額の所得控除制度)について

医療費控除を申告する際の注意点

医療費控除を申告する際の注意点を見ていきましょう。対象期間から節税対策のコツ、領収書等の保存義務などがあります。

医療費控除の対象期間を確認する

医療費控除の対象はその年の1月1日~12月31日までに支払った医療費です。未払い分は実際に支払った年分の控除の対象となりますので注意しましょう。また、申告は確定申告と同時に2月16日~3月15日の間に行います。還付申告の場合は確定申告期間外でも申告でき、さらに5年間さかのぼっての申告も可能です。

高額の医療費を支払った際に節税対策を検討する

医療費控除は生計を一にする家族全員の分をまとめて申告できます。たとえば、夫婦共働きで家族の高額医療費を支払った場合、夫婦のどちらか所得の多い方がまとめて控除を申告することもできます。または、夫婦それぞれが1年分の医療費を分けて申告することも可能です。控除は所得の多いほうが税率も高く多くの控除が受けられるため、工夫することでより多くの控除を受けることもできます。

医療費のお知らせや領収書等は5年間保存する

医療費控除の申告の根拠となった、領収書や医療費のお知らせ、保険金の受取明細書等は自宅で5年間の保存が義務付けられています。添付や提出の義務はありませんが、税務署から提示を求められた際は速やかに提出する必要があります。

まとめ

医療費は、高額の医療費を支払ったときはもちろん、細々と1年間に支払った医療費の積み重ねが規定額を超えている場合は多々あります。対象となる費用の範囲が広いこともご理解いただけたでしょう。医療費控除の対象となる家族が、対象となる費用を漏れなく整理集計することが重要です。風邪薬の領収書も捨てずに保管しましょう。
この記事を参考に、医療費控除の対象になる費用をまとめ、スムーズな申告の一助になれば幸いです。

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医療費控除とは?いくらから対象?確定申告のやり方と計算 https://www.seraku.co.jp/tectec-note/freelance/bp-medical-expense-deduction/ https://www.seraku.co.jp/tectec-note/freelance/bp-medical-expense-deduction/#respond Wed, 22 Oct 2025 03:17:27 +0000 https://www.seraku.co.jp/tectec-note/?p=42077 はじめに
  • 医療費控除とは、確定申告によって申告できる控除で、節税や還付金が期待できる
  • 控除額は、1年間に支払った医療費が10万円以上もしくは所得金額の5%以上が目安の金額となる
  • 控除対象となる医療費は医療目的のものなど規定がある
  • 生命保険で受け取った金額や高額療養費の対象となった金額は、支払った医療費から差し引く
  • 医療費控除を受けるには、医療費控除の明細書と確定申告書を一緒にe-Taxや書面で申告する

急な怪我や病気で高額の医療費を支払ったとき、いくらから医療費控除が受けられるのか疑問に思ったことはありませんか?10万円と聞いて、そこまで支払っていないから無理かと諦めずに、この記事を一読ください。医療費控除の対象となる範囲や金額から、確定申告の仕方まで、わかりやすく解説します。

医療費控除と確定申告の基礎知識

医療費控除は確定申告において申告できる控除のひとつです。確定申告は1年間に得た収入や経費・各種控除を申告し納税する制度で、申告義務のある人が行います。確定申告の申告納税期間は、毎年2月16日~3月15日の期間内となります。
還付金は、給与所得者や年金受給者、副業をしている場合に、必要に応じて確定申告すると受け取ることが可能です。

医療費控除とは?概要と目的

医療費控除は、その年の1月1日から12月31日に支払った医療費が、規定額以上の場合に超過分が控除される制度です。
確定申告を行うことで、給与所得者は還付金が受け取れる可能性があり、フリーランスや個人事業主には節税効果が生じます。

対象となる人・条件

医療費控除は、所得税の課税対象となる所得がある人が申告し、還付や減税対策を行うものです。対象となる人は納税者本人と生計を一にする家族となります。給与所得者、年金受給者、フリーランスや個人事業主、それぞれが医療費控除の対象となる条件をまとめました。

  • 給与所得者:

    年末調整では医療費控除が対象にならないため、確定申告で還付申告を行う

  • 年金受給者:

    年金収入が400万円以下またはその他の所得が20万円以下の場合は、原則確定申告は不要
    医療費控除を受けたいときは還付申告を提出する

  • フリーランスや個人事業主:

    所得が48万円を超える場合確定申告が必要となり、医療費控除の申告で節税できる
    (所得金額48万円以下では還付申告が可能)

参考:国税庁|No.1600 公的年金等の課税関係
参考:日本年金機構保険組合|医療費でも税金の控除が受けられる

いくらから申告できる?控除が受けられる金額の目安

医療費控除を申告できる医療費は、
・所得金額が200万円以上の場合:支払った医療費が10万円を超えた分が控除対象
・所得金額が200万円未満の場合:所得金額の5%を超えた分が控除対象

つまり10万円もしくは所得金額の5%にあたる金額を、支払った医療費の総額から差し引き、残った金額が目安です。

さらに、保険金を受け取ったり高額療養費の対象になったりした金額は差し引きます。残りの金額が上記の基準を超えた場合に、超過分(上限200万円)が控除対象となります。

控除の対象となる医療費の範囲

確定申告で医療費控除の対象となる費用には規定があります。対象となる医療費と対象外の費用、家族分の範囲や交通費の扱いなど詳しく見ていきましょう。

対象になる医療費:病院・薬代・通院交通費など

医療費控除の対象となる費用は、医療に関連する治療目的のもののみです。ただし、公共交通機関を利用した通院のための交通費や入院時の食費は対象となります。以下に詳細をまとめましたので、参考にしてください。

医療費控除の対象となる費用

  • 入院・通院
    • 病気やけがの診察代・治療代・入院代
    • 入院時の部屋代・食事代
    • 治療目的のリハビリやマッサージ代
  • 医薬品・医療機器
    • 医師が処方した薬代
    • 治療目的の松葉つえ・メガネ・補聴器・コルセットなどの医療機器
  • 歯科治療
    • 歯の治療 (保険適応外も含まれるものがある)
    • 治療目的のインプラントや歯列矯正器具代
  • 妊娠出産費用
    • 妊娠に伴う定期健診・検査・出産費用
    • 入院費や入院時の食事代・通院時の交通費
    • 不妊治療費
  • 市販薬の購入費
    • 薬局等で購入した風邪薬や胃腸薬等の薬代
  • 通院交通費
    • 通院時の公共交通機関利用料

参考:国税庁|医療費を支払ったとき
参考:国税庁|No.1126 医療費控除の対象となる入院費用の具体例
参考:国税庁|No.1124 医療費控除の対象となる出産費用の具体例
参考:国税庁|No.1128 医療費控除の対象となる歯の治療費の具体例

対象外の費用:美容目的や健康食品など

たとえ医療行為であっても治療目的でないもの(美容目的や健康維持目的)や、疾病や感染予防(健康診断や予防接種)の費用は対象外です。さらに、特段の事情が無いタクシー代や自家用車のガソリン代・駐車場代も認められません。

医療費控除の対象とならない費用

  • 美容目的や健康増進目的の入院・手術・サプリメント代等
  • 自家用車利用料:通院時のガソリン代や駐車場代
  • 人間ドックや健康診断費用。ただし、病気が見つかり治療につながった場合は控除対象となる
  • 予防接種等は、治療目的でないため対象外
  • タクシー代は、緊急を要するもしくはやむを得ない理由があるとき以外は対象外
  • 治療目的外のメガネやコンタクトレンズ
  • 入院時に個室希望などの自己都合による差額ベッド代

控除対象かそうでないものかをしっかりと区別して計上する必要があります。

家族分も申告できる?生計を一にする家族の範囲

医療費控除は納税者本人だけでなく生計を一にする家族分も含めて申告できます。別居家族でも、生活費や学費等を支援している場合は生計を一にするに含みます。ただし、施設入所する高齢家族の主な経費は年金で賄い、衣類や雑費等の一部を援助する場合は、生計を一にするとは認められません。

医療費控除の計算方法

ここからは医療費控除の計算の仕方を解説します。合計した医療費と差し引きの必要な費用を、基本的な計算式に当てはめて計算します。具体例から計算過程のイメージと還付金がいくらになるのかを見ていきましょう。

控除額の基本計算式

医療費控除の計算は、フリーランスや個人事業主は収入から経費を引いた所得金額を、給与所得者(会社員等)の場合は、源泉徴収票記載の課税所得額をもとに行います。また、生命保険などで支給される入院給付金と、健康保険などで支給される高額療養費や家族療養費、出産育児一時金などを受け取った場合は、その金額を差し引きます。それぞれの合計を以下の計算式に当てはめて計算しましょう。

参考:国税庁|No.1120 医療費を支払ったとき(医療費控除)

生命保険や高額療養費との関係・差し引き方

生命保険や高額療養費は、一つの疾病に対して入院や手術等にかかった費用の一部を補てんしてくれるものです。そのため、一年間に支払った医療費全額から差し引くのではなく、対象となる疾病に対して支払った金額から差し引きます。
たとえば、病気で入院して手術をした際に支払った費用が36万円、高額療養費27万円と生命保険給付金9万円を受給した場合の差引は0円になります。

  • 36万円-(27万円+9万円)=0円

この場合、医療費部分の自己負担は残らず、医療費控除の対象にはなりません。いずれも、支払った医療費と受け取った金額を証明する書類の準備が必要です。

具体例で見る計算シミュレーション

具体例を使って医療費控除の計算をします。算出された金額が控除額となります。

例1:所得金額230万円 総支払医療費25万円 受取った保険金等13万円とする

10万円を差し引く場合(所得金額200万円以上)

250,000 - 130,000 - 100,000 = 20,000 (控除額)

例2:所得金額190万円 総支払医療費25万円 受取った保険金等13万円とする

所得金額の5%を差し引く場合(所得金額200万円未満)

250,000 - 130,000 -(1,900,000×5%)= 25,000(控除額)
※ 190万円の5%は95,000円

上記例から所得金額200万円未満に厚い控除枠が設定されています。一年間に支払った医療費を漏れなくまとめておくことが肝要です。

還付金はいくらになる?

還付金は、上記計算式で求めた控除額に、課税所得額に応じて定められた税率をかけて求めます。自分の税率がどのくらいなのかを確認しましょう。表は、課税所得額別の税率を表していますので、参考にしてください。

課税される所得金額税率控除額
1,000円から1,949,000円まで5%0円
1,950,000円から3,299,000円まで10%97,500円
3,300,000円から6,949,000円まで20%427,500円
6,950,000円から8,999,000円まで23%636,000円
9,000,000円から17,999,000円まで33%1,536,000円
18,000,000円から39,999,000円まで40%2,796,000円
40,000,000円以上45%4,796,000円

参考:国税庁|No.2260 所得税の税率

医療費控除の申告に必要な書類

医療費控除の申告は、必要書類を整えることからはじめます。1つ目は支払った医療費の領収書もしくは健康保険組合等から送付される医療費通知書です。2つ目は保険金の給付や高額療養費について、対象となった疾病ごとに差し引いた残りを医療費として計上できますので、給付額のわかる明細書も準備します。
また、給与所得者は源泉徴収票に記載の所得額が必要になります。さらに、薬局で購入した医薬品の領収等、少額の領収書も漏れなく準備しましょう。
これらを準備したら、確定申告書と医療費控除の明細書を作成します。

医療費控除の明細書の作り方

医療費控除の明細書は、支払った医療費の詳細や受け取った給付金等の金額を整理して記載する書類です。国税庁のホームページからダウンロードできます。
明細書の作成手順

  1. ①の枠内

    医療費通知書記載金額の合計額・年内に支払った医療費の合計額・還付や補助金の合計額をそれぞれ記載する(注:未払いの医療費は支払いが生じた年の医療費控除の対象となる)

  2. ②の枠内

    医療費通知書記載以外に支払った金額を、医療を受けた人別または病院等別に合計額を記載する
    (注:領収書1枚ごとではなく合算で可)

  3. ③の枠内

    ①、②で記載した金額を、示される記号ごとに合計や転記を行う
    所得金額の合計を確認して、控除額を計算する(控除限度額は200万円)

領収書の保存と提出ルール

医療費控除では、領収書の提出・提示は原則不要ですが、税務署から求められた際に提示できるよう保存が必要です。明細書に記載した根拠書類(領収書・支給明細・医療費通知など)は、申告期限の翌日から5年間の保存義務があります。

マイナポータル連携で取り込んだ医療費情報も、必要に応じて出所が確認できる状態で保存してください。

豆知識

マイナポータルとは、マイナンバーカードを使って自分の行政情報を確認できるサービスです。一例として保険証等を登録しておけば、マイナンバーカードに登録されている医療費情報等を呼び出し、確定申告書のオンライン申請を簡略化できます

マイナンバー・本人確認書類の準備

確定申告時の本人確認書類は、マイナンバーカードがあればこれ1枚で済みます。マイナンバーカードを持っていない場合は、マイナンバーのわかるもの(マイナンバー通知カードや住民票の写し)と本人確認書類(運転免許証やパスポート)の2点が必要です。

確定申告のやり方【e-Tax対応】

ここからは医療費控除を確定申告する方法を紹介します。e-Taxを使ったオンライン申請では、パソコンやスマートフォンから24時間いつでも申告できます。また、書面での申告方法や注意点についても詳しく見ていきましょう。

国税庁サイト(e-Tax)を使ったオンライン申告手順

e-Taxを使った申告は、国税庁のホームページから、「確定申告書作成コーナー」にアクセスし、ガイダンスに従って入力していきます。本人確認はマイナンバーカード方式等を利用します。作成後、そのままe-Taxで送信すれば申告可能です。

参考:国税庁|スマホとマイナンバーカードでe-Tax!
参考:国税庁|確定申告書等作成コーナー 令和6年分

紙で提出する場合の手順

上記の「確定申告書作成コーナー」で作成した申告書を印刷して、紙で提出することも可能です。また、税務署から確定申告書を取り寄せ手書きしたものを提出する方法もあります。時間や手間はかかりますが、税務署に持参することで不明点等を相談できるメリットがあります。
確定申告書の書き方は、以下確定申告書の画像を参考に「所得から差し引かれる金額」欄の「医療費控除」に、明細書で計算した控除額を転記します。

参考:国税庁|申告書の記載例

申告時期と提出期限の注意点

医療費控除の対象となる期間は、その年の1月1日~12月31日の間に支払った医療費です。未払い医療費は、支払った年度の医療費控除の対象となるため注意が必要です。

確定申告の提出・納付は原則として毎年2月16日~3月15日ですが、医療費控除のための還付申告は翌年1月1日から5年以内であればこの期間外でも申告できます。以前に高額の医療費を支払った場合は、還付金を受け取れる可能性がありますので確認してみましょう。

申告後に還付を受ける流れ

確定申告が終わったら、還付の時期と進捗の確認方法を押さえておきましょう。ここでは、振り込まれるまでの期間やe-Tax等での確認方法を解説します。

還付金が振り込まれるまでの期間

国税庁では、還付金の支払い手続きには概ね1か月から1か月半程度の期間を要するとしています。またe-Taxでの還付申告では、3週間程度で処理するとしているため、早めに還付が受けられます。ただし、この目安は申告内容に不備等がない場合です。記載漏れや計算ミス、申告内容に医療費控除の対象外の費用が含まれている場合は、再申告や領収書の提示などが必要となるためこの限りではありません。
参考:国税庁|【税金の還付】

還付状況の確認方法:e-Tax・マイページなど

還付金の処理状況は、e-Taxで申告している場合「マイページ」から、「本人情報設定内の還付・納税関係」へ進み、「還付先金融機関内の還付金処理状況を確認する」から確認できます。希望すればe-Taxで「還付金の振込通知」を受け取ることも可能です。
書面で申告した場合も、e-Taxの利用者識別番号を持っている場合は、マイページで一部の状況確認ができます。ほかにも、書面申告では「国税還付金振込通知書」が送付されますので確認しましょう。

申告の注意点と節税のポイント

医療費控除を申告する際の注意点と、医療費控除の特例(セルフメディケーション税制)を紹介します。上手に医療費控除を活用することは大きな節税効果につながります。

申告漏れ・計算ミスを防ぐチェックリスト

申告漏れや計算ミスにつながる申告時の失敗例をまとめました。これらを事前に確認しておくと、申告がスムーズになり、照会対応などの手間を減らせます。対策を参考に、間違いのない申告書の作成と提出に努めましょう。

よくある失敗例と対策

  • 控除対象外の費用の計上:

    美容・予防目的など対象外費用を合算しないよう、対象となる費用を把握する。
    迷ったときは税務署へ問い合わせる

  • 保険金等の給付額等の差し引き漏れ:

    支払通知書等を領収書と一緒に保管して、必ず差し引きを反映させる

  • 領収書が多数ある際の計算ミス:

    家族別・月別に領収書を整理して、集計表を作成する

  • 「医療費控除の明細書」の添付漏れ:

    領収書をそのまま提出するのではなく、明細書に整理してまとめたものを提出する

  • マイナンバー等の記載漏れやミス:

    作成した申告書はダブルチェックし、ミスや間違いがないことを確認する

セルフメディケーション税制との併用は可能?

セルフメディケーション税制は、定期健康診断等を受診するなど健康維持に配慮したうえで、市販の医薬品(特定一般用医薬品)を12,000円以上(上限88,000円)購入した場合に対象となります。医薬品の内容には規定があるため、詳細は以下の国税庁のホームページを確認しましょう。
医療費の支払額が10万円未満でも、セルフメディケーション税制を使って医療費の控除が可能です。ただし、医療費控除との併用はできないため、どちらかを選択する必要があります。
参考:国税庁|医療費を支払ったとき
参考:国税庁|No.1132 セルフメディケーション税制の対象となる特定一般用医薬品等購入費

フリーランス・個人事業主が節税につなげるコツ

フリーランスや個人事業主は、確定申告で医療費控除をはじめとした、各種控除をもれなく活用することで節税対策になります。所得税の減額だけでなく住民税も減税できるため、大きな節税効果が期待できます。経費だけでなく控除ももれなく活用しましょう。

給与所得者である会社員も、年末調整で控除できない医療費を還付申告することで、住民税の減額になります。可視化される還付額だけで判断せず、翌年度の住民税への波及も踏まえて申告しましょう。

まとめ

医療費控除を申告するためには、1年分の医療に支払った領収書などをまとめておき、整理集計する必要があります。生計を一にする家族が多ければ皆の分をまとめるため、1度に行うのは大変です。普段から医療費にかかわる書類を別枠でまとめておく癖をつけましょう。計算してみたら思った以上に多くの金額を医療費に使っているかもしれません。この記事を参考に、上手に節税対策をしてください。

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https://www.seraku.co.jp/tectec-note/freelance/bp-medical-expense-deduction/feed/ 0
【2025年版】フリーランスにおすすめの会計ソフト8選|初心者向けに比較・選び方解説 https://www.seraku.co.jp/tectec-note/freelance/bp-kaikeisoft-freelance/ https://www.seraku.co.jp/tectec-note/freelance/bp-kaikeisoft-freelance/#respond Thu, 18 Sep 2025 07:46:54 +0000 https://www.seraku.co.jp/tectec-note/?p=40815 はじめに
  • 会計ソフトは、帳簿作成や仕訳管理などの経理業務を効率化できるツール
  • 簿記などの専門知識がなくても導入・利用が可能
  • 会計ソフトの導入は、経理作業の負担軽減や時間節約のメリットがある
  • クラウド型の会計ソフトは、データの自動取込・仕訳機能のあるものが多い
  • 使用目的や必要機能を明確にして、会計ソフトを選ぶことが重要

会計ソフトを導入しようとして、どう選んだらいいか、悩むフリーランスの人も多いのではないでしょうか。会計ソフトで何ができるのか、知識がなくても使えるのか、不安に思う人もいるかもしれません。
この記事では、会計ソフトの特徴やメリットについてご紹介します。おすすめの会計ソフトや、選び方のポイントも併せてご紹介しますので、参考になれば幸いです。

会計ソフトとは

会計ソフトとは、企業や個人事業主が経理業務を効率化するために使用するツールです。主に帳簿作成や仕訳管理、税務申告書の作成などが可能で、紙やExcelでの手作業よりも正確かつ効率的な管理が可能です。初心者でも簡単に使える設計のものが多く、簿記などの経理知識が少ない場合でも、導入できます。
また、会計ソフトを導入することで、データの一元管理も可能です。銀行口座・クレジット明細などと連携することで、仕訳の自動化が実現できるでしょう。

フリーランスが導入するべき理由

会計ソフトの導入は、経理作業の効率化やミスの軽減、時間の節約を可能にします。
手作業では煩雑になりがちな仕訳や帳簿作成が自動化されるため、本業に集中できる環境を整えられます。また、本業に必要な資格の勉強にも時間が充てられるでしょう。
税務申告の際に必要な書類を用意するためには、会計知識が求められます。しかし会計ソフトを利用すれば、知識がなくとも入力でき、簡単に帳簿や必要書類が作成できます。インボイス制度や電子帳簿保存法に対応していれば、申告トラブルのリスクも回避できますので、会計ソフトの導入はフリーランスにとって大きなメリットと言えるでしょう。

【タイプ別】会計ソフトの特徴

タイプごとに特徴があるため、フリーランス・個人事業主は事業状況や予算、用意可能な環境に合わせて選ぶといいでしょう。
ここからは会計ソフトのタイプ別に、特徴やおすすめの理由、デメリットをご紹介します。

会計ソフトは、利用形態や求める機能によって3種類に分けられます。

  1. クラウド型(インターネットを活用した利便性)
  2. インストール型(ローカル環境での安定性)
  3. オンプレミス型(高度なカスタマイズ性)

タイプごとに特徴があるため、フリーランス・個人事業主は事業状況や予算、用意可能な環境に合わせて選ぶといいでしょう。
ここからは会計ソフトのタイプ別に、特徴やおすすめの理由、デメリットをご紹介します。

クラウド型

クラウド型は、インターネットを介して利用する会計ソフトで、場所を問わずアクセスできる利便性があります。データをクラウド上で管理するため、PCが故障しても問題ありませんが、セキュリティ上のリスクに注意が必要です。

特徴・インターネットに接続できれば、場所に関係なく、どこでも利用可能
・法改正の対応や、機能追加の自動アップデートがある
・税理士などの外部と、リアルタイムのデータ共有が容易
おすすめの
理由
・初期費用が低い
・月額課金制が多く、導入しやすい
・自動アップデートで、常に最新バージョンが利用可能
・簿記や経理の知識が少なくても直感的な操作が可能
・スマホやタブレットに対応しており、移動中も利用可能
デメリット・インターネットの接続環境によっては使いにくくなる
・データをクラウド上に保存するため、セキュリティ上のリスクがある
・月額制は、年額制と比べてコストが高くなる場合がある

インストール型

インストール型は、PCにソフトウェアを直接インストールして利用する会計ソフトです。インターネットの無い、オフライン環境でも利用可能なため、ネット接続が不安定な場合でも処理速度が速く、動作に安定性があります。一括購入型が多く、初期費用がクラウド型より高くなりやすい反面、追加費用が少なく済む傾向にあります。

特徴・オフラインでも利用可能
・一括購入型が多く、購入後の追加費用が少なく済む
・PCに直接インストールするため、処理速度が速く、動作の安定性がある
おすすめの
理由
・一括購入のため、長期的なコストが抑えられる
・ネット環境が不安定な場所でも利用可能
・充実した専用機能により、経理作業の細かな点を効率化しやすい
デメリット ・ソフトウェア更新が手動のため、更新を見落としやすい
・法改正への対応遅れなどの影響が出る可能性がある
・PCの故障で、データが消失するリスクがある
・複数のデバイスで利用したい場合は、ライセンスの追加課金が必要

オンプレミス型

オンプレミス型は、企業内に専用のサーバを設置して運用する会計ソフトです。データの管理を完全に自社内で行えるため、高いセキュリティ性を維持できます。カスタマイズ性が高い特徴があるものの、初期費用が非常に高額であり、サーバの設置・運用には専門的な知識が必要です。

特徴 ・データ管理が完全自社内で行えるため、非常に高いセキュリティが構築できる
・カスタマイズ性が高く、事業のニーズに合わせて柔軟に設定できる
・インターネット環境に依存しないサーバで管理できるため、動作が安定しやすい
おすすめの
理由
・高いセキュリティが維持しやすいため、外部へのデータ流出対策が可能
・高度なカスタマイズが可能なため、特定の業務に合わせた機能を利用・構築可能
デメリット ・必要機器にかかる初期費用が非常に高額で、サーバ設置やメンテナンスのコストも高め
・運用が煩雑になりやすく、技術的な知識が必須
・個人規模では機能が過剰で、使いこなすのが難しい

会計ソフトを導入するメリット

会計ソフトの導入は、経理業務の効率化に大きな効果があります。手作業ではミスが発生しやすく時間的コストもかかる作業も、会計ソフトを導入すれば正確かつ短時間で処理できるようになります。確定申告や税務処理の負担軽減にもつながるため、本業に集中しやすい環境を整えることも可能です。
ここからは、主なメリットを3つ、ご紹介します。

経理作業の負担軽減と作業の時短ができる

会計ソフトの自動取込・仕訳機能などを活用すれば、経理作業の多くが自動化され、手作業で行うよりも簡単に帳簿作成が行えます。たとえば、銀行口座やクレジットカードを連携させることで、取引データが自動で取込・仕訳されるため、手入力する必要がありません。請求書や領収書の作成機能を備えた会計ソフトを選べば、書類作成の手間も軽減可能です。
経理にかける時間を大幅に削減できるため、フリーランスにとって貴重な、本業に集中する時間が確保できます。また、他の業務や勉強に時間を充てることも可能なため、大きなメリットと言えるでしょう。

確定申告の負担を軽減できる

確定申告は、フリーランスや個人事業主にとって欠かせない業務です。会計ソフトを導入することで、青色申告または白色申告に必要な書類作成や仕訳作業を効率化でき、作業時間と負担を大幅に減らせます。多くの会計ソフトはe-Taxに対応していますので、電子申告をスムーズに行うことも可能です。また、税制改正や法改正などにも対応しており、税務知識のない初心者でも安心して利用できます。

入力や集計ミスを減らせる

前述したように、会計ソフトは自動取込・仕訳機能を備えています。多くの会計ソフトには領収書作成が可能な集計・計算機能も備わっており、手作業と比べて入力や集計ミスを大幅に減らすことも可能です。フリーランスの場合、複数の取引を手入力で処理する際にミスが発生しやすく、修正に手間がかかる場合があります。
会計ソフトを使用すれば、取引データは自動で取込・仕訳されるため、自動計算によってミスの未然防止が可能です。エラーチェック機能もあり、申告トラブルの防止にもつながるため、安全で正確な帳簿作成ができます。

フリーランスにおすすめの会計ソフト8選

会計ソフトと一口に言っても、どれを選んだらいいか悩む人もいるかもしれません。
ここからは、フリーランス・個人事業主におすすめできる会計ソフトを、クラウド型・インストール型それぞれご紹介します。
オンプレミス型は中堅~大企業向けであり、フリーランスや個人事業主にはコストが高額になりやすいため、今回の記事では省略します。

【クラウド型】やよいの青色申告 オンライン

初心者にも使いやすい機能やデザインで、入力作業の自動化や会計業務の効率化も可能なため、知識がなくても確定申告ができます。請求書の証憑(しょうひょう:証拠書類のこと)を保存する「スマート証憑管理」も利用することで、インボイス制度や電子帳簿保存法への対応も安心です。

料金対応OS(PC)申告対応電子申告
10,300円/年~
(初年度無料プラン有り)
Windows /
mac OS
青色申告
白色申告
確定申告帳票作成自動取込・
自動仕訳
インボイス・
電子帳簿保存法

参考:やよいの青色申告オンライン

【クラウド型】マネーフォワード クラウド確定申告

初めての確定申告であっても、必要な書類を自動作成してくれるため、難しい知識や計算をする必要なく、経理業務の効率化ができます。また、チェックリスト機能を活用すれば作業の可視化ができるため、ミスや漏れなく確定申告が進められます。

月額料金対応OS(PC)申告対応電子申告
1,280円/月~
(または10,800円/年~)
Windows /
mac OS
青色申告
白色申告
確定申告帳票作成自動取込・
自動仕訳
インボイス・
電子帳簿保存法

参考:マネーフォワード クラウド確定申告

【クラウド型】freee会計

○×形式の質問に答えることで、確定申告に必要な書類が作成できます。スマホに対応しており、確定申告がスマホアプリで完結できるため、初心者にも忙しい人にも優しい仕様です。自動取込されたデータは、いつでもレポートで確認できます。

月額料金対応OS(PC)申告対応電子申告
1,780円/月~
(または11,760円/年~)
Windows /
mac OS
青色申告
白色申告
確定申告帳票作成自動取込・
自動仕訳
インボイス・
電子帳簿保存法

参考:freee会計

【クラウド型】円簿青色申告

インターネット環境とメールアドレスがあれば、IDを作成しなくても、すぐに利用できる会計ソフトです。無料期間中でもすべての機能が利用でき、データにも保持期間の縛りがなく、3期分のデータが保存可能です。無料期間が終了しても、有料プランに移行することで確認可能になります。

料金対応OS(PC)申告対応電子申告
無料トライアル1年
9,500円/年~
Windows /
mac OS
青色申告×
確定申告帳票作成自動取込・
自動仕訳
インボイス・
電子帳簿保存法

参考:円簿青色申告

【クラウド型】タックスナップ

経理や確定申告を、スマートフォンだけでスムーズに進められる会計ソフトアプリです。ネット経由の支払い画面はスクショがあればデータ取込が可能で、キャッシュレス決済と連携したデータ取込も可能です。仕訳をタックスナップに丸投げ可能で、税理士監修のチェック機能もあり、安心かつ効率的に確定申告を完結させられます。

月額料金対応OS(PC)申告対応電子申告
1,780円/月~
(または11,760円/年~)
Android /
iOS
青色申告
白色申告
確定申告帳票作成自動取込・
自動仕訳
インボイス・
電子帳簿保存法

※この表では、10月1日に改定される内容で記載しています。

参考:タックスナップ

【インストール型】弥生会計

簿記知識のない初心者でも、帳簿付けや試算表の作成はもちろん、経営分析や予算管理ができる会計ソフトです。住居兼事務所などの場合でも、家事・経費分を科目ごとに割り振れます。PCへのインストールが必要ですが、同じ弥生製品のクラウドサービスと連携できるため、自動入力やデータ共有も簡単に行えます。

購入料金対応OS(PC)申告対応電子申告
50,000円
※IT導入補助金の利用可能
Windows青色申告
白色申告
確定申告帳票作成自動取込・
自動仕訳
インボイス・
電子帳簿保存法

参考:弥生会計

【インストール型】JDL IBEX出納帳Major

直感的な帳簿作成や明細データの取込、試算表・決算書などの財務諸表作成まで、あらゆる会計処理が完結可能な会計ソフトです。インボイス制度や電子帳簿保存法に対応しており、会計事務所との連携機能で簡単・安全にデータの受け渡しができます。
基本的に無料で使用できますが、確定申告や電子申告を行うには別途有料プランへの加入が必要です。

料金対応OS(PC)申告対応電子申告
無料
(別途有料プラン有)
Windows有料プラン加入が必須
確定申告帳票作成自動取込・
自動仕訳
インボイス・
電子帳簿保存法
有料プラン加入が必須

参考:【無料】JDL IBEX出納帳Major
   【有料】JDL IBEXクラウド組曲Major

【インストール型】フリーウェイ経理Lite

会計ソフトの比較検討で選択肢に迷ってしまい、なかなか決められない人向けの会計ソフトです。フリープランでも、入力したデータから各種帳票を作成・出力できるため、起業直後の費用を抑えて会計ソフトを利用できます。確定申告や電子申告には対応していませんが、インボイス制度には対応していますので、トライアル(お試し)として利用することも可能です。

料金対応OS(PC)申告対応電子申告
無料
(別途有料プラン有)
Windows財務諸表の出力のみ
確定申告帳票作成自動取込・
自動仕訳
インボイス・
電子帳簿保存法
×
(インボイスのみ)

参考:フリーウェイ経理Lite

会計ソフトを選ぶ時のポイント

会計ソフトは、自分の業務形態やニーズに合っているかを確認して、選ぶことが重要です。特に、初心者の場合は、操作性やサポートの必要な機能や使いやすさを考慮し、最適なソフトを見極める必要があります。
ここからは、会計ソフトを選ぶ時のポイントを5つ、ご紹介します。

  1. クラウド型か、インストール型か
  2. 使用目的に合った機能や拡張性があるか
  3. 法改正やセキュリティ対策への対応は
  4. 導入後のサポート体制は
  5. 外部システムと連携可能か

クラウド型とインストール型を比較しよう

フリーランスにおすすめできる会計ソフトには、クラウド型とインストール型の二種類があります。それぞれの特徴を理解して、自分の働き方や事業で使用するデバイスに合わせて選ぶことが重要です。
クラウド型はインターネット環境があればどこでも利用可能で、自動アップデートによる利便性が高い特徴があります。一方、インストール型はオフライン環境でも利用でき、動作が安定しているのが特徴です。ただし、クラウド型は月額制の場合が多く、インストール型は初期費用が高い傾向があります。特徴だけでなく、費用や機能を比較して選びましょう。

使用目的に合った機能や拡張性を確認しよう

会計ソフトを選ぶ際には、使用目的に合っているか、必要な機能があるかを確認・比較することが大切です。たとえば、青色申告を行う場合には対応している機能があるか、時短効果を得たい場合は自動仕訳機能や電子申告機能があるかを確認するといいでしょう。
また、事業規模や将来的な拡張性なども考慮し、スマホ対応やアプリ連携などの柔軟性、長期的に使い続けられるかも判断材料にすることをおすすめします。目的や必要機能を明確にして選ぶことで、効果的に利用できるでしょう。

法改正やセキュリティ対策への対応を確認しよう

会計ソフトが、法改正やセキュリティアップデートなどの対策・対応ができるかどうかを確認することが重要です。特に税制改正は、対応できなかった場合に不正申告と見なされる可能性があり、最新の制度に合わせて迅速に対応できるソフトを選ぶことが求められます。
また、クラウド型のソフトを使用する場合は、データをインターネット上で管理することになりますので、強固なセキュリティ対策が行われているか確認することも重要です。データ漏えいや不正アクセスを防ぐためにも、セキュリティ面を重視するといいでしょう。

導入後のサポート体制を確認しよう

初心者が会計ソフトを導入する場合は、サポート体制が充実しているかの確認は必須です。電話やチャットでのサポートが利用できるソフトを選ぶと、操作に不慣れな場合でも安心して利用できます。使い方に関するマニュアルや、動画解説が充実しているソフトを確認しておくと、より具体的に理解しやすくなります。
また、税務や申告に関する専門家による相談が可能なサービスが付いている場合は、トラブル時にすぐ対応してもらえるため安心です。導入後のサポートが充実したソフトを選ぶことで、長期的に安心して利用できるでしょう。

外部システムと連携可能か確認しよう

会計ソフトを選ぶ際には、外部システムとの連携が可能かどうかの確認も重要です。
たとえば、銀行口座やクレジットカードなどと連携できるソフトは、取引データを自動で取り込むことができるため、経理作業が効率化できます。クラウドストレージやプロジェクト管理ツールとも連携できれば、業務全体をまとめて管理可能です。税理士や担当者とのデータ共有も行いやすくなるでしょう。

まとめ

会計ソフトは経理業務を効率化するツールで、専門的な知識がなくても帳簿作成や仕訳管理、税務申告書の作成が可能です。フリーランスや個人事業主が会計ソフトを導入することで、経理作業の負担軽減や時間節約、本業への集中などのメリットが得られます。
会計ソフトにはクラウド型・インストール型・オンプレミス型の3種類があり、それぞれに特化した特徴があります。選ぶ際には使用目的や必要機能、法改正への対応やサポート体制、外部システムとの連携可能性を確認することが重要です。

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電子帳簿保存法とは?初心者向けに対応を解説! https://www.seraku.co.jp/tectec-note/freelance/bp-denshichobo-ho/ https://www.seraku.co.jp/tectec-note/freelance/bp-denshichobo-ho/#respond Thu, 28 Aug 2025 05:02:38 +0000 https://www.seraku.co.jp/tectec-note/?p=40490 はじめに
  • 電子帳簿保存法とは、国税関係書類の電子保存を認める法律のこと
  • 改正後は、電子取引データの保存が完全に義務化された
  • ほぼすべての事業者が対象で、条件次第では雑所得申告者も含まれる
  • 違反した場合は、青色申告取消や重加算税などの厳しい罰則がある
  • データ紛失対策に、複数箇所にバックアップを取ることが推奨される

2022年に改正された電子帳簿保存法は、2024年に義務化されるまでの間に内容の緩和や移行期間措置があったため、何をどのように対応するべきか、分かりにくくなっています。
この記事では、フリーランスや個人事業主などの初心者向けに、電子帳簿保存法とは何か、内容や対応方法などをご紹介します。

電子帳簿保存法とは

電子帳簿保存法とは、国税関係の帳簿や取引書類などを、電子データとして保存することを認める法律です。1998年に制定・施行された法律で、2022年に改正されました。改正内容に合わせて移行期間があり、2024年1月から義務化が施行されたことで話題になりました。

参考:国税庁「電子帳簿・電子書類関係」をもとに自社で作成

この法律は、ほぼすべての事業者が対象です。副業で雑所得を申告している人は、 前々年の収入金額が300万円を超えている場合に対象となります。副業に関する請求書や領収書などを電子的(メール・Webサイトなど)にやりとりした場合は、法律に基づき、該当の電子データを保存する必要があります。
参考:国税庁| 電子帳簿保存法一問一答【電子取引関係】問68

2024年に施行された電子帳簿保存法は何が変わった?

2022年に大きく改正された電子帳簿保存法は、猶予期間を経て、2024年から電子取引データの保存が義務化され、規定の見直しなどが行われました。改正によって大きく変わった点は、以下の4つです。

  1. 電子取引データの保存義務化
  2. ペーパーレス化の推進
  3. 規制緩和で導入のハードルが低下
  4. 罰則規定の強化

ほぼすべての事業主が対象のため、フリーランスや個人事業主も例外なく、デジタル化への対応が必須となるでしょう。

1.電子取引データの保存義務化

電子取引データとは、メールやクラウドサービスなど、電子的な取引を行った際の書類(見積書・請求書・領収書など)のことです。改正されたことで、電子で取引したデータは、電子データのまま保存することが義務化されました。これまで紙での保存も認められていましたが、改正後は電子データで適切に管理する必要があります。保存する際に求められる要件は「真実性の確保」や「可視性の確保」です。税務調査の際には、データの改ざん防止や検索の容易さを確保することが重要なため、専用の会計ソフトやクラウドサービスを利用することが推奨されています。

2.ペーパーレス化の推進

改正によって紙書類の保存義務が大幅に緩和され、スキャナで取り込んだデータも電子保存が可能になりました。帳簿や領収書を、電子データにまとめて管理できるため、紙書類の保管スペースや管理コストの削減が可能です。業務の効率化が図れるため、フリーランスや個人事業主にとっては大きなメリットと言えます。
スキャナ保存では一定の要件を満たす必要がありますが、ペーパーレス化を推進することで、業務効率化だけでなく環境負荷の軽減につなげられます。

3.規制緩和で導入のハードルが低下

改正前の電子帳簿保存法は、電子保存を行うための要件が厳しく、フリーランスや個人事業主にとってはハードルが高いものでした。しかし、改正後の規制緩和により、対応しやすい環境が整備されました。以下は、規制緩和で変化があった例です。

  • タイムスタンプの付与

    改正前:スキャナ保存は書類を受領してから一定期間内(概ね3営業日以内)のタイムスタンプ付与が必須
    改正後:保存データが改ざんできないシステムや、改ざんや削除の履歴を記録できるシステムを使用している場合は、タイムスタンプの付与が不要

  • 訂正・削除履歴の確保

    改正前:電子データの保存のために訂正や削除の履歴を残すシステムの導入が必須で、データが改ざんされていないことを証明する必要もあった
    改正後:訂正・削除履歴を確保するシステム利用が推奨されているものの、タイムスタンプを付与しない場合の代替要件と位置付けられた

上記のような規制緩和により、フリーランスを含む多くの事業者がデジタル化を無理なく進められるようになりました。

4.罰則規定の強化

改正によって罰則規定が強化されており、厳しいペナルティが科されるようになりました。電子データの保存要件を満たさなかった場合には、青色申告の承認が取り消される可能性があり、注意が必要です。データの隠蔽・改ざんや、関連する申告漏れなどが発覚した場合には、追徴課税額の35%の重加算税に加えて、さらに10%が加重されます。
適切な保存対応ができていない場合は、税務調査で問題が発覚するリスクも高まります。電子帳簿保存法に対応するための体制を整えることは、フリーランスや個人事業主にとっても必須事項です。罰則を回避するためにも、早期の対応を心がけるといいでしょう。

【区分別】電子帳簿保存法の要件

電子帳簿保存法は、帳簿や書類を電子データとして保存する際のルールを定めた法律で、3つの区分に分かれています。

  1. 電子帳簿等保存
  2. スキャナ保存
  3. 電子取引データ保存

それぞれの区分で保存要件が異なるため、どの区分に該当するかを理解する必要があります。改ざん防止や検索のしやすさが求められており、対応するためには真実性の確保と可視性の確保が重要です。
区分ごとに求められる、必要な保存要件をご紹介します。

区分1.電子帳簿等保存の要件

電子帳簿等保存は、パソコンなどで作成した帳簿・書類を電子データのまま保存する制度です。データの改ざん防止や検索機能を確保する必要があり、求められる要件は「優良な電子帳簿」「その他の電子帳簿」「書類」の3つに分けて細かく定められています。

引用:国税庁|はじめませんか、帳簿・書類のデータ保存(2ページ目)

「その他の電子帳簿」として、最低限満たすべき要件を以下に要約しました。

  • システムの仕様書や説明書、マニュアルなどを備え付けること
  • 保存場所で出力可能な状態で、機器と操作マニュアルを備え付けておくこと
  • 税務職員の求めに応じて、必要なデータがダウンロードできるようにしておくこと

「優良な電子帳簿」は、上記の要件に加えて、4つの要件を満たすことが必要です。以下にまとめた要件が満たせれば、青色申告特別控除や過少申告加算税の軽減などが受けられるでしょう。

  1. 電子帳簿の訂正・削除の履歴が記録できるシステムを使用すること
  2. 通常の業務処理期間が経過してから入力した場合、その事実が確認できること
  3. 電子帳簿の記録内容と関連データの記録内容との相互関連性が確認できること
  4. 取引年月日・取引額・取引先など、一定条件による指定検索ができること

区分2.スキャナ保存の要件

スキャナ保存は、紙で作成・受領した書類をスキャンまたは撮影して保存する制度です。一定の解像度(200dpi以上)と、カラー画像として保存することが要件として求められます。

引用:国税庁|はじめませんか、書類のスキャナ保存(2ページ目)

改正前は必要だったタイムスタンプの付与は、改ざん防止機能を備えたシステム利用で代替可能となり、必須ではなくなりました。ただし、重要書類の場合は帳簿との関連性が確認できる状態に整理しておきましょう。この改正によって、書類管理の効率化や、ペーパーレス化の推進につながることが期待されています。

区分3.電子取引データ保存の要件

電子取引データ保存は、メールやPDF、ECサイトからダウンロードした取引データを保存するもので、2024年から完全義務化された制度です。データの真実性・可視性を確保するための要件を満たす必要があります。

電子取引データの真実性を確保する要件(以下のいずれかを満たすこと)

・タイムスタンプを付与した電子取引データを発行する
・電子取引データを受領後、速やかにタイムスタンプを付与する
(最長2ヶ月+7営業日以内)
・訂正・削除の記録が残るシステム(または訂正・削除ができないシステム)を利用して電子取引データの授受および保存を行う
・訂正・削除の防止に関する事務処理規程を定めて、規定を順守する

電子取引データの可視性を確保する要件

・データ保存場所に、PCと周辺機器(ディスプレイ、プリンタ、使用プログラムなど)の操作マニュアルを備え付けておくこと
・備え付けたデータは整然かつ明瞭な状態で保存し、画面・書面で速やかに出力できるようにしておくこと
・システムを利用して保存する場合は、そのシステムの操作マニュアルも備え付けておくこと
・保存データは、取引年月日や取引先名、取引金額などから検索ができる状態にしておくこと

ただし、前々年度の売上高が5,000万円以下または以下の条件を満たす場合は、検索要件のすべてが不要となります。

  • 電子取引データがプリントアウト可能
  • データを取引年月日や取引先ごとに整理し、提示・提出が可能な状態

真実性と可視性を確保し、要件に従って対応することで、税務調査時に迷わず円滑に対応できるでしょう。

猶予措置について

電子取引データの保存方法については、真実性と可視性すべての要件が不要となる猶予措置が設けられています。猶予措置は、以下の条件すべてを満たす場合に適用されます。

  • 一定のルールに沿った電子取引データの保存ができていないことについて、所轄税務署長が相当の理由があると認める事業者
  • 税務調査の際に、電子取引データのダウンロードの求め及びその電子取引データをプリントアウトした書面を提示・提出できる事業者

税務署長に認められる相応の理由については、事業者の状況によって変わります。要件が満たせない可能性がある場合は、所轄税務署に相談・確認してみるといいでしょう。

電子帳簿保存法の対象書類について

電子帳簿保存法では、デジタル化が進む現代の取引や業務に対応するため、特定の書類を電子データとして保存することが求められます。ただし、すべての書類が対象となるわけではなく、対象外の書類も存在します。フリーランスや個人事業主が効率的に対応するためには、対象書類と対象外の書類を正しく理解することが大切です。以下では、それぞれの具体例を挙げながら解説します。

参考:国税庁「電子帳簿・電子書類関係」をもとに自社で作成

対象の書類

電子帳簿保存法の対象となる書類は、主に国税関連の帳簿や証憑書類です。具体例をまとめると以下になります。

  • 仕訳帳・総勘定元帳などの帳簿類
  • 請求書・領収書・契約書・納品書などの取引証憑
  • 貸借対照表・損益計算書などの国税関係書類

特に、メールやオンライン取引など電子取引で授受した書類は、そのまま電子データとして保存することが義務付けられています。書類はすべて保存要件を満たした状態で管理する必要があり、真実性の確保や可視性の確保が求められます。

対象外の書類

一方で、電子帳簿保存法の対象外となる書類も存在します。

  • 税務に直接関係のないメモや社内用の報告書
  • 手書きで作成した請求書や補助簿など
  • 日常業務で使用する手書きのノート
  • 紙媒体で保存していたが、スキャナ保存の要件を満たさなかった書類
  • 法令に基づく保存義務がない書類
  • 電子取引ではなく、郵送で受け取った紙の請求書

上記に挙げた書類は、電子帳簿保存法の適用対象外です。そのため、例に挙げた書類を無理に電子化する必要はありません。しかし、必要になった場合を想定し、適切な管理方法で保存しておくことが重要です。

電子帳簿保存法で求められる対応

電子帳簿保存法は3つの区分に分けられており、求められる保存方法や要件が区分ごとに異なります。ただし、すべての区分に共通して求められるのは、真実性の確保と可視性の確保です。フリーランスや個人事業主は、自身の業務状態を確認して、適切に対応することが重要です。
ここからは、それぞれの区分における具体的な対応方法をご紹介します。

区分1.電子帳簿等保存の場合

電子帳簿等保存の対応において最初に確認が必要なことは、国税関係の帳簿や書類を、電子データで作成しているかいないかです。電子データで作成していない場合は、紙で保管すればいいので、対応は不要です。電子データで作成しており、電子データのまま保存する場合にのみ、求められる要件に合わせた対応が必要となります。
前述した「優良な電子帳簿」の要件を満たすためには、以下の手順で対応を進めるといいでしょう。

  1. 使用している会計ソフトやシステムが「優良な電子帳簿」の要件を満たしているか確認する
  2. 満たしていない場合は、必要なシステムの導入または入れ替えを行う

    ※要件を満たしている場合は、正しく保存できているか確認する

  3. 保存する機器の近くに関係書類や操作マニュアルなどを備え付ける

要件で重要視されるポイントは、データの改ざん防止や検索性の確保ができているかどうかです。そのため、訂正・削除履歴を記録できるシステムの利用や、タイムスタンプの付与が推奨されています。税務職員から求められた際に、迅速にデータ提示できる体制も必要です。要件を満たす会計ソフトやシステムの導入によって、法令遵守はもちろん、業務効率化や税務調査への対応がスムーズに行えるでしょう。

区分2.スキャナ保存の場合

スキャナ保存の制度は、紙の書類を必ずしも「スキャンや撮影を行って電子データとして保存しなければならない」という法律ではありません。電子データとして保存するかどうかは任意ですので、電子データ化せず従来通り、紙の書類で保管する場合は対応不要です。
スキャナ保存する場合は、以下の手順で対応しましょう。

  1. 使用しているシステム・機器が、スキャナ保存の要件を満たしているか確認する
  2. 要件を満たすために必要なシステム・機器の導入または入れ替えを行う
  3. 要件を満たすために必要な社内体制の整備を行う

スキャナ保存では、一定の解像度(200dpi以上)や、原則カラー画像での保存が必須です。改正前は必須だったタイムスタンプの付与は、改ざん防止機能を備えたシステム利用で代替可能となりました。求められる要件を満たすためには、対応できる体制を整えておくことも重要です。

  • 定められた入力期間内に入力・撮影できるようルールを作り、適切に運用する
  • タイムスタンプを付与する場合は、入力期間内に行うように徹底する
  • 定められた解像度や階調を守れるよう、ルールの順守を徹底する
  • 帳簿との相互関連性を確保できるようにルールを作り、適切に運用する
  • 必要な機器の用意と操作マニュアルなどを整える
  • 一般書類向けのルールを採用する場合は、事務の手続(責任者、入力の順序や方法など)を明らかにした書類を備え付ける

上記のポイントを押さえて、社内の体制整備を進めましょう。

区分3.電子取引データ保存の場合

電子取引データ保存は、他の区分と違って完全に義務化されています。そのため、電子的にやりとりを行った請求書や領収書などのデータが1件でもあった場合は、必ず電子データのまま保存しなければなりません。電子取引データがある場合は、フリーランスや個人事業主も対応する必要があるため、勘違いしないよう注意が必要です。
要件を満たすシステムとして、訂正や削除履歴が残せる(または訂正や削除ができない)システムの選択・導入が重要です。また、検索機能を備えた保存方法を整備することも必要な場合があります。専用の保存ツールやクラウドサービスがありますので、フリーランスや個人事業主の人は、事業に合わせて選択しましょう。

電子帳簿保存法の注意点

電子帳簿保存法は、帳簿や書類を電子データで保存することを求める法律ですが、適切な対応を行わないと罰則や業務上の問題が発生する可能性があります。初心者が対応する際には、注意すべきポイントをしっかり押さえることが重要です。

違反した場合は罰則が課せられる可能性がある

電子帳簿保存法に違反すると、税務上のペナルティが課される可能性があります。

帳簿や書類が保存要件を満たしていない場合のペナルティ
  1. 青色申告の取り消し(最大65万円の青色申告控除が受けられなくなる)
  2. 重加算税10%の課税(電子データに不正をして過少申告などをした場合)
  3. 100万円以下の罰金(帳簿や書類が適切に保存されていない場合や不正・改ざんが行われた場合)

上記に挙げた罰則を受けた場合、事業の信用性や財務状況に直接影響を与えることが考えられます。法律の要件を正確に理解し、適切な対応を行うことが必要不可欠です。特に、初めて電子化に取り組む場合は、専門家やツールを活用して違反にならないよう体制を整えましょう。

データは必ずバックアップを取っておこう

電子帳簿保存法ではデータの改ざん防止や検索性が求められますが、最も重要なことは、データの紛失や破損を防ぐためのバックアップです。万が一、データが消失した場合は税務調査時に必要な書類を提出できなくなる可能性があります。そのため、クラウドサービスや外付けハードディスクを活用して、データを複数の場所に保管しておくことが推奨されます。また、定期的にバックアップの状況を確認して、システム障害や災害に備えたリスク管理を行うことで、安全に対応できるでしょう。

紙での一元管理は難しい可能性がある

電子帳簿保存法に対応する場合、従来通りの紙媒体の帳簿や書類管理は難しくなる可能性があります。特に、電子取引が増加している現代では、紙と電子データの両方を管理するのは業務を増やすことにもつながるため、非効率的と言えます。また、電子取引データ保存が義務化されているため、紙媒体での管理体制から、電子データをメインとした管理体制への移行が重要となるでしょう。

まとめ

電子帳簿保存法は、帳簿や取引書類を電子データで保存することを認める法律で、2022年に大きく改定され、2024年から電子取引データ保存が完全義務化されました。この法律は、ほぼすべての事業者が対象で、条件によっては雑所得を申告する副業者も対象となります。違反時には罰則が課される可能性があるため、区分ごとの要件をしっかりと確認し、データの改ざん防止や検索性の確保のため、正しく対応を行うことが求められます。また、システム障害や災害などに備えて、バックアップやリスク管理体制の整備を意識することも重要です。

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白色申告とは?フリーランス初心者におすすめの申告方法を解説 https://www.seraku.co.jp/tectec-note/freelance/bp-shiroiro-shinkoku-guide/ https://www.seraku.co.jp/tectec-note/freelance/bp-shiroiro-shinkoku-guide/#respond Mon, 04 Aug 2025 00:13:49 +0000 https://www.seraku.co.jp/tectec-note/?p=39332 はじめに
  • 白色申告とは、所得税や法人税の申告方法の1つ
  • 白色申告の記帳方法はシンプルなものでよい
  • 手続きや申請方法は簡単だが、受けられる控除は少ない
  • 白色申告の必要書類は、直近の確定申告書(第一表・第二表)と収支内訳書
  • 確定申告ではオンライン申告が便利

白色申告とは?

白色申告とは、所得税や法人税の申告方法の1つです。フリーランスや個人事業主は、年に一度確定申告をする必要があります。確定申告には白色申告と青色申告の2種類があり、必要書類・帳簿の記帳方法・受けられる控除の種類などが異なります。
白色申告の対象者は、青色申告書の承認を受けていない納税者です。

本記事では、フリーランス初心者に向けて白色申告の概要や申告方法を解説します。

白色申告と青色申告との違い

白色申告と青色申告の違いを以下の表にまとめました。

白色申告青色申告
(特別控除が10万円の場合)
青色申告
(特別控除が55万円の場合)
青色申告
(特別控除が65万円の場合)
開業届提出の要否必要(未提出でも申告可)必要
確定申告前の事前申請手続き不要所得税の青色申告承認申請書の提出が必要
記帳方法単式簿記単式簿記複式簿記
作成書類収支内訳書損益計算書のみでも可損益計算書・
貸借対照表
赤字所得の繰越不可可(3年)
事業専従者への特例の適用配偶者は最高 86 万円、15 歳以上のその他の親族は最高 50 万円まで所得控除できる(事業専従者控除)全額可:全額経費にできる(青色事業専従者給与)
少額減価償却資産の特例の適用適用不可適用可(30万円未満の場合は、購入年に全額を経費にできる)
電子申告または電子帳簿保存不要不要必要

上記の表からおわかりいただける通り、青色申告は白色申告と比べて手続きや帳簿の記帳方法が複雑です。一方で、税制面では白色申告よりも優遇措置が取られています。

白色申告のメリット

以下では、白色申告のメリットをご紹介します。

記帳方法はシンプルなものでよい

白色申告の帳簿の様式・種類については、明確なルールが定まっていません。そのため、帳簿への記帳もシンプルな方法で構いません。

また、国税庁のホームページでは、簡易な記帳方法(単式簿記での記帳)を推奨しています。
単式簿記とは簿記の手法の1つであり、主に収益や費用の発生を記録することが目的です。
身近なものでは、家計簿やお小遣い帳などが単式簿記に該当します。

単式簿記(収入項目)複式簿記
収入項目金額借方(左側)貸方(右側)金額
売上300,000現金売上300,000
光熱費現金20,000
水道代現金15,000
単式簿記(支出項目)保険代現金25,000
支出項目金額通信費現金10,000
光熱費20,000
水道代15,000
保険代25,000
通信費10,000

開業届の提出や確定申告前の手続きはしなくてよい

白色申告時は、開業届の提出や確定申告前の事前申請手続き(所得税の青色申告承認申請書の提出)が不要です。
そのため、青色申告制度をよく理解できていない方にとっても手続きのハードルが低いです。

白色申告のデメリット

以下では、白色申告のデメリットをご紹介します。

受けられる控除が少ない

白色申告には特別控除がありませんので、青色申告よりも節税効果を感じにくいのが特徴です。ここでの控除とは、税負担を軽減するために所得から一定金額を差し引くことです。

一方、青色申告では、青色申告特別控除が適用できます。青色申告特別控除とは、所得金額から一定の金額を差し引ける制度です。控除額には65万円・55万円・10万円の3種類があり、適用される条件はそれぞれ異なります。また、青色申告では、青色事業専従者給与が全額経費にできます。

事業専従者控除は、白色申告でも一部適用されますが、配偶者は最高 86 万円、15 歳以上のその他の親族は最高 50 万円までしか控除できません。

純損失の繰越しや繰戻しが適用されない

白色申告では、純損失の繰越しや繰戻しが適用されません。
純損失の繰越しとは、本年の事業が赤字だったときに損失額を翌年から最長3年間繰り越せる(本年の赤字を翌年以降の黒字と相殺する)制度です。

一方、繰り戻しとは、本年の事業が赤字だったときに損失額を前年の黒字と相殺して税負担の軽減措置を施す(差額が返納される)制度です。そのため、事業が赤字の年は資金繰りが悪化する恐れもあります。

貸倒引当金の一部が計上できない

白色申告では、貸倒引当金の一部が計上できません。
貸倒引当金とは、何らかの理由で取引先から売上金を回収できなかった場合に備えて、積み立てておくお金です。

貸倒引当金には、個別貸倒引当金と一括貸倒引当金の2種類があります。
青色申告ではどちらの貸倒引当金も計上できますが、白色申告では一括貸倒引当金の計上ができません。

少額減価償却資産の特例が適用されない

白色申告では、少額減価償却資産の特例が適用されません。
少額減価償却資産の特例とは、30万円未満の減価償却資産(経年劣化により価値が減る資産)を取得した際、その年に全額を必要経費として計上できる制度です。

白色申告ではこの特例を受けられないため青色申告者よりも税負担が大きくなります。

白色申告に必要な書類と保管のルール

以下では、白色申告の手続きに必要な書類・作成方法・保管期間などをご紹介します。

必要書類・作成方法

白色申告に必要な書類は、直近の確定申告書(第一表・第二表)と、収支内訳書です。確定申告書の第一表と第二表は全ての申告者が提出する書類です。
確定申告書の第一表には、収入・所得・控除など事業主の基本情報(13項目)をまとめて、第二表には所得の内訳・保険料控除等に関する項目(13項目)を記入します。
以下では、白色申告者ととくに関係が深い収支内訳書について解説します。

  1. 申告者の情報

    氏名・住所・電話番号など、申告者の情報を記入する

  2. 日付や会計期間の記入・所得の選択を行う

    日付を記入する
    事業所得または雑所得を選択する(どちらかの「業」の文字を丸で囲む)
    会計期間(自○月○日 至○月○日)には通常、年始から年末(1月1日から12月31日)を記入する。ただし、年の途中で開業した場合は開業日から12月31日とする

  3. 収入金額

    本年中の売上(収入)金額や家事消費などを記入して合計額を算出する
    家事消費とは、家事のために消費・贈与した商品の通常販売価格のこと

  4. 売上原価(仕入れを行った場合のみ記入する)・差引金額

    期首・期末商品(製品)の棚卸高や仕入金額などを記入する。差引原価(⑦-⑧の合計額)を算出する。
    差引金額には④-⑨の合計額を算出して記入する

  5. 経費

    必要経費の各科目を記入する

  6. 専従者控除の所得金額・専従者控除・所得金額

    専従者控除の所得金額・専従者控除・所得金額をそれぞれ算出する

  7. 給与賃金の内訳

    給与や賞与を支払っている従業員の氏名・所得合計・所得税の源泉徴収税額などを記入する

  8. 税理士・弁護士等の報酬・料金の内訳

    本年中に、税理士・弁護士・公認会計士などへ支払いが確定した報酬や料金を記入する

  9. 事業専従者の氏名等

    事業専従者とは、白色申告者と生計を一にしている配偶者やその他の親族(15歳以上)のこと。
    本年中、事業専従者が6か月を超えて事業に従事している場合は一部の金額を必要経費にできる。

  1. 売上(収入)・仕入金額の明細

    主な売上(仕入)先の会社名やその所在地、売上(仕入)金額を記入する
    なお、登録番号を記入した売上(仕入)先については、会社名および所在地の記入を省略しても問題ない
    (合計金額欄)を記入後に、消費税の軽減税率の対象金額を記入する(省略可)

  2. 本年中における特殊事情

    前期までと異なる処理があった場合や事業が赤字になった場合など、特殊な事情があるときに記入する

  3. 減価償却費の計算

    平成19年(2007年)3月31日以前に取得した減価償却資産と、平成19年(2007年)4月1日以後に取得した減価償却資産では、定額法や定率法が異なる

  4. 利子割引料の内訳

    金融機関以外からの借入金の利子がある場合に記入する

  5. 地代家賃の内訳

    支払先の住所・氏名や貸借物件や貸借物件にかかる費用などを記入する

参考:国税庁|令和6年分 収支内訳書(一般用)の書き方

保管期間

白色申告でも、青色申告と同様に記帳制度や記録保存制度が設けられています。
以下の表では、保管が必要なものと保管期間をまとめました。

保管が必要なもの保管期間
法定帳簿(収入金額や必要経費などを記入した帳簿)7年
任意帳簿(業務に関して作成した法定帳簿以外の帳簿)5年
決算に関して作成した棚卸表・その他の書類5年
業務に関して作成(もしくは受領)した請求書・納品書・送り状・領収書などの書類5年

白色申告で確定申告する際の提出期限

以下では、白色申告で確定申告する際の提出期限をご紹介します。

確定申告の期間中に申告する

原則として、確定申告は毎年2月16日から3月15日の期間中に提出しなければなりません。
ただし、初日や最終日が土曜日・日曜日・祝日などであれば、初日や最終日は翌営業日に繰り越されます。

また、確定申告の期限を過ぎてから申告した場合は、期限後申告扱いとなります。期限後申告では、無申告加算税や延滞税が課されることもあるため、注意しましょう。

白色申告で確定申告する際の提出方法

オンラインから確定申告する場合でも、方法や選択肢はさまざまです。
オンライン経由での確定申告では、会計ソフトを使用して作成・提出できます。
会計ソフトは、民間企業が提供するものから国税庁が提供するものまでさまざまです。また、ほとんどのツールが、e-Taxと連携が可能です。

以下では、確定申告書等作成コーナーで確定申告書を作成後にe-Taxへ連携して送信する手順をご紹介します。

e-Taxソフト(Web版)から提出する

以下では、e-Taxソフト(Web版)から確定申告を行う方法・手順をご紹介します。
なお、e-Taxソフト(Web版)から確定申告できるのは、個人の利用者のみです。e-Taxを利用するにあたり、利用規約への同意が必要ですので、事前に必ず確認しましょう。
また、作成中は、データをこまめにダウンロードして保存しておくことが大切です。

  1. 申請や端末や方法に応じて以下のものを準備する

    スマートフォンから確定申告する場合は、マイナンバーカードを準備しましょう。パソコンから申請する場合は、マイナンバーカードに加えてICカードリーダライタとスマートフォンが必要です。
    また、必要に応じて利用者識別番号を準備しましょう。

  2. 確定申告書を作成する

    パソコンから国税庁の「確定申告書作成コーナー」を開く→申告書等を作成するから「作成開始」をクリックする→画面に従って作成する
    ※なお、保存データは「保存データを利用して作成」から再読み込みが可能

  3. e-Taxに連携して確定申告を送信する

郵送で提出する

確定申告書は郵送でも提出できます。
宛先は、所轄の税務署や所轄の業務センターです。業務センターとは、複数の税務署の内部事務を集約処理する施設のことです。

税務上の申告書・申請書・届出書は信書に該当します。郵送時は、第一種郵便物・もしくは信書便物として送付しましょう。

確定申告書の郵送時に必要な書類は以下の通りです。

  1. 確定申告書(第一表・第二表)
  2. マイナンバーカードの写し(マイナンバーカードがない方はマイナンバーが確認できる書類および身元確認書類の写し)
  3. 各種帳簿(白色申告者の場合は収支内訳書)
  4. 各種控除証明書類
  5. 添付書類(給与所得者や公的年金受給者などは源泉徴収票が必要)

昨今では、DXの推進により国税書類においても電子化・ペーパーレス化が進められています。そのため、2025年1月より収受日付印の押印が廃止されました。
ただし、収受日付印の代わりとして、希望者には日付・税務署名を記入したリーフレットの配布を行っています。

税務署の窓口で提出する

税務署の窓口で確定申告書を直接提出する際は、以下の持ち物を用意しましょう。

  1. 確定申告書(第一表・第二表)
  2. マイナンバーカードの写し(マイナンバーカードがない方はマイナンバーが確認できる書類および身元確認書類の写し)
  3. 各種帳簿(白色申告者の場合は収支内訳書)
  4. 各種控除証明書類
  5. 添付書類(給与所得者や公的年金受給者などは源泉徴収票が必要)

2021年より税務関係書類の押印義務が廃止されました。そのため、近年では記入ミスを訂正する際の訂正印は不要とされています。

白色申告の相談先

確定申告や帳簿への記帳方法などで不明点があるときは、以下の相談先・対処法をご参考になさってください。

確定申告の相談先

  • 税務署へ相談する(窓口・電話のどちらも相談可能)
  • 確定申告相談会の会場へ相談する(税務署主催)
  • 国税庁のホームページのチャットボットから相談する
  • 税理士へ相談する
  • 市区町村の役場へ相談する

帳簿への記帳方法がわからないときの相談先・対処法

  • 納税協会へ相談する
  • 商工会議所・商工会へ相談する
  • 税務署で記帳指導を受ける(個人課税部門の記帳指導担当者へ連絡する)
  • 国税庁のホームページの「記帳練習帳」を参照する

まとめ

青色申告と比べて、白色申告は手続きや申請が簡単です。そのため、青色申告が不安な方や、事業の規模が小さい場合は白色申告でも問題ありません。
一方、白色申告は青色申告よりも受けられる控除の種類が少ないです。そのため、節税を意識したい方には青色申告の検討をオススメします。

また、確定申告や帳簿への記帳方法などがわからないときは、勝手に判断せずに国の機関や専門家へ相談しましょう。

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【青色申告承認申請書】提出期限を過ぎる前に!書き方・出し方を完全解説 https://www.seraku.co.jp/tectec-note/freelance/bp-aoiro-shinkoku-shinseisho/ https://www.seraku.co.jp/tectec-note/freelance/bp-aoiro-shinkoku-shinseisho/#respond Tue, 29 Jul 2025 05:02:26 +0000 https://www.seraku.co.jp/tectec-note/?p=39144 はじめに
  • 青色申告承認申請書は、青色申告を行うために必要な申請書
  • 提出期限は、原則として確定申告をしようとする年の3月15日まで
  • 1月16日以降に事業を開始した場合は、事業開始日から2か月以内
  • 税務署から承認の通知がないため、提出記録を残したい人は自身で控えを作成する
  • 青色申告承認申請書の提出後でも、特定の条件下で白色申告を選択することも可能

本稿では、青色申告の最初のステップである青色申告承認申請書について、入手先や手続きの仕方、記入時のポイントや提出方法、注意点などを解説します。以下の項目で掘り下げますので手続きの把握とともに、青色申告導入の参考にしてください。

青色申告承認申請書とは

青色申告承認申請書は、青色申告を希望する事業者が税務署に提出し承認を得るための書類です。

青色申告は事業者にとって節税効果が高い申告方式で、青色申告特別控除や専従者給与の特例、欠損金の繰越控除といったさまざまなメリットを享受できます。青色申告承認申請書の提出は、フリーランスや個人事業主にとっても、青色申告による節税メリットを活用するために必須のステップです。

申請書の入手先

青色申告承認申請書は所轄税務署の窓口でもらうか、国税庁のホームページからダウンロードできます。

参考:国税庁|A1-8 所得税の青色申告承認申請手続

青色申告承認申請書の提出期限

青色申告承認申請書の提出期限は、青色申告書による申告をしようとする年の3月15日(休日にあたる場合はその翌開庁日)までです。但し、その年の1月16日以後に事業を開始する場合、事業開始日から2か月以内となります。この期限を過ぎると、その年の青色申告は適用されませんので注意が必要です。

申請書の提出先

青色申告承認申請書の提出は、以下の方法から選択できます。

  • 所轄税務署へ直接提出する

    対面相談ができるため不明点の解消ができる

  • 所轄税務署に郵送で提出する

    時間的な余裕がないときも最寄りの郵便局から投函できる

  • 国税庁の電子申告(e-Tax)で提出する

    24時間提出可能、手間が少なく提出証拠も残る

青色申告承認申請書の書き方

青色申告承認申請書には必要事項を正確に記入する必要があります。ここでは申請書見本に沿って、各記入項目の記入すべき内容と注意点を解説します。

  1. 管轄税務署・提出日

    申請書は、納税地を管轄する税務署長あてに提出します。管轄税務署が不明な場合は、国税庁のホームページで調べられますので、事前に確認しておきましょう。提出日の欄には申請書を提出する日付を記入します。日付のズレを防ぐため、提出する際に記入するのがおすすめです。

    参考:国税庁|税務署の所在地などを知りたい方

  2. 納税者の個人情報と開始年度

    個人情報の欄には、納税地(住所)・氏名・生年月日・職業・電話番号を正確に記入します。屋号がある場合は忘れず記入してください。開始年度の欄には、青色申告を適用したい年を記入します。たとえば令和8年分から適用したい場合は「令和8年」と記入します。

  3. 1.事業の所在地

    事業所や所得の基因となる資産の所在地を(資産の異なるごとに)記入します。自宅兼事務所の場合は自宅住所を記入してください。

  4. 2.所得の種類

    該当する所得(事業所得、不動産所得、山林所得)にチェックを入れます。複数該当する場合は、そのすべてにチェックします。

  5. 3.青色申告の取り消しまたは取りやめの履歴

    今までに青色申告の取り消しや取りやめをしたことがある場合は、有にチェックし詳細を記入します。ない場合は無にチェックします。なお、取りやめもしくは取消しとなった日から1年以内は、申請を却下されることがあります。

  6. 4.本年1月16日以後新たに業務を開始した場合、その開始した年月日

    申請書を提出する年の1月16日以後に新規開業する場合は、ここに開業日を記入します。繰り返しの説明になりますが、申請書の提出期限は提出する年の3月15日(休日にあたる場合はその翌開庁日)までです。但し開業が1月16日以後の場合は事業開始日から2か月以内が提出期限となるため、この欄が確認の基準になります。

  7. 5.相続による事業承継の有無

    事業を承継した場合は有にチェックし、相続開始年月日と被相続人の氏名を記入します。該当しない場合は無にチェックします。

  8. 6.その他参考事項

    参考事項には簿記と帳簿および特記事項を記入します。


    簿記の形式複式簿記(最大55万円または最大65万円の特別控除)、
    または簡易簿記(最大10万円の特別控除)のどちらかを選択します。
    帳簿について保管する帳簿名(仕訳帳、総勘定元帳など)を記入します。
    必要帳簿は青色申告の形式に応じて異なります。
    特記事項税務署に伝えたい事項があれば記入します。
    通常は空白で問題ありませんが、特別な事情がある場合に活用します。

  9. 関与税理士

    青色申告に税理士が関与している場合は、氏名や事務所名を記入します。税理士の関与がない場合は空欄で問題ありません。

    参考:国税庁|所得税の青色申告承認申請書(PDF)

申請書の提出後に白色申告を行うには

青色申告承認申請書を提出しても、帳簿の不備などで条件を満たせず、白色申告扱いになることがあります。この場合、青色申告特別控除や損失の繰り越し控除といった特典は受けられませんが、それ以外にペナルティが課されることはありません。

また、その年だけ白色申告にしたい場合、とくに手続きはなく、白色申告として確定申告ができます。ただし、翌年以降も白色申告を続けたいときは、「所得税の青色申告の取りやめ届出書」の提出が必要です。取りやめをした場合、1年間は青色申告の承認は受けられず、損失の発生や専従者を雇っても控除の対象にはなりません。

青色申告に必要な帳簿や経理処理を整えるか、特別控除が受けられなくても白色申告を選択するかの判断が重要です。

参考:国税庁|A1-10 所得税の青色申告の取りやめ手続

青色申告承認申請書を提出する際の注意点

青色申告承認申請書を提出する際には、以下の点に注意してください。

提出期限を守る

提出期限を過ぎると、その年の確定申告は青色申告ができず、白色申告のみとなります。期限を事前に確認し、忘れずに提出しましょう。

記入漏れに注意する

記入漏れがあると申請が受理されないため遅延の原因になります。問い合わせや再提出の必要もあるため提出期限にも影響します。すべての必要事項を正確に記入し、チェックすることでミスがないように注意してください。

控えを残す際の注意点

青色申告承認申請書は、記入内容に不備がなければ提出のみで受理されるため、税務署から承認の通知はありません。従来は申請書の写しを用意し、受領印をもらうことで正式な記録となりました。しかし、令和7年1月より国税庁の方針により、税務署では申告書等の控えに収受日付印の押なつを行わないことになりました。
※対象となる申告書等とは、国税に関する法律に基づく申告、申請、請求、届出その他、税務署に提出される全ての文書をいいます。

そのため、申告書等の控えは、本人が提出年月日の記録されたもの(コピー等)を作成し、管理が必要です。

参考:国税庁|令和7年1月からの申告書等の控えへの収受日付印の押なつについて

記録の長期保管が必要

青色申告を行う個人事業主は、帳簿や確定申告時に提出しない帳簿・書類であっても、原則として7年間保管する義務があります。ただし取引に関して作成し、または受領した書類(請求書、見積書、納品書、送り状など)は5年間の保存が必要です。税務調査の際には、速やかに提出できるように整理し保管しておきましょう。

参考:国税庁|記帳や帳簿等保存・青色申告

経理処理が複雑になる

青色申告で最大65万円の控除を得るには複式簿記による記帳や貸借対照表・損益計算書の提出、さらに優良な電子帳簿の保存もしくはe-Taxによる申告などが必要です。これにより経理が複雑化するため、経理スキルの向上や経理システムの導入といった、経理処理能力の向上が求められます。

まとめ

今回は青色申告承認申請書について、提出期限や記入方法をポイントとともに解説しました。正しい理解と注意点を押さえて申請し承認を得れば、特別控除をはじめとした青色申告のメリットを享受できます。また国税庁による取り決めで、申告書等は本人による控えの作成と管理が求められることになった点も注意が必要です。

青色申告への最初のステップとして、青色申告承認申請書の提出は不可欠な手続きです。事業の成功と節税効果を高めるためにも、本稿が青色申告を導入する一助となれば幸いです。

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青色申告とは?フリーランス・個人事業主向けに制度とメリットを解説 https://www.seraku.co.jp/tectec-note/freelance/bp-aoiro-shinkoku-guide/ https://www.seraku.co.jp/tectec-note/freelance/bp-aoiro-shinkoku-guide/#respond Fri, 04 Jul 2025 07:30:00 +0000 https://www.seraku.co.jp/tectec-note/?p=38591 はじめに
  • 青色申告は確定申告の一種である
  • 青色申告には最大65万円の控除などの特典ある
  • 青色申告をおこなうには事前申請と複式記帳が必要である
  • 記帳が難しい場合は会計ソフトを利用するか税理士に依頼する方法がある
  • 青色申告の疑問点は放置せず税務署窓口などに相談しよう

青色申告とは

青色申告とは、確定申告の方法のひとつです。確定申告は、1年の所得金額を確定し、そこから所得税を算出する手続きです。青色申告は個人事業主やフリーランス、法人が選択できる確定申告の方法であり、最大65万円の控除などの特典をうけることができます。
ただし、青色申告をするための事前申請が必要だったり、複式記帳をおこなう必要があったりと、手間も発生します。
この記事では青色申告のやり方やメリット・デメリットについてくわしく解説します。

青色申告と白色申告の違い

確定申告には、白色申告と青色申告の2種類があります。それぞれの違いは以下の通りです。

  • 白色申告

    白色申告は、帳簿の付け方が簡単だがあまり節税効果がない確定申告の方法だ。青色申告をしない場合、白色申告で確定申告をすることになる。

  • 青色申告

    個人事業主や法人が選択できる確定申告の方法が青色申告だ。ただし、青色申告をする場合は事前の申請が必要である。青色申告をするためには、1年の収支記帳と決算を複式記帳という複雑な方法でおこなわなければいけないが、最大65万円の控除を受けられたり、その他にも特典があったり、節税効果が大きい確定申告の方法である。

青色申告は、前述の通り帳簿のつけ方が複雑になって白色申告よりも難易度があがります。帳簿ソフトを利用して記帳したり 、仕事に関わるレシートや領収書をすべて保管したりする必要がでてきます。収支が大きかったり複雑すぎたりするような場合は、税理士への依頼が必要になることもあり得るでしょう。しかし手間がかかる分、大きな節税効果があります。

青色申告できる条件

青色申告は、事業所得・不動産所得・山林所得のいずれかがある個人が対象です。たとえば、個人事業主・フリーランスで事業所得がある人や、所有している不動産によって所得がある人です。給与所得や雑所得のみでは青色申告対象者とならない(白色申告となる)ので注意しましょう。

青色申告が向いている人

青色申告に向いている人は以下の通りです。

  • フリーランス・個人事業主で白色申告をしている人
  • これから事業を始めようとしている人
  • 事業が赤字になりそうな人

それぞれ解説します。

フリーランス・個人事業主で白色申告をしている人

フリーランス・個人事業主で今まで白色申告をしていた人は、青色申告にした方が大きく節税できるでしょう。

なお、これまで白色申告において記帳は必要なかったのですが、2014年1月より、白色申告でも簡易記帳の義務が生じました。したがって現状は、白色申告でも青色申告でも確定申告の手間は以前より減っている状況です。このため、似たような手間がかかるのであれば、青色申告をした方が節税できるのでオススメといえます。

これから事業を始めようとしている人

青色申告で確定申告をおこなうためには、税務署に事前の届け出が必要になります。このため、税務署で開業届の提出をするとき、同時に青色申告の申請も済ませてしまうと大変便利です。

事業が赤字になりそうな人

青色申告で確定申告をすると、決算時の赤字を3年間繰り越せるため、白色申告よりも節税効果があがります。とくに事業の開始直後は赤字になることが予想されるため、開業と同時に青色申告をはじめるのはやはりオススメといえます。

会社員で副業している場合は?

会社員で副業をしている場合、確定申告は、副業分を雑所得として白色申告で申請するパターンがほとんどです。しかしながら、事業規模や事業金額によっては青色申告ができることもあるため、青色申告が可能かどうか迷ったときは、税務署で相談するとよいでしょう。

青色申告のメリット

青色申告で確定申告をおこなう主なメリットは、以下の5つです。

  • 青色申告特別控除が受けられる(最大65万円)
  • 家族の給与(青色事業専従者給与)を経費扱いできる
  • 赤字を3年間繰越ができる
  • 減価償却の特例を受けられる
  • 貸倒引当金を計上できる

それぞれ詳しく解説します。

青色申告特別控除が受けられる(最大65万円)

青色申告では、一定の要件を満たしたときに、65万円、55万円、10万円の特別控除を受けることができます。

まず、最大の控除額である65万円の青色申告特別控除を受けるには、次の要件をすべて満たすことが必要です。

  1. 不動産所得または事業所得があること
  2. 複式簿記で帳簿をつけていること
  3. 帳簿をもとにした貸借対照表を確定申告書に添付する
  4. e-Taxで青色申告をおこなうか、もしくは2の帳簿を電子保管する

55万円の控除は、この要件のうち1~3までを満たすと受けられます。
65万円・55万円の要件を満たさなかったとき、または確定申告の期限までに提出が間に合わなかったときは、10万円の控除になります。

まとめると、次の通りです。

青色申告特別控除を受けるための要件
65万円控除次の条件をすべて満たすことが必要である

・不動産所得または事業所得があること
・複式簿記で帳簿をつけていること
・帳簿をもとにした貸借対照表を確定申告書に添付する
・e-taxで青色申告をおこなうか、もしくは帳簿を電子保管する
55万円控除次の条件をすべて満たすことが必要である

・不動産所得または事業所得があること
・複式簿記で帳簿をつけていること
・帳簿をもとにした貸借対照表を確定申告書に添付する
10万円控除65万円・55万円の要件をみたしていないときや、確定申告の提出期限日に間に合わなかった場合、最大10万円の控除となる。

参考:国税庁|No.2072 青色申告特別控除

なお、実際の所得税の計算方法はルートテックでも詳細に解説しています。

家族の給与(青色事業専従者給与)を経費扱いできる

青色申告では、配偶者や家族に支払った給料を経費扱いにすることが可能です。ただし経費扱いにするためには、事前に管轄の税務署に青色事業専従者給与に関する届出書の提出が必要です。なお、事前に届けた給与額より大きい額の給与は経費とすることができないので注意しましょう。

参考:国税庁|No.2075 青色事業専従者給与と事業専従者控除

赤字を3年間繰り越せる

青色申告では、3年間にわたって赤字の繰り越しができます。つまり、決算で赤字が出た翌年以降に黒字が出た場合、そこで赤字の清算ができるということです。

参考:国税庁|No.2070 青色申告制度

減価償却の特例を受けられる

減価償却とは、固定資産の購入費用を使用期間にわたり分割して費用として計上する処理のことです。
青色申告では、通常分割して計上する減価償却を取得価格が30万円未満であれば一括して計上することが可能です。分割計上しなくてよくなるため、節税できる範囲が広がります。

参考:No.2100 減価償却のあらまし

貸倒引当金を計上できる

青色申告では、貸倒引当金を計上できます。貸倒引当金とは、取引先の倒産などで売掛金が回収不可となるリスクを見越して、あらかじめ計上しておく勘定科目のことです。
つまり、貸倒引当金を計上することで、将来の貸し倒れリスクに備えつつ、所得の圧縮が可能です。

なお、金額の設定には上限があり、年末時点における売掛金などの債権残高の5.5%以下(金融業では3.3%以下)を貸倒引当金繰越として計上できます。

参考:国税庁|No.2070 青色申告制度

青色申告のデメリット

確定申告を青色申告でおこなうデメリットとしては、以下のものが挙げられます。

  1. 事前申請が必要
  2. 複式簿記で帳簿をつける必要がある
  3. 65万円の控除を受けるにあたりe-Taxによる電子申請が必須

それぞれ解説します。

事前申請が必要

確定申告で青色申告をおこなうためには、事前に「青色申告承認申請書」を管轄の税務署に提出する必要があります。なお、白色申告をおこなうための申請はとくにないため、比較してデメリットといえるでしょう。
なお、青色申告をしたくても、青色申告承認申請書の提出をしていなければ、白色申告しかできません。

複式記帳をおこなう必要がある

青色申告をおこない65万円・55万円の控除をうけるためには、1年の収支について、複式記帳をおこなわなければなりません。複式記帳は二重で記帳する複雑な記帳方法であるため、かなり手間がかかります。これは青色申告でよくいわれるデメリットです。
対策としては、会計ソフトを利用して確定申告する、税理士に依頼するといった方法があります。

65万円の控除を受けるにあたりe-Taxによる電子申請が必須

青色申告で65万円の控除を受けるには、e-Taxによる電子申請か、または、複式記帳の帳簿を電子保管する必要があります。デジタルが苦手な人やPCを所有していない人には、大きなデメリットといえるでしょう。

青色申告の方法と期限

確定申告での青色申告は、以下の順番でおこないます。

  1. 事前に税務署に申請をする
  2. 申告に必要な書類を準備する
  3. 確定申告書を作る
  4. 確定申告をおこなう

なお、確定申告できる期間は決まっており、確定申告の期間は毎年2月16日から3月15日までです。ただし、初日や最終日が土日祝日の場合は、翌平日になります。青色申告の提出が最終日に間に合わない場合、ペナルティとして控除額が減る可能性があります。期間中に余裕をもって提出できるようにしましょう。

1.事前に税務署に申請をする

前項で解説した通り、青色申告をおこなうためには、事前に青色申告承認申請書を管轄の税務署に提出する必要があります。申請期限は、青色申告をしようとする年の3月15日まで(ただしその年の1月16日以後、新たに事業を開始したり不動産の貸付けをしたりした場合には、その事業開始等の日から2か月以内)です。提出を忘れた場合、その年は白色申告しかできません。

参考:国税庁|A1-8  所得税の青色申告承認申請手続

2.申告に必要な書類を準備する

申請を終えて、確定申告の期日が近づいてきたら、青色申告に必要な書類を準備します。必要な書類は以下の通りです。

  • 青色申告決算書
  • 確定申告書
  • 添付資料

帳簿による決算書を作成し、付随する資料があれば添付します。これらをもとに、確定申告のための所定の用紙である「確定申告書」を記入することになります。

青色申告決算書

1年間の事業収支を表す重要な書類です。複式記帳による決算書を作成するには簿記の知識が必要ですが、近年では有料の会計ソフトに収支を入力するだけで自動的に複式記帳をしてくれるサービスが登場しています。個人事業主の方は、有料でもこちらを利用すると容易に青色申告できるのでオススメです。

添付資料

青色申告決算書の収支を証明する資料を添付します。

例:レシートや領収書、生命保険やiDeCo(個人型確定拠出年金)などの控除証明書・掛金払込証明書、ふるさと納税の受領証明書など

確定申告書

確定申告には専用の用紙があります。以前は白色申告と青色申告は別の用紙でしたが、今は同一の様式に統一されています。電子申請(e-Tax)の場合は紙の申告書は必要ありませんが、記入したものを郵送する場合は、紙の申告書で提出することになります。事前に税務署などで確定申告用の申告書用紙を入手するか、国税庁のサイトからテンプレートをダウンロードして印刷しておきましょう。

参考:国税庁|所得税の確定申告

3.確定申告書を作る

決算書をもとに、確定申告書の作成をします。確定申告書の作成方法は複数あります。

  1. e-Tax(確定申告書作成コーナー)
  2. 会計ソフトによる出力または申告
  3. 手書き

e-Taxは、確定申告書作成コーナーというインターネットのWebページにアクセスして、オンラインで確定申告する方法です。
会計ソフトや確定申告ソフトは、複式記帳を自動でおこなってくれますし、e-Taxと連携してオンラインで確定申告がおこなえるものも多いので大変便利です。
手書きの場合は、確定申告用の用紙を使って記入します。

4.確定申告をおこなう

確定申告書が完成したら、確定申告をおこないましょう。申請方法は複数あります。

  1. 電子申請(e-Tax)
  2. 税務署の確定申告書作成コーナーで作成する
  3. 手書きの確定申告書を持参して税務署に提出する
  4. 手書きの確定申告書を税務署に郵送する

なお、郵送の場合は、消印の日付が提出日となります。

青色申告の際の注意点

確定申告を青色申告でおこなう際に注意すべきポイントを解説します。

保管が数年必要な書類がある

確定申告の際につけた帳簿やレシートなどの書類は、数年間の保管義務があります。白色申告と青色申告でそれぞれ保管期間が決められています。
青色申告の場合は次の通りです。

  • 帳簿

    保管期間:7年

  • 決済関係書類

    貸借対照表、損益計算書といった決算関係書類のこと。保管期間:7年

  • その他関係書類

    現金などのやり取りが記載されたレシート・領収書や生命保険の控除証明書など、通帳のコピーなどといった関連書類のこと。保管期間は原則7年だが、前々年分の事業所得・不動産所得が300万円以下のときは5年。

参考:国税庁|記帳や帳簿等保存・青色申告

遅延や不正はペナルティがある

確定申告の遅延や不正は、追徴課税や青色申告承認の取り消しといったペナルティを受けることがあり得ます。
主な例は以下の通りです。

  • 確定申告をしなかった場合、無申告加算税が課され、通常より納税金額が増える
  • 期限後に確定申告をした場合は延滞税が課される
  • 故意に所得を隠した場合、重加算税が課される場合がある
  • 脱税や隠ぺいなどの行為をおこなった場合、青色申告の承認取り消し、さらには刑事罰(罰金・懲役)を受けることがある
  • 2事業年度連続で期限内に申告が行われなかった場合、青色申告の承認が取り消しになることがある

参考:国税庁|法人の青色申告の承認の取消しについて(事務運営指針)

疑問点がある場合は相談を

疑問点がある場合はそのままにせず、税務署や税理士による無料相談などの相談可能な窓口に相談しましょう。確定申告の内容が不正確な場合には追徴課税がかかることもあり、本来の金額より大きな金額が後から課される可能性もあるからです。
なお、相談窓口は複数あり、特に確定申告期間中は出張相談などが増えます。疑問点がある場合は積極的に利用を検討するとよいでしょう。
相談できる主な窓口や、参考になるWebサイトは以下の通りです。

  • 所轄の税務署窓口(対面または電話)
  • 青色申告会(相談するには有料会員になる必要があるので注意)
  • 利用中の会計ソフトサポートサービス
  • 税理士による無料相談会(確定申告期間中に商工会議所などでおこなわれる)
  • インターネットのQ&Aサイト

まとめ

個人事業主やフリーランスは毎年確定申告をおこない、所得税を確定させる必要があります。確定申告には白色申告と青色申告の2種類があり、個人事業主やフリーランスは青色申告が可能です。
青色申告では、最大65万円の控除を受けられるほか、家族の給与を経費として計上できる、赤字の清算や減価償却の特例が利用できるなど、数多くのメリットがあります。ただし、青色申告にはデメリットもあり、手間がかかる複式記帳をおこなう必要があったり、青色申告をするための事前申請をしなければいけなかったりというデメリットもあります。
記帳が手間である場合は会計ソフトを利用する方法がオススメです。事業規模が大きかったり会計処理が複雑だったりという場合は、有料で税理士に依頼する方法もあります。
また、青色申告で不正や遅延をした場合はペナルティが課されます。そのため、疑問点は放置せず税務署窓口や税理士による無料相談会で相談したり、インターネットのQ&Aサイトを参考したりして正しく申告をおこなうようにしましょう。

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副業の確定申告は20万円から?必要なケース・やり方を解説 https://www.seraku.co.jp/tectec-note/freelance/bp-fukugyo-kakuteishinkoku/ https://www.seraku.co.jp/tectec-note/freelance/bp-fukugyo-kakuteishinkoku/#respond Wed, 21 May 2025 06:21:24 +0000 https://www.seraku.co.jp/tectec-note/?p=37338 はじめに
  • 副業で確定申告が必要となるのは、副業所得が20万円以上の場合
  • 副業所得が20万円以下でも、所得控除や税金の還付を受けるときは確定申告をした方がよい
  • 確定申告は、所得を得た方法により10種類の所得区分がある
  • 副業で確定申告をする場合、本業の源泉徴収税額も記載する必要がある
  • 副業でも確定申告を行わないと法的な罰則が科される可能性がある

副業とは

副業とは、主職以外の時間を活用して収入を得る働き方を指します。リモートワークでのライター業務や、深夜のバイト、スキルを活用した成果物の販売などが含まれます。

2018年に厚生労働省が作成した「副業・兼業の促進に関するガイドライン」により、副業を推奨する動きが広がりました。しかし、モデル就業規則第70条記載の理由に該当する場合、企業は副業を禁止および制限できるとしています

モデル就業規則 第70条(副業が禁止・制限される理由)
  • 労務提供上の支障がある場合
  • 業務上の秘密が漏えいする場合
  • 競業により自社の利益が害される場合
  • 自社の名誉や信用を失う行為、信頼関係を破壊する行為がある場合

参考:厚生労働省|副業・兼業の促進に関する ガイドライン わかりやすい解説

参考:厚生労働省|「副業・兼業の促進に関するガイドライン」(平成30年1月策定・令和4年7月改定)

副業で得た収入の確定申告はいくらから必要?

副業をしていても確定申告をしてない人も多いようですが、所得によっては、確定申告を行い所得税の納付義務が生じます。
確定申告とは一年間に得た収入等に対して、所得税を自分で計算して申告・納税を行うことを指し、正しく実施するためには理解が必須です。いくらから確定申告が必要か詳しく解説します。

副業所得が20万円以上

確定申告が必要な判断基準は、所得額が20万円を超えた場合です。副業で得た収入ではなく、収入から経費を引いた所得額なので区別しましょう。以下は会社員と個人事業主(副業収入によっては個人事業主の場合と同様に考える)の収入と所得の違いをまとめました。

収入と所得の違い

収 入所 得
会社員1年間に受け取った給与・報酬・賞与などの総額収入から給与所得控除を引いた金額
個人事業主1年間に受け取った現金や経済的価値のあるものの合計額収入から経費を引いた金額

副業所得が20万円以下でも確定申告をした方がよい場合

副業で確定申告をしなくていい金額は、副業所得が20万円以下の場合です。令和7年の税制改革においても、この20万円ルールに変更はありません。ただし、20万円以下だから確定申告不要と考えるのは損かもしれません。確定申告をすることで、所得控除を受けたり税金の還付を受けたりできる場合があるからです。以下に確定申告をした方がよい例をまとめました。

【確定申告をすることで還付や減税を受けられる控除】

控 除 名控除の対象となる内容
医療控除1年間に支払った医療費が10万円を超えた
雑損控除災害や事故・泥棒などで資産に損害があった
寄付金控除ふるさと納税等寄付をした
住宅借入金等特別控除住宅ローンを契約した初年度である
退職所得控除年の途中で退職した
経常利益が赤字の事業主青色申告では3年間の赤字繰越計上ができる

副業の確定申告における所得区分とは

確定申告ではどのような方法で収入を得たかに応じて所得区分が定められています。以下は10種類の所得区分の概要です。所得区分によって必要書類や申請が異なる場合があるので、詳しく見ていきましょう。

【各所得区分の内容】

所得区分所得の内容
事業所得商・工業や漁業、農業、自由職業などの自営業から生ずる所得
不動産所得土地や建物、船舶や航空機などの貸付から生ずる所得
雑所得・公的年金等の所得
・原稿料、講演料やシェアリングエコノミーなどの副収入による業務所得
・その他、他の所得に当てはまらない所得
給与所得俸給や給料、賃金、賞与、歳費などの所得
配当所得法人から受ける剰余金の配当や上場株式等に係る配当等の所得
利子所得国外で支払われる預金等の利子や特定公社債の利子、預貯金の利子などの所得
山林所得所有期間が5年を超える山林(立木)を伐採して譲渡したことなどによる所得
譲渡所得ゴルフ会員権や金地金、機械などの譲渡、土地や建物、借地権、株式等を譲渡したことによる所得
一時所得生命保険の一時金、賞金や懸賞当せん金、一時払の養老保険や損害保険などによる所得
退職所得退職所得 退職金、一時恩給、確定給付企業年金法および確定拠出年金法による一時払の老齢給付金などの所得

事業所得

副業の収入源が事業所得に該当する場合は、事業所得として申告し、売り上げや経費などを帳票に残す必要があります。事業所得は青色申告の対象であり、帳簿の作成や帳票の保存が、節税対策に役立ちます。

2022年の所得税基本通達の一部改正では、帳簿や書類を作成し保存していれば、本業・副業に関係なく、概ね事業所得として認められるとしています。
参考:国税庁|「所得税基本通達の制定について」の一部改正について(法令解釈通達)

雑所得

雑所得とは、公的年金や副業による臨時的・単発的な収入など、他9つの所得区分に該当しない所得を指します。上記事業所得で記載したように、帳票の作成や保存等があれば、事業所得に区分される場合もあります。
また法改訂により、3年にわたる副業による雑所得が年間300万円を超える場合は、書類の保存が義務付けられましたので、帳票類の作成や保存を習慣づけることが必要です。
参考:国税庁|No.1300 所得の区分のあらまし
参考:国税庁|雑所得の範囲の取扱いに関する所得税基本通達の解説

給与所得

給与所得とは、会社や組織と雇用契約を結び、労働の対価として受け取る給与・賞与などの所得を指します。本業とアルバイト等副業の両方で年末調整した場合は、確定申告により再計算され、過払い分の税金の還付を受けられる場合があります。
参考:国税庁|No.2520 2か所以上から給与をもらっている人の源泉徴収

不動産所得

不動産所得とは、土地や建物などの貸付等により得た収入を指します。本業以外でアパート経営等をしている場合は、本業の源泉徴収税額とあわせて不動産所得の申告が必要です。
参考:国税庁|No.1370 不動産収入を受け取ったとき(不動産所得)

令和7年の税制改革の概要

令和7年の税制改革により、以下のような変更がされています。

  • 基礎控除の引き上げ:

    48万円から所得に応じて最大95万円へ

  • 給与所得控除の最低保障額の引き上げ:

    55万円から65万円へ

  • 特定親族特別控除の新設:

    特定親族を有する居住者の総所得⾦額等から、特定親族1⼈につき最⾼63万円を控除

  • 扶養親族の所得要件の緩和:

    扶養親族・同一生計配偶者の所得要件は、48万円から58万円へ

  • 勤労学生の所得要件の引き上げ

    勤労学生の合計所得金額が75万円から85万円へ

給与所得者にとっては年末調整が複雑になった感があり、副業で確定申告をする際は、内容を把握して計算ミスなどに注意が必要です。
参考:国税庁|令和7年度税制改正(基礎控除の見直し等関係)Q&A
参考:国税庁|令和7年度税制改正による所得税の基礎控除の見直し等について

所得区分に応じて、できる確定申告の種類は異なる

確定申告には青色申告と白色申告があり、青色申告は事業所得・山林所得・不動産所得がある方が対象です。副業で青色申告を受ける場合の方法と青色申告のメリットを見ていきましょう。

副業で青色申告する場合

青色申告を受けるには、事前に「青色申告承認申請書」を提出して承認を受ける必要があります。青色申告は、最大65万円の青色申告特別控除が受けられるほか、専従者給与の経費算入や赤字の3年間繰越計上など、節税効果が大きい申告方法といえます。ただし、複式簿記による帳簿作成など条件があり、副業の場合でも帳票整理を習慣づける必要があるでしょう。

副業では雑所得に区分される場合も多いですが、雑所得ではなく事業所得と認められた場合は、青色申告という大きなメリットを受けることができます。
参考:国税庁|始めてみませんか?青色申告

副業の確定申告のやり方

ここからは、確定申告のやり方を手続きの流れにそって解説します。

副業の確定申告に必要な書類

副業の確定申告には、次のような書類が必要です。他にも、状況に応じて申請書や必要書類がありますので、確認しながら漏れのないように準備しましょう。

【確定申告に必要な基本的な書類】

書 類内 容
確定申告書所得金額・控除額・税額等を記載したもの
本人確認書類マイナンバーカード、または、以下の①②から1点ずつ
①通知カード、個人番号が記載された住民票
②運転免許証、健康保険証、パスポート 等
雑所得・公的年金等の所得
・原稿料、講演料やシェアリングエコノミーなどの副収入による業務所得
・その他、他の所得に当てはまらない所得
源泉徴収票本業で源泉徴収をした場合(提出は不要)
所得税額がわかるもの・事業所得の内訳を記載した収支内訳書等
・その他、収入を証明する書類
各種控除申請に必要な書類各種控除ごとに必要な書類
(ただし、年末調整で申告済の書類は添付不要)
銀行口座がわかるもの預金通帳やカード等(還付金受取りの窓口となる口座)

確定申告書の作成方法を決める

次に確定申告書の作成方法を決めます。手書きやWeb上での作成などもあり、自分の得意な方法を選びましょう。

手書きで作成する

確定申告書を最寄りの税務署までもらいに行くか、国税庁のホームページからダウンロードして取得します。1年間の収入や経費等をまとめておき、各項目に記入します。本業の源泉徴収税額も忘れずに記入しましょう。
手書きの場合は、全体の収支状況が見やすいメリットもありますが、計算ミスや書き間違い等に気をつける必要があります。

確定申告書作成コーナーを利用する

国税庁が運営するサイトを活用する方法で、ガイドにそって入力することで、確定申告書の作成が可能です。マイナンバーカード等で個人を確定し、印刷したりそのままe-Taxで送信(申告)したりもできます。スマートフォンにも対応しているので、手軽に確定申告書の作成ができます。
参考:国税庁|確定申告書等作成コーナー

会計ソフトを活用する

日々の会計状況を管理できるソフトを活用する方法です。ソフトによっては確定申告書の作成もでき、e-Taxに連動させ申告ができるものもあります。年末に計算してみたら、確定申告が必要な収入に達していたが、経費を証明できる書類がないなどと慌てることがないように、会計状況を把握することが重要です。

専門家へ相談・依頼する

税理士に依頼すれば、複雑な税務処理や節税対策も含めて正確な申告が可能です。費用はかかりますが、会計が苦手な人や時間がない人にはおススメです。

確定申告書の書き方

最初に1年間の収入や経費、控除金額等を取りまとめて合計金額を出しておきます。確定申告書のそれぞれの欄に対応する金額を記載し、確定申告書内にある指示に従い計算します。詳しくは以下の記事をご覧ください。
参考:国税庁|給与所得者(年末調整済)の記載例

確定申告書の提出方法

確定申告書の提出には、税務署に持参・郵送・e-Taxの利用などがあります。郵送では、特例として投函日が提出日扱いにできるので、期限がギリギリの際は便利です。しかし、書類不足や記載ミスがあると差し戻される場合もあり念入りな準備が必要です。
それぞれのメリットとデメリットを以下にまとめましたので、自分にとってどの方法がよいか参考にしてください。

【各提出方法のメリット・デメリット】

方法メリットデメリット
税務署へ持参不明点や記載ミスの確認ができる開庁時間内に持ち込まなければならない
郵送遠方の税務署へ行かずとも最寄りの郵便局から投函できる不明点や記載ミス、書類不足等があった場合、2度手間になる
e-Tax24時間利用でき、効率よく申告できる操作に不慣れな人にとって初期設定に時間がかかる

参考:国税庁|スマホで確定申告(副業編)

副業で確定申告しないとどうなるか

副業だから確定申告をしなくていいわけではありません。収入を得たならば、正しく申告し納税をしましょう。以下は確定申告や納税をしなかった場合のデメリットです。

確定申告をしないと罰則もある

確定申告をしないと、無申告加算税や延滞税、重加算税などのペナルティが科されます。これらの税率は非常に高く、青色申告特別控除の減額などもあり、よいことは一つもありません。以下はそれぞれの罰則の詳細です。

【確定申告・納税をしない場合の罰則】
無申告加算税申告期限が過ぎても申告しなかった場合
原則、納付すべき税額に対して50万円までは15%、50万円を超える部分は20%、300万円を超える場合は30%の割合を乗じて課される
延滞税所得税が定められた期限までに納付されない場合
無申告加算税に加え、延滞税もかかる
重加算税重加算税は税務署から調査を受けた際、悪質と判断された場合
無申告加算税等に代えて課される場合の重加算税の税率は40%

その他副業する際の税の疑問

副業には、所得税の確定申告以外にも、住民税や消費税が関わる場合があります。また、納税することで本業企業にバレるのではないかという疑問にもお答えします。

確定申告しなくていい金額でも住民税はかかる

副業所得が20万円以下の場合、特例として確定申告はしなくてもよいとされています。しかし、居住地域の市県民税にあたる住民税は、収入を得た場合、20万円以下でも申告しなければなりません。住民税の申告は、区役所や市役所など市区町村の役所で行います。ただし、確定申告を行っている場合は、そのデータをもとに市区町村が住民税を決定するため、住民税の申告は不要です。

副業によっては消費税の申告が必要な場合がある

適格請求書発行事業者は、消費税の納税が必要です。例えば、インボイス制度に対応している取引先と契約した場合や、自分が適格請求書発行事業者への登録申請を行っている場合、副業でも消費税を納める義務が生じます。確定申告をしなくていい所得金額でも、赤字でも、課税売上があれば消費税の納付が必要です。課税事業者である場合は、消費税分の余力を残す必要があるでしょう。

本業企業が副業禁止の場合バレる可能性がある

副業禁止の企業に勤めている場合、副業がバレる心配があるでしょう。その可能性があるのは、所得税の源泉徴収と住民税の月割税額が毎月の給与から差し引かれる際に、企業が支払う給与の税率よりも多い場合です。副業の住民税等を、別途自分で納税するように申請することで解消できます。確定申告や住民税の申告を正しく行い、バレる可能性を回避できる申請を講じれば安心です。

まとめ

副業で得た収入についても確定申告が必要な場合があります。納税だけでなく、節税対策や還付金を受け取るためにも重要です。申告や納税を行うためには、確定申告への理解が必要ですので、この記事を参考にしていただけると幸いです。

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確定申告の税額計算を分かりやすく解説|所得税の計算式・税率・控除 https://www.seraku.co.jp/tectec-note/freelance/recruit_taxamount_calculation/ https://www.seraku.co.jp/tectec-note/freelance/recruit_taxamount_calculation/#respond Mon, 03 Feb 2025 05:25:44 +0000 https://www.seraku.co.jp/tectec-note/?p=34300 はじめに
  • 確定申告の計算は納税者自身が行うため税率や各種控除の理解が必要
  • 確定申告は個人の収入から算出される税額を申告・納税する制度
  • 個人の税額は確定申告の手順に基づいて算出できる
  • 課税方法や各種控除の理解が負担の軽減につながる
  • 税制改正で基礎控除額が見直された点に注意が必要

確定申告で税額を計算するには、規定や要件の理解が不可欠です。そこで本稿では、確定申告における税額の計算手順を、主に所得税にフォーカスし、例示と合わせて解説します。

確定申告の期間と対象者

確定申告は個人事業主やフリーランス、給与年収が2,000万円を超える人などが対象です。その年の収入は1月1日から12月31日までを基準に、翌年の2月16日から3月15日までに申告と納税を行います。期日が土日祝日と重なる場合は翌平日が締め切りです。以下の表で、納税者区分ごとの申請方法と納税方法をまとめました。

納税者区分申告・納税方法
事業所得者確定申告
給与所得者(年収2,000万円以下)源泉徴収
給与所得者+事業所得
or
その他所得有
源泉徴収+確定申告

確定申告で税額を計算する

日本では申告納税制度が採用されており、納税者自身が確定申告で収入・所得・税額などを計算し、申告を行います。税額は、1年間に得た収入を基に確定申告を通じて算出しますが、この手順は複雑なため各種の税率や、控除方法の理解が不可欠です。

所得税の仕組み

所得税は、個人の所得に課税される税金です。年間の総収入から経費や所得控除を差し引いた、課税所得に基づいて算出されます。この仕組みについては以下の項目で、より詳しく見ていきましょう。

課税所得と課税方法

所得税が課税対象となる所得は、その性質により10種類に分類されます。また課税方法には、給与・事業・雑所得などをすべて合算して計算する総合課税、株式や不動産譲渡といった他の所得と合算せずに申告する申告分離課税、源泉徴収で納税が完結する源泉分離課税があります。これらの情報を以下の表にまとめました。

所得の種類と課税方法
種類概要課税方法
事業所得
(営業等・
農業)
商・工業や漁業、農業、自由職業などの自営業から生ずる所得総合
事業規模で行う、株式等を譲渡したことによる所得や先物取引に係る所得申告分離
不動産所得土地や建物、船舶や航空機などの貸付から生ずる所得総合
利子所得国外で支払われる預金等の利子などの所得総合
特定公社債の利子など(源泉徴収口座では原則申告不要だが、損益通算や繰越控除のために確定申告をする場合がある)申告分離
預貯金の利子などの所得源泉分離
配当所得法人から受ける剰余金の配当、公募株式等証券投資信託の収益の分配などの所得
※上場株式等の配当等について、申告分離課税を選択(※)したものを除く。
確定申告不要制度があります。
総合
上場株式等に係る配当等、公募株式等証券投資信託の収益の分配などで申告分離課税を選択(※)したものの所得申告分離
特定目的信託(私募のものに限る。)の社債的受益権の収益の分配などの所得源泉分離
給与所得俸給や給料、賃金、賞与、歳費などの所得総合
雑所得公的年金等国民年金、厚生年金、確定給付企業年金、確定拠出年金、恩給、一定の外国年金などの所得総合
業務原稿料、講演料、シルバー人材センターやシェアリングエコノミーなどの副収入による所得
その他生命保険の年金、暗号資産取引による所得など他の所得に当てはまらない所得総合
先物取引に係る所得申告分離
譲渡所得ゴルフ会員権や金地金、機械などを譲渡したことによる所得総合
土地や建物、借地権、株式等を譲渡したことによる所得
※株式等の譲渡については事業所得、雑所得となるものを除く。
申告分離
一時所得生命保険の一時金、賞金や懸賞当せん金などの所得総合
保険・共済期間が5年以下の一定の一時払養老保険や一時払損害保険の所得など源泉分離
山林所得所有期間が5年を超える山林(立木)を伐採して譲渡したことなどによる所得申告分離
退職所得退職金、一時恩給、確定給付企業年金法および確定拠出年金法による一時払の老齢給付金などの所得申告分離

※大口株主等が支払を受ける上場株式等の配当等については、申告分離課税を選択することはできませんのでご注意ください。

参考:国税庁|所得の種類と課税方法

所得税と源泉所得税の違い

所得税は年間を通じて得た総所得を基に計算され、納税者本人が申告・納税を行います。これに対し、源泉所得税は毎月の給与や報酬から天引き(徴収)されます。この仕組みが源泉徴収です。源泉所得税は年末調整で再計算され、必要に応じて追納または還付が行われます。申告と納税は支払側の企業が代行して行います。

所得税と税額の算出手順

所得税の計算は、まず所得金額を求めることから始めます。以下の項目では、収入金額から納税額(所得税・復興特別所得税)を求めるまでのステップを、5つの手順と計算例に分けて解説します。

所得と税額(所得税・復興特別所得税)の算出手順
  1. 所得金額=収入金額-経費
  2. 課税所得=所得金額-所得控除の合計額
  3. 所得税額=課税所得金額×税率-控除額
  4. 復興特別所得税額=所得税額×2.1%
  5. 申告納税額=所得税額+復興特別所得税額+申告分離課税額

※税額控除がある場合は手順3の計算後に差し引く
※源泉徴収税額がある場合は手順5で差し引く

参考:国税庁|所得税のしくみ

手順1.所得金額の算出

所得金額は、1年間に得た収入をすべて計算し、必要経費を差し引いた金額です。この金額は税率が適用される基礎となります。

・所得金額=収入金額―経費

手順2.課税所得の算出

課税所得の金額は、所得金額から基礎控除を含む各種所得控除の合計金額を差し引いて算出します。控除には所得控除と税額控除があり、所得控除は所得から差し引かれる控除で、税額控除は算出後の税金額から差し引かれる控除です。ここ(手順2)では所得控除の計算を行い、税額控除がある場合は次の手順(手順3)で計算します。なお、課税所得金額の千円未満の端数金額は切り捨てて算出します。

・課税所得=所得金額―所得控除の合計額

以下の表に所得控除の種類と基礎控除の金額をまとめました。

所得控除の種類
所得控除の名称概要
基礎控除納税者本人の合計所得額に応じて定められた金額が控除される(控除額の早見表は末尾に別添)
配偶者控除納税者に所得税法上の控除対象配偶者がいる場合に、納税者本人の合計所得金額および控除対象配偶者の年齢に応じて定められた金額が控除される
配偶者特別控除配偶者控除の適用がなく、納税者本人の合計所得金額が1,000万円以下、かつ配偶者の合計所得金額が58万円超133万円以下である場合、納税者本人の合計所得金額および配偶者の合計所得金額に応じて控除される
扶養控除納税者に所得税法上の控除対象扶養親族がいる場合、一定の金額の所得控除が受けられる
社会保険料控除納税者が自己または自己と生計を一にする配偶者やその他の親族の負担すべき社会保険料を支払った場合に、その支払った金額について所得控除を受けられる
小規模企業共済等掛金控除納税者が小規模企業共済法に規定された共済契約に基づく掛金等を支払った場合に、その支払った金額について所得控除が受けられる
生命保険料控除納税者が生命保険料、介護医療保険料および個人年金保険料を支払った場合には、一定の金額の所得控除を受けられる
地震保険料控除納税者が特定の損害保険契約等に係る地震等損害部分の保険料または掛金を支払った場合は、一定の金額の所得控除を受けられる
寡婦控除納税者自身が寡婦(夫と離婚または死別した後婚姻をしておらず扶養親族がいる)であるときは、一定の金額の所得控除を受けられる
ひとり親控除納税者がひとり親(婚姻していない・配偶者の生死不明・事実上婚姻関係を認められる人がいない)で生計を一にする子がいるときは、一定の金額の所得控除を受けられる
勤労学生控除納税者自身が勤労学生(就労による合計所得金額が85万円以下かつ他所得10万円以下)であるときは、一定の金額の所得控除を受けられる
障害者控除納税者自身、同一生計配偶者または扶養親族が所得税法上の障害者に当てはまる場合には、一定の金額の所得控除を受けられる。障害者控除は、扶養控除の適用がない16歳未満の扶養親族を有する場合においても適用
医療費控除その年の1月1日から12月31日までの間に自己または自己と生計を一にする配偶者やその他の親族のために医療費を支払った場合、その支払った医療費が一定額(10万円)を超えるときは、その医療費の額を基に計算される金額の所得控除を受けられる
寄附金控除納税者が国や地方公共団体、特定公益増進法人などに対し、「特定寄附金」(一定の条件を満たす寄附)を支出した場合に、所得控除を受けられる
雑損控除災害または盗難もしくは横領によって、「雑損控除の対象になる資産の要件」に当てはまる資産について損害を受けた場合に、一定の金額の所得控除を受けられる
特定親族特別控除※納税者に、生計を一にする年齢19歳以上23歳未満の親族等で、合計所得金額が一定金額以下の控除対象扶養親族に該当しない者がいる場合、一定の金額の所得控除が受けられる

※令和7年12月1日に施行され、令和7年分以降の年分について適用されます。

参考:国税庁|No.1100 所得控除のあらまし

基礎控除額の早見表
納税者本人の合計所得金額控除額
令和6年分令和7年分令和9年分
以前令和8年分以後
132万円以下48万円95万円95万円
132万円超336万円以下88万円58万円
336万円超489万円以下68万円
489万円超655万円以下63万円
655万円超2,350万円以下58万円
2,350万円超2,400万円以下48万円48万円
2,400万円超2,450万円以下32万円32万円32万円
2,450万円超2,500万円以下16万円16万円16万円
2,500万円超0円0円0円

引用:国税庁|No.1199 基礎控除

手順3.所得税額の算出

所得税の金額は、課税所得金額に応じて税率と控除額が定められており、所得に応じて段階的に上がる累進課税が適用されています。

・所得税額=課税所得金額×税率ー控除額(税率と控除額は下表を参照)

なお、税額控除がある場合は、算出後の所得税額から差し引きます。

所得税の税率と控除額
課税される所得金額税率控除額
1,000円から1,949,000円まで5%0円
1,950,000円から3,299,000円まで10%97,500円
3,300,000円から6,949,000円まで20%427,500円
6,950,000円から8,999,000円まで23%636,000円
9,000,000円から17,999,000円まで33%1,536,000円
18,000,000円から39,999,000円まで40%2,796,000円
40,000,000円以上45%4,796,000円

引用:国税庁|No.2260 所得税の税率

参考:国税庁|No.1200 税額控除

手順4.復興特別所得税額の算出

復興特別所得税は、所得税額に2.1%を掛けて算出します。復興特別所得税は東日本大震災からの復興に必要な財源の確保を目的として、平成23年に公布された「復興に必要な財源の確保を目的とする特別措置法(平成23年法律第117号)」に基づいて導入されました。

・復興特別所得税額=所得税額×2.1%(1円未満の端数は切り捨て)

手順5.申告納税額の算出

実際に納付する申告納税額の算出は、所得税額と復興特別所得税額の合計金額です。また、申告分離課税制度(土地・建物や株式の譲渡益、山林所得など)による納税額がある場合はここで合算し、源泉徴収された納税額は差し引きます。

・申告納税額=所得税額+復興特別所得税額+申告分離課税額

計算例

この項目では、これまでに解説した手順1~5に基づいて、納税額(所得税・復興特別所得税)算出の具体例を示します。なお例示する人物はフリーランスで、収入金額を12,628,400円と仮定しています。また経費・その他の所得控除合計・源泉徴収税額も仮定の金額となるため、末尾に仮定である旨を付記しました。税率は令和7・8年分で計算しています。

令和7・8年分 申告納税額(所得税・復興特別所得税)の計算例
  • ①所得金額の算出
    収入金額:12,628,400円(仮定)
    経費:6,728,500円(仮定)
    12,628,400円-6,728,500円=5,899,900円

    ②課税所得の算出
    基礎控除額:630,000円(所得額489万円超655万円以下・令和7・8年分基準)
    その他の所得控除合計:2,216,320円(仮定)
    課税所得=5,899,900円-630,000円-2,216,320円=3,053,580円
    千円未満の端数は切り捨て:3,053,000円

    ③所得税額の算出
    課税所得金額:3,053,000円
    税率:10%
    控除額:97,500円
    所得税額=3,053,000円×0.1-97,500円=207,800円
    税額控除がある場合は算出後の所得税額から差し引く(例では0円と仮定)

    ④復興特別所得税額の算出
    所得税額:207,800円
    復興特別所得税率:2.1%
    復興特別所得税額=207,800円×0.021=4,363円(1円未満の端数は切り捨て)

    ⑤申告納税額の算出
    所得税額:207,800円
    復興特別所得税額:4,363円
    源泉徴収税額:0円(仮定)
    申告納税額=207,800円+4,363円=212,163円

    申告納税額(所得税・復興特別所得税)は212,163円

    ※この計算例は仮定に基づいており、実際の納税額は個々の状況により異なる場合があります

このような収入の申告漏れに注意

所得の中には課税対象になる所得と、非課税となる所得があります。誤った申告は追徴税の対象となる可能性があるため、正しく理解して、申告漏れがないように注意しましょう。

課税対象の所得

以下の表に記載される10種類の所得は課税対象の所得です。確定申告や源泉徴収・年末調整などにより、適切な申告と納税が求められます。

課税対象になる所得
所得の種類具体例
給与所得従業員や役員等が支払を受ける俸給・給料・賃金・歳費・賞与のほか、これらの性質を有する給与
退職所得・勤務先から受け取る退職手当や社会保険制度による一時金
・生命保険会社等から受け取る退職一時金
事業所得農業・漁業・製造業・小売業・卸売業・サービス業、その他の事業で得る所得
不動産所得・土地や建物などの不動産の貸付や船舶や航空機の貸付
・地上権などの不動産上に在する権利の設定と貸付
山林所得山林を伐採または立木のままで譲渡することで得る所得
※取得から5年以内に伐採または譲渡した場合は事業所得か雑所得になる
利子所得預貯金および公社債の利子ならびに合同運用信託、公社債投資信託および公募公社債等運用投資信託の収益の分配に係る所得
配当所得株主や出資者が法人から受ける剰余金や利益の配当、剰余金の分配、基金利息、投資法人からの金銭の分配または投資信託および特定受益証券発行信託の収益の分配などに係る所得
譲渡所得土地・建物・株式等・ゴルフ会員権・金地金などの資産を譲渡することによって生ずる所得
一時所得・懸賞や宝くじなどの賞金品・競馬や競輪の払戻金
・生命保険の一時金や損害保険の満期返戻金
・法人から贈与された金品
・遺失物拾得者や埋蔵物発見者が受ける報労金
・資産の移転等の費用に充てるため受けた交付金のうち、その目的に充てられなかった分
雑所得上記9種類に当てはまらない所得
公的年金等、非営業用貸金の利子、副業に係る所得(原稿料やシェアリングエコノミーに係る所得など) 

参考:国税庁|No.2011 課税される所得と非課税所得

非課税対象の所得

非課税対象の所得は、定められた条件下の利子や配当・業務遂行にあたって必要な経費・生活の中で生じた損害に対する保障や、扶養や子育てに関わる助成金や給付金などが対象になります。目的や条件によって非課税にならないものとの確認が必要です。以下の表は非課税対象の所得とその具体例の一覧です。

非課税所得
所得具体例
利子・配当所得
関連
・勤労者財産形成(住宅・年金)貯蓄の利子
・小額投資非課税制度に係る配当(NISAなど)
・納税準備預金の利子
・オープン型証券投資信託の特別分配金
給与所得・
公的年金関連
・傷病や遺族などが受け取る恩給・年金
・給与所得者に支給される一定の出張費・限度額内の通勤手当・業務上必要な現物給与
・国外勤務する人が受ける一定の在外手当
譲渡所得・
山林所得関連
・生活に通常必要な動産の譲渡による所得
・小額投資非課税制度に係る譲渡所得(NISAなど)
・国や地方公共団体等に財産を寄付した場合の譲渡所得など
その他・学資金と扶養義務の履行のために受け取る金品
・国または地方公共団体が提供する保育・子育て助成事業により、施設・サービスの利用に充てるために給付される金品
・相続・遺贈または個人からの贈与により取得するもの
・心身や資産に加えられた損害に対して得る保険金や損害賠償金・慰謝料
・都道府県や市区町村から支払われる一定の給付金

参考:国税庁|No.2011 課税される所得と非課税所得

年収がいくらだと所得税がかかる?

この項目では、1年間にどれくらいの収入を得たら所得税が課税されるのかを見ていきます。扶養になっている学生や主婦・高齢の親族や、少額の事業所得のある方はぜひ参考にしてください。

会社員やパート・アルバイトの場合(給与所得者)

2026年1月現在、給与所得者の収入が160万円以下で他に所得がなければ、所得税は生じません。この金額は令和7年分より適用されます。2025年(令和7年)12月1日施行の税制改正により、基礎控除が大幅に見直されたことで実現しました。

参考:国税庁|家族と税

個人事業主やフリーランスなどの場合(事業所得者)

事業所得者の場合は、事業年収から必要経費を差し引いた所得金額が、基礎控除の引き上げにより95万円以下であれば所得税は生じません。

また、主職で年末調整を行ったほかに、副業による少額の事業所得がある場合、所得金額が20万円を超えると確定申告が必要となり所得税が生じます。

参考:国税庁|No.1199 基礎控除

所得税の節税対策

所得税を効果的に節税するための方法を紹介します。これらの対策を適切に利用することで、税負担を軽減できます。

所得控除を利用する

所得控除にはさまざまな種類があり、同一生計の家族等が対象になる場合もあります。申請の際は対象者や必要書類などを確認し、利用可能な控除は漏れなく受けるようにしましょう。また給与所得者の医療費控除や住宅控除・雑損控除などは、必要書類の入手に時間がかかることもあるため、申請に注意が必要です。

参考:国税庁|No.1100 所得控除のあらまし

青色申告を利用する

青色申告は事業所得、不動産所得、山林所得等のある方を対象にした申告制度です。納税地の税務署長の認可を受け、複式簿記の採用や優良な電子帳簿の保存、またはeーTaxによる申告で、最大65万円の特別控除を受けられます。ほかにも事業損失(赤字)の繰越計上など、節税対策に効果的な施策があります。

参考:国税庁|No.2070 青色申告制度

経費を漏れなく申告する

所得の種類に応じて差し引ける経費は異なります。事業所得者は、事業に必要な経費を正確に申告することが重要です。事業に必要な備品(パソコンやコピー機など)によっては、一括で経費を計上できる場合(青色申告)と、分割計上する場合があります。購入したものやリース契約・自宅兼事務所の光熱費の分割など、細かい経費でも申告漏れをなくすことで、税負担の軽減につながります。

参考:国税庁|所得の種類・収入・必要経費の範囲等

iDeCoに加入する

iDeCo(個人型確定拠出年金)とは、公的年金に上乗せして任意に加入できる私的年金制度です。確定拠出年金の掛金が全額控除対象になり、課税所得金額から差し引かれ、税金が軽減されます。また、受け取り時は、公的年金等控除または退職所得控除の対象となるため、将来の資産形成と節税が同時に行えます。

参考:iDeCo(イデコ・個人型確定拠出年金)【公式】|よくあるご質問

小規模企業共済等を利用する

小規模企業共済は、小規模企業の経営者や役員、個人事業主などが加入できる共済制度です。掛金が全額所得控除の対象となるため、節税効果があります。また、退職や廃業したときに積立金額に応じた退職金を受け取ることができ、受け取り時には退職所得控除または公的年金等控除の対象となるため、税制メリットもあります。

参考:国税庁|No.1135 小規模企業共済等掛金控除 

まとめ

確定申告を通じて行う所得税の税額計算は複雑なため、税率や控除の理解が不可欠です。特に昨年の税制改正では基礎控除の大幅な見直しが行われ、課税金額も見直されました。

今回は所得税の計算について網羅的に解説しましたので、情報量が多く面倒に思われる方もいると思います。しかし基本を押さえて、ケースに応じた控除を漏れなく申請すれば、確定申告で税額を抑えることも可能です。本稿が複雑な計算を理解する一助になることを願っています。

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【初心者必見】確定申告書の作成方法|必要書類から提出手順まで完全ガイド https://www.seraku.co.jp/tectec-note/freelance/recruit-kakuteishinkoku-method/ https://www.seraku.co.jp/tectec-note/freelance/recruit-kakuteishinkoku-method/#respond Mon, 03 Feb 2025 05:25:36 +0000 https://www.seraku.co.jp/tectec-note/?p=34375 はじめに
  • 確定申告書は、年間の所得と税金の計算を報告するために税務署に提出する公式な文書である
  • 確定申告書の作成方法は、手書きのほかに、確定申告書作成コーナー・会計ソフト・e-Taxの利用がある
  • 確定申告に必要な書類は、納税者の状況に応じて異なる
  • 確定申告書には、収入金額、所得金額、控除額、税金の計算など、複数の重要な内容がある
  • 確定申告書の提出は、直接税務署に持参・郵送・e-Taxの利用等がある

確定申告は、1年間に得た収入と支出を正確に申告し、適切な税金を納付する重要な手続きです。
確定申告書の作成は煩雑で時間と労力が必要になります。この記事では、作成方法から必要書類、提出手順までを初心者にもわかりやすく解説します。

確定申告とは

確定申告書とは、確定申告の際に収入額や控除額、算出した税額等を記載して税務署に申告・納税するための公式な文書です。これに帳票類や領収書等を添付して確定申告を行います。e-Tax等の電子申告では添付不要な帳票類もあります。
確定申告書を作成するためには、各種帳票類の整理や、項目ごとの合計金額の算出が必要です。

確定申告書作成と選び方

確定申告書を作成する方法はいくつかあり、自分の状況に最適な方法を選ぶことが、効率的かつ正確な申告につながります。それぞれの特徴と選ぶ際のポイントを紹介します。

「確定申告書作成コーナー」を利用する

国税庁のオンラインサービス「確定申告書作成コーナー」は、ガイダンスに従って必要情報を入力すると、自動で税額を計算できるシステムです。無料で利用でき、納税者の状況に合わせて、医療費や配当等の集計フォームや必要な帳票類の解説もあります。入力途中でデータの保存・再開ができるので、初心者も安心して利用できます。

参考:国税庁|確定申告書等作成コーナー

手書き確定申告書を利用する

最寄りの税務署等から、確定申告書を取り寄せて作成します。
手書きの確定申告は、すべての情報を自分で計算し記入するため、自分の財務状況を細かく把握できることが利点です。ただし、計算ミスに注意したり添付書類を貼り付けたりが必要で、提出も郵送や持参など労力は大きいといえます。

会計ソフトを利用する

会計ソフトにも多くの種類があり、日々の入力から確定申告書の作成までを総合的に網羅したものもあります。電子帳票の保存が有効になったため、会計ソフトの利用で確定申告の効率化を図れるようになりました。また、会計ソフトによっては、e-Taxと連動できるものもあるため、効率的に確定申告書の作成から申告までを行うことができます。

電子申告(e-Tax)を利用する

電子申告(e-Tax)は、申告書の作成から送信、申告・納税・還付金の状況確認まで、一連の手続きを行うことができるシステムです。24時間利用できスマートフォンでも入力が可能なうえ、提出を省ける書類もあるなど、申告の負担を軽減してくれます。ただし、申告の内容(所得税・消費税・贈与税)によっては「確定申告作成コーナー」の利用が必要です。

e-Tax 5つのメリット
  1. 自宅から利用可能
  2. 24時間利用可能
  3. 申告書がデータで取得可能
  4. 添付書類(一部を除く)提出不要
  5. 早期還付(3週間程度で還付)

引用:国税庁|令和7年分確定申告特集 スマホとマイナンバーカードでe-Tax!
参考:国税庁|e-Tax 国税電子申告・納税システム「個人でご利用の方」

確定申告に必要な書類

確定申告の際に準備すべき書類は、納税者の状況に応じて異なります。事前に必要書類を確認し、準備することが重要です。

確定申告に共通して必要な書類

すべての納税者に共通して準備する必要のある書類は以下の通りです。マイナンバーカードがあれば本人確認が完了できます。令和3年4月1日以後に提出する税務関係書類について、 押印は不要になりました。

【確定申告に必要な書類(共通)】

確定申告書所得金額・控除額・税額等を記載したもの
本人確認書類マイナンバーカード、または、以下の①②から1点ずつ
① 通知カード、個人番号が記載された住民票
② 運転免許証、健康保険証、パスポート 等
所得金額がわかるもの・事業所得の内訳を記載した収支内訳書等
・株の取引による年間取引計算書
・その他、収入を証明する書類
各種控除申請に
必要な書類
各種控除ごとに必要な書類
(ただし、年末調整で申告済の書類は添付不要)
銀行口座のわかるもの預金通帳やカード等(還付金受取りの窓口となる口座)

個人事業主やフリーランスなど事業所得者が確定申告する場合

事業所得を確定申告する場合は、青色申告と白色申告の2つの方法があります。それぞれの必要書類を解説します。

青色申告の場合

青色申告をするためには、年末に貸借対照表と損益計算書を作成できるような正規の簿記による記帳が原則となり、付随する帳票の準備が必要です。帳票の保存も原則7年間となります。
また、最大65万円の特別控除を受けるためには、電子帳簿の保存またはe-Taxによる申告が必要です。

【青色申告する場合の必要書類】

特別控除55万円
(最大65万円)
10万円控除
提出書類・確定申告書
・貸借対照表
・青色申告決算書
・損益計算書
・第三表(分離課税用、事業所得に加え譲渡所得がある場合など)
・第四表(損失申告用、赤字の場合)
・確定申告書
・損益計算書
・青色申告決算書
・第三表(分離課税用、事業所得に加え譲渡所得がある場合など)
・第四表(損失申告用、赤字の場合)
保存が必要な書類 ・総勘定元帳
・買掛帳
・仕訳帳
・固定資産台帳
・現金出納帳
・決算時棚卸表
・売掛帳
・現金出納帳
・固定資産台帳
・売掛帳
・経費帳
・買掛帳
・決算時棚卸表

白色申告の場合

白色申告は、簡易な書類で手続きできるメリットがあります。確定申告書のほかに、収入金額や経費のわかる書類と、控除等に関する書類が必要です。

【白色申告する場合の必要書類】

提出書類保存が必要な種類
・確定申告書
・収支報告書
・法定帳簿:収入金額や経費などに関するもの
・任意帳簿:業務に関するもの

会社員等給与所得者が確定申告する場合

会社員・アルバイト・パートなど給与所得が確定申告をする場合は限られます。年末調整で源泉徴収された源泉所得税の精算が完了するためです。しかし、以下のような場合は確定申告が必要になります。

給与所得者が確定申告する必要がある場合
・給与収入が2,000万円を超える
・副業や株式売買で20万円を超える所得がある
・2か所以上から給与を受け取り、年末調整を受けていない所得が20万円を超える
・年末調整で受けられない控除がある
(医療費控除・寄附金控除・雑損控除・住宅ローン初年度等)

確定申告する要件によって必要書類は異なりますが、基本は以下の通りです。
源泉徴収票の添付は不要です。しかし、源泉徴収票に記載の金額を記入する必要がありますので、源泉徴収票を保管しておきましょう。

給与所得者が確定申告する場合の必要必要書類
  1. 確定申告書
  2. 本人確認書類:マイナンバーカード等
  3. 銀行口座がわかるもの
  4. 所得額がわかるもの:源泉徴収票の添付は不要
  5. 各種控除証明書や領収書等

年金受給者が確定申告する場合

年金受給者で、年金収入が400万円を超えたり年金収入以外に所得が20万円を超えたりした場合や、控除申請をする場合は確定申告が必要になります。それぞれの必要書類は以下の通りです。

年金受給者が確定申告する場合の必要書類
控除を申請する場合・確定申告書
・本人確認書類:マイナンバーカード等
・各種控除に必要な書類や領収書
公的年金以外の
収入がある場合
・確定申告書
・本人確認書類:マイナンバーカード等
・所得がわかる書類

確定申告書の作成方法

確定申告書の作成方法と手順を、作成の種類別に解説します。

1)必要書類の準備

最初に必要書類の準備です。正確な収入を把握し、経費や控除を漏れなく申告することで、適切な納税と税負担の軽減が可能になります。たとえば、この経費は計上可能か、一括計上か分割計上か、限度額が設けられているかなどを確認しながら進める作業は労力が必要です。しかし、これを怠ると、納税額に大きな違いが生じる可能性があります。
そのため、日ごろから、以下の準備をしておくことが大切です。

  • 日々の金銭出納や経費に関する書類の整理と、合計金額の算出
  • 株式の売買や配当、株式や土地の譲渡に関する収益や損失を証明する書類の準備と、合計金額の算出
  • 各種控除の申請に係る書類(証明書や領収書等)の準備と、合計金額の算出など

2)「確定申告書作成コーナー」利用の場合

パソコンやスマートフォンから「確定申告書作成コーナー」にアクセスします。確定申告書作成フローは以下の通りです。(はじめて利用する場合の例です)

(1)「作成開始」をタップ

(2)税務署への提出方法を選択(どれかを選択する)

  • e-Tax(マイナンバーカード方式):

    マイナンバーカードを読み取る(読み取り機能付きスマートフォンまたはICカードリーダーを利用)

  • e-Tax (ID・パスワード方式):

    税務署で発行したID「利用者識別番号」・パスワード「暗証番号」を利用する

  • 書面方式:

    印刷した確定申告書を郵送または税務署へ持参する

(3)収入・控除等を入力
作成する申告書等を選択して、該当する収入や所得、所得控除・税額控除等の各項目を、画面の案内に従って入力します。

(4)その他情報の入力
「住民税等に関する事項」「計算結果の確認」「基本情報の入力」「マイナンバーの入力」等、遷移する各画面の案内に従って入力・確認を行います。

(5)申告内容の確認
「帳票表示・印刷」より確認できます。印刷することで申告書の全体像を確認しやすいメリットがあります。

(6)確定申告書の提出
作成した申告書を、e-Taxまたは郵送・持参で提出することができます。

【e-Taxで送信する場合】
e-Taxを利用して、申告書を送信する方法です。

<署名用の電子証明書とは>

マイナンバーカードには、発行時にご自身で設定した、利用者証明用電子証明書(パスワード:数字4桁)と、署名用電子証明書(パスワード:英数字6~16文字)の2種類があります。申告書等を送信するために署名用電子証明書が必要です。忘れたときや有効期限については、以下を確認ください。

参考:国税庁|令和7年分確定申告特集 スマホとマイナンバーカードでe-Tax!

【持参・郵送する場合】
印刷した確定申告書を、管轄する税務署の窓口や、確定申告の時期に開設される特設会場に持参する方法です。大変混雑しますが、直接担当者に不明点などの相談や記載ミスの確認ができるメリットもあります。

(7)確定申告書の控えを保存
「申告内容の確認」画面でダウンロードした確定申告書の控えを、確認後「次へ」と進むとPDF画像が表示されるので、任意のファイル保管アプリに保存することができます。

引用:国税庁|令和7年確定特集作成コーナーの操作要領等
参考:国税庁|確定申告書等作成コーナー「ご利用ガイド」

3)手書きで作成する場合

取り寄せる確定申告書は、基本は第一表と第二表の2枚です。青色申告をする場合に、分離課税に係る譲渡等がある場合は第三表を、損失(赤字)等を申告する場合は第四表が必要です。
1年間に得たすべての収入と法令に則って算出した各種控除金額から申告納税額まで、すべての金額を正確に計算し適切な場所に記入する必要があります。詳細は以下「確定申告書に記載する内容」で解説します。
提出方法は、管轄する税務署窓口や確定申告特設会場への持参、もしくは、管轄する税務署への郵送になります。

4)その他システムを利用する場合

確定申告書の提出までのプロセスをサポートするツールを紹介します。

(1)e-Tax(Web版)
確定申告だけでなく、源泉所得税・法定調書の提出・納税関係・納税証明関係の申請や届出など各種手続きを行うことができます。
また、マイナポータルと連携することで、給与所得の源泉徴収票や控除証明書等のデータを一括取得し、確定申告書の該当項目へ自動入力することも可能です。

(2)QRコード付き証明書作成システム
保険料や寄附金等の電子的控除証明書を、確定申告や年末調整時に提出するQRコード付控除証明書等の作成が可能です。

参考:国税庁|e-Tax 国税電子申告・納税システム

確定申告書に記載する内容

確定申告書には、収入金額、所得金額、控除額、税金の計算など、複数の重要な情報が記載されます。これらの情報はすべて正確でなければなりません。それぞれの項目ごとに解説します。

引用:国税庁|確定申告書等の様式・手引き等

収入金額等

事業収入・給与収入・不動産収入・配当・公的年金等の雑収入・譲渡収入・一時収入など、納税者が1年間に得たすべての収入を、あてはまる項目に記載します。

所得金額等

収入金額から必要経費を差し引いた金額を記載します。給与所得者は給与所得控除を差し引いた金額です。この欄の合計が所得となり、この金額に基づいて税額が計算されます。

所得から差し引かれる金額

この項目は各種税額控除や特別控除の金額を記載します。各種控除ごとの定めに従って算出した控除額を記載します。給与所得者は給与所得控除額と基礎控除、事業所得者は基礎控除が対象です。

税金の計算

所得から控除合計を差し引いた課税所得金額に応じて、定められた税率を掛けて算出した税額を記載します。税額に応じた控除額・予定納税や源泉徴収された納税済の金額・減免される税額や復興特別所得税額等、それぞれ算出した合計金額も記載しましょう。それぞれを足し引きされた金額が申告納税額になります。

その他の金額

その他には、公的年金以外の所得が20万円を超える場合や、配偶者控除を受ける配偶者の所得金額、青色申告特別控除額等の特定の状況に応じた金額を記載します。なお、追加料金や罰金などが含まれる場合があります。

【確定申告書作成Q&A】

Q1:e-Taxで申告しようとしたら、マイナンバーカードや電子証明書の期限が切れていた。
A:マイナンバーカードや電子証明書は、有効期限の2~3か月前を目途にお知らせ(有効期限通知書)が送付されます。マイナンバーカードはスマートフォン等で更新申請が可能です。電子証明書は住民登録のある市区町村の窓口で更新できます。
参考:デジタル庁|マイナンバーカードの更新手続(4つの方法)

Q2:本業と副業のアルバイト先、両方で年末調整を行った。
A:2か所以上で年末調整を行った場合、所得税を払いすぎている場合があります。それぞれの源泉徴収票記載の納税額をまとめて確定申告することで、還付金が受け取れる可能性があります。

Q3:確定申告期間を過ぎてから、計算ミスに気づいた。
A:速やかに更正の請求や修正申告をしましょう。確定申告書等作成コーナーの「更正の請求書・修正申告書作成コーナー」で、画面の案内に従って金額等を入力することで、更正の請求書や修正申告書が作成できます。税額の過少申告の場合、税務調査後になると過少申告加算税等の罰則がかせられる可能性があるため、早めの対応が必要です。
参考:国税庁|No.2026 確定申告を間違えたとき

まとめ

確定申告書の作成は前準備が重要です。必要書類を用意して、それぞれの条件に従って金額を算出した総まとめが確定申告書になります。本記事を参考に、確定申告書の作成と提出方法についてご理解頂ければ幸いです。

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【初心者必見】確定申告とは?対象者・やり方などをわかりやすく解説 https://www.seraku.co.jp/tectec-note/freelance/recruit_taxreturn/ https://www.seraku.co.jp/tectec-note/freelance/recruit_taxreturn/#respond Mon, 03 Feb 2025 05:25:26 +0000 https://www.seraku.co.jp/tectec-note/?p=34230 はじめに
  • 確定申告は、個人が一定期間内の収入や支出を報告し、正確な税額を計算して納税する手続き
  • 申告納税制度を採用しているため、収入を得た本人が自ら申告する
  • 確定申告と年末調整はいずれも税金の計算と納付を目的とし、確定申告は個人が行い、年末調整は雇用企業が行う
  • 確定申告には、青色申告と白色申告があり、控除内容や提出書類の形式が異なる
  • 確定申告でしか受けられない控除もあり、還付金の受け取りや節税対策ができる

確定申告は、会社員には関わることが少ないと思われがちですが、医療費控除や住宅ローン控除・退職金など確定申告でしか申請できない項目もあります。事業主だけでなく、普段から確定申告に慣れていない会社員の方々にもわかりやすいように、確定申告の概要と手続きについて解説します。

確定申告とは

確定申告とは、申告書を提出する前年の1月1日から12月31日までの1年間に得た収入を自分で集計し、それに基づいて税額を計算し申告する手続きです。勤め先で年末調整を受けている人や、1年間の所得が一定額以下で申告義務がない人を除いて、収入のあるすべての人が確定申告を行う必要があります。

確定申告が必要な理由

日本では所得税法に基づき申告納税制度を採用しているため、収入を得た本人自身で申告する必要があります。納税は国民の義務であり、一人ひとりが正しく納税することが求められています。また、市県民税(住民税)は、年末調整や確定申告で算出された所得金額を基準に算出されるため、正しい年末調整や確定申告が必要です。

さらに確定申告をすることで、払いすぎた税金が返ってくることがあります。医療費控除・寄附金控除を受けたい場合も、申請が必要ですので、確定申告を忘れずに行いましょう。

確定申告の期間

確定申告は、その年の1月1日から12月31日までの収入について、翌年の2月16日から3月15日までの期間に申告と納税を行います。開始日や終了日が土日や祝日の場合は、翌平日に変更されます。

2027年の確定申告期間は、2027年2月16日(火)から3月15日(月)までです。この期間内に、2026年分(令和8年分)の所得税を申告しましょう。もし期間内に納付が困難な場合は猶予制度もあるため、税務署に相談することをおすすめします。

確定申告の基本:収入と所得とは

確定申告では「収入」と「所得」を正しく理解することが重要です。

  • 収入:1年間に受け取った現金や経済的価値のある権利や物のこと

    (給与所得者は給与・賞与など)

  • 所得:収入から経費を引いた金額のこと

    (給与所得者は給与所得控除を引いた金額)

所得税の対象となるのは、この「所得」になります。

確定申告が必要なのにしないとペナルティがある

申告期限をすぎると、本来の税金(本税)に加えて無申告加算税や延滞税が科されます。

とくに延滞税は、最大で税額の8.7%(2026年時点で)と非常に重いので注意が必要です。

参考:国税庁|納税に関する総合案内

確定申告と年末調整の違い

確定申告と年末調整は、どちらも所得税の計算と納税を目的としていますが、実施する担当者や控除内容が異なります。

年末調整は雇用企業が実施

年末調整は、雇用企業から給与を支給されている会社員・アルバイトやパート従業員に代わって雇用企業側が実施します。毎年11月~12月頃に必要書類を雇用企業に提出することで、本来納めるべき所得税の計算が行われ、毎月源泉徴収された所得税額の合計と比較し、還付もしくは徴収が行われます。

確定申告年末調整
実施者納税者本人給与支給企業(雇用主)
対象者収入のあるすべての国民給与所得者
対象所得その年の1月1日~12月31日の間に発生した所得その年の1月1日~12月31日の間に発生した給与所得
申告期間翌年の2月16日から3月15日給与所得者は、その年の11月~12月頃、必要書類を企業に提出
(企業は翌年1月31日までに税務署に申告書を提出)
対象控除全ての控除以下4つ以外の控除
1.医療費控除
2.雑損控除
3.寄附金控除
4.初年度の住宅ローン控除
  • 年末調整で控除できる内容

    基礎控除・配偶者控除・配偶者特別控除・扶養控除・生命保険料控除・地震保険料控除・小規模企業共済等掛金控除・社会保険料控除・障害者控除・寡婦控除・ひとり親控除・勤労学生控除

  • ※上記以外の控除は、確定申告が必要

確定申告の種類

確定申告には、「青色申告」と「白色申告」の2つの方法があり、それぞれ異なる特徴とメリットがあります。継続的に事業を営んでいるなら青色申告が、経理に不慣れだったり一時的に確定申告が必要になったりした場合は、簡単に申告できる白色申告がおすすめです。

青色申告

青色申告は、事業所得、不動産所得、山林所得等のある方が対象です。青色申告を行うことで、最大65万円の特別控除を受けられるほか、以下表のように多くの税法上のメリットがあります。青色申告を行うための手続きは、規定日までに「所得税の青色申告承認申請書」を納税地の税務署長宛に提出し認可を受けます。

提出方法は税務署へ直接持参、郵送、電子申告(e-Tax)があり、複式簿記による帳簿作成、優良な電子帳簿の保存もしくはe-Taxによる申告で、最大65万円の特別控除を受けることが可能です。

簡易な帳簿記載では、10万円の青色申告特別控除のみ適応されます。

参考:国税庁|はじめてみませんか︖青色申告

青色申告で受けられる控除・節税対策
  • 最大65万円の青色申告特別控除が受けられる
  • 最大3年の事業損失(赤字)の繰越ができる
  • 減価償却費の特例が使える
  • 貸倒引当金の計上ができる
  • 青色事業専従者給与を計上できる

引用:国税庁|65 万円の青色申告特別控除

白色申告

白色申告は、会計の知識が少なく経理に不慣れな方や一時的に申告が必要な場合に適しています。
青色申告のように特別控除はありませんが、簡単な帳票作成(単式簿記)で対応できることがメリットです。

1年間に生じた収入と必要経費など日々の取引の概要を記帳し、確定申告書と仕訳内訳書等の提出で申告が可能です。

  • 記帳内容

    売上などの収入金額・仕入や経費に関する金額・取引の年月日・売上先や仕入先・相手方の名称等がわかるもの

参考:国税庁|No.2080 白色申告者の記帳・帳簿等保存制度

確定申告が必要な人

確定申告は特定の条件を満たす人が行う必要があります。年収や所得の額によって申告義務が発生するため、以下のケースに当てはまる人は注意が必要です。

年収2,000万以上の会社員

法律により、年収が2,000万円を超える会社員は確定申告が必要です。この理由の一つとして、給与所得や役員報酬のほかに、資産からの収入など多方面にわたる収入を含む可能性があり、年末調整だけでは税額が正確に計算されないことがあげられます。

参考:国税庁|No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人

年末調整をした他に副業で20万円以上の所得金額がある

主職の年末調整のみではカバーできない副業の所得金額が年間20万円を超える場合は確定申告が必要です。確定申告の際に、源泉徴収票の内容を転記する必要があるため保管しておきましょう。

個人事業主やフリーランスで所得が95万円を超える

所得が95万円を超える個人事業主やフリーランスは確定申告を行う必要があります。反対に、所得が95万円以下であれば、基礎控除の95万円(令和7年法改正により)を差し引くだけで課税される所得金額がゼロになり、確定申告は必要ありません。
※基礎控除額95万円の適用年度は2026年度以降の申告分です。

参考:国税庁|所得税のしくみ
参考:国税庁|No.1199 基礎控除

年金収入が400万円を超える

年金収入が400万円を超える場合、公的年金等の雑所得の金額から、その他の所得控除を差し引いても所得が残るため確定申告が必要となります。

参考:国税庁|確定申告が必要な方

年金収入以外に20万円を超える所得がある

年金受給者で、年金収入以外に給与を2か所以上から受けており、給与のすべてが源泉徴収の対象となっている人が対象です。さらに年末調整されなかった給与の収入金額と、各種の所得金額(給与所得、退職所得を除く)の合計額が20万円を超える場合も、確定申告が必要になります。年金所得者に係る確定申告不要制度の適用外になるためです。

参考:国税庁|No.2020 確定申告
参考:政府広報オンライン|ご存じですか?年金受給者の確定申告不要制度

確定申告をした方がよい人(還付金を受けとれる)

確定申告は、適切に行うことで税金の還付を受けられる場合があります。とくに以下のような状況の人は、申告を検討する価値があります。

確定申告をすることで還付・減税が受けられる
  • 経常利益が赤字になった事業主
  • 医療費が10万円を超えた(医療費控除)
  • 住宅ローンを契約した(住宅借入金等特別控除)
  • 災害や事故・泥棒などで資産に損害があった(雑損控除)
  • 年の途中で退職した
  • ふるさと納税等寄附をした

経常利益が赤字の事業主

赤字の事業主は、確定申告をすることで事業を継続していること、売上があることの証明になります。さらに、青色申告では、3年間にわたり赤字の繰越計上ができ、将来の利益との相殺が可能です。これにより税負担の軽減がはかれます。

医療費控除を受ける人

年間の医療費が10万円を超える場合、医療費控除を利用して還付を受けられます。これには、実際に支払った医療費から保険金等で補填された金額と10万円(所得金額200万円未満の場合は所得金額の5%)を差し引いた額が対象となります。
領収書など医療費や薬剤費を証明できる書類は5年間の保管が必要です。

  • 医療費控除額 = 実際に支払った医療費の合計 - 保険金などで受け取った金額 - 10万円

参考:国税庁|No.1120 医療費を支払ったとき(医療費控除)

医療費控除の適応要件
1. 納税者が、自己または自己と生計を一にする配偶者やその他の親族のために支払った医療費であること。
2. その年の1月1日から12月31日の間に支払われたものであること。(未払いの医療費は現実に支払った年の控除対象となります)
3. その年に支払った医療費が10万円(総所得金額が200万円未満の人は総所得金額等の5%)を超えること

【セルフメディケーション税制】
医療費控除の特例として、セルフメディケーション税制があります。令和8年12月31日までの間に、健康の保持増進や疾病の予防のために支払った、特定一般用医薬品購入費に適応されます。購入金額合計のうち12,000円を超える金額(最高88,000円まで)を、控除額としての適応を受けられます。医療費控除との併用はできません。

参考:国税庁|セルフメディケーション税制とは

住宅ローンを契約した初年度の人

住宅ローンを契約した場合、初年度に限り確定申告によって住宅控除を受けられます。新築・増改築・バリアフリー化など施工内容によって適用条件が異なります。2年目以降は、「年末調整のための住宅借入金等特別控除証明書 兼 給与所得者の住宅借入金等特別控除申告書」と「住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書」を勤務先に提出することで控除の継続が可能です。

参考:国税庁|住宅ローン控除を受ける方へ

災害・事故等で資産を喪失した人

災害や事故・泥棒などの被害にあった場合は、確定申告によって雑損控除または災害減免法の適用を受けられます。どちらか有利な方法を選ぶことによって、所得税の全部または一部を軽減することができます。また、期限までに納付ができない場合には期限の延長を申し出ることもできるので、税務署に相談してみましょう。

参考:国税庁|災害関連情報

年度途中で退職した人

年度途中で退職し、その後の収入がない場合、過剰に徴収された税金の還付を受けるために確定申告が必要です。しかし、退職時に「退職所得の受給に関する申告書」を提出することで、退職所得の金額に応じた所得税の額が源泉徴収されるため、基本的に確定申告は不要になります。

参考:国税庁|A2-29 退職所得の受給に関する申告(退職所得申告)
参考:国税庁|No.1420 退職金を受け取ったとき(退職所得)

ふるさと納税等寄附を行った人

ふるさと納税は地方公共団体への寄附金となり、確定申告によって寄附金控除の対象となります。寄附金は、一定の限度額まではその金額から2千円を差し引いた金額が、所得税と翌年度の住民税から控除されます。

ふるさと納税ワンストップ特例の申請をした場合、ふるさと納税先が5か所以内であれば確定申告の必要はありません。しかし、他の理由で確定申告をした場合は、ふるさと納税ワンストップ特例は無効となり、寄附金控除の申請を行う必要があるため注意が必要です。

参考:国税庁|ふるさと納税をされた方へ

確定申告で迷ったとき

確定申告の手続きに不安や疑問がある場合は、国税庁のWebサイトを参照するか、最寄りの税務署に相談してください。また、税理士などの専門家に相談することも一つの手です。

この記事でも、それぞれの場面ごとに対応する国税庁のホームページを案内していますので、ご利用ください。

参考:国税庁|令和7年分確定申告特集
参考:国税庁|確定申告書等作成コーナーよくある質問

まとめ

確定申告は、収入のある個人が納税義務を果たすべく利用する制度です。しかし、納税だけだはなくさまざまな控除があり、還付金を受け取れたり節税対策になったりとメリットもあります。この記事を参考に、確定申告を理解し、正しく申告ができるようになっていただけると幸いです。

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「控除」とは何か?新社会人が知るべき基本知識と活用法 https://www.seraku.co.jp/tectec-note/recruit/recruit-deduction-meaning/ https://www.seraku.co.jp/tectec-note/recruit/recruit-deduction-meaning/#respond Wed, 25 Dec 2024 04:47:22 +0000 https://www.seraku.co.jp/tectec-note/?p=34056 はじめに
  • 控除とは金額を差し引くこと
  • 所得控除とは、「収入-必要経費=所得」からさらに差し引ける金額のこと
  • 税額控除の役割は、納める税額を小さくすること
  • 所得控除は15種類、税額控除は5種類ある
  • 税金の控除を受けるには年末調整、もしくは確定申告が必要

控除とは

控除とは、「金額を差し引く(必要に応じてある金額を取り出す)こと」を指します。一般的に「控除」が使われる場面は、税金を納める際や支払った医療費の負担を軽減するときです。

また、控除には「所得控除」と「税額控除」の2種類があります。

所得控除とは

控除とはH3v3

収入から必要経費(給与所得者の場合は給与所得控除)を引いた金額のことを所得といいます。
所得控除とは、所得からさらに差し引ける金額のことです。

また、所得から所得控除を差し引いたものは課税所得と呼ばれます。所得控除の役割は、税金がかかる所得の範囲を小さくすることです。

税額控除とは

税額控除の役割は納める税額を小さくすることです。

課税所得に税額をかけると所得税額が算出されます。税額控除がある場合は、所得税額から差し引くことで、納める所得税額が小さくなります。

所得控除・税額控除にはどのようなものがある?

所得控除・税額控除の種類を以下から紹介します。

所得控除の種類

所得控除は15種類あります。

申告方法所得控除の種類概要
年末調整基礎控除合計所得金額が2,500万円以下の納税者が受けられる控除
社会保険料控除社会保険料を支払った際に受けられる控除
配偶者控除控除対象の配偶者がいる場合に、一定の条件を満たした納税者が受けられる控除
配偶者特別控除
扶養控除16歳以上の親族を扶養に入れている場合に受けられる控除
勤労学生控除学生であり、一定以下の所得がある場合に受けられる控除
ひとり親控除ひとり親の場合に受けられる控除
寡婦・寡夫控除寡婦・寡夫の場合に受けられる控除
障害者控除納税者本人・配偶者・扶養親族などが障害者や特別障害者に該当する場合に受けられる控除
生命保険料控除生命保険料を支払った際に受けられる控除
地震保険料控除地震保険料を支払った際に受けられる控除
小規模企業共済等掛金控除小規模企業共済や個人型年金の掛金などがある場合に受けられる控除
確定申告医療費控除納税者本人・配偶者・扶養親族などの医療費が一定額を超えた場合に受けられる控除
寄附金控除国や地方公共団体への寄附やふるさと納税などを行った際に受けられる控除
雑損控除災害・盗難・横領などによって損害を受けた際に受けられる控除

税額控除の種類

税額控除は5種類あります。

1年目は確定申告が必要・2年目以降は年末調整でも対応可能
特定増改築等住宅借入金等特別控除住宅の新築・取得・増改築などを行った際に受けられる控除
住宅特定改修特別税額控除住宅の省エネ改修工事をした場合に受けられる控除
住宅耐震改修特別控除住宅の耐震改修工事をした際に受けられる控除
確定申告
配当控除株の配当金や投資信託の分配金を受け取ったときに受けられる控除
外国税額控除海外で課税された所得税を日本の所得税額から控除できる制度(二重課税を調整するための制度)

控除を活用するためには

税金の控除を受けるには年末調整、もしくは確定申告が必要です。
以下から、それぞれの方法についてご説明します。

年末調整で手続きをする

年末調整とは、給与所得者(会社員・アルバイト・パートなど)の代わりに、企業が所得税の過不足を調整する手続きのことです。年末調整の実施は、企業の義務でもあります。

給与所得者は、所属企業の年末調整で控除の申告ができます。
また、提出時には各控除証明書の添付が必要です。

確定申告で手続きをする

確定申告とは、納税者本人が1月1日から12月31日までの間に発生した所得・経費などを申告して、納税する手続きのことです。

「個人事業主」「年収が2,000万円を超える給与所得者」「年末調整で控除の申告ができない方」などは、確定申告が必要です。

確定申告で各種控除を申請する場合は、収入を得た翌年の2月16日から3月15日までの期間中に行いましょう。書面またはe-Tax(国税電子申告・納税システム)のどちらからでも申請できます。

年末調整と確定申告を両方した方がよいケース

控除を受けたい方の中で、以下に該当する方は年末調整と確定申告の両方を行いましょう。

  • 年末調整で手続きできない控除(医療費控除・寄附金控除・雑損控除・初回の住宅ローン控除など)を受けたい方
  • 1年間で6か所以上にふるさと納税を行った方(ワンストップ特例制度は、1年間の寄附先が5自治体以内と決められているため)
  • 年末調整までに控除証明書を用意できなかった方
  • 前職の退職金受け取り時に「退職所得の受給に関する申告書」を職場に提出しなかった方
  • 控除を受けたいが、職場に知られたくない方

法改正の見直しで控除はどのように変わる?

現在、国は「年収の壁」や「特定扶養控除」などを見直しています。
今後、生活はどのように変化していくのでしょうか。以下から解説します。

基礎控除・給与所得控除

2024年12月20日現在、国は「年収の壁」を見なおすために議論を行っています。
先述した通り、給与所得者の場合は税負担を軽減する措置として給与から給与所得控除が引かれています。給与所得控除額は年収ごとに異なり、最低控除額は55万円からです。
また、年間所得金額が2,400万円以下の納税者が対象となる「基礎控除」は一律48万円が適用されます。

最低控除額55万円と基礎控除額48万円を足すと103万円になることから、年収103万円までの方は所得税がかかりません。逆をいうと、103万円を超えると課税されるため、「103万円の壁」といわれています。

所得税がかからない年収を103万円から引き上げることは、基礎控除や給与所得控除額の引き上げを意味します。2024年12月20日現在、詳細は決まっていませんが、今後改正により働き方や税負担などが大きく変わる見込みです。

特定扶養控除

2024年12月、国は「特定扶養控除」における所得要件の見直しについて発表しました。
「特定扶養控除」とは、19歳から22歳の扶養親族をもつ扶養者に適用される控除のことです。19歳から22歳の扶養親族がいる世帯では、扶養者の所得税や住民税が控除されます。

ただし、扶養親族の年収が103万円を超えてしまうと適用されません。そのため、学生の多くはアルバイトのシフトを103万円以下になるように組まざるを得ない状態です。

生活費や学費を自分で工面しながら働いている学生にとっては、働き方や金銭面の悩みにつながりやすく、「もう1つの103万円の壁」と呼ばれて問題視されていました。
こちらの見直しについても、世間の関心が集まっています。

16歳から18歳の扶養控除

2024年12月20日現在、16歳から18歳を税法上の扶養に入れる場合は38万円の所得控除が受けられます。
一方で、2024年10月から、16歳から18歳の扶養親族1人につき毎月1万円(第3子以降は毎月3万円)の児童手当支給が開始されました。それに伴い、扶養控除を縮小する案が出ています。

具体的には、所得税が38万円から25万円に、住民税が33万円から12万円になる見込みです。
法改正後は、16歳から18歳を扶養している世帯の所得税と住民税の負担は増加しますが、児童手当拡充により、所得に関係なくすべての世帯で手取額が増加します。

iDeCo掛金の所得税・住民税の控除

2024年12月1日より、一部の方はiDeCo(個人型確定拠出年金)の掛金の上限額(拠出限度額)が引き上げられました。iDeCoとは、私的年金制度の一種です。
公的年金(国民年金・厚生年金)とは別に給付を受けられる制度であり、掛金は所得から控除できる措置が取られています。そのため、対象者は所得税や住民税の控除額が大きくなりました。

対象となるのは第2号被保険者(会社員・公務員)の方で、「勤務先で他の企業年金制度」に加入されている方です。
今回の改正では上記の方の掛金上限額の規定が、月額12,000円から月額20,000円に変更されました。

まとめ

「控除」という言葉に対して、とっつきにくいイメージをもたれている方が多いかもしれません。しかし、制度について正しく理解することで節税対策につながります。

また、先述した通り、国が「年収の壁」や「特定扶養控除」などの制度を見直していますので、今後はパートやアルバイトの働き方が大きく変わる見通しです。
将来の貯蓄や働き方のためにも、控除の対象者・種類・ニュースなどを知っておくと安心です。

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年末調整とは?得られる控除や確定申告との違いを解説! https://www.seraku.co.jp/tectec-note/freelance/recruit_yearendadjustment/ https://www.seraku.co.jp/tectec-note/freelance/recruit_yearendadjustment/#respond Mon, 09 Dec 2024 06:02:48 +0000 https://www.seraku.co.jp/tectec-note/?p=33312 はじめに
  • 年末調整は所得と税の過不足を調整する手続き
  • 年末調整は企業が行い確定申告は個人が行う手続き
  • 対象者にはパート・アルバイト・契約社員も含まれる
  • メリットは複雑な手続きなしに納税額が計算されること
  • 調整しきれない控除等を受ける場合には確定申告が必要

年末調整は、企業で働いている人が毎年11月頃より取りかかる、所得と税に関する大切な手続きです。本稿では年末調整の基本的な仕組みから確定申告との違い、対象者や必要書類、手続きの注意点などを詳しく解説します。

年末調整とは

年末調整とは、企業が従業員に支払った給与や賞与から源泉徴収(天引き)した所得税の年間合計額と、本来徴収すべき所得税の総額を再計算し、過不足を調整する手続きです。年末調整は毎年11月から12月にかけて行われ、これにより従業員は、納めすぎた税金があれば取り戻せます。

この手続きは所得税法第190条などを根拠として雇用主の義務とされており、企業が行った年末調整の情報は地方自治体とも共有されます。翌年の住民税もこの情報が基準となるため重要な手続きです。また会社員などの住民税は、企業が給与から天引きして市区町村に納付する「特別徴収」の形が取られます。

年末調整のメリット

年末調整のメリットには、以下のようなものが挙げられます。

  • 複雑な手続きなしに納税額が計算される
  • 税金に過払いがあった場合は還付(返金)が受けられる
  • 年末調整で控除に漏れがあっても確定申告で修正できる
  • など

参考:国税庁|法第190条《年末調整》関係

年末調整に必要な提出書類

年末調整に必要な従業員の情報は企業ごとに取りまとめています。この方法は書類やデータなど企業ごとに異なりますが、通常は10月中旬頃からアナウンスが行われ、概ね11月上旬までに完了させる必要があります。次の項目で年末調整に必要な書類をまとめました。

提出書類の一覧

扶養控除等(異動)申告書扶養家族がいる場合に提出します
基礎控除申告書基礎控除を受けるための申告書です
保険料控除申告書生命保険料や地震保険料の控除を受けるために必要な書類です
住宅借入金等特別控除申告書住宅ローン控除を受ける場合に提出します

参考:国税庁|各種申告書・記載例(扶養控除等申告書など)

年末調整と確定申告の違い

年末調整と確定申告は、いずれも所得と税を確定するための手続きですが、年末調整は企業が行うのに対し、確定申告は個人が行います。この違いについて、以下の項目で詳しく見て行きましょう。

年末調整は企業が行う手続き

年末調整は企業(つとめ先)によって行われる手続きです。企業は毎月、従業員の給与から所得税を源泉徴収しますが、これを年末調整で納付すべき正確な金額に調整します。基本的には企業に勤める従業員が対象となりますが例外もあり、その場合には確定申告が必要です。また年末調整には以下の所得控除が含まれています。

  • 年末調整に含まれる所得控除

    基礎控除
    配偶者控除
    配偶者特別控除
    扶養控除
    ひとり親控除
    生命保険料控除
    地震保険料控除
    寡婦控除
    社会保険料控除
    小規模企業共済等掛金控除
    障害者控除
    勤労学生控除
    2年目以降の住宅借入金等特別控除

確定申告は個人が行う手続き

確定申告は個人(納税者本人)が自ら行う手続きです。給与所得が2,000万円を超える人や、副業で複数の収入源がある人、年末調整で調整しきれない控除を受ける際などに必要です。確定申告が必要な控除には、以下のようなものがあります。

  • 確定申告が必要な所得控除

    医療費控除
    寄附金控除
    雑損控除
    初回の住宅借入金等特別控除

年末調整の対象者

年末調整は、1年を通じて同じ企業で働いている、あるいは転職による採用後継続して年末まで働いている人が対象者です。但し「給与所得が2,000万円を超える」、「災害減免法による猶予や還付がある」人は対象外とされ、確定申告が必要です。対象外の例は後の項目で解説します。

会社員

基本的に会社員は1年間を通して同じ企業で勤務している、あるいは転職による採用後、継続して年末まで勤務している人となるため、年末調整の対象者です。

パート・アルバイト・契約社員

パート、アルバイト、契約社員の人なども対象者に含まれます。これらの条件について、以下にまとめました。

  • 年末調整の対象者

    1月1日から12月31日まで同じ企業で働いている人
    転職による採用後、継続して年末まで勤務している人
    年の中途で退職し、本年中に再就職しない人のうち①~④のような場合

    1. ① 死亡により退職した人
    2. ② 著しい心身の障害により退職した人
    3. ③ 12月の給与を受け取って退職した人
    4. ④ いわゆるパートタイマーの退職で、年内の給与総額が123万円以下である人
      (但し退職後本年中に他の勤務先等から給与支払いを受ける人は除く)
    海外転勤等で非居住者となった人
    ※非居住者とは、国内に「住所」も、1年以上の「居所」も有しない個人

対象外の人は確定申告が必要

年末調整の対象にならない人は、所得と税の調整に確定申告が必要です。これには以下のような人が当てはまります。

  • 確定申告が必要

    個人事業主(自営業やフリーランス)
    給与所得が2,000万円を超える人
    2か所以上から給与の支払いを受けている人
    災害減免法による猶予や還付がある人
    継続して同一の雇用を受けない人(日雇い労働者など)
    注:基本的な確定申告期間は2月16日~3月15日

年末調整と確定申告のまとめ

年末調整確定申告
手続き企業が行う個人が行う
対象者1年を通じて同じ企業で働いている、あるいは転職による採用後、継続して年末まで働いている人(但し「給与所得が2,000万円を超える」、「災害減免法による猶予や還付がある」人などは除く)フリーランスなどの個人事業主、年金生活者、副業収入がある人、医療費控除・寄付金控除・雑損控除がある人など
納付期限翌年の1月10日まで翌年の2月16日
~3月15日
所得控除の内容
  • 基礎控除
  • 配偶者控除
  • 配偶者特別控除
  • 扶養控除
  • ひとり親控除
  • 生命保険料控除
  • 地震保険料控除
  • 社会保険料控除
  • 小規模企業共済等掛金控除
  • 障害者控除
  • 勤労学生控除
  • 住宅借入金等特別控除(2年目以降)
年末調整の控除のほかに
以下の控除が加わる
  • 医療費控除
  • 寄付金控除
  • 雑損控除
  • 住宅借入金等特別控除(初回)

年末調整の注意点

年末調整を行う際は提出期限を守ることが重要です。期限を過ぎると控除が受けられなくなる可能性もあるため、扶養家族の収入情報など、必要な証明書類を早めに準備しておくことも大切です。以下で手続きの遅れや誤りに関する注意点を3つ紹介します。

書類の提出が遅れる場合はすぐに確認する

年末調整の担当部署は多数の重要書類とともに複雑な事務処理を扱います。そのため必要書類はできるだけ早く提出しましょう。それでも書類提出が遅れる場合は、気付いた時点ですぐに担当部署に相談してください。所轄税務署への提出前であれば調整が間に合うかもしれません。

年末調整が間に合わなかった場合は確定申告が必要

手続きが間に合わなかった場合は、確定申告で所得と税の調整が可能です。これを怠ると税法上の控除を受けられないまま税額が算出されるため、所得税や住民税が高くなってしまいます。確定申告の期間は翌年の2月16日~3月15日ですので、忘れずに手続きを行いましょう。

年末調整後さらに確定申告が必要になる場合もある

年末調整を行った人でも以下のケースに該当する場合には確定申告が必要になります。この場合は、年末調整後に企業から発行される源泉徴収票をもとに、確定申告を行います。

  • 年末調整後さらに確定申告が必要になるケース

    企業が行った年末調整の内容に修正する箇所(控除の漏れや変更)がある
    20万円を超える副業による所得(事業所得等)がある
    2か所以上の企業から給与がある
    収入金額が2,000万円を超える
    不動産や家賃収入などがある
    災害減免法による猶予や還付がある
    報酬等(出演料や原稿料など)の収入がある
    課税年金収入等が400万円以上もしくは、公的年金以外の所得が20万円を超える
    医療費控除がある
    など

まとめ

今回は年末調整について、確定申告との違いや注意点を中心に解説しました。調整を受けるだけなら難しくありませんが、事務処理が年末の忙しい時期に進むため、必要書類は決められた期限内に提出できるよう、早めに準備することが望ましいと言えます。

年末調整は所得と税に関わる重要な手続きです。必要な書類を提出することで、所得に応じた税額に調整され、その情報から翌年の住民税額が決定されます。特に初めての機会となる新社会人や転職者は、早めに取り組むとよいでしょう。本稿が所得と税を理解する一助となりましたら幸いです。

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https://www.seraku.co.jp/tectec-note/freelance/recruit_yearendadjustment/feed/ 0
年末調整・確定申告の違いは?対象者やよくある疑問を解説 https://www.seraku.co.jp/tectec-note/freelance/recruit_taxreturn_yearendadjustment/ https://www.seraku.co.jp/tectec-note/freelance/recruit_taxreturn_yearendadjustment/#respond Tue, 26 Nov 2024 05:38:51 +0000 https://www.seraku.co.jp/tectec-note/?p=33031 はじめに
  • 年末調整の対象者は給与所得者、確定申告の対象者はすべての人
  • 大部分の給与所得者は年末調整のみで確定申告の必要がない
  • 1年間で一定以上の収入が発生すれば、年末調整または確定申告のいずれかが必要になる
  • 年末調整と確定申告の実施時期が異なる
  • 年末調整は企業の義務のため、従業員が要否を選べるものではない

年末調整と確定申告は何がどう違うのか、疑問に思うことはありませんか?令和7年度税制改正により、基礎控除・給与所得控除の見直しや特定親族特別控除の創設が行われました。こうした改正を踏まえ、年末調整と確定申告の違いやよくある疑問について解説します。

年末調整と確定申告の違い

年末調整と確定申告の違いを説明している図

年末調整とは、毎月の給与・賞与から差し引かれる源泉徴収税額と、本来納めるべき所得税額の差分を調整する手続きのことです。
手続きは、従業員(本来の納税者)に変わって、勤務先が税務署に税額の申告・納税を行います。年末調整を行うことで課税所得(その年の税金の対象となる所得)が確定されて、翌年6月以降に天引きされる住民税の額が決まります。

一方、確定申告とは、納税者本人が1年間の所得を税務署に申告して納税額を確定させることです。年末調整とは異なり、税務署への確定申告・納税は納税者自身が行います。年末調整と確定申告の違いを以下の表にまとめました。

対象者給与所得者すべての国民
対象の所得本年1月1日から12月31日までの合計所得金額毎年1月1日から12月31日までの1年の間に生じた所得
申告時期一般的には11月から翌年の1月あたりにかけて(翌年1月31日までに申告書などの必要書類を企業から税務署に提出する)翌年2月16日から3月15日までの間
受けられる控除下記4つ以外の控除が受けられる
  1. 医療費控除
  2. 雑損控除
  3. 寄附金控除
  4. 初回の住宅ローン控除
すべての控除

なんらかの事情で書類の提出が間に合わず年末調整が行えなかったときは、給与所得者自身が確定申告の手続きを行いましょう。

年末調整と確定申告・受けられる控除の違い

確定申告ではすべての控除を受けられますが、年末調整では受けられる控除と受けられない控除があります。以下からそれぞれ解説します。

年末調整で受けられる控除

年末調整で受けられる控除は以下の14種類です。

各種申告書受けられる控除の種類控除の内容
扶養控除等申告書を提出して受けられる控除扶養控除16歳以上の親族を扶養に入れている場合に受けられる控除
障害者控除納税者本人または同一生計配偶者、扶養親族が障害者である場合に受けられる控除
勤労学生控除納税者本人が勤労による所得を有する一定の要件を満たす学生、または生徒である場合に受けられる控除
寡婦控除納税者本人が寡婦である場合に受けられる控除
ひとり親控除納税者本人がひとり親である場合に受けられる控除
配偶者控除等申告書を提出して受けられる控除配偶者控除納税者本人の合計所得金額が1,000万円以下で、合計所得金額が48万円以下の同一生計配偶者を有する場合に受けられる控除
配偶者特別控除納税者本人の合計所得金額が1,000万円以下で、合計所得金額が58万円超133万円以下の同一生計配偶者を有する場合に受けられる控除
保険料控除申告書を提出して受けられる控除社会保険料控除社会保険料を支払った場合に受けられる控除
小規模企業共済等掛金控除小規模企業共済や個人型年金(iDeCo)などの掛金がある場合に受けられる控除
生命保険料控除加入している生命保険の保険料を支払った場合に受けられる控除
地震保険料控除地震保険料を支払った場合に受けられる控除
所得金額調整控除申告書を提出して受けられる控除所得金額調整
控除
年末調整の対象となる給与の収入金額が850万円を超える場合で、本人が特別障害者に該当する場合。または年齢が23歳未満の扶養親族、特別障害者である同一生計配偶者、もしくは特別障害者である扶養親族を有する場合に受けられる控除
基礎控除申告書を提出して受けられる控除基礎控除合計所得金額が2,500万円以下の納税者が受けられる控除(所得金額に応じて16万円~95万円控除される)
住宅借入金等特別控除申告書を提出して受けられる控除住宅ローン控除
(2年目以降)
自宅の購入にあたり住宅ローンを支払っている場合に受けられる控除(2年目以降が対象)

確定申告が必要な控除

確定申告が必要な控除は以下の4種類です。

受けられる控除の種類控除の内容
寄附金控除ふるさと納税(ワンストップ特例を利用しない場合)や国や地方公共団体への寄附などを行った場合に受けられる控除
医療費控除納税者本人や同一生計配偶者、扶養親族の医療費が一定額を超えた場合に受けられる控除
雑損控除災害・盗難・横領などにより損害を受けた場合に受けられる控除
住宅ローン控除(初回)自宅の購入にあたり住宅ローンを支払っている場合に受けられる控除(初回のみ)

年末調整と確定申告の対象者

以下から、年末調整と確定申告の対象者の違いについて解説します。

年末調整の対象者

年末調整の対象者は原則として、給与所得者の扶養控除等(異動)申告書を勤務先に提出しているすべての方です。

年末調整は従業員を雇用する企業の義務ですので、一部の条件に当てはまる方を除き、正社員・パート・アルバイトなどの雇用形態を問わず実施しなければなりません。
つまり、従業員が要否を選べるものではないので、年末調整は従業員の意思に関係なく基本的に毎年実施されます。

確定申告の対象者

確定申告はすべての人が行えます。
とはいえ、大部分の給与所得者の方はあえて行う必要がありません。

ただし、副業の所得が年間20万円を超える方は、年末調整の他に別途確定申告が必要です。
また、年間収入金額が2,000万円を超える高額所得者は給与所得者であっても年末調整が行われないため、確定申告をする必要があります。
個人事業主・フリーランスなどの方は、年間の事業所得が95万円を超えない限り申告の義務はありませんが、事業を行っていることや売上額の証明に確定申告を行う方が多いです。

年末調整と確定申告を両方した方がいいケース

以下からは、給与所得者の方を対象に、“年末調整と確定申告を両方した方がいいケース”についてご紹介します。

年末調整では手続きできない控除を受けたい方

寄附金控除・医療費控除・雑損控除の3つは年末調整で手続きが行えません。
そのため、これらの控除を受けたい方は、年末調整の他に確定申告が必要です。

また、住宅ローン控除をはじめて受ける方も確定申告が必要です。
ただし、住宅ローン控除に関しては2年目以降から年末調整で対応できます。

1年間で6か所以上にふるさと納税を行った方

ふるさと納税を行う場合は原則として確定申告が必要です。

ワンストップ特例制度を利用すれば確定申告をしなくても寄附金控除を受けられますが、こちらの制度は、1年間の寄附先が5自治体以内と条件が定められています。
そのため、6か所以上にふるさと納税を行った方で寄附金控除を受けたい方は確定申告が必要です。

「退職所得の受給に関する申告書」を職場に提出しなかった方

前職の退職時に退職金を受け取ったものの、退職所得の受給に関する申告書を職場に提出しなかった方は、税金を多めに差し引かれている可能性が高いので確定申告をオススメします。

確定申告を行うことで還付金を受けられるケースがあるためです。

年末調整までに生命保険や私的年金などの証明書を用意できなかった方

生命保険料控除や小規模企業共済等掛金控除は、年末調整で控除が可能です。
ただし、年末調整の提出期限までに生命保険やiDeCoなどの証明書を用意できなかった場合でかつ、所得控除の適用を受けたい場合は、自分で確定申告を行う必要があります。

たとえば、年末に生命保険やiDeCoなどに加入した場合や、控除証明書を紛失して再発行中の場合は証明書が年末調整の後に届くこともあるため、あらかじめ期日までに用意できるかどうかを把握しておきましょう。

申請する控除から職場に個人情報を知られたくない方

所得控除の中には個人情報に該当するものがありますので、職場に知られたくない方は自分で確定申告を行いましょう。

たとえば、寡婦控除・ひとり親控除・障害者控除などは、適用を受けることで職場に自分の事情を知られてしまいます。
事情を職場に伝えず自分で確定申告する場合は、年末調整の書類の控除欄に適用を受けたい控除だけを記入するようにしましょう。

年末調整と確定申告の疑問・注意点

年末調整と確定申告の注意点や疑問を以下から解説します。

年末調整の申告書を提出しないとどうなる?

年末調整を受けるには、勤務先に必要書類を提出する必要があります。期日までに書類を用意できなかった場合は、年末調整が受けられません。
年末調整が受けられないことで発生するデメリットは下記の通りです。

  1. 【年末調整が受けられないことで発生するデメリット】
  2. 翌年の住民税が増える(各種控除が受けられないため、納める税金の額が上がりやすい)
  3. 概算で引かれている源泉徴収税額と、本来納めるべき所得税額の差分があった場合でも還付を受けられない
  4. 自身で確定申告を行わなければならず、不慣れな人ほど混乱する

確定申告をしないとどうなる?

期限内に確定申告ができなかった場合は、できるだけ早く期限後申告を行いましょう。
期限後申告とは、確定申告の期限を過ぎてから申告することです。

期限後申告ではペナルティとしていくつかの税金が加算されます。とはいえ、一部軽減される税金もありますので、早めの申告が大切です。

無申告を長期間続けていたり税務調査が入るまで自主申告をしなかったりした場合は、無申告加算税・延滞税の支払い以外にも、重加算税の支払いを求められるケースがあります。場合によっては、青色申告の承認が取り消される可能性もありますので注意しましょう。

確定申告書の作成には源泉徴収票が必要?

税制改正により、2019年4月1日以後に提出する確定申告書類には源泉徴収票の添付が不要になりました。

ただし、給与所得者が確定申告を行う場合、確定申告の書類に源泉徴収票の内容を転記する必要がありますので、源泉徴収票を手元に残しておきましょう。

年末調整と確定申告はどちらが優先される?

給与所得者が年末調整後に確定申告を行った場合は、確定申告の内容が優先されます。
年末調整と確定申告の両方を行っても、税金が二重に取られることや申請した控除が二重に適用されることはありません。

とはいえ、年末調整は企業の義務ですので、自分で確定申告を行う場合でも年末調整をしないという選択はできません。

年末調整が不要な年収は?

年収が123万円以下のアルバイト・パート勤務であれば、基本的に年末調整は必要ないといわれています。
給与所得者の場合、給与から給与所得控除と基礎控除を差し引いた金額に所得税が課税されます。給与所得控除や基礎控除は、高収入・高所得者ほど税負担が増加する仕組みです。

給与等の収入金額が190万円以下の方の給与所得控除は65万円、所得金額が2,350万円以下の方の基礎控除は58万円です。つまり、年収が123万円の方であれば、123万円-(65万円+58万円)=0円となり、所得税は発生しません。

ただし、勤務先が所得税の源泉徴収をしている場合や、給与所得者の扶養控除等(異動)申告書を勤務先に提出している場合は、年末調整が必要になるケースがあります。不安な方は職場の方に確認しましょう。

確定申告が不要な年収は?

フリーランス・個人事業主の年間合計所得金額が95万円以下の場合は、所得税の確定申告は不要としています。ここでいう所得金額とは、売上から必要経費を差し引いた金額を指します。令和7年分以後、合計所得金額が132万円以下の場合は基礎控除額が95万円となるため、所得が95万円以下であれば課税所得は0円となり、所得税は発生しません。

年末調整が受けられないケースとは?

年内に退職した方は年末調整を受けられない可能性が高いです。
年末調整の対象者は、12月31日時点における在籍者です。
従って、年内に再就職をしない限り年末調整が受けられません。そのため、自身で確定申告を行う必要があります。

ただし、12月分の給与を受け取った後に退職した場合は年末調整が受けられます。これは、退職した年に新たな給与を受け取れる可能性が極めて少なく、年間給与所得額がほぼ決定しているといえるからです。

複数の勤務先で働いている場合の年末調整の方法は?

複数の勤務先で働いている方でかつ、給与の合計が103万円超になる方は年末調整の際に注意が必要です。
複数の勤務先で年末調整を行った場合、控除が重複して適用される恐れがあります。

本来よりも少ない税金を支払っていることが発覚すれば、以後の税金を加算されるケースがありますので気を付けなければなりません。もし、2か所以上の勤務先で年末調整をしてしまった場合は、確定申告をして正しい税金を納めましょう。
ただし、基礎控除・給与所得控除の金額が改正されているため、誤りがあった場合に過不足も変動します。主たる給与支払者のみで申告するようにしてください。

まとめ

年末調整と確定申告の違いについてご理解いただけたでしょうか? 年末調整の対象者と確定申告の対象者は異なりますが、一年間で一定以上の収入があればどちらかが必要になるので注意する必要があります。
また、年末調整と確定申告の時期は異なりますので、適切な控除や還付を受けるには各々の特徴や流れを知った上で、期限までに必要書類を準備しましょう。

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