節税 – ルートテック|ビジネスライフとキャリアを応援する情報メディア https://www.seraku.co.jp/tectec-note Tue, 17 Mar 2026 01:57:56 +0000 ja hourly 1 https://wordpress.org/?v=6.2.9 青色申告とは?フリーランス・個人事業主向けに制度とメリットを解説 https://www.seraku.co.jp/tectec-note/freelance/bp-aoiro-shinkoku-guide/ https://www.seraku.co.jp/tectec-note/freelance/bp-aoiro-shinkoku-guide/#respond Fri, 04 Jul 2025 07:30:00 +0000 https://www.seraku.co.jp/tectec-note/?p=38591 はじめに
  • 青色申告は確定申告の一種である
  • 青色申告には最大65万円の控除などの特典ある
  • 青色申告をおこなうには事前申請と複式記帳が必要である
  • 記帳が難しい場合は会計ソフトを利用するか税理士に依頼する方法がある
  • 青色申告の疑問点は放置せず税務署窓口などに相談しよう

青色申告とは

青色申告とは、確定申告の方法のひとつです。確定申告は、1年の所得金額を確定し、そこから所得税を算出する手続きです。青色申告は個人事業主やフリーランス、法人が選択できる確定申告の方法であり、最大65万円の控除などの特典をうけることができます。
ただし、青色申告をするための事前申請が必要だったり、複式記帳をおこなう必要があったりと、手間も発生します。
この記事では青色申告のやり方やメリット・デメリットについてくわしく解説します。

青色申告と白色申告の違い

確定申告には、白色申告と青色申告の2種類があります。それぞれの違いは以下の通りです。

  • 白色申告

    白色申告は、帳簿の付け方が簡単だがあまり節税効果がない確定申告の方法だ。青色申告をしない場合、白色申告で確定申告をすることになる。

  • 青色申告

    個人事業主や法人が選択できる確定申告の方法が青色申告だ。ただし、青色申告をする場合は事前の申請が必要である。青色申告をするためには、1年の収支記帳と決算を複式記帳という複雑な方法でおこなわなければいけないが、最大65万円の控除を受けられたり、その他にも特典があったり、節税効果が大きい確定申告の方法である。

青色申告は、前述の通り帳簿のつけ方が複雑になって白色申告よりも難易度があがります。帳簿ソフトを利用して記帳したり 、仕事に関わるレシートや領収書をすべて保管したりする必要がでてきます。収支が大きかったり複雑すぎたりするような場合は、税理士への依頼が必要になることもあり得るでしょう。しかし手間がかかる分、大きな節税効果があります。

青色申告できる条件

青色申告は、事業所得・不動産所得・山林所得のいずれかがある個人が対象です。たとえば、個人事業主・フリーランスで事業所得がある人や、所有している不動産によって所得がある人です。給与所得や雑所得のみでは青色申告対象者とならない(白色申告となる)ので注意しましょう。

青色申告が向いている人

青色申告に向いている人は以下の通りです。

  • フリーランス・個人事業主で白色申告をしている人
  • これから事業を始めようとしている人
  • 事業が赤字になりそうな人

それぞれ解説します。

フリーランス・個人事業主で白色申告をしている人

フリーランス・個人事業主で今まで白色申告をしていた人は、青色申告にした方が大きく節税できるでしょう。

なお、これまで白色申告において記帳は必要なかったのですが、2014年1月より、白色申告でも簡易記帳の義務が生じました。したがって現状は、白色申告でも青色申告でも確定申告の手間は以前より減っている状況です。このため、似たような手間がかかるのであれば、青色申告をした方が節税できるのでオススメといえます。

これから事業を始めようとしている人

青色申告で確定申告をおこなうためには、税務署に事前の届け出が必要になります。このため、税務署で開業届の提出をするとき、同時に青色申告の申請も済ませてしまうと大変便利です。

事業が赤字になりそうな人

青色申告で確定申告をすると、決算時の赤字を3年間繰り越せるため、白色申告よりも節税効果があがります。とくに事業の開始直後は赤字になることが予想されるため、開業と同時に青色申告をはじめるのはやはりオススメといえます。

会社員で副業している場合は?

会社員で副業をしている場合、確定申告は、副業分を雑所得として白色申告で申請するパターンがほとんどです。しかしながら、事業規模や事業金額によっては青色申告ができることもあるため、青色申告が可能かどうか迷ったときは、税務署で相談するとよいでしょう。

青色申告のメリット

青色申告で確定申告をおこなう主なメリットは、以下の5つです。

  • 青色申告特別控除が受けられる(最大65万円)
  • 家族の給与(青色事業専従者給与)を経費扱いできる
  • 赤字を3年間繰越ができる
  • 減価償却の特例を受けられる
  • 貸倒引当金を計上できる

それぞれ詳しく解説します。

青色申告特別控除が受けられる(最大65万円)

青色申告では、一定の要件を満たしたときに、65万円、55万円、10万円の特別控除を受けることができます。

まず、最大の控除額である65万円の青色申告特別控除を受けるには、次の要件をすべて満たすことが必要です。

  1. 不動産所得または事業所得があること
  2. 複式簿記で帳簿をつけていること
  3. 帳簿をもとにした貸借対照表を確定申告書に添付する
  4. e-Taxで青色申告をおこなうか、もしくは2の帳簿を電子保管する

55万円の控除は、この要件のうち1~3までを満たすと受けられます。
65万円・55万円の要件を満たさなかったとき、または確定申告の期限までに提出が間に合わなかったときは、10万円の控除になります。

まとめると、次の通りです。

青色申告特別控除を受けるための要件
65万円控除次の条件をすべて満たすことが必要である

・不動産所得または事業所得があること
・複式簿記で帳簿をつけていること
・帳簿をもとにした貸借対照表を確定申告書に添付する
・e-taxで青色申告をおこなうか、もしくは帳簿を電子保管する
55万円控除次の条件をすべて満たすことが必要である

・不動産所得または事業所得があること
・複式簿記で帳簿をつけていること
・帳簿をもとにした貸借対照表を確定申告書に添付する
10万円控除65万円・55万円の要件をみたしていないときや、確定申告の提出期限日に間に合わなかった場合、最大10万円の控除となる。

参考:国税庁|No.2072 青色申告特別控除

なお、実際の所得税の計算方法はルートテックでも詳細に解説しています。

家族の給与(青色事業専従者給与)を経費扱いできる

青色申告では、配偶者や家族に支払った給料を経費扱いにすることが可能です。ただし経費扱いにするためには、事前に管轄の税務署に青色事業専従者給与に関する届出書の提出が必要です。なお、事前に届けた給与額より大きい額の給与は経費とすることができないので注意しましょう。

参考:国税庁|No.2075 青色事業専従者給与と事業専従者控除

赤字を3年間繰り越せる

青色申告では、3年間にわたって赤字の繰り越しができます。つまり、決算で赤字が出た翌年以降に黒字が出た場合、そこで赤字の清算ができるということです。

参考:国税庁|No.2070 青色申告制度

減価償却の特例を受けられる

減価償却とは、固定資産の購入費用を使用期間にわたり分割して費用として計上する処理のことです。
青色申告では、通常分割して計上する減価償却を取得価格が30万円未満であれば一括して計上することが可能です。分割計上しなくてよくなるため、節税できる範囲が広がります。

参考:No.2100 減価償却のあらまし

貸倒引当金を計上できる

青色申告では、貸倒引当金を計上できます。貸倒引当金とは、取引先の倒産などで売掛金が回収不可となるリスクを見越して、あらかじめ計上しておく勘定科目のことです。
つまり、貸倒引当金を計上することで、将来の貸し倒れリスクに備えつつ、所得の圧縮が可能です。

なお、金額の設定には上限があり、年末時点における売掛金などの債権残高の5.5%以下(金融業では3.3%以下)を貸倒引当金繰越として計上できます。

参考:国税庁|No.2070 青色申告制度

青色申告のデメリット

確定申告を青色申告でおこなうデメリットとしては、以下のものが挙げられます。

  1. 事前申請が必要
  2. 複式簿記で帳簿をつける必要がある
  3. 65万円の控除を受けるにあたりe-Taxによる電子申請が必須

それぞれ解説します。

事前申請が必要

確定申告で青色申告をおこなうためには、事前に「青色申告承認申請書」を管轄の税務署に提出する必要があります。なお、白色申告をおこなうための申請はとくにないため、比較してデメリットといえるでしょう。
なお、青色申告をしたくても、青色申告承認申請書の提出をしていなければ、白色申告しかできません。

複式記帳をおこなう必要がある

青色申告をおこない65万円・55万円の控除をうけるためには、1年の収支について、複式記帳をおこなわなければなりません。複式記帳は二重で記帳する複雑な記帳方法であるため、かなり手間がかかります。これは青色申告でよくいわれるデメリットです。
対策としては、会計ソフトを利用して確定申告する、税理士に依頼するといった方法があります。

65万円の控除を受けるにあたりe-Taxによる電子申請が必須

青色申告で65万円の控除を受けるには、e-Taxによる電子申請か、または、複式記帳の帳簿を電子保管する必要があります。デジタルが苦手な人やPCを所有していない人には、大きなデメリットといえるでしょう。

青色申告の方法と期限

確定申告での青色申告は、以下の順番でおこないます。

  1. 事前に税務署に申請をする
  2. 申告に必要な書類を準備する
  3. 確定申告書を作る
  4. 確定申告をおこなう

なお、確定申告できる期間は決まっており、確定申告の期間は毎年2月16日から3月15日までです。ただし、初日や最終日が土日祝日の場合は、翌平日になります。青色申告の提出が最終日に間に合わない場合、ペナルティとして控除額が減る可能性があります。期間中に余裕をもって提出できるようにしましょう。

1.事前に税務署に申請をする

前項で解説した通り、青色申告をおこなうためには、事前に青色申告承認申請書を管轄の税務署に提出する必要があります。申請期限は、青色申告をしようとする年の3月15日まで(ただしその年の1月16日以後、新たに事業を開始したり不動産の貸付けをしたりした場合には、その事業開始等の日から2か月以内)です。提出を忘れた場合、その年は白色申告しかできません。

参考:国税庁|A1-8  所得税の青色申告承認申請手続

2.申告に必要な書類を準備する

申請を終えて、確定申告の期日が近づいてきたら、青色申告に必要な書類を準備します。必要な書類は以下の通りです。

  • 青色申告決算書
  • 確定申告書
  • 添付資料

帳簿による決算書を作成し、付随する資料があれば添付します。これらをもとに、確定申告のための所定の用紙である「確定申告書」を記入することになります。

青色申告決算書

1年間の事業収支を表す重要な書類です。複式記帳による決算書を作成するには簿記の知識が必要ですが、近年では有料の会計ソフトに収支を入力するだけで自動的に複式記帳をしてくれるサービスが登場しています。個人事業主の方は、有料でもこちらを利用すると容易に青色申告できるのでオススメです。

添付資料

青色申告決算書の収支を証明する資料を添付します。

例:レシートや領収書、生命保険やiDeCo(個人型確定拠出年金)などの控除証明書・掛金払込証明書、ふるさと納税の受領証明書など

確定申告書

確定申告には専用の用紙があります。以前は白色申告と青色申告は別の用紙でしたが、今は同一の様式に統一されています。電子申請(e-Tax)の場合は紙の申告書は必要ありませんが、記入したものを郵送する場合は、紙の申告書で提出することになります。事前に税務署などで確定申告用の申告書用紙を入手するか、国税庁のサイトからテンプレートをダウンロードして印刷しておきましょう。

参考:国税庁|所得税の確定申告

3.確定申告書を作る

決算書をもとに、確定申告書の作成をします。確定申告書の作成方法は複数あります。

  1. e-Tax(確定申告書作成コーナー)
  2. 会計ソフトによる出力または申告
  3. 手書き

e-Taxは、確定申告書作成コーナーというインターネットのWebページにアクセスして、オンラインで確定申告する方法です。
会計ソフトや確定申告ソフトは、複式記帳を自動でおこなってくれますし、e-Taxと連携してオンラインで確定申告がおこなえるものも多いので大変便利です。
手書きの場合は、確定申告用の用紙を使って記入します。

4.確定申告をおこなう

確定申告書が完成したら、確定申告をおこないましょう。申請方法は複数あります。

  1. 電子申請(e-Tax)
  2. 税務署の確定申告書作成コーナーで作成する
  3. 手書きの確定申告書を持参して税務署に提出する
  4. 手書きの確定申告書を税務署に郵送する

なお、郵送の場合は、消印の日付が提出日となります。

青色申告の際の注意点

確定申告を青色申告でおこなう際に注意すべきポイントを解説します。

保管が数年必要な書類がある

確定申告の際につけた帳簿やレシートなどの書類は、数年間の保管義務があります。白色申告と青色申告でそれぞれ保管期間が決められています。
青色申告の場合は次の通りです。

  • 帳簿

    保管期間:7年

  • 決済関係書類

    貸借対照表、損益計算書といった決算関係書類のこと。保管期間:7年

  • その他関係書類

    現金などのやり取りが記載されたレシート・領収書や生命保険の控除証明書など、通帳のコピーなどといった関連書類のこと。保管期間は原則7年だが、前々年分の事業所得・不動産所得が300万円以下のときは5年。

参考:国税庁|記帳や帳簿等保存・青色申告

遅延や不正はペナルティがある

確定申告の遅延や不正は、追徴課税や青色申告承認の取り消しといったペナルティを受けることがあり得ます。
主な例は以下の通りです。

  • 確定申告をしなかった場合、無申告加算税が課され、通常より納税金額が増える
  • 期限後に確定申告をした場合は延滞税が課される
  • 故意に所得を隠した場合、重加算税が課される場合がある
  • 脱税や隠ぺいなどの行為をおこなった場合、青色申告の承認取り消し、さらには刑事罰(罰金・懲役)を受けることがある
  • 2事業年度連続で期限内に申告が行われなかった場合、青色申告の承認が取り消しになることがある

参考:国税庁|法人の青色申告の承認の取消しについて(事務運営指針)

疑問点がある場合は相談を

疑問点がある場合はそのままにせず、税務署や税理士による無料相談などの相談可能な窓口に相談しましょう。確定申告の内容が不正確な場合には追徴課税がかかることもあり、本来の金額より大きな金額が後から課される可能性もあるからです。
なお、相談窓口は複数あり、特に確定申告期間中は出張相談などが増えます。疑問点がある場合は積極的に利用を検討するとよいでしょう。
相談できる主な窓口や、参考になるWebサイトは以下の通りです。

  • 所轄の税務署窓口(対面または電話)
  • 青色申告会(相談するには有料会員になる必要があるので注意)
  • 利用中の会計ソフトサポートサービス
  • 税理士による無料相談会(確定申告期間中に商工会議所などでおこなわれる)
  • インターネットのQ&Aサイト

まとめ

個人事業主やフリーランスは毎年確定申告をおこない、所得税を確定させる必要があります。確定申告には白色申告と青色申告の2種類があり、個人事業主やフリーランスは青色申告が可能です。
青色申告では、最大65万円の控除を受けられるほか、家族の給与を経費として計上できる、赤字の清算や減価償却の特例が利用できるなど、数多くのメリットがあります。ただし、青色申告にはデメリットもあり、手間がかかる複式記帳をおこなう必要があったり、青色申告をするための事前申請をしなければいけなかったりというデメリットもあります。
記帳が手間である場合は会計ソフトを利用する方法がオススメです。事業規模が大きかったり会計処理が複雑だったりという場合は、有料で税理士に依頼する方法もあります。
また、青色申告で不正や遅延をした場合はペナルティが課されます。そのため、疑問点は放置せず税務署窓口や税理士による無料相談会で相談したり、インターネットのQ&Aサイトを参考したりして正しく申告をおこなうようにしましょう。

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個人事業主が経費にできるものとは?節税につながる勘定科目一覧 https://www.seraku.co.jp/tectec-note/freelance/bp-kojin-keihi/ https://www.seraku.co.jp/tectec-note/freelance/bp-kojin-keihi/#respond Tue, 17 Jun 2025 01:07:23 +0000 https://www.seraku.co.jp/tectec-note/?p=38032 はじめに
  • 個人事業主の経費とは、事業活動に伴って必要となる支出のこと
  • 適切な経費の計上は、節税効果が期待できる
  • 経費は領収書等を整理して、勘定科目ごとに金額をまとめる
  • 個人事業主が経費にできないものは、事業とは関係のない個人的な費用や支出である
  • 自宅兼事務所利用の場合は、個人と共有する費用の家事按分(かじあんぶん)が必要になる

確定申告で何が経費として計上できるのか、必要なものや対応する勘定科目は何かから、計上できないものや、個人事業主ならではの判断に迷う経費について詳しく解説します。経費計上は節税対策につながりますが、計上しすぎるとリスクも伴います。どのように経費を計上すればよいか、上手な経費計上の方法をお伝えします。

個人事業主の経費とは

個人事業主の経費とは、事業活動に伴って支払った費用のことを指します。個人事業主の場合、個人的な費用と混同されがちなので、しっかりと区別する必要があります。経費を正しく認識し管理することで、適切な節税効果を得られます。

個人事業主の経費はどこまで計上できる?

計上できる経費に上限はありません。事業に関連する経費であれば、いくらでも計上することが可能です。しかし、収入と経費のバランスが悪いと税務署に不信感を抱かせる要因となります。たとえば、収入よりも多額の経費が続いたり、個人の費用を計上したりが疑われる場合です。経費は事業で生じたものであることを明確に示す必要があります。

経費計上が節税になる?

確定申告で納税額算出の基本となる課税所得金額の求め方は以下の通りです。

課税所得金額の求め方
課税所得金額=収入-経費-所得控除額

※課税所得金額とは、確定申告で納税額を求める基本となる金額

この計算式からもわかるように、経費を漏れなく計上することで、節税効果が期待できます。

経費と認められる判断基準は?

個人事業主の経費を認められるための判断基準は以下の3つです。

  • その支出が事業と関連しているか
  • 事業にとって必要なものか
  • 支払額が一般的判断で妥当な範囲内か

認められない例には、完全在宅のWebライターが通勤用として自家用車の使用している場合や、実際に利用していない自宅の一室を事務所として申告している場合があります。

経費率に目安はある?

経費率の目安は業種や事業規模によってさまざまで、一概に提示することは難しいのが実情です。しかし、以下のみなし仕入れ率を参考にすることは可能です。

消費税の簡易課税制度における「みなし仕入れ率」
  • 第1種事業:90%(卸売業)
  • 第2種事業:80%(小売業、飲食料品の譲渡に係る林業・農業・漁業)
  • 第3種事業:70%(第2種事業を除く林業・農業・漁業や製造業・建築業)
  • 第4種事業:60%(飲食業など)
  • 第5種事業:50%(サービス業・金融・保険など)
  • 第6種事業:40%(不動産業)

参考:国税庁|No.6509 簡易課税制度の事業区分

個人事業主が経費にできるもの一覧

個人事業主が経費にできる経費項目は、事業形態や事業内容に応じて異なる場合があります。以下の経費一覧は、主な勘定科目をまとめたものです。

経費にできるもの

地代家賃

地代家賃は、事業用の土地や建物を借りる際の費用を計上する項目です。事務所や店舗を借りている場合の家賃・管理費・共益費や、社用車の駐車場代、新規に借りる際の契約に関する費用等が計上できます。ただし、自宅用の駐車場代等には利用できません。

交際費

交際費は、取引先との打ち合わせやミーティング等にかかった食費や、ゴルフ等の接待にかかった経費を計上する項目です。家族や友人など個人的な会食には利用できません。

消耗品費

消耗品費は、法定耐用年数が1年未満で、固定資産にならない10万円未満の事務用品や電化製品等を計上する項目です。文房具やコピー用紙、名刺、パソコン周辺機器など少額物品も含まれるため、領収書を保管し経費計上することが重要です。

旅費交通費

旅費交通費は、事業に必要な移動に係る電車・バス・タクシー等の交通費や、出張時の宿泊・交通費・日当、高速道路料金(ETC利用料)やガソリン代等を計上する項目です。出張時の食事代は基本的には含めませんが、食事付きの宿泊プランでの食費は経費に含められます。

水道光熱費

水道光熱費は、店舗や事務所運営に必要な、電気・ガス・水道等の公共料金を計上する項目です。事務所兼自宅の場合は、事務所として利用している分を家事按分して計上します。家事按分については、以下で詳しく解説します。

通信費

通信費は、インターネットの回線使用料・電話代・切手代・ファックス代等の、事業で利用する通信費用を計上する項目です。こちらも事務所兼自宅の場合は、家事按分が必要です。

広告宣伝費

広告宣伝費は、事業や商品を宣伝する費用を計上する項目です。Webサイトやチラシ、看板の製作費や広告の原稿料等が含まれます。少額の来店記念品代も計上できます。

租税公課

租税公課は、事業に関連する税金や公的な負担金を計上する項目です。個人事業税・印紙税・固定資産税・社用車の自動車税等が含まれます。個人に係る税金は計上できません。

支払保険料

支払保険料は、従業員や事業に関わる財産の保護を目的とした保険料を計上する項目です。事故や火災等の損害保険料・自動車保険料・自賠責保険料などがあげられます。個人事業主本人に関わる生命保険料や年金型保険料等は対象外です。

人件費

人件費は、従業員に支払う給与や手当、雇用する際にかかる費用を計上する項目です。生計を一にする家族を雇っている場合、基本的に経費計上できません。しかし、青色申告で専従者給与特別控除の申請をしている場合は経費計上できます。

福利厚生費

福利厚生費は、従業員の健康診断費用や慶弔費、社員旅行や忘新年会の費用等、従業員の福利厚生のために支出した費用を計上する項目です。

法定福利費

法定福利費は、従業員を雇っている場合に係る健康保険料や厚生年金保険料等の、社会保険料の企業負担額を計上する項目です。

雑費

雑費は、勘定科目を設けるほど使用頻度のないものや、ほかの経費にあてはまらないものを計上する項目です。たとえば、支払手数料の勘定科目がないときの銀行の振込手数や、新聞図書購読費の勘定科目がないときの書籍代等の少額の経費をまとめて計上できます。
勘定科目は一度設定したら、毎年同じ項目に同じ経費を計上する必要があります。

仕入は経費とは別の勘定科目になる

商品や原材料の仕入れにかかった費用は、事業にかかった経費として計上することが可能です。ただし、経費とは別扱いで「仕入」や「商品」の勘定科目を使って処理します。確定申告でも仕入金額は「売上原価」として、経費とは別に記載します。

また、まだ販売していない仕入れにかかった費用は、その期の費用として計上せずに、在庫として資産に計上する必要があります。

個人事業主が経費にできないもの

個人事業主が経費にできないものは、事業とは関わりのない個人的なものや、株式会社では適用されても、個人事業主であるがゆえに適用されないものなどがあります。

私的な交際費や旅費交通費

事業と関わりのない費用は経費として認められません。たとえば、家族や友人との食事や飲み会、旅行などは私的に利用されたものになります。個人事業主の場合、明確に区別する必要があります。

個人事業主本人の福利厚生費

福利厚生費は従業員の保険・医療・慰安等に適用される経費です。個人事業主は従業員ではなく事業主なので、本人の福利厚生費は経費には適用されません。

個人事業主本人の健康診断費用

従業員の健康維持のため、定期的に健康診断を行う企業は多いです。従業員の健康診断費用は経費計上できますが、事業主本人は福利厚生費同様に適用されません。自己負担で実施しましょう。

個人事業主個人に課せられた税金

事業運営に関わる税金や公的負担金は租税公課として計上可能です。しかし、個人事業主が自分で支払う所得税や住民税など、個人に課せられた税金は経費とは認められません。

10万円以上の物品購入

10万円未満の物品は、消耗品費として一括で経費計上できます。しかし、10万円以上の物品は固定資産として扱われるため、減価償却が必要になります。減価償却資産については、後ほど詳しく解説します。

事業主や家庭のための支払い

個人事業主が個人的に支払ったものや家族のために購入したものなどは、事業活動と関係ないものなので経費計上できません。たとえば、子供が塾に通うための交通費や個人的な友人におくった慶弔費、家族のための買い物などは、税務署に疑問を抱かせないためにも明確に分ける必要があります。

家事按分で個人と共有するものの経費を明確にわける

事務所兼自宅の場合、水道光熱費や通信費、事業として占有する面積分の家賃、自家用車を事業に利用する場合などは経費割合を定める必要があります。使用時間や使用面積、走行距離(車の場合)等の、合理的な基準に基づいて按分しなければ税務署に否認されるリスクもあります。

家事按分とは事務用とプライベート用を使用比率で分けること

白色申告では「事業で利用する割合がおおむね50%超の家事関連費」が対象となっています。しかし、「所得税法 法令解釈通達45-2」では、50%以下でも必要性が明らかであれば経費算入できるとも記しています。明確な合理性の証明が必要ということです。
参考:国税庁|法第45条《家事関連費等の必要経費不算入等》関係

減価償却費の扱いに注意する

10万円以上30万円未満の減価償却資産は、一括で全額を経費計上することができません。各資産の法定耐用年数に応じて分割で経費計上します。
しかし、青色申告を行っている場合、取得価額が30万円未満の減価償却資産で、年間の取得価額の合計額が300万円までの範囲内であれば、「少額減価償却資産の特例」を利用して一括で経費計上することも可能です。
参考:国税庁|主な減価償却資産の耐用年数表

個人事業主の経費計上のやり方

経費計上のやり方と注意点を解説します。

必要な書類

経費を証明する書類には、いつ・誰が・どこで・何を・いくらで購入したかが記載された領収書が一般的に利用されます。取引の都度、領収書を受け取り保管しましょう。領収書以外では、レシート・クレジットカードの明細書・出金伝票・電子データも利用できます。以下に注意点をまとめましたので、参考にしてください。

経費を証明する書類に記載される内容
  • いつ(日付)
  • 誰が(購入者)
  • どこで(購入先)
  • 何を(購入品目)
  • いくらで(金額)
  • 領収書:最も利用される書類

    但し書きがあることで購入品目や購入目的が理解できる

  • レシート:領収書に代わる証明書類となる

    裏面に購入者や購入目的などのメモを記載するとよい

  • クレジットカードの明細書:領収書に代わる証明書類となる

    事業専用のクレジットカードを利用するとよい。購入目的などメモするとさらによい

  • 出金伝票:証明書類がない場合に利用できる

    自動販売機の飲み物や電車・バスの乗車料金など領収書がないときに利用できる

  • 電子データの領収書:ネット注文で購入した物品の領収書や納品書も証明書類となる

    電子領収書は電子データのまま保存する

参考:国税庁|電子帳簿保存法が改正されました

青色申告の場合

青色申告では、正規簿記による書類の作成が必要になるため、青色申告決算書の損益計算書に勘定科目ごとに合計した金額を記入します。
青色申告は、最大65万円の青色申告特別控除が受けられるほか、青色専従者給与の経費計上、赤字の3年間繰越計上等の経費にできる項目が多く、節税効果を最大化できる可能性があります。

白色申告の場合

白色申告では簡易簿記で対応できるため、収支内訳書の経費の項目に、勘定科目ごとに合計した金額を記入し、確定申告書とともに提出します。青色申告に比べ簡易ですが、正確な計上が求められます。

経費計上が多すぎるとリスクにつながる

多くの経費を計上することで、節税対策になるため適切な経費計上が必要です。しかし、多過ぎる場合は、以下のようなリスクもあります。

税務調査の対象になる

経費計上が多すぎると、税務署から脱税を疑われ、税務調査の対象となる可能性があります。とくに赤字が続く場合は注意が必要です。税務調査で脱税と判断された場合の罰則は大変厳しいものになります。適切な経費管理が求められます。

銀行からの融資が受けられない

事業拡大のために銀行から融資を受ける場合、決算書や収支内訳書の提出が求められます。このとき、経費が多すぎて利益が極端に少ない、または赤字となっていると、融資が受けられない場合があります。
そればかりか、経営改善が優先だと苦言を受けるかもしれません。経費計上は慎重に行うことが重要です。

まとめ

事業を行ううえで、節税効果のある経費は重要な要素です。漏れなく正確に計上する必要があり、多すぎても少なすぎてもよいことはありません。日々の業務においては、細かい金額でも領収書を受け取り保管しましょう。さらに、個人事業主は事業者と個人の区別を明確にすることが、節税への近道となります。

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個人事業主が法人化するメリット・デメリットは?最適なタイミングも解説 https://www.seraku.co.jp/tectec-note/freelance/bp-kojin-houjin-ka/ https://www.seraku.co.jp/tectec-note/freelance/bp-kojin-houjin-ka/#respond Mon, 26 May 2025 06:56:19 +0000 https://www.seraku.co.jp/tectec-note/?p=37569 はじめに
  • 法人化することで個人事業主よりも信用力が高まるメリットがある
  • 個人事業主の法人化には維持管理の複雑化とコスト増加のデメリットも伴う
  • インボイス制度により消費税の免税期間が失われる可能性もあるため要注意
  • 法人化するタイミングはメリットとデメリットを比較してよく見極める必要がある
  • 法人化には法令遵守の取り組みや長期の事業計画策定といった継続的な努力が必要

本稿ではフリーランスをはじめとした個人事業主が、事業を拡大するために法人を設立する法人化について、メリット・デメリット、手続きの流れや最適なタイミングについて詳しく解説します。

個人事業主の法人化とは?

ここで述べる法人化とは、個人事業主から事業形態を法人に変更することを指します。法人とは個人と同様の独立した人格を持つ組織であり、例としては株式会社や合同会社、社団法人やNPO法人などがあります。

個人事業主の法人化では、事業は個人の所有から独立した法人に継承して運営され、法律上の権利と義務が法人に伴います。これにより事業の信用力が向上し、対外的なイメージの向上も期待できます。

個人事業主が法人化するメリット

法人には個人事業にはない、さまざまなメリットが存在します。以下の項目では、代表的な3つのメリットについて解説します。

信用力とイメージの向上につながる

法人は法律によって倒産時などの責任を、出資額を限度とした責任とする有限責任で守られるため、無限責任である個人事業主よりも信用力が高くなります。これは取引先や金融機関との関係構築において大きなメリットです。法人名義の契約を結ぶことで、ビジネスの信頼性や事業に対するイメージを高められます。

節税効果が期待できる

個人所得と法人所得では税率が異なるため、法人化によって所得税の負担を軽減できる可能性があります。法人の方が個人よりも所得税率が低くなる場合があるため、所得額によっては節税効果が期待できます。また、経費として認められる範囲も広がるため、経費計上の幅にも余裕ができます。

資金調達の手段が増える

法人化により、資金調達の手段が増えます。株式や社債の発行による資金調達が可能となり、融資を受ける際の融通性も期待できるため、事業拡大に必要な資金を集めやすくなります。

個人事業主が法人化するデメリット

法人化にはデメリットも存在します。以下の項目では、代表的な3つのデメリットについて解説します。

手続きと管理の負担が伴う

法人化には複雑な手続きが伴います。設立登記や定款作成など、初期段階での手続きが複雑で大きな負担が伴います。また法人としての管理業務も増えるため、事業の内容や形態によっては専門的な知識が要求されることもあります。

事業の維持費が増加する

法人を維持するためには個人事業よりも多くの費用がかかります。例えば、法人税や社会保険料、会計監査費用など、事業の規模に比例して多くの支出が発生します。

経理業務が複雑になる

法人化すると、経理業務がより複雑になります。毎月の給与管理業務をはじめ、出入金の管理も複雑化するため、事業規模によっては専門の担当者が必要です。また定期的な決算報告や税務申告が必要となるため、これらの作業には専門的な知識が求められます。

法人化する手続きの流れ

法人化の手続きでは、複数の役所に専門的な書類を提出するため、手続きの完了には2~3週間ほどかかります。表内の流れが手続きの手順です。

  1. 会社形態の選択

    株式会社や合同会社など、適切な会社形態を選ぶ

  2. 定款の作成

    会社の基本ルールを定めた定款を作成する

  3. 設立登記

    法務局で設立登記を行い、法人としての認定を受ける

  4. 税務署への届出

    法人としての税務手続きを税務署に届け出る

  5. 社会保険への加入

    従業員を雇う場合は社会保険に加入する義務がある

これに伴い、個人事業として開業している場合には廃業の手続きが、法人に引き継ぐ資産がある場合には引き継ぎや名義変更の手続きが必要になります。複雑な手続きになりますので行政書士や司法書士、税理士との連携も視野に入れると、より確実です。

法人化の最適なタイミング

法人化の最適なタイミングは、事業の成長に応じて判断します。具体的には事業拡大を計画するタイミングや、所得税が高くなり始める頃が適していますが、消費税の課税に関するタイミングも目安になります。以下の項目で詳しく見ていきましょう。

事業拡大や資金調達を検討するとき

事業が成長し、人材採用や設備投資が必要なタイミングは法人化の好機です。法人化することで、採用や事業に対する支援や助成が受けられるようになります。資金面でも社債や株式を使った資金調達ができますし、個人に比べて社会的信用も高まるため、銀行からの融資も受けやすくなります。

事業所得が900万円を超えるとき

個人の所得税率は累進課税のため、課税所得695万円以上で23%、900万円以上で33%に上がりますが、法人の所得税率は800万円を境目に15~23.2%です。そのため事業所得が900万円を超える際は、法人化による節税が期待できます。

ほかにも法人であれば役員報酬による所得の分散や、生命保険・退職金といった経費の幅が広がることで、一層の節税対策が期待できます。そのため事業所得が900万円を超えるタイミングが法人化の好機と言えるでしょう。

参考:国税庁|タックスアンサー No.2260 所得税の税率
参考:国税庁|タックスアンサー No.5759 法人税の税率

事業売上が1000万円を超えるとき

個人事業で事業売上が1,000万円を超えると、2年後から消費税の納税義務が生じます。一方、新設法人で資本金1,000万円未満かつインボイス発行事業者でない場合は※、最長で2年間消費税が免除されるため、その直前の法人化は節税上有利なタイミングと言えます。

※但しインボイス発行事業者となる場合は、申請時点で消費税の課税事業者となり、免税期間がなくなるため注意が必要です。

個人事業主が法人化を検討する際の注意点

法人化を検討する際は手続きやメリット・デメリットの理解のほかにも、注意すべきことがあります。以下で代表的なものを簡単にまとめました。

  • 専門家との連携

    事業の内容や規模によっては、税理士や弁護士といった専門家との連携が必要になる

  • 長期的な事業計画の策定

    法人化後の資金調達や経営戦略といった、長期的な事業計画が必要となる

  • 法令遵守への取り組み

    法人化後は企業の法的な義務を理解するとともに、適切な取り組みを継続する必要が伴う

  • 個人事業主に戻ることが難しい

    法人から個人事業主に戻るには登記簿から法人格を消し、残った純資産を株主へ返金する手間がかかる

まとめ

個人事業主の法人化には、信用力の向上や節税効果への期待といった多くのメリットがあります。一方で法人化には、手続きの負担や事業管理コストの増加といったデメリットも伴います。法人化を検討する際は、これらをよく比較して最適なタイミングを見極めましょう。

法人化の前後には事業規模の拡大とともに複雑な手続きが伴いますので、これを一人で行うことが難しければ、専門家との連携を視野に入れるとより確実です。本稿が後悔のない選択と法人化を成功させる一助となることを願っています。

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フリーランス必見!節税対策をわかりやすく解説 https://www.seraku.co.jp/tectec-note/freelance/bp-freelance-tax-saving/ https://www.seraku.co.jp/tectec-note/freelance/bp-freelance-tax-saving/#respond Tue, 13 May 2025 06:48:05 +0000 https://www.seraku.co.jp/tectec-note/?p=36840 はじめに
  • フリーランスが支払う税金は収入と所得から算出される
  • フリーランスの節税には経費計上と各種控除の活用が重要となる
  • 節税には資金管理とともに経費にできる税金を把握することも重要
  • 青色申告による各種の控除はフリーランスにも大きな節税効果がある
  • 控除にできる保険や共済は資産形成とともに節税効果をもたらす

フリーランスの事業では確定申告を通じて収入を申告し、税額を求めます。税額は収入(売上)と、そこから経費と各種控除を差し引いた課税所得から算出します。つまり経費と控除を増やすことが節税のポイントです。本稿ではフリーランスの税金と節税対策について、ポイントと合わせて解説します。

フリーランスが支払う税金の種類

フリーランスが支払う税金には、所得税や住民税、さらには個人事業税や消費税などが挙げられます。以下の表では、確定申告後にフリーランスが支払う税金について、解説とともにまとめました。

フリーランスの税金一覧

所得税収入から必要経費を差し引いた所得に課税される税金
復興特別所得税東日本大震災からの復興に必要な財源確保を目的として創設された税金
住民税所得に応じて地方自治体から課税される税金
個人事業税年間の事業所得が290万円を超えた事業者に課される地方税。業種によって税率が異なる
消費税前々年の売上が1000万円を超える事業者、また開業から2年以内でも前年1月1日~6月30日の売上が1000万円を超える事業者は、売上に対して消費税が課される
固定資産税家屋や土地などの固定資産に対する税金。所有する物件をオフィスとして使用する場合は、固定資産税を合理的な割合で按分できる

フリーランスの節税対策

経費と控除は確定申告時に収入や所得から差し引かれるため、これを確保し、活用することがフリーランスの節税につながります。そのためには、年度末になって慌てて対策を始めるのではなく、年間を通じて経費や控除を意識した、計画的な資金管理が重要になります。これらのポイントについて、以下の項目で詳しく解説します。

経費計上が節税につながる

必要経費は確定申告時に収入から差し引かれ、その計算結果が所得となるため、経費の適切な計上こそ節税の基本といえます。フリーランスも他の事業者と同様に、事業に直接関連する出費を必要経費として申告できます。例えば、仕事用のパソコンやオフィスの家賃、通信費などがこれに該当します。注意すべきは、プライベートと事業の出費をきちんと区別することです。

経費項目の具体例

正しく経費を計上するためには、具体的にどのような費用が必要経費として認められるかを知っておくことが重要です。代表的な経費としては交通費・交際費・消耗品費・研修費などがあり、これらの費用は事業を円滑に進めるために必要な経費として計上できます。普段から領収書やレシートを保管し、記録をつける習慣をつけましょう。

経費にできる税金を把握する

フリーランスは自身の税金を経費にすることはできません。例えば所得税や住民税などはいずれも経費対象外です。ただし、事業に関わる税金であれば経費として計上できます。例えば、個人事業税や事業で支払った印紙税は経費の対象になります。また、自宅兼事務所として使用している不動産の固定資産税や自動車税は、家事按分後の金額を経費に計上できます。他にも、個人事業税や税込経理方式における消費税などが租税公課として経費に計上できます。

控除の活用も節税に有効

確定申告で扱う控除には所得金額を差し引く所得控除と、算出後の所得税額から差し引く税額控除が存在します。いずれも税金を減額させる効果があるため、控除を理解し活用することは節税にも有効に働きます。

所得控除の種類

売上から経費を差し引いて算出した金額を、事業所得と言います。この事業所得からさらに所得控除を差し引いた金額が課税所得となります。この所得控除について、以下の表にまとめました。

所得控除の種類概要
基礎控除合計所得金額が2,500万円以下の納税者が受けられる控除
社会保険料控除社会保険料を支払った際に受けられる控除
配偶者控除控除対象の配偶者がいる場合に、一定の条件を満たした納税者が受けられる控除
配偶者特別控除
扶養控除16歳以上の親族を扶養に入れている場合に受けられる控除
勤労学生控除学生であり、一定以下の所得がある場合に受けられる控除
ひとり親控除ひとり親の場合に受けられる控除
寡婦・寡夫控除寡婦・寡夫の場合に受けられる控除
障害者控除納税者本人・配偶者・扶養親族などが障害者や特別障害者に該当する場合に受けられる控除
生命保険料控除生命保険料を支払った際に受けられる控除
地震保険料控除地震保険料を支払った際に受けられる控除
小規模企業共済等掛金控除小規模企業共済や個人型年金の掛金などがある場合に受けられる控除
医療費控除納税者本人・配偶者・扶養親族などの医療費が一定額を超えた場合に受けられる控除
寄附金控除国や地方公共団体への寄附やふるさと納税などを行った際に受けられる控除
雑損控除災害・盗難・横領などによって損害を受けた際に受けられる控除

税額控除の種類

税額控除とは、確定申告で算出された所得税額から直接的に差し引ける控除です。そのため税額控除は直接的な節税効果があります。この税額控除について以下の表にまとめました。

税額控除の種類控除を受けられる対象
特定増改築等住宅借入金等特別控除住宅の新築・取得・増改築などを行った際に受けられる控除
住宅特定改修特別税額控除住宅の省エネ改修工事をした場合に受けられる控除
住宅耐震改修特別控除住宅の耐震改修工事をした際に受けられる控除
配当控除株の配当金や投資信託の分配金を受け取ったときに受けられる控除
外国税額控除海外で課税された所得税を日本の所得税額から控除できる制度(二重課税を調整するための制度)

節税に生命保険や小規模企業共済を活用する

社会保険料・生命保険料・地震保険料の各種保険料は確定申告時に所得から控除できます。また小規模企業共済や個人型確定拠出年金(iDeCo)も有効な節税手段です。これらは、老後の資金を準備しながら所得控除を受けられる制度です。掛け金は全額所得控除の対象となり、節税と資産形成の両方に役立ちます。

青色申告には大きな節税効果がある

確定申告には青色申告と白色申告の2種類があり、手続きがより複雑な青色申告では、最大65万円の控除を受けられるため、フリーランスにも大きな節税効果をもたらします。以下で詳しく見ていきましょう。

青色申告の条件

青色申告の特別控除を受けるには、管轄税務署に「所得税の青色申告承認申請書」を提出し、以下の条件を満たす必要があります。

  1. 事業所得、または事業的規模の不動産所得がある
  2. 事業所得に関する取引を複式簿記で記帳している
  3. 作成した青色申告決算書(貸借対照表と損益計算書)を添付して確定申告をしている
  4. 期限を守って確定申告をしている
  5. 現金主義による所得計算の特例を選択していない
  6. e-Taxで確定申告を行うか、仕訳帳と総勘定元帳などを電子帳簿保存法が定める「優良な電子帳簿」として保存している

※1~5を満たすと55万円控除、6も満たせば65万円の青色申告特別控除が受けられる
※65万円・55万円の控除要件を満たさない場合、控除は最大10万円となる
※10万円控除の場合は単式(簡易)簿記での帳簿作成が可能

青色申告のメリット

青色申告はフリーランスの節税にも大きなメリットがあります。それらについて以下の表にまとめました。

青色申告特別控除所得金額から最大65万円の控除を受けられる
赤字を繰り越せる赤字を翌年以降、個人事業主で最長3年、法人で最長10年※の所得から差し引ける
※平成30年4月1日より前に開始した事業年度の繰り越し期間は9年
青色事業専従者給与事業主が生計を同じくする家族に支払う給与を経費にできる(申告する前年の3月15日までに届出が必要)
貸倒引当金を経費にできる貸倒引当金とは、貸倒れの可能性がある債権(売掛金や貸付金など)に備えて、事前に計上する金額のことで、青色申告ではこれが、貸金の帳簿価額合計の5.5%以下であれば経費にできる
少額減価償却資産の特例30万円未満の資産を取得した場合、一度に経費に計上できる

まとめ

今回はフリーランスの税金と節税のポイントについて解説しました。フリーランスとして事業を安定して継続するには、収入確保とともに節税も重要課題です。そのためには経費や控除について正しく理解し、青色申告の活用や計画的な資金管理を行うことが、税負担の軽減につながります。後になって慌てることがないよう、節税は日々の業務とともに積み重ねて対策しましょう。本稿が節税対策の一助となることを願っています。

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