コラム

2023.05.12

BCP対策のカギはデータの保護!クラウド活用で効果的な対策を

BCP対策のカギはデータの保護!クラウド活用で効果的な対策を

はじめに

事業継続計画と呼ばれるBCP(Business Continuity Planning)。いつ起こるかわからぬ緊急事態に対し、企業が自社への被害や影響を最小限に抑え、滞りなく事業を継続できるよう、備えることが目的です。
近年ではクラウドサービスの利用が拡大していることから、BCP対策にもクラウドを活用しようとする動きが広がっています。
本記事では改めてBCPの重要性や、BCP対策にクラウドを用いるメリットについてなどをわかりやすく解説していきます。

BCP(事業継続計画)の重要性とは

新型コロナウイルス感染症に加えロシアによるウクライナ侵攻、また記憶に新しいトルコ・シリア大地震と、世界全体がさまざまな混乱に見舞われています。日本国内でも連日のように地震速報が発表され、また異常気象にともなう豪雨や台風といった自然災害も例年のごとく発生しています。国内外限らずこうした不測の事態に遭遇した際、BCPなる指針がなければ組織として何を優先しどのように行動すべきか判断できず、事業継続はおろか早期復旧も容易にはいかないでしょう。
特に近年はICTの普及や技術革新により、昔と比べてビジネスのスピードも格段に上がっています。この環境下で不意に事業やサービスが停止するような事態になれば、それだけ自社が被る損失は大きくなり、関係各所への影響もまた膨大なものになりかねません。今後も起こりうる不測の事態や時代環境の変化に対応するため、BCPの重要度は年々増しています。

BCP対策のカギはデータの保護

BCP対策としてやるべきことは、社員の安全確保や業務継続に必要な備蓄、停電対策など多岐にわたりますが特に重要となるのがデータの保護です。
データの利活用が普及し、さまざまなものがデジタル化する昨今では、データは重要な企業の資産となりました。このデータが有事の際に消失するようなことがあれば営業機会の損失やデータに基づく経営判断ができないなど、事後の事業存続にも関わります。
有事の際にデータをどう保護しどう維持するか、「データを保護するためのBCP対策」が事業継続へのカギであるといえるでしょう。

データを安全に保護するためにもクラウド活用を

企業におけるデータの重要性は年々高まり、そのデータを安全に保護するという意味でも、BCP対策としてクラウドを活用することは非常に効果的です。
ここではBCP対策をクラウドで行うことで、どのような効果やメリットがあるのかをみていきましょう。

メリット1.データを自社と離れた場所に保管

データを保護するためにやるべきことは、「安全な場所でのデータ保管やバックアップ」です。データを自社と同じ場所に置いていては、自社が被害を受けた際、データも同様に被害を受けかねません。クラウドを利用すれば当然、自社とは別の場所にサーバが置かれるため、自社とデータの同時被災という最悪な事態は免れます。
またクラウドサーバが設置されたデータセンターは災害に強い立地や構造を持つことから、自社にサーバを置いて管理するよりも頑強にデータを保護できます。

メリット2.バックアップデータを自動で取得

BCP対策には大量なデータのバックアップ作業が必要になります。これを人の手で行うには時間も手間もかかり、多くのリソースを要します。
クラウドを利用すれば自動でバックアップデータを取得できることがほとんどのため、BCP対策のためにわざわざ社内リソースを割く必要がありません。またクラウド提供企業によっては複数のデータセンターを持ち、定期的にバックアップをとりデータを分散して保管していることもあります。万一の際、あるデータセンターが被害を受けたとしても、別の場所にあるデータセンターにバックアップが保存されていれば、そのデータを取得し早期の事業復旧が可能です。

メリット3.オフィス外からでも業務が可能

緊急時には自社が被害を受けたり、公共交通機関がストップし通勤できなかったりと、オフィスでの勤務が困難になることも考えられます。クラウドはインターネットが使える環境であればどこからでもアクセス可能なため、オフィス外からでも業務を継続させることができ、事業中断リスクの低減につながります。

メリット4.コストをかけずにBCP対策を実施

自社でデータを管理する場合、データセンターと同等の環境を用意し、セキュリティ対策や緊急時対応も全て自社で行わねばなりません。それには膨大な時間とコストがかかります。
クラウドを利用すれば自社でバックアップ専用サーバを用意する必要がなく、セキュリティ対策やメンテナンス作業といった保守管理費も不要なため、コストを抑えることが可能です。すぐに取り組みたいデータのBCP対策を短期間で実施できるという点はクラウドならではの強みでしょう。

BCP対策をクラウドで行う際の注意点

BCP対策におけるクラウド活用には大きなメリットがありますが、注意すべき点もあります。

注意点1.ネットワークに接続できなければ意味がない

インターネットに接続されていればどこからでも、またどの端末からでもクラウドデータへアクセス可能ですが、ネットワーク障害があればデータを利用することはできません。その場合、ネットワークの復旧まで事業中断せざるをえず、これではBCP対策としては無意味なものになってしまいます。
いざというときのために、データは分散させ複数場所で保管する、複数の回線を契約しバックアップ用として用意しておく、といった基本的なリスク対応が必要です。

注意点2.バックアップデータの容量によっては高額に

クラウドはデータ容量とコストが比例するのが一般的です。バックアップ容量が大きくなればなるほどコストも膨らみます。特にBCP対策を目的とした場合、複数のバックアップデータをそれぞれ別の場所に保管するといったこともあり、おのずとデータ容量が増え、コストも高額になりがちです。
安易に多くのデータをクラウドに預けようとせず、バックアップ対象となるデータの取捨選択を行うことである程度コストを抑えることは可能です。どのデータやシステムがBCP対策に必要かを意識し、定期的なバックアップデータの整理を心掛けましょう。

まとめ

近年はITの利活用が増えたことから、BCPにおけるデータ保護の重要性は高まっています。有事の際にデータを守ることができなければ、重要業務を含むすべての業務が停滞する可能性もあります。そうなると取引先からの信用を失い、企業存続の危機に陥りかねません。社員を守り組織を守り、事業を継続させるためにも、早期にデータのBCP対策に取り組みましょう。クラウドを活用すればコストやリソースといった負担も少なく、すぐにBCP対策に着手が可能です。
とはいえ、どのクラウドがBCP対策に最適であるかを検討するのは容易ではありません。データセンターが自社から離れた場所にあるか、高度なセキュリティ対策を行っているか、データの分散が適切に行われているかなど、BCP対策を行うクラウドにも条件が求められます。こうした条件をふまえながらのクラウド選択はクラウドに知見がなければ難しいでしょう。そのような場合はプロへお任せするのが確実です。
セラクはこれまで多くの企業へクラウド導入・運用・サポートを行ってきた実績があります。一刻も早くBCP対策に取り組むためにも、まずはセラクへ一度ご相談ください。

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