コラム

2023.04.23

無理なく自社システムをクラウド化!リフト&シフト(Lift & Shift)とは

無理なく自社システムをクラウド化!リフト&シフト(Lift & Shift)とは

はじめに

DXに取り組む一環として、既存のアプリケーションをクラウドへ移行しようとする動きが高まっています。クラウド移行にはさまざまな方法がありますが、本記事では現在オンプレミスで稼働している自社システムを無理なくクラウドへ移行させる「リフト&シフト」について解説していきます。

無理なく移行|リフト&シフトとは

リフト&シフトとは、社内リソースやコストといった課題を考慮し、直ちにクラウド化を目指すのではなく「リフト」と「シフト」の2段階に分けてクラウド移行を図る方法です。
リフトは、オンプレミス環境にあるアプリケーションを大きく仕様変更することなく、クラウド環境に移行させることです。
シフトは、リフトしたアプリケーションの利用状況や課題などをモニタリングしながら徐々にモダンなアプリケーションへと改修を行い、最終的にクラウドネイティブなアプリケーションに近づけていきます。

リフト&シフト方式を利用することで、新たにクラウドネイティブなアプリケーションをゼロから開発する方法と比べ、短期間かつ低コストでクラウド移行を実現できます。

リフト&シフトによる移行のメリット

リフト&シフト移行で特筆すべきポイントは、コストを抑えつつ短期間でクラウド化を実現できるところにあります。既存のアプリケーションをベースとした改修のため、ユーザの利用感は従来と大きく変わらず、学習コストも抑えられます。
そのうえでリソースの最適化やスケーリングなど、クラウドの恩恵を享受できる点も魅力です。

リフト&シフトによる移行の手順

実際にリフト&シフトはどのように行われるのでしょうか。ここではリフト&シフトによる移行の流れをみていきましょう。

1.動作環境を仮想化する

まずは動作環境の仮想化から始めます。仮想化とは物理的に存在するハードウェアのリソースを抽象化し、ソフトウェア的に統合・分割できるようにする技術です。この仮想化技術を使い、既存のアプリケーションを従来のハードウェア上での動作から、ハードウェア上に構築された仮想化環境で動作できるようにします。

2.クラウド環境で動作テストを行う

オンプレミス上の仮想化環境で動作を確認した次は、クラウド上の仮想化環境で動作テストを行います。クラウド環境での動作がスムーズにいくかは実際にアプリケーションを利用してみなければわかりません。そのため実業務への影響が出にくいアプリケーションや機能を、限定的にクラウドへリフトしトライアルを行います。ここで得られたデータをもとに、移行手順の再確認や課題の洗い出しなどを行います。

3.クラウド移行を順次進める

トライアルで得た知見をもとに、本格的なクラウド移行を開始します。すべてのアプリケーションをまとめてリフトするのではなく、優先順位をつけ順次移行していく方法がおすすめです。
クラウド移行の際には一時的にアプリケーション利用ができなくなります。そのため移行難易度や利用頻度の低いアプリケーションから移行を進めましょう。

4.クラウド環境での使いやすさを追求・改修する

リフト完了、ここからはシフトの段階に移ります。クラウド移行後、実際に利用しながらクラウドネイティブなアプリケーションの利便性に近づけるように改修を行います。これにてリフト&シフトによるクラウド移行は完了です。その後はクラウドの利点である運用効率化を実現できるよう、クラウド環境にマッチした運用管理体制を構築していきます。

リフト&シフトによる移行の課題

近年ではクラウドネイティブなアプリケーションやサービスが増加しており、自社のアプリケーションをリフト&シフトして使い続けるよりもコスト面で優位というケースもあります。またリフト&シフトによるアプリケーションはクラウド環境での利用を想定しておらず、クラウドネイティブなアプリケーションと比べると、どうしても利便性で劣る点も否めません。
クラウド化に際しては、リフト&シフトだけでなく他の移行方法とも比較しながら最適な手段を選びましょう。

まとめ

DXに向け社内システムのクラウド化はいまや推奨ではなく必須となりつつあります。
既存のアプリケーションをリフト&シフト方式でクラウド化したい、またはどうクラウド化するのがよいか悩んでいるなどお困りの場合はセラクへご相談ください。
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