コラム

2024.04.09

COMPANY Ver8へのバージョンアップでクラウド化を実現!重要性やメリットの紹介

はじめに

国内の大手企業向けERP市場でトップシェアの『COMPANY』は、2019年からVer8シリーズの提供を開始しています。しかし「バージョンアップで何が変わるのか分からない」「バージョンアップ作業が大変そう」といった理由で、旧バージョンの利用を継続しているユーザ企業は少なくありません。そこで本記事では、『COMPANY』を Ver8にバージョンアップする重要性やメリットについて紹介します。

『COMPANY』とは

『COMPANY』は、入社から退職まで一連の人事労務に対応できる、株式会社Works Human Intelligence提供の人事・給与業務ERP(Enterprise Resource Planning)パッケージです。大手企業以外にも中央省庁や独立行政法人、地方公共団体で利用されており、2022年には外務省の本省および在外公館における「人事給与等関係業務システム」刷新にも採用されています。

最新版の『COMPANY』はクラウドサービスとして提供されていますが、もともとオンプレミス型の製品として多くのユーザ企業のニーズに対応して標準機能の開発を続けてきました。そのためすべての企業に不可欠な機能だけでなく、業種や業態などによって必要になる機能を多く「標準機能」として備えており、一般的なSaaS(Software as a Service)型システムと比べて商習慣をシステム化しやすいデザインです。スモールスタートして運用コストを変えない範囲で徐々に利用する機能を増やすといった使い方も、標準機能の範囲で対応できます。
また自社向けの開発や複雑なカスタマイズを前提とした一般的なシステムと比べて、イニシャルコストや法制度改正への対応といった追加コストを抑えられるといったメリットもあります。

Ver8アップデートの主なメリット

Ver7以前の『COMPANY』は、他サービスと連携したプライベートクラウド環境やオンプレミス環境で利用されており、運用保守についてもユーザ企業側で対応する必要がありました。また導入時の設定を考えても、従業員の端末ごとに『COMPANY』のクライアントアプリをインストールして個別設定するというように、作業は大変でした。
2019年に公開されたVer8以降の『COMPANY』はクラウドサービスとして利用できるだけでなく、UIや操作感といった部分も改善されているため、主要メリットについて項目ごとに紹介します。

さまざまな環境からの自由なアクセス

クラウドサービス化により、Ver8以降はアプリインストールが不要となり、Webブラウザから利用できます。設定も『COMPANY』設定用URLにアクセスするだけで可能であり、従業員それぞれの端末を操作する必要はありません。
自社のネットワークにアクセスでき、認証情報があればストレスなく利用できるため、オフィス外業務の際に利用するといったユーザビリティの向上にもつながっています。

UI改善や新機能追加

Webブラウザで利用できるクラウドサービスに刷新され、UI改善により視認性が大きく向上しました。
たとえば、勤怠管理機能「勤怠ポータル」では残業時間をはじめとしたな働き方をグラフや表で可視化するといった形で、直感的に情報を把握できるようにデザインされています。また「リアルタイム集約設定調査Viewer」機能を実装し、従来は表形式でしか確認できなかった設定について、フロー形式で処理順も可視化できるように変更しました。ほかにも、従業員の端末に退勤準備を促す通知や残業申請へのリンクを表示させる、従業員の端末の電源管理をするといった機能も追加されています。

他システムとの連携

近年では、さまざまなクラウドサービスがビジネスシーンで利用されており、今後も利用は拡大すると考えられています。システムがそれぞれ個別に独立した状態では、管理や保守作業の負荷は増えるばかりです。またデータがそれぞれのシステムに分散していると、全社的な判断への利用は難しいでしょう。
『COMPANY』は利用形態がクラウドサービスに変わったため、 API(Application Programming Interface)を利用して他システムへ連携、セキュアな中継サーバを置いてデータをやり取りする形になりました。
他のクラウドサービスと連携させて人事データを一元管理することで、管理や運用工数を減らすだけでなく、企業全体でデータを元にしたデータドリブン人事の実現にも寄与します。

充実のセキュリティ対策

株式会社Works Human Intelligenceは、ユーザが製品の安全性を確認できるようセキュリティ面の取り組みを「セキュリティスタンダード(公開版)」としてWeb上で掲載しています。情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)に関する国際規格ISO/IEC 27001に基づいているほか、『金融機関等コンピュータシステムの安全対策基準・解説書』といった特にセキュリティ要求が高い業界基準への対応状況も記載されています。人事データをクラウドサービスで利用することにセキュリティ面で不安を感じる場合は、これらのセキュリティ規格への準拠と安全性について調べたうえで、改めて導入を検討するのもよいでしょう。

『COMPANY』バージョンアップを急ぐべき理由

株式会社Works Human Intelligenceは2027年10月にCJK Ver.7/CWS Ver.6/CSR Ver.4のサポートを終了すると発表しています。サポート終了以降に不具合が見つかった場合や法改正された場合には、ユーザ側で対応する必要が出てきます。
バージョンアップは簡単ではなく時間もかかるため、サポート終了となる2027年10月までに完了できるよう、計画的に移行について検討すべきです。

Ver8へのバージョンアップにかかる期間

『COMPANY』Ver8へのバージョンアップには、少なくとも6ヶ月程度の期間を想定しておくべきです。従業員6000名規模の企業で、バージョンアップ対応に10ヶ月程度かかった事例もあります。

時間がかかるのは、「バージョンアップ」であっても利用形態がクラウドサービスに刷新されるためです。Ver7までの『COMPANY』では一般的に、バッチサーバに出力したデータをそのまま他システムへ連携していました。Ver.8ではセキュアな中継サーバを介して各システムとデータをやり取りする仕組みを、要件定義から構築する必要があります。またセキュリティや他システム側の技術要件に注意しながら、「既存システムでのデータ利用方法の整理」や「他システムとの連携処理の再構築」を進めるためには十分な検討が必要です。
まず既存システムで管理しているデータの種類や量、品質を整理して、それぞれどのように利用されているかを整理します。次に『COMPANY』のクラウド化に伴い、『COMPANY』でどのデータを扱うのか、どの既存システムと『COMPANY』を連携させるのかをそれぞれ検討していきます。検討の際には長期間大きな改修をせずに使えるように、将来的な運用を想定したIDや区分値、項目の設定が必要です。
検討には、企業ごとに大きく異なる社内制度や現場でのデータ活用実態、連携を予定している複数のシステムに関する技術的な知識が必要です。社内人材だけで検討を進めるのは難しいため、「既存システムでのデータ利用方法の整理」の段階から外部のプロに協力してもらうといった方法も視野に入れましょう。公式のサポート終了までに、余裕を持ってバージョンアップできるようロードマップを作成することが大切です。

まとめ

『COMPANY』 Ver7以前のサポートは2027年10月に終了し、サポート終了後の使用にはリスクがあります。そのため、できるだけ早くVer8へのバージョンアップを検討したいところですが、バージョンアップには時間がかかり、専門知識を持つプロの協力も欠かせません。
実際に当社でも『COMPANY』のバージョンアップに関する問い合わせ件数が増えています。当社には100名以上の『COMPANY』専門知識を持った技術者が在籍し、お客様のご要望に応じて柔軟に対応いたします。バージョンアップへだけでなく、新規導入から運用支援、社内人材育成などさまざまな要望への対応が可能ですので、ぜひご相談ください。

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