はじめに
近年、企業価値の向上を目指す新たな経営手法として「人的資本経営」が注目されています。人的資本経営とは、従業員を「コスト」や「リソース」ではなく、「資本」として捉え、従業員の価値を最大限に引き出すことで、企業価値の向上を目指す経営手法です。従業員一人ひとりの知識、スキル、経験、創造性、価値観、さらには健康状態といった「人的資本」は、企業の競争力の源泉です。これらを適切に管理・活用することで、企業は市場での優位性を確立できます。本記事では、人的資本経営が注目される背景から具体的な取り組み、メリット、さらにそれを支える統合人事システム「COMPANY®」の役割について解説します。
人的資本経営が注目される背景
人的資本経営が重要視される背景には、社会構造や経済環境、労働市場の変化、国際的な規制などが深く関わっています。ここでは具体的な要因について、3つご紹介します。
1.技術革新と市場環境の変化
AI(人工知能)やIoT(モノのインターネット)などの技術革新が進む中で、企業の競争力の源泉が「技術」そのものから、それを活用して新たな価値を生み出す「人材」へと移行しています。特に、創造性や問題解決能力といった人間の特性は企業の成長を左右する重要な要素です。AI技術の進展により、データ分析や自動化が進む一方で、これらの技術を活用して新たなビジネスモデルを構築する能力は人材に依存している状態です。また、日本ではサービス産業が拡大しており、顧客体験やサービス品質の向上が競争力の鍵となっています。これらを支えるのは従業員の能力やモチベーションであり、人材を戦略的に活用する「人的資本経営」が不可欠です。
2.労働市場の変化と多様化
少子高齢化が進む日本では、労働人口の減少が深刻な課題となっています。この環境下で、企業は限られた人材を効率的に活用する必要があります。働き方改革やリモートワークの普及、労働市場のグローバル化など、多様な働き方が一般的になりました。企業は労働市場の動向や多様な働き方の拡大に対応するために、一人ひとりの従業員が持つスキルや価値観を最大限に引き出す柔軟な経営手法が求められています。
3.ESG投資と国際的な規制
ESG(環境・社会・ガバナンス)投資が普及する中で、企業の人的資本への取り組みが投資家からの評価基準として重要視されています。人的資本は、ESGの「社会(Social)」や「ガバナンス(Governance)」に深く関連しており、これらの要素が企業価値を左右する時代となりました。米国では証券取引委員会(SEC:Securities and Exchange Commission)が2020年に人的資本情報の開示を義務化しただけでなく、日本でも2023年3月期決算以降、人的資本情報の開示が義務化されるなど、国際的な規制が広がっています。これにより、企業は人的資本に関するデータの管理・開示が必要です。
人的資本経営の具体的な取り組み
人的資本経営を実践するためには、戦略的かつ体系的なアプローチが必要です。ここでは具体的な取り組みについて3つご紹介します。
1.情報開示の義務化
企業はISO30414(人的資本情報の国際基準)や米国SECの規制に基づき、人的資本情報の開示が必要です。これには、従業員のダイバーシティ、生産性、エンゲージメント、健康状態などのデータが含まれます。情報開示は、企業がステークホルダーからの信頼を獲得するための基盤となります。
2.フレームワークの活用
人的資本経営を体系的に進めるためには、フレームワークを活用することが重要です。代表的なフレームワークとして「3P(視点)」と「5F(要素)」があります。
| フレームワーク名 | 特徴 |
|---|---|
| 3P(視点) | 経営戦略と人材戦略の連動、As is-To beギャップの定量把握、企業文化への定着 |
| 5F(要素) | リスキリング、従業員エンゲージメント、ダイバーシティ&インクルージョン、柔軟な働き方、健康管理 |
これらのフレームワークを活用することで、企業は人的資本経営を体系的かつ戦略的に実践できます。また、他にもフレームワークが存在します。戦略人事に役立つフレームワークについてより詳しく知りたい方はこちら(戦略人事に役立つフレームワーク11選!活用のメリットやコツ )を参照ください。
3.人的資本への投資
人的資本経営の実現には、従業員のスキル向上や健康管理、働きやすい環境づくりへの積極的な投資が不可欠です。リスキリングやエンゲージメント向上施策を推進することで、従業員の能力を最大限に引き出し、企業の競争力を強化します。
人的資本経営のメリット
人的資本経営には、企業に以下のようなメリットをもたらします。
- ・生産性の向上:従業員の能力を最大限に引き出し、企業全体の効率を向上
- ・従業員エンゲージメントの向上:企業のビジョンや目標に社員が共感し、それぞれのモチベーションが向上、離職率が低下
- ・投資家からの評価向上:情報開示による長期的企業価値の評価促進や人的資本への投資によるESG評価の向上、株価・資金調達力の強化
- ・企業ブランディングの強化:人材育成への投資による社会的信頼の獲得、ブランド価値の向上、優秀人材の採用強化
人的資本経営と人事システムCOMPANY®の関係
COMPANY®は、株式会社Works Human Intelligenceが開発した大手法人向け統合人事システムで、人的資本の管理と活用を支える多様な機能を備えています。COMPANY®は、人的資本情報を一元管理し、可視化と分析を可能にすることで、企業が戦略的に人材を活用できる環境を提供します。主な機能は以下の通りです。
データの一元管理
従業員のスキル、キャリア履歴、評価情報、勤怠データ、健康情報などを統合的に管理します。情報の重複や欠損を防ぎ、正確なデータに基づいた意思決定が可能です。
戦略的な人材活用
従業員のスキルやキャリア目標に基づいた人材配置により、戦略的な人材活用を実現できます。COMPANY®を活用した戦略人事の実践について、より詳しく知りたい方はこちら(統合型人事システムCOMPANY®で実践する戦略人事 )を参照ください。
予測分析とリスク管理
AIを活用した予測分析機能により、離職リスクやスキル不足を早期に特定できます。人的資本の損失を未然に防ぎ、リスク管理の強化が可能です。
業務効率の向上
ISO30414や法定開示に対応したデータ集計機能を備えており、人的資本情報の開示や行政機関への提出を効率化します。人事部門の業務負荷を軽減し、戦略的な業務改善を支援します。
まとめ
人的資本経営は、企業の持続可能な成長を実現するための重要な戦略です。COMPANY®のような統合人事システムは、その戦略を支える基盤として有効な選択肢の一つです。COMPANY®は、人的資本情報を一元管理し、可視化と分析を通じて戦略的な人材活用を支援するツールとして、企業の競争力を強化します。COMPANY®の導入に関してお悩みがある場合は、ぜひ支援実績が豊富なセラクへご相談ください。当社には150名以上のCOMPANY®に関する専門知識を持った技術者が在籍しており、お客様のご要望に応じた柔軟な対応が可能です。COMPANY®の導入から運用定着までをサポートし、業務改善を目指す企業様を全面的にご支援します。







