はじめに
- COMPANY®を導入して半年経つが、現場から「以前のやり方のほうがよかった」という声がいまだに上がってくる
- 申請のたびに「どこを押せばいいか分からない」と人事部に問い合わせがきて、現場も人事部も疲弊している
- 導入を決めた立場として、「使いにくい」と言われるたびに自分の判断が間違っていたのではと不安になる
COMPANY®の定着フェーズに入った担当者から、私たちはこんなご相談を頻繁にいただきます。「使いにくい」という現場の声は、製品そのものへの評価というより、設定・運用・教育設計のどこかに改善の余地が残っているサインであることが少なくありません。
私たちセラクは、Works Human Intelligence認定オフィシャルパートナーとして、150名超のエンジニア体制でCOMPANY®の導入・運用・改善を支援してきました。豊富な支援実績によって組織にナレッジを蓄積しながら、定着フェーズで起きる「使いにくい」を改善する仕事を重ねています。その立場から、原因の見極め方、改善アプローチ、進める上での判断軸を整理します。
目次
「使いにくい」の声は、製品ではなく定着フェーズの課題サインかもしれない
「使いにくい」という声は、現場で実際に困っていることを示すリアルな信号です。ただし、この信号を「製品が悪い」と一括りで受け止めるか、「設定・運用・教育のどこに改善余地があるか」を切り分けるかで対応は大きく変わります。
初期流動で出る声と、定着後も続く声は意味が違う
初期流動の3か月で出る「使いにくい」は、多くの場合、慣れと教育の問題です。新しい操作・新しい画面・新しい申請フローに対するストレスは、誰にでも一定期間発生します。
一方、定着フェーズを過ぎても続く「使いにくい」は、設定・運用設計に踏み込んだ改善が必要なサインです。同じ現象でも、出ているタイミングによって対処の重点が変わってくるのです。
放置すると現場がExcelに戻ってしまう
「使いにくい」を放置した結果、現場がこっそりExcelに戻ってしまうケースを、私たちは何度も見てきました。せっかく入れたシステムが形骸化し、業務が属人化してブラックボックス化する悪循環に入っていきます。
現場の声を「製品批判」と片付けず、改善のヒントとして拾い上げる姿勢が、定着フェーズの分岐点になります。
「使いにくい」と感じる声を生む原因パターン
私たちが支援に入った時点で起きている「使いにくい」の原因を整理すると、3つのパターンに集約できます。
原因1:設定が現場の業務フローと合っていない
まず、導入時に汎用的なまま設定された結果、現場の実際の業務フローと細部がズレているケースです。「申請画面の項目が業務に必要な順序で並んでいない」「必須項目が現場で発生しない情報を求めている」「承認フローが組織変更に追従できていない」――こうした細部のズレが、現場の操作ストレスを生んでいるのです。
原因2:操作マニュアルが整っておらず自走できない
次に、導入時に作ったマニュアルが形式的で、現場の疑問に答えられないケースです。「画面を見れば分かる」前提で簡素化されたマニュアルは、いざ現場で迷ったときの拠り所になりません。
結果として「分からないことは人事部に問い合わせる」という運用に陥り、人事部側の工数も現場の生産性も両方が落ちていきます。
原因3:チェンジマネジメントが追いついていない
最後に、システムの操作以前に「なぜ業務のやり方を変える必要があるのか」が現場に伝わっていないケースです。経営層・人事部門は導入の意図を理解していても、現場の一人ひとりには伝わっていない場面が珍しくありません。
業務プロセスの変更に対する納得感がないまま操作を強いられると、どんなに優れたシステムでも「使いにくい」と感じてしまうのが人の自然な反応でしょう。
属人化を解消し標準化を進めた支援事例は、別記事でも整理しています。詳しくはこちらの記事(COMPANY®で属人化を解消!活用標準化の支援事例について解説)をご覧ください。
「使いやすい状態」に近づける3つの改善アプローチ
COMPANY®が「使いにくい」原因を見極めたうえで、私たちが支援現場で効果を実感している3つの改善アプローチをお伝えします。
改善1:設定の見直し(ワークフロー・帳票・アラート)
最初に手を付けたいのが設定の見直しです。複雑化したワークフローの再設計・帳票のレイアウト調整・アラートの発出条件の最適化・年休付与のロジック見直しなど、運用の中で生じた歪みを整理していきます。
COMPANY®は標準機能とパラメータ設定の幅が広いため、機能の組み合わせで現場の業務フローに寄せることができる場合が多いのが強みです。ただし機能を組み合わせすぎると後々のメンテナンスが難しくなることもあるため、5年・10年先の保守性まで見通した上で設計する視点が欠かせません。
改善2:説明会・トレーニングの再設計
導入時に一度説明会を行っただけでは、定着フェーズでの課題は解消できません。定期的なフォローアップ説明会・新任者向けのオンボーディング・管理職向けの承認フロー研修など、対象者と目的を分けたトレーニング設計が効果を発揮します。
トレーニングを行うタイミングは企業ごとに異なります。導入時に集中させるのか、本稼働後の初期流動期間に手厚く実施するのか、四半期ごとに分散させるのか、自社の組織文化と業務カレンダーに合わせて設計するのが現実的でしょう。
改善3:問い合わせ動線を整理する
「人事部に直接電話」という動線しかない組織では、問い合わせが集中して人事部が疲弊します。FAQ整備・社内チャットでの一次対応・よくある質問の動画化・管理職経由の問い合わせフローなど、複数の経路を整備することで、人事部の負荷を下げながら現場の疑問解決を早めることができます。
改善プロジェクトを成功させる判断軸
「使いにくい」の改善プロジェクトを社内で動かすときに、私たちが重視している3つの判断軸があります。
判断軸1:現場の声を「設定改善のヒント」として扱えるか
現場から上がる声を「製品批判」「現場のわがまま」と切り捨てると、改善のサイクルは止まります。一方で「設定や運用に改善余地があることを教えてくれているサイン」として扱えば、声は資産になっていくのです。
声を拾う仕組み(定期的なヒアリング・社内アンケート・問い合わせログの分析)を整えることが、改善プロジェクトの第一歩になります。
判断軸2:改善優先度を社内で意思決定できるか
現場の声を拾うと、改善要望は際限なく集まるでしょう。「どれから先に手を付けるか」を意思決定できる立場の人物がプロジェクトに参加しているかが、改善が前に進むかどうかの分かれ目です。
改善要望は「現場の業務インパクトの大きさ × 改善工数の小ささ」で優先順位をつけていくと、議論を進めやすくなります。
判断軸3:改善作業を継続する体制があるか
改善は一度で終わる作業ではなく、継続的に回していくサイクルです。設定変更の履歴を残し、変更前後の挙動を検証し、現場へのフィードバックを返す――この一連を社内で担うか、それとも外部支援と組み合わせるかを最初に決めておきます。
エビデンス管理を徹底し、いつ・誰が・どんな設定変更を行ったかを記録に残す文化があると、後任者への引き継ぎや監査対応もスムーズになっていきます。
自社で進めるか、外部支援を入れるかを判断するポイント
改善プロジェクトを自社のリソースだけで進めるか、外部支援を入れるかは、3つのポイントで見極めるのが現実的です。
ポイント1:原因の切り分けを社内で言語化できるか
「使いにくい」の原因を設定・運用・教育のどこにあるか切り分け、説明できる人材が社内にいるかどうかが、最初のチェックポイントです。切り分けが曖昧なまま改善に着手すると、的外れな対策に工数を費やしてしまうことがあるためです。
ポイント2:改善設計を継続的に担う人材がいるか
設定見直しの設計・マニュアル整備・トレーニング再設計を継続的に回せる人材が社内にいるかが次のポイントになります。一時的に外部の手を借りてプロジェクトを立ち上げ、運用フェーズは社内で回す、というハイブリッド型の選択肢もあります。
ポイント3:内製とアウトソースを柔軟に組み合わせたいか
「全部内製化したい」「全部アウトソースしたい」のどちらか一方だけでなく、社内で進めたい部分と外部に任せたい部分を柔軟に組み合わせたいというニーズはよくあります。私たちセラクは、内製化を目指すクライアントにも、アウトソースしたいクライアントにも、ご要望に応じて伴走するスタンスをとっています。
支援会社選びの観点については、より詳しく整理した過去記事もあります。詳しくはこちらの記事(COMPANY®導入・運用支援 支援会社を選ぶ時のポイント6選)をご覧ください。
まとめ:使いにくさは「改善の起点」として扱う
COMPANY®が「使いにくい」という声は、製品評価ではなく定着フェーズの課題サインです。設定・運用・教育のどこに原因があるかを切り分け、3つの改善アプローチ(設定見直し/トレーニング再設計/問い合わせ動線整理)で順に手を付けていけば、現場が「使いやすい」と感じる状態に近づけられます。
「原因が切り分けられない」「改善を回す体制が組めない」「内製とアウトソースを組み合わせたい」――どれかひとつでも当てはまるなら、外部の専門家と話してみる段階だと私たちは考えています。
私たちセラクは、Works Human Intelligence認定オフィシャルパートナーとして、改善・標準化・保守運用を含む幅広い支援メニューで、COMPANY®の定着フェーズを伴走してきました。他社事例で蓄積してきたナレッジを活かし、お客様の状況に合った改善設計をお手伝いしています。
サービスの全体像をまとめた資料をご用意しています。社内で検討材料として共有いただける形にしていますので、まずはお気軽にお取り寄せください。







