はじめに
DX(デジタルトランスフォーメーション)が進む現代において、リモート監視は企業のIT運用における必要不可欠な要素です。リモート監視はコスト削減や運用効率化を実現し、情報システム(情シス)担当者の負担を軽減する役割を果たします。本記事では、リモート監視の仕組みやそのメリットについて詳しく解説します。
リモート監視とは?仕組みについて解説
リモート監視とは、ネットワークを介して遠隔地からITシステムやインフラを監視する技術です。企業はリモート監視を活用することで、リアルタイムでシステムの状態を把握し、異常が発生した際に迅速な対応が可能です。リモート監視の仕組みについては以下の通りです。
- ・リモート監視の対象となるネットワーク機器や情報収集サーバを設置する
- ・監視対象のネットワーク機器から情報収集サーバを通じてデータを収集する
- ・収集されたデータは専用回線を通じて遠隔地の監視センターへ送信される
- ・監視センターは送信されたデータに異常やトラブルがないかチェックする
- ・異常が検知された場合は監視センターからアラートを発信し、現地の担当者に通知する

<リモート監視のイメージ図>
これらの仕組みでリモート監視がされるため、リスクに対する予防や保守が可能となり、システムの安定性と効率性を向上させられます。
リモート監視がDX時代に必要な理由
従来のITシステム監視は、遠方にあるデータセンターへ人が直接常駐して監視することが一般的でした。しかし、この方法では時間・場所の時間的制約が大きく、万が一システムに異常が発生した場合でも迅速な対応が困難で、深刻な問題を引き起こしかねません。現在は技術の進歩により遠隔地への人員派遣を必要とせずに監視作業が可能なため、さまざまな業界でリモート監視が活用されています。迅速な対応が求められるDX時代において、リモート監視は必要不可欠な存在といえるでしょう。
リモート監視のメリット
ではリモート監視のメリットとはいったい何なのでしょうか。ここではリモート監視のメリットについて解説します。
迅速な障害対応が可能
リモート監視を行うことで、担当者は遠隔地からでもシステムから発せられたアラートを受信できます。これにより、担当者は迅速に問題を特定し、必要な対策を講じられます。また、ダウンタイムの削減により、業務の継続性を確保し、ユーザへの影響を最小限に抑えることが可能です。
省人化によるコスト削減
リモート監視をすることで、現場に多数の人員を配置する必要がなくなるため人件費の削減や効率的なリソース配分が可能です。また、省人化されることで、情報システム担当者はコア業務に集中可能なため、企業全体の業務効率向上を期待できます。
複数拠点の機器を効率よく管理可能
リモート監視を行うことで、遠隔地にある複数拠点の機器を一元管理することが可能です。一元管理された情報を1つのダッシュボードで確認できるため、管理の手間を大幅に軽減します。
リモート監視導入の注意点
リモート監視は企業に対してさまざまなメリットをもたらしますが、導入には注意点がいくつかあります。導入前に注意点について確認することで、効果的な監視体制の構築が可能です。ここではリモート監視導入の注意点について解説します。
セキュリティリスクを考慮する
リモート監視を導入する際、データ漏洩や不正アクセスなどのセキュリティリスクを考慮することが不可欠です。適切な暗号化技術を使用し、アクセス制御を強化することで、情報の安全性を確保できます。また、定期的なセキュリティ評価を行い、最新の脅威に対する防御策を常に更新することが重要です。
導入時に費用がかかる
リモート監視の導入には初期費用がかかることを考慮する必要があります。ソフトウェアライセンス、ハードウェア、ネットワークインフラの整備や設定にかかるコストを事前に計算し、予算を確保することが重要です。導入時の費用が高額になる可能性も考慮して、必要な監視項目を絞る、監視対象機器を減らすといった対策を講じるのもよいでしょう。
運用ルールを明確にする
リモート監視の効果を最大化するためには、運用ルールを明確に定めることが重要です。監視対象や対応手順、アラートの基準を事前に設定し、関係者に周知徹底することで、運用の一貫性を確保します。定期的なルールの見直しと改善を行い、実際の運用状況に応じた柔軟な対応を可能にすることで、監視体制の強化と効率化を図ります。
情報システム担当者の運用負担を軽減するポイント
リモート監視を導入した後でも、監視対象が多く不測の事態が発生した場合でも迅速に対応するのが困難、監視作業がメインとなりコア業務ができないなど情報システム担当者に負担がかかる場合があります。より効率よく管理し、情報システム担当者の運用負担を軽減するためには以下のポイントをおさえておきましょう。
監視作業を自動化する
情報システム担当者の負担を軽減するためには、監視作業の自動化が重要です。自動化ツールの導入によって、システムの状態をリアルタイムで監視し、異常を迅速に検知できます。手動での監視作業を削減されるため、情報システム担当者がコア業務に集中することが可能です。また、監視作業が自動化することで運用効率を向上させ、人為的ミスを防止し、システムの安全性を確保できます。
監視対象の範囲を事前に決める
監視対象を明確にすることで、情報システムの運用負担を効果的に軽減できます。事前に監視が必要なシステムや設備を特定し、優先順位を設定することで、監視の効率化が図れます。
監視対象の範囲を定めることで、不要な監視作業をなくして適切なリソース配分が可能です。
アウトソーシングサービスを活用する
専門業者に監視業務を委託することで、内部リソースの節約が可能となり、情報システム担当者がコア業務に集中できます。アウトソーシングの活用によって、最新技術や専門知識を活用した効率的な監視が可能となり、システムの品質向上が期待できます。
まとめ
リモート監視はDX時代において、企業が効率的な運用を実現するための重要な技術です。監視対象の自動化や範囲の明確化、アウトソーシングの活用により、情報システム担当者の負担を軽減し、業務の効率化を図れる一方で、セキュリティ対策や費用の考慮、運用ルールの設定も重要なポイントです。これらを総合的に取り入れることで、リモート監視の導入が成功し、システム運用の効率化が可能となります。セラクでは、専門技術をもつエンジニアによるリモート監視を実施し、お客様のITインフラやクラウド環境を守ります。ITシステムの運用効率化やアウトソーシングをご希望のお客様は、お気軽にご相談ください。







