2022.10.31

AIDMA

AIDMA

読み方:アイドマ

AIDMAとは

AIDMA(アイドマ)とは、消費者の購買決定プロセスをモデル化したフレームワークの一つです。「Attention(注意)」「Interest(関心)」「Desire(欲求)」「Memory(記憶)」「Action(行動)」の頭文字をつなげたものです。
「Attention」は商品やサービスを認知する段階、「Interest」は商品やサービスへの興味や関心をもつ段階、「Desire」は購買意欲が発生する段階、「Memory」は購買意欲が強化される段階、そして「Action」で購入に至る段階と定義されます。

AIDMAを使用するメリット

AIDMAを使って分析をするメリットは、それぞれのステージでとるべきマーケティング戦略を考えることができる点にあります。顧客のステージによって有効なアプローチは変化するからです。例えばAttentionの段階なら、広告やSNSを使い自社の商品やサービスの認知度を上げる必要がありますし、Memoryの段階では購入の動機を強化するための情報を提供することが重要になってきます。このように、各ステージにおいて取るべきアクションを考えるためにAIDMAを使うことによって、マーケティング戦略の策定が容易になります。

AIDMAの適用範囲

AIDMAは1920年代のアメリカで考え出されたモデルです。そのため、マスマーケティングを対象とした分析を行ううえで有効なフレームワークであり、インターネットを駆使して消費者が自ら大量の情報を収集し、ほしい商品を「発見」するようなカテゴリではやや使いにくいモデルです。そのようなカテゴリではAISAS(アイサス)を利用される傾向にあります。AIDMAは消費者を画一的に取り扱うことが可能な市場で使用することが推奨されます。

AIDAMAの関連語

・AIDA(アイダ)
AIDAは1880年代後半から発展してきたAIDMAの元となったフレームワークです。AIDMAから「Memory」が抜けた形です。低廉な消費財に関しては購入意欲がわいた時点で即購入につながることが多いため、この場合はAIDMAよりAIDAを使って分析する方が適しています。

・AMTUL(アムツール)
AMTULとは「Awareness(認知)」「Memory(記憶)」「Trial(試用)」「Usage(利用)」「Loyalty(愛用)」の頭文字を合わせたもので、顧客ロイヤルティに着目して構築されたフレームワークです。顧客ロイヤルティとは企業への愛着や信頼を意味します。1970年代に日本の経済評論家が発案しました。
AIDMAが比較的短期間での購買行動に着目していることに対して、AMTULは顧客との長期的な関係を構築する戦略を立てるためのモデルです。マーケティング調査を行う場合、一度だけの購買行動に注目するのではなく、ブランドを認識してもらえているか(Awareness:再認知名率)や、ブランド名を覚えてもらえているか(Memory:再生知名率)といった指標でリピート率や顧客との関係の深さを測る必要があります。

・AISAS(アイサス)
EC(Electronic Commerce:電子商取引)において使用されるモデルです。2005年に日本の大手広告代理店が商標登録しました。Attention、Interest、ActionはAIDMAと同じですが、3文字目のSは「Search(検索)」、最後のSは「Share(共有)」を意味します。顧客が情報を探すこと、購買行動の後にSNSなどで情報を共有することを前提としていることが特徴です。