はじめに
システムが24時間365日安定して運用されることは企業の信頼を支える上で重要な要素です。その中でも注目を集めているのが24/365保守です。システム監視や障害対応などを24時間365日提供するサービスであり、情報システム担当者の負担軽減やシステムの可用性の向上などさまざまなメリットが期待できます。本記事では、24/365保守の仕組みや必要な理由について解説します。
目次
24/365保守とは?
24/365保守とは、24時間365日体制でシステムを安定稼働させることを指します。障害や不具合が生じた場合でも迅速な対応が可能で、業務停止のリスクを最小限に抑えられます。特にECサイトや金融機関など、24時間利用されるサービスではシステムの安定性が欠かせません。これらのシステムを取り扱っている企業において、24/365保守による安定した運用は不可欠です。
24/365保守の仕組み
24/365保守の仕組みは以下の通りです。
・監視ツールを用いてシステムの状況をチェックし、障害や異常を検知する
・障害調査を行い、手順に基づいて迅速に問題を解決する
・バックアップやセキュリティ対策などを実施し、システム異常を未然に防ぐ
このような仕組みでは24/365保守が行われるため、企業は業務停止のリスクを最小限に抑えることが可能です。
24/365保守が必要な理由
24/365保守が必要な理由としては、テクノロジーの進化にともない、ユーザの行動が変化したことがあげられます。スマートフォンやパソコン、タブレットなどから24時間いつでもサービスへアクセスできることや、ユーザの生活リズムにあわせて利用できることはもはや一般的となりました。万が一サービスに障害や異常が生じた場合、メンテナンスによって一時的に利用停止になるため、ユーザの離脱や信用損失につながるリスクがあります。24/365保守は、このようなリスクを防止するだけでなく、ユーザからの信頼獲得および企業の事業継続性を確保する上で必要不可欠です。
24/365保守の代表的なサービス内容
24/365保守は、システムを安定して稼働させるために複数のサービスを提供しています。ここでは代表的なサービス内容について解説します。
システム監視
システム監視は、サーバやネットワーク機器、アプリケーションなどシステムを構築する要素すべての動作状況をリアルタイムでチェックするサービスです。主に監視ツールを用いて、異常がないかチェックします。異常が発生した場合は、アラートが生成されて担当者に通知されます。
障害対応
システム監視で異常を発見された後、原因の特定および復旧作業を行います。障害対応を迅速に行えるように体制が整っているだけでなく、事前にシステムの状態を分析しているため、効率的な対応が可能です。また、原因を特定したうえで再発防止対策を取るのも特徴です。
システム改修や改善提案
24/365保守では、システム改修や改善提案にも対応しています。システム改修はOSやミドルウェアなどの定期的なアップデートやパッチ適用を行います。また、サイバー攻撃に備えてファイアウォールの強化やセキュリティパッチの適用などもシステム改修のサービス内容に含まれていることが多いです。さらに定期的な分析を通して、システムの性能向上やセキュリティ強化のための施策を提案するのも特徴です。
バックアップ管理
人為的なミスによってデータが破損または消失するケースは珍しくありません。そのため、バックアップをあらかじめ取るのも24/365保守のサービス内容に含まれます。また、データのバックアップを取るだけでなく、データの暗号化や保管場所を分散することで、万が一障害やサイバー攻撃が発生した場合でも迅速な復旧が可能です。
24/365保守を内製化する際の課題
24/365保守を自社で内製化する場合、専門知識を持つ人材の確保や育成が必要です。また、24時間体制を維持するためには、複数のシフトを組む運用体制や、監視ツール・インフラの整備が求められます。これには高額なコストや長期間の準備が必要なため、特に中小企業にとって負担がかかる可能性があります。人材不足やスキルの偏りによってシステム障害への対応力が低下するリスクもあるため、自社での内製化が難しい場合はマネージドサービスの活用も検討しましょう。
24/365保守を効率化にはマネージドサービス!そのメリットとは?
マネージドサービスでは、専門知識を持つプロに24/365保守を任せられます。自社で内製化する場合と比較して、さまざまな恩恵を受けられます。ここでは、24/365保守でマネージドサービスを活用するメリットについて見ていきましょう。
システム担当者の負担を軽減できる
マネージドサービスの導入により、24/365の監視や障害対応は専門業者が代行するため、システム担当者の負担の軽減が可能です。これによって余裕を持った業務運営が可能となり、労働環境の改善およびストレス軽減にもつながります。また、24/365を外部に委託することで、コア業務にリソースを集中させることも可能です。
システムの可用性向上につながる
マネージドサービスでは、専用の監視ツールや専門知識を持つプロの対応によって、システムの可用性を向上させられます。障害発生時も迅速な復旧が可能であり、ダウンタイムを最小限に抑える仕組みが整うだけでなく、定期的なメンテナンス、性能改善が行われることで、長期的に安定した運用が確保されます。
人材育成にかかるコストを抑えられる
専門知識を持つ人材の採用や育成には多大なコストと時間が必要なため24/365保守を内製化する場合、コア業務に専念できない、育成担当者に負担がかかるといった課題があります。マネージドサービスであれば、専門知識を持つプロによる即時対応が可能な体制が整っているため、人材育成にかかるコストや時間を抑えることが可能です。また、最新の技術やノウハウを持つ専門家が対応するため、高品質な保守が提供されるのもメリットの一つです。
マネージドサービスを導入する際の注意点
マネージドサービスは24/365保守においてさまざまなメリットをもたらしますが、一方で導入の際にはいくつか注意点があります。注意点を踏まえた上で導入することで、システム運用を効率化し、24/365保守の体制を維持できます。
自社の課題や導入目的を明確にする
マネージドサービスを導入する際は、まず自社の課題や導入目的を明確にすることが重要です。たとえば、システムの安定性向上や障害対応の迅速化を目的とする場合、ニーズに沿ったサービスが提供されている企業の選定に役立ちます。自社の課題整理や導入目的の明確化がされていない状態で導入した場合、期待した効果が得られない可能性があるため注意が必要です。
費用対効果について検討する
マネージドサービスは便利な一方で、コストがかかるため、費用対効果について慎重に検討する必要があります。導入によって得られるメリットが、支払うコストに見合うかどうかを判断するために、具体的な運用改善の効果やダウンタイム削減による利益を計算することが重要です。適切な費用対効果の見積もりを行うことで、効率的な運用を実現できます。
24/365対応の実績やセキュリティ機能などを基準に選定する
マネージドサービスを選定する際には、24/365の対応実績やセキュリティ機能を確認することが重要です。代表例としてあげられるのは、常時監視可能な体制が整っているか、セキュリティ機能の場合は不審なアクセス検知や自動防御が可能かなどです。自社の課題にあわせて、基準項目を追加し、選定しましょう。
まとめ
24/365保守は、システムを常に安定運用し、障害を最小限に抑えるため必要不可欠です。自社での内製化が難しい場合、マネージドサービスを活用することで、専門的なサポートや迅速な対応が可能となり、企業の負担を軽減しながら効率的なシステム運用を実現できます。導入時には自社の課題や目的を明確にし、費用対効果やセキュリティ機能を慎重に検討することが重要です。適切な保守体制を構築することで、安心して業務に集中できる環境を整えましょう。セラクでは24時間365日、専門知識を持ったエンジニアによる高品質なサービスを提供しています。保守業務だけでなく、システムの改善提案も行っていますので、不明点やお困りごとがございましたら、ぜひセラクへご相談ください。







