キャリアを知る
社員インタビュー
「自分のための開発」から「人のための開発」に
大学と大学院では、生物学系の基礎研究に取り組み、特に哺乳類の体内時計に関する研究を行っていました。基本的には実験を中心とした活動で、コンピュータサイエンスやソフトウェア開発とは無縁の分野にいました。
しかし、大学院での研究の中でデータ解析やシミュレーションを行う際にプログラムを書く機会がありました。この経験を通じてプログラミングの楽しさを実感し、IT業界に対する興味が芽生えました。特に、農業向けにIT製品を開発しているみどりクラウド事業部であれば、生物学で学んだ知識も活かせると考え、IT業界への挑戦を決意しました。
入社後は、学生時代に書いたシミュレーションプログラムとは異なり、他者に使ってもらうプログラムを書く難しさに直面しました。ユーザー体験を考慮しながらの開発はこれまでの学びとは異なる視点でしたが、実際に使ってもらえる喜びも同時に味わうことができました。
フロントラインでの成長
みどりクラウド事業部での私の挑戦は、新サービスの開発から始まりました。入社1年目には、法人向け生成AIであるNewtonXの開発と一次産業向けデータ分析アプリの開発に関わる機会を得ました。
どちらのプロジェクトでも主にフロントエンド全般を担当し、UI設計やデザインの基礎部分を任されました。特に新サービスであるNewtonXの開発では、ユーザーからの具体的なフィードバックが得にくく、「使いにくい」と言われた際にその意図を汲み取り、改善する難しさを実感しました。
さらに、サービスに新機能を追加しても利用率が向上しないという課題にも直面し、追加した機能が本当に必要だったのか、またはユーザーがその追加を認識していないのか、他に理由があるのか、原因を特定することが難しかったです。それでも、社内のフィードバックを活かして改良を重ね、最終的にサービスを正式にリリースし、多くのユーザーに届けることができました。
2年目以降はインフラ関連の技術領域やデータベースのパフォーマンスチューニングなどにもかかわり、フロントエンドに関する技術だけでなく、幅広い知識を身につけることができました。事業部としても多様な開発技術に挑戦できる環境が整っており、開発の予定がなくても「これをやりたい」と手を挙げれば提案が可能で、実際にプロジェクトとして進めることができる機会を得られる文化があります。
ユーザーと共に進化するサービス
入社3年目には、有機野菜の流通における新たな市場の創造を目指すプロジェクトに参画しました。現在、有機野菜の流通については個別配送が一般的であり、輸送コストの高騰が問題となっています。さらに、物流2024年問題などもあり、その解決が喫緊の課題となっていました。その課題解決のために実施されたのが「板橋市場活用型有機農産物物流実証実験プロジェクト」です。私たちみどりクラウド事業部では、板橋市場を拠点とした新しい流通システムの構築を担当しました。
これまでもみどりクラウドが提供するアプリ開発に携わることで農業における課題解決にかかわっていましたが、青果流通ではそれに加えて、これまでアナログで行われていた独特の業務フローがあり、それを読み解くドメイン知識の理解が重要でした。この理解のために現地訪問を行い、実際の業務の流れを見学し、ユーザーとの対話を通じて深い知識を得ることに努めました。
ユーザーが目の前で開発したシステムを使用する経験は、良い点や改善点を即座にフィードバックとして得られるため、非常にやりがいを感じます。プロジェクトを通じて、お客様の課題が解決され、先に進むことができるのはもちろんですが、現場での学びを通じて、私自身もプロジェクトと共に進化できたと感じます。
また、物流や農業の問題という社会的にも貢献性の高い課題解決に携われることも、大きな魅力だと感じています。
アウトプットが挑戦の鍵
自由度の高い環境なので、初めてのことにも臆せず挑戦する人が成長できる場所だと思います。意見をもって、ただ指示に従うだけでなく、その意味や必要性を考え行動できることが大切かなと考えています。
自分自身もこれまでを振り返り、その後の行動につなげるために業務ではアウトプットを増やすことを意識しています。日々、ドキュメントやコードを書くこと、自分の考えを日報に書き起こすことなどを行っています。また、同時にインプットも大切で、最近は特にコンピュータサイエンスに関する知識を積極的に吸収しています。
これもアウトプットの方法のひとつですが、チームで動くうえで、意見を周囲に伝えるということも心がけています。最近は後輩やチームの人数が増えたこともあり、自分が伝えるということだけでなく、周りの人が意見を言いやすい雰囲気を作ることも意識しています。
新しい視点を持ち、興味を持った分野で積極的に経験を積むことは年齢や環境関係なく可能なことかなと思います。とくに新しいサービスの開発にも関わりたい方がいれば、ぜひインプットとアウトプットをバランスよく行い、自分の意見がどこにあるのかを考えてみると良いかもしれません。
