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フリーランスエンジニアとは?仕事内容・年収・案件獲得方法を徹底解説

date2025年11月20日
フリーランスエンジニアとは?仕事内容・年収・案件獲得方法を徹底解説
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はじめに

  • フリーランスエンジニアとは、個人で技術系の仕事を請け負う人々のこと
  • フリーランスエンジニアの将来性は高い
  • 在宅型と常駐型の2つの働き方がある
  • 自分で仕事を選択できるが、責任を伴う
  • 柔軟性・適応力・コミュニケーション能力などが必要

フリーランスが増えた背景には、働き方の多様化やリモートワークの普及などが挙げられます。クラウドソーシングサイトやフリーランス向けのエージェントなどの、サービスが拡充したのも大きな要因です。
この記事では、フリーランスのメリットやデメリットを踏まえた上で、仕事内容・年収・案件獲得方法などを解説します。

フリーランスエンジニアとは

フリーランスエンジニアとは、特定の企業に所属せず、個人で仕事を請け負うエンジニアのことです。フリーランスのエンジニアとして働く方々は、自ら企業と交渉して案件を受注します。

労働時間や就業場所が選べるなど自由な側面を持つ一方で、収入が不安定だったり周囲からサポートを受けにくかったりするデメリットもあります。

企業に所属するエンジニアとの違い

フリーランスエンジニアと、企業に所属するエンジニアの違いを以下の表にまとめました。

フリーランスエンジニア企業に所属するエンジニア
契約形態業務委託契約雇用契約
働き方自分で選択できる会社の規定通り
案件・
仕事内容
自分から獲得する会社の指示に従う
収入不安定だが、収入の限度額はない安定的ではある一方で、ある程度は収入の限度額が決まってしまう
福利厚生自分で加入する必要がある所属企業の福利厚生が受けられる
手続き全て自分で行う経理や総務などが行ってくれる
社会的
信頼度
低くなりがち高い
人間関係基本的にはひとりで業務を遂行する同僚と協力して業務を遂行する

企業に所属するエンジニアは、フリーランスエンジニアよりも仕事内容が多岐にわたります。一方で、フリーランスエンジニアのように、すべての責任を一人で負う必要はありません。

また、フリーランスエンジニアと比べて収入面が安定しており、有給・雇用保険・労災保険といった福利厚生制度も活用できます。

フリーランスエンジニアの将来性・年収

以下では、フリーランスエンジニアの将来性・年収を解説します。

将来性

フリーランスエンジニアの将来性は高いといえます。少子高齢化が進む日本では、あらゆる企業で人材不足問題を抱えがちです。それは、IT業界も例外ではありません。
とくに、近年ではDXの拡大とともにAIやクラウドの進化が進んでおり、IT業界ではエンジニア不足が深刻化しています。そのため、今後ますますエンジニアは貴重な人材となるでしょう。

また、フリーランスに業務委託することで、企業にとっても大幅なコスト削減につながります。さらに、フリーランスの場合は、本人の同意次第で即日働いてもらうことも可能ですので、企業からは重宝されがちです。

年収

他の職種のフリーランスと比較して、フリーランスエンジニアは年収が高い傾向にあります。これは、フリーランスエンジニアの取引先が主に法人であるためです。取引先が法人の場合は、充分な予算を確保しているため、成果に見合った報酬を支払ってくれます。
また、長期契約を結ぶ場合も多く、継続して報酬を得られやすいのも理由の1つです。

フリーランスエンジニアの職種と仕事内容

ITエンジニア職種は多岐にわたります。
フリーランスエンジニアの職種と仕事内容を以下の表にまとめました。

エンジニアの種類どのような人を指すか主な仕事内容
システムエンジニアクライアントへヒアリングを行い、それを基にして最適なシステム開発を行うエンジニア要件定義から運用・保守まで幅広く業務を担当する。
インフラエンジニアシステムの基盤となるITインフラの設計・構築・運用・保守を担当するエンジニア要件定義から運用・保守まで幅広く業務を担当する(上流工程・下流工程のみの案件もある)
フロントエンド
エンジニア
多様な言語を用いてウェブサイトやアプリケーションのUI/UXを設計・開発するエンジニア企業のフロントエンド開発支援・アプリ開発支援など
データサイエンティストビッグデータを解析して、クライアントに役立つ情報を抽出するエンジニアクライアントが必要とするデータの収集・加工・分析など
アプリケーションエンジニアアプリケーションを作るエンジニアアプリ開発支援
プログラマプログラム言語を用いてプログラミングを行うエンジニアSE(システムエンジニア)が設計した内容に基づいて、システムやソフトウェアの開発を行う
データベース
エンジニア
データベースの開発や設計・運用・管理を担う専門のエンジニアデータベースの開発・設計・データベースの管理・データベースの運用など
ネットワーク
エンジニア
ネットワークの設計・構築・保守・運用などに関わるエンジニアネットワークの設計・構築・運用・保守など
セキュリティ
エンジニア
企業のサーバや情報のセキュリティを担うエンジニアセキュリティ診断、コンサルティング、セキュリティポリシーの策定など
サーバー
エンジニア
インターネットのサーバを、ゼロから構築・設計して、管理・保守するエンジニアシステムを運用する機器の選定や構築、データセンターにおける保守業務など
組み込み
エンジニア
カーナビ・スマートフォン・産業用ロボットなどに使われる組み込みソフトウェアを開発するエンジニア製品企画から製品仕様への落とし込み・製品(機械)への組み込み、製品の開発・製品評価など

働き方

フリーランスエンジニアの働き方には、在宅型と常駐型の2つがあります。
それぞれの特徴を以下の表にまとめました。

働き方作業場所特徴
在宅型自宅で作業する請負契約の場合は成果物に対して報酬が支払われる / 準委任契約の場合は業務を遂行したことに対して報酬が支払われる
常駐型契約先の企業に常駐して作業を行う多くの場合、一定期間ごとに契約・更新を行う。契約締結時に支払金額と支払日が定められ、それに準拠して報酬が支給される

労働時間

フリーランスエンジニアは、案件や働き方によって労働時間に差がでてきます。会社員のように就業時間が決められていないので、労働時間は基本的に自分で調整します。一方で、案件の納期次第では会社員よりも長い時間働くことも珍しくありません。

また、仕事とプライベートの切り替えが曖昧になりやすいため、オーバーワークになることもあります。

フリーランスエンジニアに開業届は必要?

フリーランスエンジニアとして働く場合、開業届の提出が必要な場合と不要な場合があります。
開業届は事業所得がある場合のみ提出が必要であり、雑所得のみの場合は不要です。事業所得か雑所得かの判断は、事業規模や収入金額などで変わります。また、事業の独立性・継続性・反復性なども判断基準の一つです。

なお、確定申告は副業で得た収入が20万円を超えると必要となります。また、副業で得た収入が20万円以下の場合でも、医療費控除やふるさと納税などを行う際は、確定申告が必要です。

フリーランスエンジニアのメリット・デメリット

フリーランスエンジニアとして働く前に、メリットとデメリットを押さえておきましょう。以下から解説します。

メリット

以下では、フリーランスエンジニアのメリットを解説します。

自分で仕事を選択できる

1つ目のメリットには、自分で仕事を選択できることが挙げられます。
自分の専門分野に特化した依頼のみを引き受けることもできますし、スキルアップのために違う分野へチャレンジすることも可能です。

努力次第で報酬アップにつながる

2つ目のメリットは、実力次第で報酬アップにつなげられることです。クライアントと直接取引する際に、経験やスキル次第では単価交渉も可能です。

自信のない方は、スキルや経験が問われない案件を複数受注して実績を作りましょう。また、案件を複数受注することで、収入面も安定します。

スケジュール管理が自分でできる

3つ目のメリットは、自分でスケジュール管理ができることです。自分で仕事量や働き方を調節できるため、無理なく働けます。
また、休日や休憩時間も自分の都合に合わせて取れます。

対人関係のストレスが少ない

4つ目のメリットは、対人関係のストレスが少ないことです。とくに、在宅型のフリーランスエンジニアは業務を一人で遂行するため、人との関り自体がほとんどありません。

一方、常駐型のフリーランスエンジニアは、企業との契約期間が定まっていますので、ずっと同じところで働く必要がありません。従って、両者ともに対人関係のストレスが、会社員よりも少ない傾向にあります。

デメリット

以下では、フリーランスエンジニアのデメリットを解説します。

会社員よりも社会的信用は落ちる

1つ目のデメリットは、会社員よりも社会的信用が低いことです。たとえば、収入が不安定になりやすいため、フリーランスはクレジットカードやローンなどの金融関係の審査が通らないこともあります。

フリーランスエンジニアが社会的信用を上げるには、預金額や所得を増やすことです。所得を増やすには、普段からむやみに経費計上ばかりしないように気を付けましょう。経費で落とすと、課税所得が減り、納める税金も減りますが、金融機関の審査ではマイナスに響くことがあるためです。

収入が不安定

2つ目のデメリットは、会社員と比べて収入が不安定なことです。最初は手取りが増えても、徐々に売上が落ちてしまうケースもあります。

昨今、業務効率化として、システムへ積極的にAIを組み込む企業が増えました。AI開発ではフリーランスエンジニアも企業のデータにアクセスする必要があります。

しかし、システムの大半は個人情報が含まれていたり機密性が高かったりするため、外部の者(フリーランスエンジニア)が企業データにアクセスしにくい側面があります。それに伴い、フリーランスエンジニアには機密情報として取り扱わない、単発的な業務のみを発注する企業も出てきました。

携われる業務が限定的になると、収入の減少にもつながります。また、技術やスキルの停滞を恐れたフリーランスエンジニアのなかには、会社員へ戻る方もおられます。

周囲からのサポートが得られにくい

3つ目のデメリットは、周囲からのサポートが得られにくいことです。とくに、在宅型のフリーランスエンジニアは基本的に一人で作業を行います。

会社員の場合は、自分が引き受けた仕事を誰かに引き継ぐこともできますが、フリーランスは引き受けた仕事の責任をすべて一人で背負わないといけません。
従って、先述した通り、オーバーワークで体を壊してしまうリスクがあります。

加入できない社会保険が多い

4つ目のデメリットは、加入できない社会保険が多いことです。
たとえば、フリーランスは厚生年金や健康保険(被用者向け)には加入できないため、社員よりも将来の年金や検診などの補償・手当が手薄です。そのため、病気やケガなどで働けない期間は収入がゼロになるリスクを考慮しておく必要があります。

一方、法改正により令和6年11月1日からは、フリーランスも労災保険へ特別加入できるようになりました。フリーランスの業種・職種は問われませんが、特定フリーランス事業の対象者(企業から業務委託を受けている方)であることが条件です。
一方、消費者のみから業務委託を受けている方は特定フリーランス事業者に該当しませんので、注意が必要です。

フリーランスエンジニアに必須なスキル

以下では、フリーランスエンジニアに必要なスキルを解説します。

IT・プログラミングスキル

1つ目は、IT・プログラミングスキルです。プログラミング言語は、1つの言語を専攻するのではなく、複数言語を扱えると有利です。

フリーランスエンジニアにおすすめのプログラミング言語の上位5つを、以下の表にまとめました。

オススメ言語オススメする理由
1.Pythonどこの現場でもニーズが非常に高い。将来AI開発に携わりたい方にもオススメ
2.Java企業の業務システムでよく使われており、案件が安定している。JVMがあれば主要OSで動くため、移植性が高い
3.JavaScriptコーディングに特別な開発環境が不要なため、初心者でも学びやすい
4.C#スマホやPCのゲーム・VR・ARなどに用いられる言語であり、近年需要が高い
5.PHPWebサイトやWordPressの改修・保守案件が豊富である。サーバに導入しやすく、初心者でも学びやすい

英語力

2つ目は英語力です。
フリーランスエンジニアの場合は、案件を受ける際も最新技術に対応できると非常に有利です。最近では、外資系企業や海外企業との取引でも英語ができる人材が求められています。

また、日頃からインターネットでIT技術の情報を取得している方も多いと思われます。
IT技術の多くは英語圏から導入されますので、インターネットの速報は英語で公開されるケースがほとんどです。周囲に差をつけるためにも、今から英語を学んでおくとよいでしょう。

コミュニケーション能力

3つ目はコミュニケーション能力です。とくに、一人作業が中心となる在宅型のフリーランスエンジニアの場合は、チャットやメールのコミュニケーションツールに依存しがちです。コミュニケーションがうまく取れないと、お互いに齟齬が発生してしまい、取引先に不信感を与えてしまいます。

チャットやメールなどのテキストコミュニケーションであっても、会話のキャッチボールは重要です。相手の文章を丁寧に読んで、不明点は積極的に尋ねる習慣を身に付けておきましょう。

営業力・交渉力

4つ目は、営業力や交渉力です。営業力や交渉力は仕事の受注数や報酬の額にも影響を与えます。
営業力や交渉力に自信のない方は、自己分析からはじめてみましょう。

自分の強みを知ると、フリーランスエンジニア市場での価値も客観的に分析できます。また、取引先への営業方法や交渉方法などの戦略も立てやすくなります。

スケジュール管理能力・自己管理能力

5つ目は、スケジュール管理能力や自己管理能力です。この2つは疎かにするとオーバーワークにつながります。心身共に体調を崩してしまうため、日頃から意識しておきましょう。

フリーランスエンジニアがオーバーワークを防ぐためのコツを、以下の表にまとめましたのでご参考ください。

オーバーワークに陥る原因コツ・改善案
自分のキャパシティを把握できていない・月間ごとのスケジュールを把握する
・案件を詰め込み過ぎない
仕事の切り替えがうまくいかない・午前と午後でスケジュールを区切る
・タイマーやアラームで時間を管理する
収入アップのために、案件を詰め込みすぎてしまう・知人からの紹介やエージェントを活用して、高単価の案件を獲得する
・資格やスキルを獲得して、自分の市場価値を高める
クライアントとの契約期間が短い。長期案件がない・最低でも1社は、長期案件(3か月以上)を確保する
・複数のクライアントと契約してリスクを分散させる
タスク管理が苦手・タスク管理ツールを活用する
・定期的にタスクを見直す

柔軟性・適応力

6つ目は、柔軟性と適応力です。複数の取引先から案件を受注するフリーランスエンジニアは、企業ごとのやり方やニーズを覚えていく必要があります。そのため、状況ごとに適応力や柔軟性を発揮できない方には難しいかもしれません。

柔軟性を身に付けるには、思い込みを捨てて相手の立場に立つことが大切です。また、 適応力を高めるには、一つのやり方に固執せず、変化をポジティブに受け入れるようにしましょう。

フリーランスエンジニアが案件を獲得する方法

フリーランスエンジニアの場合、案件を獲得する際は営業活動も複数の手段を取り入れましょう。以下から解説します。

SNSやブログで営業活動する

1つ目は、自分のスキルや過去の実績を、SNSやブログにアップしてアピールする方法です。
SNSやブログでの発信は多くの人に自分を知ってもらう機会につながります。

知り合いや前職の人に取引先を紹介してもらう

2つ目は、知り合いや前職の人を通じて取引先を紹介してもらう方法です。自分で営業するよりも確実に新規案件を受注できますので、フリーランスとして実績が少ない方には非常にオススメの方法です。

クラウドソーシングで探す

3つ目は、クラウドソーシングで探す方法です。クラウドソーシングとは、企業や個人がインターネットで不特定多数の人(クラウド:群衆)に業務を依頼(ソーシング:調達)するビジネスのことです。

フリーランスエンジニアがクラウドソーシングを利用するメリットは、多様な仕事が選べることです。
一方で、スキルや実力がないと単価が低い案件しか受注できません。

フリーランス向けのエージェントを利用する

4つ目は、フリーランス向けのエージェントを利用する方法です。フリーランス向けのエージェントを利用することで、代わりに担当者が営業活動を行ってくれたり、案件の紹介や契約を進めてくれたりします。
また、エージェント会社に登録することで、エージェント会社の福利厚生サービスが受けられます。

まとめ

フリーランスエンジニアの仕事内容・年収・案件獲得方法などを解説しました。フリーランスエンジニアになるには、セルフプロデュースが不可欠です。フリーランスエンジニアは、会社員よりも自由度が高い反面、責任が伴います。

また、企業ごとの特色を学び、仕事のやり方や各企業のニーズなどを把握しなければなりません。技術やスキルを磨くことも大切ですが、柔軟性や適応力も同時に高めていきましょう。

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