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開業届の職業欄はどう書く?適切な記入例と注意点を解説

date2026年02月06日
開業届の職業欄はどう書く?適切な記入例と注意点を解説
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はじめに

  • 開業届は、事業を開始してから1か月以内に税務署に提出する
  • 職業欄および事業の概要欄は、具体的かつ正しく、明確に記入する
  • 職業欄の記入内容は個人事業税の税率に影響する
  • 複数の事業がある場合は、最も高い収入の業種を職業欄に記入する
  • 事業変更した場合は、確定申告書の職業欄を正確に記入する必要がある

開業届の職業欄および事業の概要欄について、どのように記入すればいいのかよくわからない、という方が見受けられます。
この記事では、記入方法や記入例、注意点などをご紹介します。

開業届には職業欄・事業の概要欄の記入が必要

新しく事業を始める場合は、納税地を管轄する税務署へ開業届を提出する必要があります。
原則として、開業から1か月以内に、事業所が存在する場所の税務署へ開業届を提出します。遅れたとしても罰則はありません。ただし、青色申告の承認を受けるには、原則として開業日から2か月以内に「青色申告承認申請書」の提出が必要です。青色申告を利用する場合は、開業届を早めに提出しましょう。
とくに記入方法の決まりはないものの、後述する個人事業税の税率に関わってくるため、何の事業をしているのかしっかり記入するのがポイントです。なお、開業届の用紙は税務署の窓口でもらえるほか、国税庁のホームページからダウンロードが可能です。

参考:国税庁 | A1-5 個人事業の開業届出・廃業届出等手続

職業欄には具体的な職業を記入する

開業届の職業欄は「フリーランス」「個人事業主」といった書き方ではなく、具体的にどのような職業を営んでいるかわかるように記入しましょう。たとえば「システムエンジニア」「個人小売店店主」などです。
なお、職業欄の書き方に迷った場合は、総務省が公開している「日本標準産業分類」という分類表を参考にするのもよい方法です。

参考:総務省 |統計基準等 日本標準産業分類

事業の概要欄は明確に記入する

開業届における事業の概要欄は、職業欄の業務内容を詳しく記入する場所です。職業欄よりも詳しく、実際の仕事内容や事業内容を記入しましょう。
たとえば、Webライターであれば「Webメディア記事の構成作成および記事執筆」と、海外ブランド服のセレクトショップを営んでいるなら「インポート輸入服販売」のように記入します。

開業届の職業欄・事業の概要欄の具体的な記入例

開業届の職業欄・事業の概要欄の基本的な書き方がわかっても、具体的にどのように記入すればいいのか、戸惑う方も多いでしょう。
ここからは、いくつかの職業を例に挙げて、具体的な記入例をご紹介します。書き方に困った際の参考にしてください。

開業届:職業欄・事業の概要欄の例文

開業届の職業欄・事業の概要欄について、職業ごとの記入例を簡単にまとめました。

  • システムエンジニア

    職業:システムエンジニア
    事業の概要:ソフトウェアの設計・開発・プログラミング、およびシステムの保守

  • 商店街の個人商店店主

    職業:文房具店運営
    事業の概要:学生向けの筆記用具を中心とした文房具の販売、社会人向けの万年筆の販売

  • Webデザイナー

    職業:Webデザイナー
    事業の概要:Webサイトのデザイン制作、LPのデザイン制作、コーディング

  • ラーメン店経営

    職業:飲食店
    事業の内容:ラーメン店の経営、ラーメンやサイドメニューの提供、メニューの開発

  • YouTuber

    職業:インターネット関連サービス業
    事業の概要:YouTubeの企画・動画作成および編集、動画公開と管理、YouTubeコミュニティ管理

開業届作成・提出における注意点

先にもご紹介したように、自営業者やフリーランス・個人事業主などは労働形態であって「職業」ではありません。複数の職業がある場合は、正しい業種を確認して、開業届に記入しましょう。
上記以外にも、開業届の作成・提出で注意しておくべきポイントがあります。ポイントを押さえて、明確に記入することが大切です。

複数の事業から収入を得ている場合

新しく事業を始める際に、最初から複数の事業を並行して開始するケースもあるでしょう。
この場合の開業届は、収入を最も多く得ている業種を、代表として職業欄に記入します。
並行している事業がある場合は、事業の概要欄に詳細を記入してください。
ただし、確定申告書ではしっかりと事実を記入する必要があります。複数の事業を抱えている場合は事実関係が複雑になりやすいため、実際にどのような事業をおこなったのかを、確定申告書の職業欄で正確に記入することが重要です。

提出後の事業内容に変更があった場合

事業を新しく始めたものの軌道に乗らず、別の事業を起こしたところ本業よりも売上が伸びた、といった方もいるでしょう。開業届の提出時に記入した職業と現在の主な職業が異なる場合でも、開業届を再提出する必要はありません。
ただし、確定申告で「職業の詳細」を記入する際は、現在の職業と所得などを正確に記入する必要があります。記入漏れのないよう、十分注意しましょう。

オンライン提出が可能

開業届は、e-TaxなどのWebサービスからオンライン提出することが可能です。紙の書類で提出に行く余裕がない場合でも、オンラインであれば場所を問わず、提出できます。オンライン提出を行う場合はマイナンバーカードやICカードリーダなどの用意が必要になります。持っていない人は、事前に準備しておくといいでしょう。
記入の際の注意点は、先にご紹介した内容と同じです。記入漏れや正しく記入できているかを確認して、提出を行うことが大切です。

開業届の職業欄は個人事業税に影響する

個人事業税とは、個人が営む事業に対してかかる地方税の一種で、地方税法によって定められています。個人事業税は、開業届に記入された職業欄の業種によって税率が異なるため、職業欄には正確な記入をおこなうことが重要です。

業種によって個人事業税の税率が異なる

個人事業税とは、所得税や住民税などと同様に、個人事業主が納める税金のことです。個人が営む事業のうち、地方税法などの法律で定められた事業(法定業種)を行っている場合に、事務所・事業所を置いている都道府県に納めます。法定業種は70種類あり、ほとんどの事業が該当します。
個人事業税の税率は業種によって3~5%で定められており、具体的な法定業種と税率は以下の通りです。

区分税率事業の種類
第1種事業
(37業種)
5%物品販売業、運送取扱業、料理店業、遊覧所業、保険業、船舶定係場業、飲食店業、商品取引業、金銭貸付業、倉庫業、周旋業、不動産売買業、物品貸付業、駐車場業、代理業、広告業、不動産貸付業、請負業、仲立業、興信所業、製造業、印刷業、問屋業、案内業、電気供給業、出版業、両替業、冠婚葬祭業、土石採取業、写真業、公衆浴場業(むし風呂等)、電気通信事業、席貸業、演劇興行業、運送業、旅館業、遊技場業
第2種事業
(3業種)
4%畜産業、水産業、薪炭製造業
第3種事業
(30業種)
5%医業、公証人業、設計監督者業、公衆浴場業(銭湯)、歯科医業、弁理士業、不動産鑑定業、歯科衛生士業、薬剤師業、税理士業、デザイン業、歯科技工士業、獣医業、公認会計士業、諸芸師匠業、測量士業、弁護士業、計理士業、理容業、土地家屋調査士業、司法書士業、社会保険労務士業、美容業、海事代理士業、行政書士業、コンサルタント業、クリーニング業、印刷製版業
3%あんま・マッサージ又は指圧・はり・きゅう・柔道整復・その他の医業に類する事業、装蹄師業

参考:東京都主税局|個人事業税

個人事業税がかからない業種もある

前項で紹介した法定業種に当てはまらない場合、または事業所得290万円以下の場合は個人事業税の対象外となり、個人事業税は非課税となります。
具体例を挙げると、以下のような業種が該当します。

  • 漫画家、作曲家、作詞家、小説家などクリエイティブ関連の職業
  • システムエンジニア、プログラマーなどIT関連職
  • 林業や鉱物採掘業務
  • プロスポーツ選手
  • 翻訳や通訳

ただし、上記に該当する業種であっても、業務の実態が「請負業」などの法定業種と判断された場合は個人事業税がかかる可能性があります。

「請負業」と判断される具体例

業種:プログラマー・翻訳家・イラストレーターなど
実態:単純作業の代行ではなく、成果物を納品して報酬を得る契約

確定申告書に記入された職業・事業内容が税率の根拠となります。開業届を出した当初と事業内容が変わっている方は、正確に記入して提出しましょう。

まとめ

開業届は、新しく事業を開始してから1か月以内に管轄の税務署に届け出をしなければなりません。開業届の職業欄と事業の概要欄の書き方にルールはとくにありませんが、具体的な内容でわかりやすいように記入する必要があります。職業欄は個人事業税の税率にかかわるので、きちんと記入しましょう。また、複数の事業をおこなう場合は一番収入が高いものを職業欄に記入すれば問題ありません。事業内容が変わった場合でも、開業届の再提出は不要です。ただし、個人事業税にかかわるため、確定申告書の職業欄は正確に記入する必要があります。
はじめての開業で戸惑うこともあるかもしれませんが、適切に届け出や申告をおこない、事業を成功に導きましょう。

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