「服装自由」でも失敗しない!面接の服装選びをスーツ・私服別にやさしく解説


はじめに
- 服装は、面接で重視される第一印象を決定づける
- ビジネスマナーが伝わる服装と、清潔感ときちっと感を心がける
- 私服の面接ではオフィスカジュアルを意識し、リーズナブルなスーツでも問題ない
- スーツ、私服とも個性を出しすぎないように注意する
- 夏・冬の身だしなみはインナーを工夫して調整する
面接に適した服装は一般的にスーツと言われていますが、場合によっては私服で受ける面接もあるため、服装に迷う方も多いでしょう。 この記事では面接時に印象UPできる服装を、男女別に紹介します。
最も重視するべき服装のポイント
面接に整った服装で臨むことは最低限のマナーです。メラビアンの法則と呼ばれる研究では、第一印象は視覚情報から3秒で決まると言われており、面接でもまず見た目の印象からチェックされます。
面接官はその服装から、身だしなみや清潔感、ビジネスにおける基本的なマナー、服のサイズや全体的なバランスが整っているかを読み取ります。第一印象を決定づける服装は大変重要なため、好印象につながる服装のポイントから紹介します。
清潔感がある
質問に対してよい回答ができたとしても、清潔感がなければ残念な印象を与えてしまいます。初対面で残念な印象を与えないよう、面接用の服には事前にアイロンをかけ靴も磨いて、身だしなみと合わせて清潔感のある服装を意識しましょう。
また、移動中に服装が乱れることもあります。時間に余裕を持って行動し、身だしなみを整えてから面接本番に臨んでください。
マナーが守られている
TPOに合わせた服装は社会人の基本的なマナーです。私生活とは異なり面接はフォーマルな場です。だらしない服装や派手すぎる服装はマナー違反となります。
面接では服装における基本的なマナーが身に付いているかも見られます。面接にふさわしい服装で、相手への尊重を態度で示すとともに、マナーを守った行動ができることをアピールします。
スーツが基本?状況に応じて服装を選ぶ
スーツや私服、服装自由など、服装指定の有無や内容は面接先の企業によって異なります。ここでは状況に応じてどのような服装が適切か、またNGの事例や服装に関する質問方法に触れていきます。事前に把握して後悔しないように準備をしましょう。
やはりスーツが無難
面接は基本的にスーツと認識しましょう。企業によっては指定がない場合や服装自由の場合もありますが、どのような服装でもよいという意味ではありません。ビジネスシーンにふさわしい服装が望ましく、オフィスの雰囲気によってはスーツが無難な場合も多いです。
また、どのような状況でもスーツは失礼にあたりませんが、注意すべき点もありますので、以下の項目で詳しく解説します。
リクルートスーツの落とし穴
大学生の新卒面接であればリクルートスーツは最適な服装といえます。しかし、経験を積んだ社会人の転職面接ではリクルートスーツによって、いわゆる新人感が出てしまうため避けた方が無難です。
あえてリクルートスーツを使うのであれば、シャツやブラウスを落ち着いた色にするなど、インナーを変更することで清潔感や落ち着きを演出してください。
ビジネススーツを選ぶ
シンプルなデザインや色合いで清潔感があるビジネススーツは、TPOを踏まえたビジネスシーンのマナーの証となるため、転職面接など社会人経験者はビジネススーツが最適です。
もしスーツを新調するのであれば濃紺やダークグレーなど、着回しの利くベーシックな色合いをおさえておくとよいでしょう。ベーシックな色合いには落ち着いた印象があり、世代や性別を問わず受け入れられやすく、インナーでアレンジしやすい利点があります。
私服でと言われたら
企業によっては私服を指定される場合があります。この指示には企業側が面接を通じて個性を見たいとの意図や、リラックスして面接に臨んでほしいという意向があるため、尊重しスーツは候補から外した方が無難です。その際は、ビジネスシーンにふさわしいオフィスカジュアルを意識した服装を選びましょう。
オフィスカジュアルがオススメ
服装自由の面接ではオフィスカジュアルが無難です。男女とも必ずジャケットを着用し、シンプルなデザインで落ち着いた色合いにまとめましょう。
男性であれば襟付きシャツとパンツをベースに、ベルトと靴下は落ち着いた色にして、靴はスニーカーを避けてビジネスシューズを着用します。
女性ではカットソーやシャツにパンツやスカートを合わせ、ストッキングとベーシックカラーのパンプスにしましょう。男女とも小物はシンプルで派手すぎないものを選択します。
カジュアルといっても普段着ではないのでラフすぎる服装はNGです。カーディガンは、面接官の考え方や感じ方が異なるため、不要な減点にならないよう面接では避けた方がよいでしょう。
アルバイト・パートの場合
アルバイトやパート面接の服装は、私服か服装自由の場合が多いです。ここで重要なのは私服=普段着ではないという点です。あくまでもビジネスの一場面であると考えて、面接では仕事用の服装としてふさわしいオフィスカジュアルを意識してください。
また職場の雰囲気や職種によっては、指定がなくてもスーツが適している場合もあります。わからない場合は応募先に質問し、職場の雰囲気に合わせた服装を選択します。
指定なしに迷ったら
面接時の服装指定なし、もしくは服装自由の場合も、明確に私服の指定がない限り基本的にはスーツが適しています。スーツで印象が悪くなることはありません。
ただし、アパレル業界やデザイン職の面接では、服装からセンスを問われる可能性も否定できません。その場合は、センスとともに清潔感ある派手すぎないオフィスカジュアルを選びましょう。
面接時の服装の問い合わせ方法
面接時の服装についての質問は、企業側にどのような服装が適切かを聞くよりも、「スーツでよろしいでしょうか? 」あるいは、「オフィスカジュアルでよろしいでしょうか? 」などと具体的に質問にすることで、確実な返答が求められます。
聞くタイミングは面接日の確定連絡の際がベストです。それ以降でもできるだけ早めに聞けるとよいでしょう。以下の例文を参考にしてください。
件名:面接時の服装につきまして
株式会社 〇〇〇〇
人事部 採用担当 △△様
お世話になります。
〇月〇日の面接でご連絡をいただきました 静楽太郎 です。
この度は、面接時の服装につきまして
確認させていただきたく、ご連絡いたしました。
いただいております面接のご連絡には、服装についての記載がありませんでしたので、
当日の服装はスーツで伺いたく存じますが、問題はありませんでしょうか。
お忙しいところ大変恐縮ですが、ご回答のほどよろしくお願い申し上げます。
氏名 静楽太郎
郵便番号
住所
携帯電話 090-0000-0000
メール:taro.seraku@XXXX.ne.jp
業界別、服装選びの特徴
面接では企業にマッチした人材であるかも見られます。スーツが必須の面接でカジュアルな服装をしたり、逆に私服の指定がある面接にスーツで行ったりしては、企業にマッチしない人材であると見られてしまう可能性もあるでしょう。
面接にふさわしい服装は業界や職種、企業の雰囲気によっても変わります。以下の表では、それぞれの特徴についてまとめましたので参考にしてください。
| 業界・業種 | 服装 | 備考 |
|---|---|---|
| 新卒面接 (業界・職種問わず) | スーツ | 新卒就活であればリクルートスーツが最適。ビジネススーツでも問題ない。 |
| 転職面接 (業界・職種問わず) | スーツ | ビジネススーツが望ましい。転職面接でのリクルートスーツは着こなしの工夫を要するため避けた方が無難。 |
| 公務員や公的機関・金融業界など | スーツ | 公的な職業の面接ではビジネスマナーをしっかりおさえた服装が重視される。スーツが必須。 |
| 不動産系・食品系・医療系・建設系など | 基本的に スーツ | 基本的にスーツ着用のためスーツマナーを押さえておく。服装自由の場合もある。職場の雰囲気によってはオフィスカジュアルも視野に入れる。 |
| アパレル・マスコミ・IT系の業界やデザイン系の職種など | 服装自由や私服指定もある | 迷ったらスーツでも失礼には当たらないが、私服の指定がある場合は清潔感があり派手すぎない、オフィスカジュアルを意識した服装で面接に臨む。服装からセンスを問われる可能性も否定できない。 |
| パート・アルバイト | 私服か服装自由が多い | 私服=普段着ではない点に注意し、仕事用の服装としてふさわしいオフィスカジュアルを意識する。職場の雰囲気によってはスーツが望ましいこともある。 |
面接に適したスーツ【男女別】
面接に適したスーツとは、男女とも全体的にバランスが整い、ビジネスマナーを守った清潔感ときちっと感があるスーツスタイルです。ここでは男女別にスーツのマナーについて解説します。
男性のスーツ

男性のスーツは基本的かつフォーマルなビジネスウェアですが、アイテムごとに注意すべきポイントがあります。間違った着こなしにならないよう基本を押さえましょう。
スーツの色と柄
スーツは上下そろいのもので、色は濃紺やグレーなどの無地でベーシックな色合いのものが、落ち着いた雰囲気を演出できます。柄は目立たないストライプくらいなら問題ありませんが、目立つ柄は避けましょう。
面接前には、新調したスーツでも必ずジャケットのシワや汚れ、パンツにプレスラインのズレがないかを確認し、必要であればアイロンがけやクリーニングで手入れをしておきます。
シャツは白がベスト?
清潔感を出すには白のワイシャツがベストです。ほかにも目立たないストライプやブルーでも問題ありません。シワやヨレ、襟や袖口に汚れなどがないよう事前に手入れをして清潔な状態を保ちましょう。
また厳粛な社風の企業では白無地のシャツでも、色付きのボタンや高襟のものはデザイン性が、ボタンダウンのシャツはカジュアル性が、それぞれマイナス要素になる可能性があるので避けた方が無難です。
靴・ベルトは革製の黒?
靴は革製でひも靴タイプのビジネスシューズをベースに、派手すぎないものを選びます。ベルトも革製のシンプルなデザインがベストです。それぞれ金具やバックルが目立たないものを選びましょう。
靴やベルトの色は黒がスーツに合わせやすくオススメです。ただし、黒地に浮かぶキズや汚れは遠目にも目立ちます。事前によく磨いて手入れをしておきましょう。
豆知識:ボタンのルール
男性の場合、上着やベストの一番下のボタンは、飾りボタンとされ留めないのがマナーです。これはアンボタンマナーと呼ばれるスーツスタイルのルールです。
ただし例外もあります。ダブルのスーツなどで留めるボタンが1つだけの場合や、6つボタンなどで一直線にボタンが並ぶデザインの上着では一番下のボタンも留めます。女性の上着はメンズライクなデザインのものを除き、ボタンをすべて留めるのが基本です。
デザインにより異なるので、心配な場合は購入店で確認しましょう。
女性のスーツ

女性のスーツは色・デザインとも豊富なため、男性に比べて選択肢も広がりますが、面接では個性の追求よりも基本的なマナーが大切です。各アイテムの押さえるべきポイントを把握しておきましょう。
スカートとパンツ、どちらがいい?
スカートスーツ・パンツスーツどちらでも問題ありませんので、自分に合うスタイルをベースに考えましょう。紺やグレーなどの落ち着いた色合いとシンプルなデザインのスーツがオススメです。
夏場でも肌の露出は控えめにして、スカートの丈は膝丈か、やや膝下程度のものを選んでください。パンツはロング丈のものを選びましょう。
インナーの選び方
襟付きのブラウスやカットソーが無難です。カットソーはTシャツに見えないよう、ある程度の厚みや張りがあるものを選んでください。素材は比較的自由に選べますが、フリルやリボン付き、胸元が開きすぎるデザインは控えましょう。
色は白を基本に、明るい色味のものを選ぶと表情を明るく演出できます。ほかにも水色やクリーム色など派手すぎないカラーであれば問題ありません。
靴はパンプス?
靴はシンプルな黒のパンプスがベストです。ヒールは低すぎず高すぎない、自分にあったものを選びましょう。具体的には5~7cm程度のものを目安に、さまざまなシーンをカバーできるミドルヒールがオススメです。
また、3cm程度のヒールは学生向けローファーのような印象を与え、10cm以上のヒールは華やかな場面向けの靴なので避けた方が無難です。
ストッキングもマナー
スーツ、オフィスカジュアルのどちらもストッキングは必要です。とくに面接では、肌の露出はマナー違反になりますので、必ずストッキングを着用しましょう。厚さは20デニール前後で、カラーはベージュを中心にナチュラルなものを選びます。色味は自分のファンデーションカラー(肌の色味)を参考にするとよいでしょう。
ストッキングは予期せず傷むこともありますので、替えを用意しておくと安心です。
30代・40代女性の転職でユニクロやしまむらのスーツで大丈夫?
面接官が重視するのは清潔感やTPOです。UNIQLO(ユニクロ)やしまむらのスーツでも問題はありません。
両社は国内ファストファッションの2大ブランドとして、リーズナブルで豊富な品ぞろえと、高機能なスーツを開発しています。選ぶ際の注意点は、薄手でやわらかい素材のものもあり、仕立てや体型によっては安っぽく見えてしまうため、購入時はよく吟味しましょう。
スーツが無い場合はどうすればいい
面接では特に指定がない限り、スーツ着用が基本です。しかし、スーツがない場合は最低限の服装マナーを守っていれば、スーツでなくても問題ありません。
その際は、男女ともジャケットを着用してください。カーディガンは、面接官の考え方や感じ方が異なるため避けた方が無難です。全体的にジャストサイズの清潔感ある服装で、色や柄は紺やグレー系の無地をベースにバランスを整えましょう。
スーツ以外・服装自由な場合は私服【男女別】
私服や服装自由な面接では、スーツよりもコーディネートの幅が広いため悩みどころです。しかし私服といっても普段着ではありません。ビジネスマナーを守ったオフィスカジュアルを意識しましょう。

ここでいうオフィスカジュアルとは、フォーマルウェアを少しカジュアルダウンしたビジネスシーンの服装です。以下では男女別に、面接でも使えるオフィスカジュアルのコーディネート例を紹介します。
男性のオフィスカジュアル
男性の場合は、ジャケットとスラックスをベースに、清潔感のあるシャツとネクタイを選びましょう。ビジネスシューズと合わせて全体的に落ち着いた配色にまとめます。
男性のオフィスカジュアルでは清潔感とある程度のフォーマル感が大切です。露出度の高い服装や派手な服装、帽子や動きを妨げるアクセサリーなどは避けましょう。
女性のオフィスカジュアル
女性では、ジャケットにシンプルなデザインのスカートかパンツ、トップスは襟付きのシャツか、襟なしなら襟元が開きすぎないものを選びましょう。靴はパンプスを選び、スニーカーやサンダルはNGです。ワンピースでも問題ありませんが、ジャケットは併用してください。
女性のオフィスカジュアルでも清潔感を大切に、身体のラインが出る服装や露出の多い服装は避け、落ち着いた印象にまとめましょう。
NGな服装
オフィスカジュアルにはNGな服装があります。ジーンズやダメージ素材、派手な装飾品などはNGです。またリラックスウェアやカジュアルすぎる服装、仕事や動きの妨げになるアイテムやアクセサリーも望ましくありません。
オフィスカジュアルはあくまでビジネスシーンの服装です。面接では特にビジネスマナーとTPOが見られますので、おしゃれは私服で楽しみましょう。
夏・冬の服装マナー
季節にあった服装の選択も重要です。地球温暖化や省エネの観点からクールビズやウォームビズを採用する企業も増えていますが、面接ではどうでしょうか? ここでは夏と冬の服装マナーを紹介します。
クールビズの注意点
クールビズの指定があった場合は、男性はネクタイを外してもよいとされています。しかし、クールビズでもスーツの上着やジャケットは必ず持参しましょう。面接では指示されない限り、ジャケットを着用して臨むのがベストです。
ただし、汗をかいたままでは清潔感が失われてしまいます。制汗のためにもハンカチなどを必ず携行し、暑さはインナーなどで調節してください。身だしなみとしてデオドラントケアにも気を配りましょう。
防寒具の注意点
防寒着は、スーツとの相性からダウンジャケットではなくコートがオススメです。コートやマフラー、手袋は建物に入る前に脱ぎ、コートは畳んで腕に掛け、マフラーや手袋はかばんにしまいましょう。
面接時の暖房で暑くならないよう、厚着しすぎないことも大切です。秋冬物のスーツやインナーでの調整を心がけてください。
まとめ
面接の服装は男女ともスーツが基本です。第一印象が残念にならないよう、TPOをわきまえ、ビジネスマナーのあるスーツスタイルを心がけてください。私服の場合は清潔感があり、きちんとした人だと伝えられるオフィスカジュアルであれば問題ありません。
どのような場面でも、目上の人や初対面の人に対して失礼に当たらないような服装がベストです。値段やブランドは関係ありませんので、好印象といえる服装を考慮して面接用の服を選んでください。












