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フリーランス必見!節税対策をわかりやすく解説

date2025年05月13日
フリーランス必見!節税対策をわかりやすく解説
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はじめに

  • フリーランスが支払う税金は収入と所得から算出される
  • フリーランスの節税には経費計上と各種控除の活用が重要となる
  • 節税には資金管理とともに経費にできる税金を把握することも重要
  • 青色申告による各種の控除はフリーランスにも大きな節税効果がある
  • 控除にできる保険や共済は資産形成とともに節税効果をもたらす

フリーランスの事業では確定申告を通じて収入を申告し、税額を求めます。税額は収入(売上)と、そこから経費と各種控除を差し引いた課税所得から算出します。つまり経費と控除を増やすことが節税のポイントです。本稿ではフリーランスの税金と節税対策について、ポイントと合わせて解説します。

フリーランスが支払う税金の種類

フリーランスが支払う税金には、所得税や住民税、さらには個人事業税や消費税などが挙げられます。以下の表では、確定申告後にフリーランスが支払う税金について、解説とともにまとめました。

フリーランスの税金一覧

所得税収入から必要経費を差し引いた所得に課税される税金
復興特別所得税東日本大震災からの復興に必要な財源確保を目的として創設された税金
住民税所得に応じて地方自治体から課税される税金
個人事業税年間の事業所得が290万円を超えた事業者に課される地方税。業種によって税率が異なる
消費税前々年の売上が1000万円を超える事業者、また開業から2年以内でも前年1月1日~6月30日の売上が1000万円を超える事業者は、売上に対して消費税が課される
固定資産税家屋や土地などの固定資産に対する税金。所有する物件をオフィスとして使用する場合は、固定資産税を合理的な割合で按分できる

フリーランスの節税対策

経費と控除は確定申告時に収入や所得から差し引かれるため、これを確保し、活用することがフリーランスの節税につながります。そのためには、年度末になって慌てて対策を始めるのではなく、年間を通じて経費や控除を意識した、計画的な資金管理が重要になります。これらのポイントについて、以下の項目で詳しく解説します。

経費計上が節税につながる

必要経費は確定申告時に収入から差し引かれ、その計算結果が所得となるため、経費の適切な計上こそ節税の基本といえます。フリーランスも他の事業者と同様に、事業に直接関連する出費を必要経費として申告できます。例えば、仕事用のパソコンやオフィスの家賃、通信費などがこれに該当します。注意すべきは、プライベートと事業の出費をきちんと区別することです。

経費項目の具体例

正しく経費を計上するためには、具体的にどのような費用が必要経費として認められるかを知っておくことが重要です。代表的な経費としては交通費・交際費・消耗品費・研修費などがあり、これらの費用は事業を円滑に進めるために必要な経費として計上できます。普段から領収書やレシートを保管し、記録をつける習慣をつけましょう。

経費にできる税金を把握する

フリーランスは自身の税金を経費にすることはできません。例えば所得税や住民税などはいずれも経費対象外です。ただし、事業に関わる税金であれば経費として計上できます。例えば、個人事業税や事業で支払った印紙税は経費の対象になります。また、自宅兼事務所として使用している不動産の固定資産税や自動車税は、家事按分後の金額を経費に計上できます。他にも、個人事業税や税込経理方式における消費税などが租税公課として経費に計上できます。

控除の活用も節税に有効

確定申告で扱う控除には所得金額を差し引く所得控除と、算出後の所得税額から差し引く税額控除が存在します。いずれも税金を減額させる効果があるため、控除を理解し活用することは節税にも有効に働きます。

所得控除の種類

売上から経費を差し引いて算出した金額を、事業所得と言います。この事業所得からさらに所得控除を差し引いた金額が課税所得となります。この所得控除について、以下の表にまとめました。

所得控除の種類概要
基礎控除合計所得金額が2,500万円以下の納税者が受けられる控除
社会保険料控除社会保険料を支払った際に受けられる控除
配偶者控除控除対象の配偶者がいる場合に、一定の条件を満たした納税者が受けられる控除
配偶者特別控除
扶養控除16歳以上の親族を扶養に入れている場合に受けられる控除
勤労学生控除学生であり、一定以下の所得がある場合に受けられる控除
ひとり親控除ひとり親の場合に受けられる控除
寡婦・寡夫控除寡婦・寡夫の場合に受けられる控除
障害者控除納税者本人・配偶者・扶養親族などが障害者や特別障害者に該当する場合に受けられる控除
生命保険料控除生命保険料を支払った際に受けられる控除
地震保険料控除地震保険料を支払った際に受けられる控除
小規模企業共済等掛金控除小規模企業共済や個人型年金の掛金などがある場合に受けられる控除
医療費控除納税者本人・配偶者・扶養親族などの医療費が一定額を超えた場合に受けられる控除
寄附金控除国や地方公共団体への寄附やふるさと納税などを行った際に受けられる控除
雑損控除災害・盗難・横領などによって損害を受けた際に受けられる控除

税額控除の種類

税額控除とは、確定申告で算出された所得税額から直接的に差し引ける控除です。そのため税額控除は直接的な節税効果があります。この税額控除について以下の表にまとめました。

税額控除の種類控除を受けられる対象
特定増改築等住宅借入金等特別控除住宅の新築・取得・増改築などを行った際に受けられる控除
住宅特定改修特別税額控除住宅の省エネ改修工事をした場合に受けられる控除
住宅耐震改修特別控除住宅の耐震改修工事をした際に受けられる控除
配当控除株の配当金や投資信託の分配金を受け取ったときに受けられる控除
外国税額控除海外で課税された所得税を日本の所得税額から控除できる制度(二重課税を調整するための制度)

節税に生命保険や小規模企業共済を活用する

社会保険料・生命保険料・地震保険料の各種保険料は確定申告時に所得から控除できます。また小規模企業共済や個人型確定拠出年金(iDeCo)も有効な節税手段です。これらは、老後の資金を準備しながら所得控除を受けられる制度です。掛け金は全額所得控除の対象となり、節税と資産形成の両方に役立ちます。

青色申告には大きな節税効果がある

確定申告には青色申告と白色申告の2種類があり、手続きがより複雑な青色申告では、最大65万円の控除を受けられるため、フリーランスにも大きな節税効果をもたらします。以下で詳しく見ていきましょう。

青色申告の条件

青色申告の特別控除を受けるには、管轄税務署に「所得税の青色申告承認申請書」を提出し、以下の条件を満たす必要があります。

  1. 事業所得、または事業的規模の不動産所得がある
  2. 事業所得に関する取引を複式簿記で記帳している
  3. 作成した青色申告決算書(貸借対照表と損益計算書)を添付して確定申告をしている
  4. 期限を守って確定申告をしている
  5. 現金主義による所得計算の特例を選択していない
  6. e-Taxで確定申告を行うか、仕訳帳と総勘定元帳などを電子帳簿保存法が定める「優良な電子帳簿」として保存している

※1~5を満たすと55万円控除、6も満たせば65万円の青色申告特別控除が受けられる
※65万円・55万円の控除要件を満たさない場合、控除は最大10万円となる
※10万円控除の場合は単式(簡易)簿記での帳簿作成が可能

青色申告のメリット

青色申告はフリーランスの節税にも大きなメリットがあります。それらについて以下の表にまとめました。

青色申告特別控除所得金額から最大65万円の控除を受けられる
赤字を繰り越せる赤字を翌年以降、個人事業主で最長3年、法人で最長10年※の所得から差し引ける
※平成30年4月1日より前に開始した事業年度の繰り越し期間は9年
青色事業専従者給与事業主が生計を同じくする家族に支払う給与を経費にできる(申告する前年の3月15日までに届出が必要)
貸倒引当金を経費にできる貸倒引当金とは、貸倒れの可能性がある債権(売掛金や貸付金など)に備えて、事前に計上する金額のことで、青色申告ではこれが、貸金の帳簿価額合計の5.5%以下であれば経費にできる
少額減価償却資産の特例30万円未満の資産を取得した場合、一度に経費に計上できる

まとめ

今回はフリーランスの税金と節税のポイントについて解説しました。フリーランスとして事業を安定して継続するには、収入確保とともに節税も重要課題です。そのためには経費や控除について正しく理解し、青色申告の活用や計画的な資金管理を行うことが、税負担の軽減につながります。後になって慌てることがないよう、節税は日々の業務とともに積み重ねて対策しましょう。本稿が節税対策の一助となることを願っています。

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