20代の転職率と転職理由は?成功へのステップと秘訣も解説


はじめに
- 20代の前半と後半で難易度が変わる
- 転職活動はゴールを設定して取り組む
- 自己分析で自分の強みやアピール方法を考える
- 求人情報に対して未経験で挑戦できるか経験者優遇かを見極める
- 転職サイトや転職支援にも目を向ける
20代の転職は人生初の機会になる人も多く、やるべきこともいっぱいです。それだけに不安も希望も多い転職活動になるでしょう。本稿では転職したい20代に向けて、データとともに成功へのステップと成功率の上げ方を簡単に解説します。
20代からの転職について
厚生労働省によると20代の転職率は男性女性ともおよそ15%あり、高校・大学等を卒業後の3年以内離職率は学歴別に35~45%です。また20代は社会人としてまだ若く企業からのニーズも高いため、誰しもに転職の可能性があります。以下の項目では20代の転職について厚労省のデータと合わせて解説します。
20代の転職率と離職理由
厚労省の調査によると、2024年における20代の転職入職者(転職職前1年間に就業経験のある入職者)は約15%です。また、このうち5割が給与の増加を経験しています。
前職の離職理由では「その他の個人的理由」を除くと、男性では20代前半・後半ともに「給料等収入が少なかった」が最も多く、次いで20代前半では「労働時間等の労働条件」、20代後半では「職場の人間関係」が多い結果となりました。女性では20代前半・後半ともに「労働時間等の労働条件」が最も多く、次いで「職場の人間関係」が続いています。
これらの情報を下記の表にまとめました。
・性別・年齢別の転職率
・転職者の賃金変動状況(20代以下を抜粋)
| 増加 | 変わらない | 減少 | |
| 19歳以下 | 48.8% | 34.9% | 11.9% |
| 20~24歳 | 50.5% | 31.5% | 16.8% |
| 25~29歳 | 46.3% | 23.1% | 29.2% |
注:2.転職入職者の賃金変動状況不詳を含む
・転職者の離職理由(20代以下を抜粋)


※クリックで画像を拡大できます


注:2.転職入職者が前職を辞めた理由不詳を含む
※クリックで画像を拡大できます
参考:厚生労働省|令和6年雇用動向調査結果の概況 参考に自社で作成
新規学卒者の離職率が特に高い
厚労省の発表によると、2021年3月卒業の新規学卒者の就職後3年以内離職率は、新規大等就職者が34.9%、新規高卒就職者は38.4%と特に高い傾向にあります。
・新規学卒就職者の3年以内離職率( )内は前年比増減
| 【中学】50.5%(▲2.4P) | 【高校】38.4%(+1.4P) |
| 【短大等】44.6%(+2.0P) | 【大学】34.9%(+2.6P) |
参考:厚生労働省|新規学卒就職者の離職状況(令和3年3月卒業者)を公表します
これに対して厚労省は若者の採用・育成に取り組むユースエール企業の認定や、新卒応援ハローワークなどで、新規学卒就職者や卒業後概ね3年以内の未就職卒業者に就職や転職、職場定着の支援などを行っています。
参考:厚生労働省|ユースエール認定制度のご紹介
20代の前半と後半で難易度が変わる
ここまで20代の誰しもに転職の可能性があるとわかりました。しかし20代の転職では20代前半と20代後半で企業からの見方が変わるため、転職への取り組み方や難易度も変わってきます。以下の項目では、それぞれの年代で求められるポイントについて解説していきます。
20代前半に求められるポイント
社会人としてはまだ若年といえる20代前半の転職市場では、第二新卒枠や将来性を重視する傾向があります。企業側としても戦力となる人材を長期的に育成できるメリットがあるため、積極的な採用姿勢も望めるでしょう。求められるポイントは採用後の将来性です。
また20代前半の転職では、社会人としての基本的なマナーだけでなく学生時代の取り組みもアピールできます。将来を見据えたポジティブな転職理由と一緒に、ガクチカも振り返って準備するとよいでしょう。
20代後半で求められるポイント
20代後半の転職市場では、20代前半のそれと比べて企業も慎重に採用活動を行います。そのため採用後についても、より具体的なビジョンが必要です。
同業種でのキャリアアップであれば、前職でのスキルや実績だけでなく、転職後はどのように活躍するのか根拠を示したキャリアプランが求められます。また異業種へのキャリアチェンジであれば、その挑戦が必要な理由や本気度だけでなく、離職理由にもポジティブな内容が求められます。
転職成功へのステップ
転職活動のセオリーとして企業研究や自己分析、書類作成や面接対策、そしてゆくゆくは採用時の条件交渉に至るまで、順を追って成功のステップを踏むことが重要です。以下の項目ではこのステップを盤石にするコツを解説します。
ゴールを設定する
転職活動では活動期間や条件面のゴールを設定しましょう。転職活動に使える期間は転職の時期や、転職活動が在職中か離職後であるかなどの状況によって異なります。転職活動ではいつまでに転職するのかを定め、活動期間のゴールを設定しましょう。
期間を定めたら転職の到達点や譲れない条件など、転職活動の目標を設定します。このように期間や目標を設定することで、成功までのステップを逆算して転職活動に取り組めます。
自己分析とスキルの棚卸
書類選考と面接のどちらにも必要になるのが自己分析とスキルの棚卸です。自己分析では自分が転職を志した理由や志望動機、採用後に活かしたい自分の強みや魅力など、自分の内面を深掘りして明らかにします。
スキルの棚卸では、これまでの仕事で得た経験や技術、学生時代に力を入れて取り組んだことなど、自分が積み重ねた実績や成功体験の洗い出しを行います。それぞれ取り組んだ成果を組み合わせて、企業が求める人材にマッチした自己アピールや面接トークを考えましょう。
成功率向上の秘訣
ゴールの設定と自己分析を済ませたら、履歴書と職務経歴書の作成に取りかかります。この項目では成功率向上の秘訣として、転職に有利になる情報の見極めや、分析結果を書類に盛り込む方法について解説します。
企業研究で見極める
志望先について知る企業研究は、転職を有利に運ぶ重要な要素です。企業理念や社是、クレドやパーパスなどの名目で、企業が掲げるビジョンを詳細に分析しましょう。
企業研究からは、その企業が形作る文化や風土、企業が求める人物像を見つけられます。そしてその情報は、志望する企業が未経験から挑戦できる先か、実績を活かしたキャリアアップが可能な転職先かなど、自分にとってのマッチ度を見極める重要な手がかりになります。
分析を履歴書と職務経歴書に盛り込む
これまでの自己分析と企業研究の成果を、履歴書と職務経歴書に盛り込みます。志望動機は、志望先でしかできないことや自分が実現できる貢献性を論理的に書いてください。
自己アピールについては、20代前半の転職であれば採用後の将来性をアピールした内容に、20代後半の転職であれば自分の強みとキャリアプランを明確にした内容で構成します。書類の書き方や内容について心配があれば、提出前に指導を仰ぐのもよいでしょう。
転職支援のサイトやサービスを活用する
転職支援のサイトやサービスは民間のものだけでなく、公的機関も力を入れて取り組んでいます。厚生労働省はハローワークだけでなく、学生と概ね3年以内の学卒者を対象とした新卒応援ハローワークや、概ね35歳未満が対象の「わかものハローワーク」も運営しています。
また厚労省は「転職したいけどスキルがない」という人に、公共職業訓練(ハロートレーニング)の活用も呼び掛けていますので、興味のある方は参考情報を参照してください。
参考:厚生労働省|若者への就職支援
参考:厚生労働省|ハロートレーニング(離職者訓練・求職者支援訓練)
まとめ
20代の誰しもに離職と転職の可能性があります。20代の前半と後半で、また異業種へのチャレンジかキャリアアップかで難易度も変わりますが、それでも20代の転職市場はチャンスのある市場です。
自己分析や企業研究をはじめ、やるべきことも多く簡単ではありませんが、頼れる支援やサービスも充実しています。それらもぜひ視野に入れて、自分の強みや魅力を最大限に活かした転職活動を展開してください。













