業界/資格

物流業界の2024年問題とITの関係とは?

date2024年01月18日
物流業界の2024年問題とITの関係とは?
タグ:

はじめに

  • 物流需要が増大する一方で、物流の供給が追いつかない
  • とくに生鮮品の流通に影響する可能性がある
  • IT活用で運転手の負担を軽減し、配送スピードや精度が向上する
  • 顧客もIT化によりスムーズで信頼性の高いサービスを受けられる

物流業界の2024年問題とは?

物流 2024 年問題とは、物流需要が増大するのに対して、ドライバー不足などにより物流の供給が間に合わないという問題です。今後は中長期的に、需要が供給を上回ることが予想されています。

2024年問題が社会へもたらす影響

ドライバー不足などにより長距離輸送が難しくなり、生鮮品の流通が難しくなり、輸送に時間を要するようになるでしょう。すでに宅配便の一部地域では翌々日配送に変更される動きが見られます。運賃の上昇が懸念されており、ドライバーの賃金が現状では低く、ドライバー不足の一因となっています。

2024年問題の課題や問題点とは

物流現場では、長時間のドライバーの待機時間や契約にない店舗内での棚入れ作業などによる長時間労働、価格競争に伴う厳しい取引環境・雇用環境の問題が発生しており、人手不足の原因となっています。すでに深刻な人手不足が問題となっている物流業界において、労働時間の制限によりさらなる労働力不足が予想されます。

2024年問題解決に向けたプロセスとは

ここまで、2024年問題の概要について紹介してきました。この問題を解決するにはどのような方法があるのでしょうか。2024年問題解決に向けたプロセスについて紹介していきます。

2024年問題解決のためのIT導入

物流業界がITを活用することで、より効率的で安全な配送サービスの実現が期待されています。
IT活用の例として、夜間積み込み用アプリがあります。このアプリを活用すれば、トラックの積み込み作業を夜間に行い、朝の渋滞を回避し、労働時間の短縮が可能になります。
また、配送スピードや精度を向上させるだけでなく、顧客にとってもよりスムーズで信頼性の高いサービスを受けられます。
ただ、デジタル化にはコストやセキュリティなどの課題も潜んでいますので、導入の際には慎重に取り組が必要でしょう。

物流×ITがもたらす変化

物流業界において、ITを活用は変化をもたらします。たとえば、人手不足の解消においては、高齢化や少子化による人手不足が深刻な課題となっています。
人手不足の問題はITの導入により、作業の一部や特定のプロセスを自動化することで解決できます。
配送ルートの最適化、在庫管理の効率向上、注文処理の自動化などが当たります。

2024年問題の解決にITは貢献できるのか

2024年問題への対応策として、物流業界ではいくつかの取り組みが求められます。まず、配送計画の見直しや働き方改革は重要な要素です。しかしこれだけでは不十分であり、ITの導入が不可欠です。

物流×ITによる具体的な貢献事例

物流業界がIT技術を駆使することで、業務の最適化と効率化が進んでいます。たとえば、日本郵便は山間部や離島などへの荷物配送において、ドローンを導入する予定です。
また、運送予約システムの導入により、荷物の発送や受取りがオンラインで行えるようになりました。これにより、顧客が自分の都合にあわせて手軽に物流サービスを利用できるようになり、同時に配送コストや手間が削減されています。
さらに、無人トラックの導入も注目すべき取り組みです。ボルボ社が実施した実証実験では、複数のトラックが自動運転モードで走行します。これにより、運転手の労働時間の低減が実現され、運転の安全性も向上しています。
こうしたITの活用は、物流業界において新しい可能性を広げています。より迅速で効率的かつ安全な物流サービスが実現します。

早期のIT導入は2024年問題に有効

ITは既存業務の効率化や品質向上に役立ちます。
たとえば、自動配車システムや動態管理システムを導入することで、配送計画や運行管理を最適化し、コスト削減や納期短縮などの効果が期待できます。
しかし、ITツールの活用にはまだ課題も多いです。運送業においては、安全性や法令遵守に関するITツール導入は進んでいますが、業務効率化に関するITツールの導入はまだあまり進んでいません。

早期にITを導入する利点

ITは、従来の業務内容にて数々の課題に立ち向かうための有力なツールです。
たとえば、自動配車システムや動態管理システムの導入は、配送計画や運行管理を最適化し、コスト削減や納期短縮などの効果をもたらします。物流プロセス全体がスムーズに進行し、業務の効率性が向上します。同時に、人的ミスの可能性を低減し、配送の精度を向上させます。
車両運行管理システムやIT点呼の導入により、安全性や法令遵守が確保され、事故や違反などのリスクが低減されます。とくに、ドライバーの安全な労働環境を確保するためには、これらのITツールは不可欠です。労働時間や健康状態の適切な管理は、企業にとって法的な観点からも重要です。
さらに、ITは少ない人手や時間で生産性を高められます。たとえば、人間の判断や操作を代替するためにAIやIoTを活用し、業務プロセスをより効率的に実行できます。データの収集や分析を自動化し、迅速で正確な意思決定ができます。

まとめ

物流業界において早期のIT導入は、数多くのメリットをもたらします。業務の効率化や品質向上、安全性確保などの要素は業界における競争力向上につながります。投資やリスクが伴う一方で、大きな効果が期待できます。
2024年問題に対しては、恐れるのではなく前向きに取り組み、業界全体をよりよい方向に進化させるチャンスと捉えるとよいでしょう。ITを駆使して物流業界をよりよく変革していくことが今後の重要なポイントになるのではないでしょうか。

IT業界に挑戦したい23年卒の方、私たちの仲間になりませんか?
【会社選びは、仲間探しだ】IT業界に挑戦したい23年卒の方、私たちの仲間になりませんか?
株式会社セラク 開く