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AIで教育現場はどう変わる?メリットデメリットや活用事例

date2024年01月17日
AIで教育現場はどう変わる?メリットデメリットや活用事例
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はじめに

  • 教育現場でもAIが活用されている
  • AIを導入すると個々に適した学習、教師の業務負担軽減、成績を正確に分析できるというメリットがある
  • AI導入のデメリットは事前のデータ蓄積が必要なこと、考える力の低下、教師の雇用減少などがある
  • 活用事例は個々に合わせた学習システム、音声認識AI、顔認証で出席率の自動化など
  • AIと教師の役割分けを明確にして、最大限AIを活用しよう

教育分野でもAI導入が推奨されています。導入することのメリット、デメリットは何があるのでしょうか。また、これからAI化が進んでいく中でどのようなポイントを押さえてAIと関わっていけばよいのかもご紹介していますので、ぜひ参考にしてみて下さい。

AIと教育現場を取り巻く変化

AIを導入すると、教育現場ではどのような変化が起こるのか詳しく見ていきましょう。

AI教育が推奨される

文部科学省より、GIGAスクール構想が発表されました。GIGAスクール構想とは、子どもたち一人ひとりに最適化された、創造性を育む教育ICT環境の実現を目指す取り組みのことです。
具体的には、デジタル端末・通信ネットワーク・クラウドをワンセットで教育現場に整備し、生徒の学習記録などをビッグデータで収集・分析して生徒それぞれが端末利用することによって最適化された教育コンテンツを提供することを想定しています。

教育分野にAIを導入するメリットとデメリット

AIを教育現場に導入するにあたりメリット、デメリットが存在します。どのようなメリット、デメリットなのか見比べてみましょう。

教育分野にAIを導入するメリット

AIを教育現場に導入するメリットは以下の通りです。AIを導入することで何が可能になるのかを見ていきましょう。

個々に適した学習ができる

教育現場にAIを導入すると、生徒一人ひとりの理解度に合わせた教育ができるようになります。
通常の授業などでは、どうしても理解に差が生まれてしまいますがAIを導入すれば、そのような困った状況時でも個々に合わせた最適な学習が可能になります。

リアルタイムでのアドバイス

AIを導入すると、リアルタイムでの教育支援が可能になります。
AIが、生徒の理解度が低い部分をみつけて、その場で適切なアドバイスや追加の教材を提案します。これにより、従来の授業の形では叶えられなかった個々の学習ニーズに対応することができ、自分に合ったペースで学習を進めることができます。

教師の負担が軽減する

AIを導入すると教師の負担が少なくなることも期待されています。
試験監督や出席確認、採点業務をすべて自動化することができます。AIを活用してできた時間は授業内容を見直しする時間や、生徒とコミュニケーションを取る時間にあてるなど、有効的な時間の使い方が出来るようになります。

成績を正確に分析できる

AIは膨大なデータを蓄積して分析することが可能です。
収集したデータから成績を正確に分析でき、評価がより平等に行えるでしょう。そして学力向上のための必要なポイントを把握し、授業で使用する教材の評価も行うことができます。

教育分野にAIを導入するデメリット

一方で、AIが教育にもたらすデメリットもあるのです。どのようなデメリットなのか見ていきましょう。

事前にデータの蓄積が必要

AIを導入して活用するためには、データを事前に蓄積させておく必要があります。
データの蓄積が少ないと、高精度な分析を行うことができません。AI導入の際は、教育用コンピュータや無線LAN、高速・大容量のインターネットなどICT教育に最低限必要な環境を整える必要があります。
AIを活用するまでに事前に蓄積する時間が必要になること、ハードウェア導入のコストがかかることはあらかじめ把握しておくことが重要です。

考える力の低下

物事を自ら学ぶ力、考える力を養っていくことが、教育分野では求められています。
もし、AIにすべて任せてしまうとすぐに解決策が用意されてしまうことから自分で物事を考える力、学ぶ力が失われてしまうことが懸念されています。
そのため、AIだけで学ぶ力、考える力を育んでいくのは難しいと言えるでしょう。

雇用の減少

自動化が可能なものは、すべてAIで活用が可能です。単純な作業をAIに任せることで、その分の労力を大幅に減らせるでしょう。そのため今までのような単純作業をするための人員確保をする必要がなくなると言われています。

AIを活用した教育事例とは

教育現場の先生たちの負担軽減のため、生徒一人ひとりに向き合うためにAIを活用して問題解決をしている事例があります。

個別に合わせた学習支援システム

端末で生徒が回答した内容をAIが分析する機能が活用されています。
一人ひとりのレベルに合わせて苦手な教科やつまずきやすいポイントを解決するために、生徒に合わせて解くべき問題を出題してくれる機能もあります。授業中に、AIが生徒の個々の回答時間と結果を収集・分析し、教師は授業中でもリアルタイムに生徒の理解度を確認することができます。

音声認識を活用した授業

英語学習などでは、AIによる音声認識が取り入れられています。
英語を学習していく上では、正しい発音をよく聞き、真似して話すことが大変重要になります。教師自身が正しい発音なのかそうでないのか判断に迷ってしまっても問題ありません。正しく発音できているかをAIが客観的に判断し、点数化して教えてくれます。

顔認識を活用し出席確認の自動化

従来、出席確認は教師が集計していました。出席日数をパソコンに打ち込み計算を自動化したとしても、元となるデータ入力に手間がかかります。AIの顔認識システムを使用すれば、誰がいつ出席したかをすべて自動で分析できます。

教育現場でAIを最大限活用するためには?

AIを最大限活用するためにはどのように付き合っていくべきでしょうか。一緒に考えてみましょう。

AIと教師の役割分けが重要

AIは、それぞれの理解度に合わせて最適なアドバイスをしていくということが得意ですが、子どものやる気を引き出したり、自ら学ぶ力や考える力を養ったりしていくことは得意ではありません。そのような学習における個別のアドバイスをする際には、AIを最大限活用していく価値があります。
教育ではコミュニケーションを取り、一人ひとりの個性を理解し子どもに寄り添っていくことが非常に大切です。今後はAIと人間の役割分けを明確にしていくことが重要になります。

まとめ

AIを教育の現場に導入すると起こるメリット、デメリットについて理解できたでしょうか。
AIを導入すると生徒の考える力の低下や、ハードウェア導入のコストがかかるとともに事前のデータの蓄積が必要といったデメリットもありました。そして作業の自動化に伴い、教師の雇用数が減少するかもしれないといった懸念点もあります。
しかし、生徒一人ひとりのニーズに適した学習の実現やAIによる正確な成績評価、作業の自動化により業務負担が軽減されるので、その分生徒の創造性や道徳性などを養っていくための時間を確保できるようになるというメリットもあります。
このような形でAIと教師の役割分担を明確にしていくことが、教育分野の質の向上にもつながっていくのではないでしょうか。

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