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生涯賃金とは?学歴や事業規模の差異や平均額について解説!

date2026年04月15日
生涯賃金とは?学歴や事業規模の差異や平均額について解説!
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はじめに

  • 生涯賃金とは生涯に得られる賃金の総額のこと
  • ライフプランを考える上でも生涯賃金の把握は重要
  • 一般的な傾向では事業規模と学歴に比例して賃金は高くなる
  • キャリアアップが伴わない転職には賃金低下のリスクがある
  • 正規雇用とキャリアアップが生涯賃金を増やす近道

生涯賃金(生涯年収)とは

生涯賃金もしくは生涯年収とは、文字通り生涯に得られる賃金の総額です。 以下の項目では、政府シンクタンクの統計と合わせて、より詳しく解説します。

生涯賃金(生涯年収)の定義と意義

これまで、生涯賃金(生涯年収)の生涯は、新卒時から60歳で定年退職するまでの期間を指していました。しかし、2025年4月から高年齢者雇用確保措置(65歳までの雇用確保措置)が義務付けられたことにより、定義も個々で変わりつつあります。

一方、賃金とは使用者が労働者に対して支払う給料や手当や賞与など、主に給与所得者の対価です。収入や年収などもほぼ同じ意味ですが、この場合の対象者は給与所得者だけでなく、個人事業主も含まれます。

生涯賃金を考える際は、混同しやすい言葉も知っておくと安心です。
下記の表にまとめましたのでご参考ください。

混同しやすい言葉の一覧
収入得られる対価や売上のすべてであり、仕入高や経費を差し引く前の金額のこと。会社員など給与を受ける人の給与収入と、事業による売上や報酬による事業収入がある
賃金給料・手当・賞与などの名称を問わず、事業主が労働者に支払う対価
所得収入から控除や経費を差し引いた金額のこと。給与収入から所得控除や給与所得控除などを差し引いた給与所得と、事業の総収入額から必要経費を差し引いた事業所得がある
手取り賃金や給与から税金や社会保険など諸々の控除を差し引いた金額。収入のうち実際に手に取れる金額。差引支給額
月収1か月分の賃金(収入)
※月給(基本給+固定手当)に変動手当(時間外手当・深夜手当・休日手当など)を含めたもの
年収1年間(1月1日から12月31日までの1年間)の間に支給された賃金(収入)の合計
生涯賃金
(生涯年収)
生涯で得られる賃金(収入)の総額

また、2025年の高齢者雇用安定法の改正に伴い、企業は以下のいずれかの措置を講じなければなりません。

  • 定年制の廃止
  • 定年を65歳まで引き上げる
  • 希望者全員に対して65歳までの継続雇用制度を導入する

高年齢者雇用確保措置は少子高齢化に伴う人材不足問題や、老齢厚生年金の支給開始年齢の段階的な引き上げ措置により発生した空白期間(年金がもらえない期間)問題と、深く関係しています。
社会情勢や背景を知ることで、生涯賃金の定義や意義が奥深いものになります。

なぜ生涯賃金を知る必要があるのか

生涯賃金は、ライフプランや資産形成を考える際の指標となります。働き方・学歴・雇用形態などが異なると金額に差が出るため、生涯賃金は一人ひとり違うことを理解しておきましょう。

また、近年は定年後も働く人が増えており、生涯で働く期間が長くなっています。高齢者雇用安定法の改正に伴い、今後は60歳の定年後も働く人が増えていくと予想されますので、男女共に引退年齢の平均年齢も上がる見込みです。

正社員と非正規社員の平均生涯賃金の違い【学歴別】

以下では、正社員と非正規社員の平均生涯賃金の違いを学歴別に解説します。

正社員の平均生涯賃金

新卒からフルタイムの正社員として転職・退職せずに働き続ける場合、学歴別の平均生涯賃金では男女とも高学歴の方が高い傾向にあります。

正社員の平均生涯賃金 2024年度版
(60歳まで転職なし、退職金を含めない)

学歴
性別高校卒専門学校卒高専・短大卒大学卒大学院卒
男性2億5670万円2億3280万円2億7300万円2億8970万円3億3420万円
女性1億9110万円1億9500万円2億770万円2億3940万円2億8300万円

参考:労働政策研究・研修機構 |ユースフル労働統計労働統計加工指標集2025 P.321(表21-3)

最も高いのは男性・大学院卒の3億3420万円、最も低いのは女性・高校卒の1億9110万円です。その差は、1億4310万円です。

非正規の平均生涯賃金

前の項目は正規雇用で転職・退職がない場合の平均生涯賃金でしたが、これに対してフルタイムの非正規雇用で働き続けた場合、生涯賃金がどうなるかを下記の表にまとめました。

非正規で働き続けた場合の平均生涯賃金 2024年度版
(60歳まで退職金を含めない)

学歴
性別高校卒大学卒
男性1億3000万円1億5000万円
女性1億1000万円1億2000万円

参考:労働政策研究・研修機構 |ユースフル労働統計労働統計加工指標集2025 P.324,325(図21-4)

非正規の場合も学歴に比例して平均生涯賃金が高いとわかりますが、正規雇用と比べて大きく金額が下がることもわかります。たとえば、男性・大学卒の正規・非正規の生涯賃金を比較した場合、約1億4000万円ほど差が出ることがわかります。

定年退職後平均引退年齢まで非正社員を続ける場合の生涯賃金

以下の表は、学校卒業後すぐに就職し、その後60 歳で退職するまでフルタイムの正社員を続けた人が、退職金を得て平均引退年齢までフルタイムの非正社員を続ける場合の平均的な生涯賃金です。

正社員の生涯賃金2024年度版2
※同一企業継続就業とは限らない

男性
2024年度現在高校卒大学卒
定年までに稼ぐ額2億1560万円2億6280万円
退職金1440万円1840万円
定年以降に稼ぐ額
(平均引退年齢まで)
4530万円5830万円
合計2億7530万円3億3950万円
女性
2024年度現在高校卒大学卒
定年までに稼ぐ額1億5790万円2億990万円
退職金1440万円1840万円
定年以降に稼ぐ額
平均引退年齢まで)
2770万円3890万円
合計2億円2億6720万円

参考:労働政策研究・研修機構 |ユースフル労働統計労働統計加工指標集2025 P.311(図21-2)・327(表21-4)

定年退職した場合と、定年後も非正規で働いた場合の生涯賃金の差は、定年以降に稼ぐ額の項目からわかります。男性は高卒者が4500万円、大卒者が5900万円ほどの差が出ました。一方、女性は高卒者が2800万円、大卒者が3900万円ほどの差になりました。

なお、総務省統計局の国勢調査によると、雇用者の平均引退年齢は2020年時点で男性が71.1歳・女性が68.3歳となっています。平均引退年齢が最も低かった年は男性が1985年の66.5歳でした。一方で、女性は1985年・1990年が同列で63.0歳でした。

1985年と2020年の平均引退年齢を比較すると、35年間で男性が4.6歳・女性が5.3歳、引き上がっていました。このことから、今後も平均引退年齢は上昇していくことが予想されます。

事業規模や転職の影響

学歴別の平均生涯賃金は、大学・大学院卒が最も高くなりやすいことがわかりました。それでは、企業の事業規模によってはどの程度の違いがあるのでしょうか。

事業規模による違い

学歴や性別によっても平均生涯賃金には格差がありました。大企業や中小企業など、事業規模によってどれくらいの差があるのかを、下記の表にまとめました。

同一企業で勤め上げた場合の平均生涯賃金 2024年度版
(60歳まで・退職金を含めない)

男性
事業規模
学歴1,000人以上100-999人10-99人
高校卒2億8380万円2億4340万円2億1430万円
専門学校卒2億5180万円2億3170万円2億1420万円
高専・短大卒3億930万円2億4750万円2億2180万円
大学卒3億2250万円2億6160万円2億4440万円
大学院卒3億5430万円2億8040万円2億6490万円
女性
事業規模
学歴1,000人以上100-999人10-99人
高校卒2億1300万円1億8650万円1億5910万円
専門学校卒2億1580万円1億8930万円1億8150万円
高専・短大卒2億2590万円1億9970万円1億8730万円
大学卒2億6150万円2億2330万円1億9850万円
大学院卒3億230万円2億5410万円2億3070万円

参考:労働政策研究・研修機構 |ユースフル労働統計労働統計加工指標集2025 P.321(表21-3)

同一企業で勤め上げた場合の生涯賃金は、男女ともに企業規模が大きいほど高い傾向にあります。また、学歴が高いほど生涯賃金も上がりやすいです。

ただし、場合によっては企業規模の差が学歴差を上回ることもわかります。事業規模は学歴以上に生涯賃金に影響することから、大企業の賃金が高水準であることもわかります。

転職による影響【年齢別】

転職は生涯賃金にさまざまな影響を与えます。たとえば、退職金は一般的に勤続年数に比例して高くなりがちです。そのため、転職によって勤続年数が短くなると、受け取れる金額に差が出ることもあります。

転職による賃金変動D.I.は、転職後に賃金が上がった人と下がった人のどちらが多いかを示す指標です。D.I.がマイナスの年代では、転職によって賃金が下がる人の割合が相対的に多いことを意味します。転職後の賃金水準はその後の収入の積み上がりに影響するため、結果として生涯賃金にも影響する可能性があります。

転職による賃金変動D.I.
(表内の値は%で表す・△はマイナスの意味)

年齢計20-24歳25-29 歳30-34歳35-39歳40-44 歳45-49 歳50-54 歳
2009△10.50.7△4.2△7.0△6.2△10.3△12.3△18.2
2010△4.514.10.63.2△4.81.3△10.1△10.7
2011△5.26.70.40.4△3.10.2△3.4△8.1
2012△1.317.07.12.33.62.32.9△14.7
2013△4.86.40.54.15.1△0.7△6.3△16.0
2014△0.622.81.6△3.25.71.61.9△6.8
20151.118.410.810.25.04.0△0.9△2.5
2016△2.712.78.15.55.11.3△0.7△5.5
20171.114.013.83.115.712.25.9△10.0
2018△0.817.612.811.44.49.55.0△13.3
2019△5.06.1△2.30.712.87.70.7△0.7
2020△2.222.74.210.7△1.65.35.0△4.5
2021△2.618.113.37.46.69.62.7△6.1
2022△0.711.514.84.815.05.53.0△6.8
20232.229.215.58.38.811.26.2△3.7

引用:労働政策研究・研修機構 |ユースフル労働統計労働統計加工指標集2025 P.266(表17-1)

この表から、転職後の賃金は年齢が若いほど上がりやすく、年齢が高くなるほど下がりやすいことがわかります。特に20代前半では賃金上昇につながるケースが多い一方で、45歳以降はマイナスが目立ち、50代前半では転職によって賃金が下がる人の割合が相対的に多くなりがちです。

生涯賃金を増やす方法

これまで、生涯賃金について解説してきました。この項目では賃金アップのためにできる取り組みについて解説します。

非正規なら正規雇用を目指す

現在が非正規雇用であれば、正規雇用を目指すことが賃金アップへの近道といえます。正規雇用であれば昇給や賞与のほか、社会保険による補償制度も伴います。また退職金制度を持つ企業であれば勤続年数によって得られる金額が変わりますので、正社員としての就職は早ければ早いほど生涯賃金のアップにつながるでしょう。

また、昨今では多様な働き方が注目されており、転勤が困難な方や1週間の所定労働時間が40時間を下回る方でも正社員登用への道が開きつつあります。 従来型の正社員と比べて、賃金や年収に差が出るケースもありますが、非正規雇用よりも安定した働き方ができます。

キャリアアップ転職を視野に入れる

現在の環境では賃金が低い、または賃金アップが望めないと感じているのであれば、キャリアアップが伴う転職も有効な手段の1つです。同規模以下の企業では賃金低下のリスクもありますが、より好条件の転職に挑戦できるのであれば、実力次第で賃金アップを望むことも可能です。

資格取得でスキルアップを証明する

資格によってスキルアップを証明することも、賃金アップへの取り組みといえます。資格は学歴とは別の指標で地位や身分、またはその資格を得るのに必要な学習成果やスキルを証明するものです。手当が認められる資格や、勤務先の基幹業務に直結する資格であれば活躍の場も広がり、賃金アップも期待できるでしょう。

副業・資産運用を行う

副業や資産運用を行うことも、生涯賃金を増やす方法の1つです。
副業に関しては、本業では得られない知識や経験を積むことで、スキルアップにもつながります。
また、最近ではNISA(少額投資非課税制度)やiDeCo(個人型確定拠出年金)といった、手軽にはじめられる資産運用制度も充実しています。どちらも運用益は非課税というのも魅力です。

まとめ

生涯賃金とは、生涯に得られる賃金の総収入額です。本稿では事業規模や学歴による影響、賃金低下のリスクや増やし方を統計と合わせて解説しました。生涯の収入ともなると高額でイメージするのは難しいかもしれませんが、ライフプランや老後を考える上でも重要な情報です。

さまざまな働き方がある昨今、収入やライフプランは人によってさまざまですが、生涯賃金の平均値はそこに筋道を付ける目安にできます。これらの情報からぜひ生涯賃金を身近な知識にしてください。

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