フリーランス営業の秘けつとは?スキルアップや注意点も解説


はじめに
- フリーランスにとって営業は最も重要な業務のひとつ
- 効果的な営業経路には、知人や取引先からの紹介、SNSの活用、仲介業者からの紹介などがある
- 営業活動の前に、ポートフォリオや名刺、基本情報の整理を行う
- 営業効果をあげるスキルには、コミュニケーション力、プレゼンテーションスキル、傾聴力、自己分析力がある
- 営業を成功させるためには、人脈を大切にし、信頼と実績を積み重ね、諦めずに方法を変えて挑み続けることが重要
フリーランスを始めた、もしくはこれから始めようと考えている方にとって、案件の確保はおおきな不安材料かもしれません。この記事では、フリーランスの営業方法から効果的なアイテム、営業効果をあげるスキルなど、フリーランスが継続して収入を安定させるためのポイントを紹介します。
フリーランスにとって営業が重要な理由
フリーランスにとって最も重要な業務が営業だといっても過言ではありません。営業による案件獲得が収入に直結し、将来的に継続可能な事業体系を構築する基盤になるからです。
営業活動を通じて、クライアントとの信頼関係を築き、長期的な契約につなげることで、安定した収入と自由な働き方を実現できます。
フリーランスが効果的に営業を進めるには
以下のグラフは、他のフリーランスがどのような営業経路で案件を獲得しているかを表しています。多くのフリーランスが、知人を介して案件を獲得しており、人脈の重要性がわかります。また、SNSなどの発信や広告活動も有効です。自分にできる案件獲得方法の参考にしましょう。

参考:内閣官房新しい資本主義実現会議事務局・公正取引委員会・厚生労働省・中小企業庁|令和4年度フリーランス実態調査結果
フリーランスの具体的な営業方法
ここからは、フリーランスがどのような営業方法を活用しているか、具体例を紹介します。
友人や知人に相談
案件獲得手段として最も多いのが、友人や知人からの紹介です。人柄を理解している人を介することで、信頼が担保され、スキルや技術をアピールするだけで案件が獲得しやすくなります。業界や業種にこだわらず、さまざまな人に相談してみましょう。思いもよらない縁が生まれる可能性があります。
取引先からの紹介
取引先からの紹介も、技術力の担保があるため、案件を獲得しやすい方法です。取引先との関係を良好にし、満足してもらえる仕事を提供することで、「この人なら任せても大丈夫」と思ってもらえます。紹介案件は信頼度が高く、案件獲得にもつながりやすいため、積極的に活用しましょう。
SNSの活用
不特定多数への情報発信も有効な営業方法といえます。FacebookやX(旧Twitter)、Instagramやブログなどを定期的に更新することで、興味をもった人からの依頼や問い合わせが期待できます。また、自社サイトの開設も、社会的信用度の向上につながるでしょう。
企業へ直接営業メールを送る
ターゲットとなる企業に直接営業する方法です。断られたりメールの返信がなかったりすることもありますが、挫けないことが大切です。相手のニーズを理解した提案内容を心がけましょう。
メール例文では、突然のメールへのおわびから始め、名のり、過去の実績例を紹介し、御社の○○分野で何ができるかを簡潔にアピールします。ホームページやSNSのアドレスも記載しましょう。
クラウドソーシングの利用
クラウドソーシングとは、業務を依頼したい人と受けたい人をつなぐオンラインのマッチングプラットフォームです。企業が業務内容を登録し、それを見た個人が自分のスキルや技術を活かせる業務に応募します。その後、業務委託契約を結ぶことで、案件を獲得できます。営業が不得手でも、案件獲得しやすいので活用しましょう。
フリーランスエージェント利用
フリーランスエージェントとは、営業や事務手続きを代行してくれるサービスです。営業の苦手なフリーランスにとって、企業の仲介と案件紹介、条件交渉や契約締結を手助けしてくれるため便利です。さらに、煩雑な事務手続きを代行してもらうことで、業務に集中できるメリットもあります。
セミナーやコミュニティ参加
フリーランスが営業する上で、人脈形成は非常に重要です。業界のセミナーや同業種のコミュニティに参加することで、情報収集ができるだけでなく、同じ分野の人々と交流することで人脈が広がり、新たなビジネスチャンスの可能性があります。
チラシ配布や広告活動
チラシは、企業だけでなく個人の目に留まり、興味をもってもらえる可能性があります。たとえば、「パソコン教室をやります」というチラシを、許可をとったカラオケボックスのフリースペースに置くことで、家族連れから高齢層までアピールでき、地域密着型の営業方法として有効です。どこに人の縁があるかはわからないため、広い視野をもつことが大切です。
営業活動に効果的なアイテム
実際に営業を行うまでに準備しておきたいアイテムを紹介します。知名度をあげたりトラブルを防止したりと、効率的に営業するために役立ちます。
- ポートフォリオ
- 名刺
- 時給や単価など基本情報
ポートフォリオ
ポートフォリオは、自分の実績を視覚的にまとめた資料のことです。成果や経験を集約し、実績やスキルをアピールする効果があります。営業時に見やすくまとめたポートフォリオを提示することで、技術力やスキル、経験値を理解してもらいやすく、相手に信頼感を与えることができます。作成して効率的な営業に活かしましょう。
名刺
ビジネスにおいて自分の顔となるのが名刺です。最初の接点となる重要なアイテムといえます。表面には住所、氏名、連絡先のほかに、SNSのアドレスを入れるのも効果的です。さらに裏面には、簡潔に自分のアピールポイントを表現しましょう。上手に裏面を活用することで、相手の記憶に残りやすくする効果があります。
時給や単価など基本情報
自分の業務に応じて、時給や成果物の単価を事前に設定しておきましょう。案件によって報酬形態が異なるため、柔軟に対応できるよう準備しておくことが重要です。これは案件獲得時の重要な指針になるため、正しい自己評価が求められます。また、単価や支払期日、契約期間などの契約条件を明確にするための資料を作成することで、透明性を保つことができ、円滑な契約が可能になります。
営業効果をあげるスキル
営業効果をあげるために身につけておきたいスキルを紹介します。どれもビジネススキルの基本ですが、フリーランスとして各スキルをどのように活かせるかも解説します。
- コミュニケーション力
- プレゼンテーションスキル
- 傾聴力
- 自己分析力
コミュニケーション力
営業にとって必須のスキルがコミュニケーション力です。フリーランスは、多くの人々と関わることで職種を継続できるため、的確で効率的なコミュニケーションは欠かせません。相手の立場に立って信頼関係を築くことが重要となります。
プレゼンテーションスキル
プレゼンテーションは自己アピールと相手のニーズを満たす提案を効果的に伝えるスキルです。何ができるかを考え、自分のスキルや技術で活用できる内容を伝えます。論理的な資料作成や説得力のある話し方を習得して、的確に伝えることがポイントになります。
傾聴力
フリーランスは、相手が何を求めているのかを正しく理解する必要があります。自己アピールに注視するあまり、どれほど高いスキルや技術をもっていても、相手のニーズと合わなければ案件は獲得できません。相手の話に耳を傾け、質疑応答を繰り返しながらニーズを把握して、自分にできることを考えましょう。
自己分析力
営業効果をあげるためには、正しい自己分析が重要です。営業を繰り返す中で上手くいったこと、いかなかったことを把握し、自分の強みや弱みを理解することで、営業方法の課題や営業戦略の問題点を把握できます。改善策を検討し実行することで、より効果的な営業活動が可能になります。
フリーランスが営業を成功させるポイント
フリーランスを継続するために営業は必須です。営業を行う際の注意点から対策までを紹介します。
- 人脈を大切にする
- 信頼と実績を積み重ねる
- 自分本位な営業は避ける
- 第一印象の重要性を知る
- 複数の営業方法を同時に行う
- 諦めずに方法を変えながら挑み続ける
人脈を大切にする
人脈はフリーランスにとって最大の資産です。人との出会いや縁を大切にし、真摯に向き合っていくことが肝要です。積極的に交流の場に参加し、新たな人脈づくりを意識しましょう。
信頼と実績を積み重ねる
時間や約束を守り、質の高い仕事を提供することで信頼と実績を重ねていくことが重要です。この案件は任せて大丈夫と安心してもらえることで、再契約や紹介案件へとつながります。その結果、営業に係る労力が少なくて済むようになるでしょう。
自分本位な営業は避ける
どれほど自分のスキルや技術、できることをアピールしても案件獲得につながらない場合もあります。自分本位の営業は避け、相手の求めることと自分のできることの一致点を見極めましょう。相手の視点に立って考える姿勢が重要です。
第一印象の重要性を知る
初対面の印象がその後の関係性に大きな影響を与えます。フリーランスだから何でも自由というわけではありません。礼儀正しく、清潔感のある身だしなみや立ち振る舞いはビジネスの基本と認識しましょう。
複数の営業方法を同時に行う
営業手段はさまざまあり、自分にとって不得意なものや業種によって異なる場合もあるでしょう。しかし、複数の方法を同時に行うことで、多方面へのアクションが可能になり、案件獲得の確率をあげることができます。自分にあった方法を見つけましょう。
諦めずに方法を変えながら挑み続ける
営業はすぐに効果が期待できない場合もあります。そこで諦めてしまっては、フリーランスとして継続できなくなってしまい、収入にも影響します。営業とは、失敗を恐れずに、さまざまな方法を試しながら、諦めずに挑み続けることで収入の安定につなげることです。
まとめ
フリーランスにとって、最も苦労する業務は営業かもしれません。苦手な方は営業代行を活用するのも選択肢の一つですが、自分に合った営業方法を試行錯誤しながら見つけていくことが、継続的な仕事の獲得と収入の安定につながります。本記事がその参考になれば幸いです。