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開業届に必要なものとは?準備すべき書類や提出方法を解説

date2025年05月07日
開業届に必要なものとは?準備すべき書類や提出方法を解説
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はじめに

  • 開業届は個人事業主が開業したことを税務署に知らせる書類のこと
  • 事業開始後1か月以内に提出が必要、しかし未提出でも罰則はない
  • 提出にはマイナンバーカード、本人確認書類、印鑑が必要
  • 提出すると青色申告で特別控除が受けられ、屋号名義で銀行口座が作成できる
  • 提出すると扶養から外れることや、失業保険が受けられないケースもある

個人事業主として活動をしていくにあたり、開業届を提出する必要があります。けれども、初めて開業手続きをするという方は、提出に必要なものや状況に応じて必要な書類などがたくさんあり、どうすればいいのか分からないという方もいることでしょう。今回は、その必要な書類や状況に応じて必要な書類、開業届を提出するメリット・デメリットについても解説していきます。

開業届とは

開業届とは、個人事業主が開業したことを税務署に届け出るための書類です。個人事業主として事業を行うと売上や経費が発生し、それに基づいて所得税の確定申告を行う必要があります。税務署は開業届をもとに納税管理を行い、個々に必要な申告書類の送付がされますので、それらに従い確定申告を行いましょう。

開業届は必ず提出が必要?

原則、事業開始後1か月以内に開業届を提出する必要があります。しかし、開業届を提出しなくても特に罰則や罰金などはありません。確定申告を正しく行っていれば問題ないと言えます。

開業届の提出時に必要なものは?

開業届を提出するにあたり必要なものがあります。提出時に忘れてしまうことがないように、あらかじめ用意しておきましょう。

  • マイナンバーカード
  • 運転免許証やパスポートなどの本人確認書類(マイナンバーカードがない場合)
  • 印鑑(訂正印で使用する為)

マイナンバーカードまたは本人確認書類

開業届を提出する際に必要なものは、開業届とマイナンバーカードです。マイナンバーカードが無ければ、個人番号通知カードやマイナンバーが記載された住民票の写しと運転免許証またはパスポートなどの本人確認書類が別途必要になります。
また、税務署に持ち込みで開業届を提出する場合、印鑑を持っておくと修正にもすぐに対応できるため安心です。

状況に応じて必要な書類

開業届の他にも、自身の状況に応じて別途必要な書類もあります。今一度自身の現状を確かめて必要であれば準備をしておくと、スムーズに開業手続きが行えることでしょう。

青色申告承認申請書

青色申告承認申請書とは、開業から2か月以内に提出することが望ましい書類です。
また、開業してから2か月を過ぎてしまった場合には、青色申告をする年の3月15日までに提出すれば問題ありません。

青色事業専従者給与に関する届出書

青色事業専従者給与に関する届出書とは、青色申告を行っている個人事業主が、家族・親族に支払った給与を必要経費にできる届出書のことです。家族・親族への給与の支払いを必要経費とすれば、所得が分散され節税効果が期待できます。

給与支払事務所等の開設届出

給与支払事務所等の開設届出書とは、個人事業主が従業員を雇用する際に税務署へ提出する届出書のことです。個人事業主は従業員の給与から所得税を天引きして、従業員に代わって納税をする「源泉徴収」を行う義務があります。従業員を雇った日から1か月以内に届出書を出しましょう。

源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書

通常、従業員から天引きした源泉徴収税は、原則として翌月の10日までに納付しなければなりません。しかし、給与を支払う従業員が10人未満であれば、「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書」を提出し、源泉徴収税を年2回にまとめて納付できます。

適格請求書発行事業者の登録申請書

適格請求書発行事業者の登録申請書とは、適格請求書(インボイス)を発行するために事業者が「適格請求書発行事業者」として税務署に登録するための書類です。事業者がインボイスに対応していないと、取引先は支払った消費税額の控除が受けられなくなります。
この登録申請書には期限はありませんが、登録日以降でなければインボイスの発行はできません。ただし、インボイス制度開始から2029年9月30日までは免税事業者との取引についても段階的に控除が認められる経過措置が設けられています。

事業開始等申告書

事業開始等申告書とは、各都道府県の税事務所に開業を申告する書類です。各都道府県によって提出期限や提出先がさまざまのため、事前の確認が必要です。しかし事業開始等申告書を提出しなくても、罰則には当たりません。開業届とは目的・提出先も違うため、混同しないように注意しましょう。

開業届を提出するメリット

開業届を提出すると主に以下のメリットが得られます。

  • 青色申告で特別控除が受けられる
  • 屋号名義で銀行口座を開設できる

青色申告で特別控除が受けられる

開業届と青色申告承認申請書を同時に提出した場合、最大65万円の特別控除が受けられます。個人事業主としてスタートしたばかりのころは、初期費用がかさんでしまうため赤字になってしまうこともあるでしょう。青色申告を行うメリットである特別控除や赤字繰り越しなどを活用して節税対策をするのがおすすめです。

屋号名義で銀行口座を開設できる

開業届を提出すると、自身の屋号名義で銀行の口座を開設できます。プライベートと事業のお金を区別でき、事業のお金の流れを把握することが可能です。また、開業届を提出することで、きちんと事業を行っているという証明書の代わりにもなり、顧客や取引先の方からの信用度もアップするでしょう。

開業届を提出するデメリット・注意点

一方で、開業届を提出するデメリット・注意点もあります。

  • 扶養から外れてしまう場合もある
  • 失業保険が受けられない

扶養から外れてしまう場合もある

現在、扶養に入っている方が開業届を提出するときは注意が必要です。開業届を提出することによって、たとえ収入が少なくても扶養から外されてしまうケースがあります。企業の健康保険組合の規定によりさまざまなので、一度健康保険組合のホームページを確認しておくと安心です。

失業保険が受けられない

一度、開業届を提出するとハローワークから「就職した」と判断され、失業保険の給付がストップする可能性があります。そのため、失業保険の受給を優先したい場合は、開業届を提出するタイミングに注意しましょう。

まとめ

今回は開業届を提出するにあたり、必要な書類や状況に応じて必要な書類などについて解説してきました。開業届は、マイナンバーカードと開業届さえあればすぐに提出できますが、自身の状況により他にも提出が必要になる書類もあります。また、開業届を提出すると青色申告などの税制上のメリットが受けられるほか、屋号名義付き銀行口座が開設でき顧客や取引先の信頼度もアップするでしょう。しかし、一度開業届を提出してしまうと、扶養から外れてしまうケースや、失業保険が給付されないというケースもあります。自身の状況を今一度よく確認し、メリット・デメリットをよく把握した上で開業届を提出しましょう。

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