新卒採用インターンシップで内定直結(成果を出すポイント)


はじめに
- インターンシップで企業や業界の仕事を実体験することでミスマッチが防げる
- インターンシップで得た具体的なエピソードは自己PRに活かせる
- 一方インターンシップですべての業務が経験できるわけではない
- 内定や採用に直結するインターンシップを開催する企業もある
- 内定後にもインターンシップを実施する企業がある
最近の就職活動では、内定を目指すほとんどの学生がインターンシップに参加し、志望する企業や業界の仕事を実体験しています。そこで本稿では、インターンシップのメリットやデメリットとともに、内定獲得につながるポイントを解説します。参加を検討する際にはしっかり内容を押さえておきましょう。
インターンシップ参加のメリット・デメリットは?
この項目では、インターンシップのメリットとデメリットを紹介します。自分にとってのメリットとデメリットを理解すれば、参加時のモチベーションも変わるはずです。目的意識を明確にするためにも、ぜひメリットとデメリットを把握してインターンシップに臨みましょう。
メリット
まずはメリットから見ていきましょう。以下に代表的なメリットを4つ紹介しますので、自分の就職活動にとって有効かどうかの参考にしてください。
企業・業界研究に役立つ
インターンシップには、企業や業界の中に入って現場の業務をリアルに体験できるメリットがあります。自分が希望する企業や業界に対して理解を深めることで、より志望度が高まる場合もあれば、イメージと違う部分が分かることもあるでしょう。
就職活動中の情報収集では、ある程度のイメージまでは把握できても、実際にその企業がどんな取り組みをしているかは見えづらく、深い業界研究も難しいでしょう。身をもって企業・業界研究ができることは、就活の大きな第一歩となるはずです。
ミスマッチを防げる
インターンシップには入社後のミスマッチを防ぐメリットもあります。新卒での入社は、人生で一度しかありません。最初の就職はできる限り失敗したくないですよね。
インターンシップで実際の現場に入ってみることで、その企業では日々どのような業務が行われているのか、働く社員の雰囲気や、やりがいなどを詳しく知ることができます。この実体験はネットや本からの情報では決して得ることができません。
企業側にとっても、学生の内面を理解する機会になります。入社前に理解し合うことでミスマッチを防げるなら、お互いにとって望ましいでしょう。
社会人として働くイメージをつかめる
インターンシップで業務を実体験することで、社会人として働くイメージがつかめるほか、仕事の進め方や心構え、社会人としてのルールやマナーも身につきます。このように、実際に社会に出る前に企業で働く具体的な経験値が得られることは、大きなメリットです。
また、これまでアルバイトの経験があったとしても、企業に就職して働くことで、自分の果たす責任や役割も大きく変わります。インターンシップでは、そういった空気を実感するきっかけにもなるでしょう。
就職活動を有利に進められる
インターンシップには就職活動を有利に進められるメリットがあります。インターンシップを経験した学生と経験していない学生では、大きな差がついても不思議ではありません。なぜなら、実際に企業の中で働く経験を通じて、仕事に対する視野が広がるからです。就職後のイメージを持っていない学生よりも、確実に一歩リードできるでしょう。
面接でも、インターンシップで学んだことや実体験を話すことができます。企業内で働いた具体的なエピソードは、面接官に対して有効な自己PRとなるはずです。
デメリット
インターンシップにはいくつものメリットがあることが分かりました。では、デメリットはあるのでしょうか。結論としては、それほど大きなデメリットはありません。しかし以下のような点には注意してください。
学校やサークルとの両立が難しい
インターンシップには学校やサークルとの両立が難しいというデメリットがあります。インターンシップはアルバイトと違って勤務時間も長く、その期間も短期(1day~2週間ほど)のものから、長期(1か月以上)のものまで、企業によってさまざまです。春休みや夏休みを利用すれば学業と両立しやすいですが、長期になるとこの問題は避けて通れません。
しかし、企業側も学生という立場を理解した上で機会を提供しています。本来であれば仕事を自由に休むことは難しいですが、ある程度融通を利かせてもらうことは可能でしょう。どうしても両立が難しいという場合は、自分の働ける時間に合った企業や職種を探すか、インターンシップに合わせてゼミやサークルの予定を調整するとよいでしょう。
すべての業務が経験できるわけではない
インターンシップでは社員と同じように働き、一定の成果を期待されます。だからといって、すべての業務を経験できるわけではありません。一定の期間内での就業体験ということもありますし、学生インターン専用のプロジェクトを用意している企業もあります。
したがって「こんなことを経験してみたい」という希望が、達成されない可能性も踏まえておきましょう。それでも十分すぎるほどの学びがあるはずです。
インターンシップから内定には直結するの?
インターンシップへの参加は内定に直結するのでしょうか。2022年にはインターンシップに関するルール変更もあったため、就職活動においては最も気になるポイントかもしれません。以下の項目で具体的に見ていきましょう。
参考:内閣府|2024年度(2025年3月)卒業・修了予定者等の就職・採用活動に関する要請等ポイント(PDF)
インターンシップ等が本選考や内定につながる割合
キャリタス就活による就職活動調査(2025年6月1日時点)によると、インターンシップ等プログラム※への参加経験がある学生(1,056人中の85.4%)のうち、参加企業への本選考応募者は87.2%、このうち内定をもらった学生の割合は76.7%でした(下図参照)。
※インターンシップに限定せず、1日以内のプログラム等も含む

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この調査により、企業によるインターンシップをはじめとした取り組みが、本選考と内定に大きく関係していることがわかりました。
参考|<確報版>6月1日時点の就職活動調査 ~キャリタス就活 学生モニター2026(2025年6月)詳細レポートPDF P.10
インターンシップで成果を出して採用を獲得するには?
これまでに、インターンシップに参加した方が内定につながりやすいことがわかりました。しかし、ただ参加するだけでは採用には至りません。この項目では、インターンシップで成果を出すポイントをいくつか紹介します。周りに差をつけるためにも、しっかり頭に入れて臨みましょう。
仕事の優先順位を意識する
社会人になれば日々さまざまな仕事が発生し、一つ一つきちんとこなしていくことが求められるため、はじめに仕事の優先順位を決めてから取り掛かるようにしましょう。
インターンシップでも、そういった面はチェックされています。完璧でなくとも、自分なりに計画性をもって仕事に取り組んでいるか、重要な仕事とそうでない仕事を区別して効率よく進められているかは、採用の判断材料になるでしょう。仕事上の優先順位付けは、ミスの発生を防ぐことにもなるので重要なポイントです。
仕事に制限時間を設ける
一つの仕事に時間をかけすぎないよう、制限時間を設けるようにしましょう。初めて取り組む仕事は分からないことだらけで、困ったり迷ったりすることも多いかもしれません。しかし勤務時間は決められています。限られた範囲の中でいかに成果を出せるかどうかも、評価につながる大きなポイントです。
だらだらした働き方は生産性を下げますし、残業しがちな働き方にもつながります。企業としては、生産性の高い優秀な人材が欲しいと考えるのは当然のことです。時間への意識は高く持っておくとよいでしょう。
できる人の真似をする
評価につなげるには、仕事ができる人の真似をすることも有効です。一緒に働く人たちがどのように働いているかを観察し、取り入れられる部分があれば実践するとよいでしょう。
例えば上に挙げたような優先順位付けや時間管理のほか、会議での発言や普段のコミュニケーション、メモの習慣やアイデア出しの方法など、よく観察すれば真似できるポイントはたくさんあるはずです。
そのようにして身につけた実践的なスキルは、社会人になってからも大きな強みになってくれることでしょう。
お礼メールでコミュニケーションを取ろう
インターンシップ参加後は、感謝の気持ちを伝えましょう。お礼は義務ではありませんが、企業側も学生のために貴重な時間を使って対応しています。形式的な感謝ではなく、心からのお礼を伝えたいものです。
口頭でもメールでも、あるいは手紙でも構いません。しかし基本的には参加後にお礼メールを送ることが多いでしょう。その際は、あまり時間が経たないうちに送ることが肝心です。
メールを送る際は定型文に頼りすぎず、お礼とともにインターンシップで得た自分なりの学びや感想を、添えることをおすすめします。気持ちの伝わる文章であれば、定型文よりも好印象を残すことができるでしょう。
内定後のインターンシップ
内定後にインターンシップを実施する企業も年々増えており、就職活動を終えた学生の新しい過ごし方として注目されています。以下でより詳しく解説します。
内定後のインターンシップとは
内定後のインターンシップとは、すでに就職先が内定した学生が、卒業までの間にインターンシップに参加することを指します。内定先とは異なる企業や団体などで働く場合や、内定者向けのインターンシップを募集する場合もあります。
内定先とは異なる企業や団体などで働く場合
内定先とは異なる企業・団体のインターンシップでは、以下のような目的で実施されることが多いです。受け入れ先はベンチャー企業やNPOを中心に増加傾向にあります。
- 社会人になるための準備をする
- 内定先以外にも視野を広げる
- 将来のイメージやビジョンを明確にする
内定者向けインターンシップの場合
一方、内定者向けのインターンシップの場合は以下のような目的が考えられます。こちらは参加必須となる場合も多いため、なるべく予定を調整しておきましょう。
- 内定先に対する理解を深める
- 入社後のギャップを防ぐ
- 研修・スキルアップ
注意点
内定後のインターンシップには注意点もあります。以下に2点の注意と、そのポイントを解説します。
必ずしもスキルが身につく内容とは限らない
内定後のインターンシップは企業によって内容が異なります。中には定着支援が中心となる場合もあるため、必ずしもスキルが身につく内容とは限りません。社会人としてのスキルアップを期待する場合には、期待した手応えとは異なる可能性があることも踏まえておきしょう。
学生としての時間も制限される
内定後のインターンシップは在学中の期間に実施されるため、学生としての時間も制限されます。大学4年は授業が少なくなりますが、卒論の準備なども疎かにはできません。あるいはサークルなどで学生最後の思い出を作りたい人もいるはずです。内定後のインターンシップは、残された貴重な大学生活との兼ね合いをよく考えて臨んでください。
まとめ
インターンシップへの参加には多くのメリットがあります。チャンスを有効に活かせば自分が納得のいく就職が実現できるでしょう。また、インターンシップが内定につながり得ることもお伝えしました。参加を迷っている人は、この点からも前向きに考えてみてはいかがでしょうか。
成果を出して企業に採用されるためには、参加中の仕事ぶりで自分をアピールすることが求められます。そういった努力や工夫は就職後も必ず活きてくるので、ぜひ積極的に取り組んでください。











