つぶしがきく仕事8選|AI時代に強い将来性と未経験から狙える職種


はじめに
- 景気の変動やAIによる自動化に強い、食いっぱぐれない仕事の需要が高まっている
- つぶしがきく人材になるには手に職をつけることや応用力を高めることが重要
- 将来性を計る選定基準を軸に、食いっぱぐれない仕事かどうか確認できる
- 食いっぱぐれない仕事の例としてはITエンジニアや営業職などがある
- 安定需要の高い資格職や汎用スキルで長く戦える職種もおすすめ
就活・転職で、つぶしがきく仕事に就くことは、景気や技術革新による影響を避ける有効な選択です。本稿では未経験者が現実的に狙える入り口となる仕事や、AI耐性の高い職種を実務目線で解説します。
「つぶしがきく」「食いっぱぐれない」とは?
つぶしがきくとは、鋳造し直すことで違う形に変えられる金属の特性を語源に持つ言葉です。ビジネスでも異動や転職で今までと異なる仕事に就いても活躍できる、応用力や対応力があることを、つぶしがきくと言います。同様に食いっぱぐれないは、景気や自動化の影響を受けにくい仕事や人材を指します。
つぶしがきく人材になるには?
つぶしがきく人材になるには、手に職をつけることや応用力を高めることが重要です。ここで言う、つぶしがきく人材の要素を以下の表にまとめました。
| 応用可能な基礎力 | 論理的思考・課題発見力・問題解決力・コミュニケーション能力・ITリテラシーなどは、すべての職種で再利用できる |
|---|---|
| 実績を提示する | 成果物・改善数値・顧客の声など、提示できるエビデンスは転職でも有利に働く |
| 学習→実践→振り返りの短サイクル化 | 小さく作って迅速に学ぶなど、実践の短サイクル化は方向転換を容易にする |
| 汎用性の高さを 証明する | 自分自身の汎用性の高さを示す資格やポートフォリオを用意する、クライアントの推薦をもらうなど |
| 市場を見る癖を つける | 求人動向や単価の相場といった定点的な観測や企業分析は、伸びる分野や業種を見極められるため転職にも役立つ |
食いっぱぐれない仕事の選定基準
転職で仕事を選ぶ際は将来性の可視化をおすすめします。以下の項目では代表的な5つの観点について解説します。
需要の高さ(市場規模・求人推移)
需要の高さは求人の量と伸びに影響する指標です。社会的な市場規模・求人推移・離職補充の多さを確認することで伸びる業界がわかり、縮小業界を避けられます。
転用性(スキルの汎用度・キャリアの広がり)
転用性は他職種でも通用する基礎スキルが得られるかを見る指標です。その仕事で他職種でも通じる基礎スキル(課題解決・IT基礎・対人力)が鍛えられるかを見極めます。
収益性(年収レンジ・単価の伸びしろ)
収益性は、その仕事でいくら稼げるのかを見る指標です。経験・難易度に応じた単価上昇の余地、平均年収と単価成長余地で中長期の稼ぎを測ります。
参入難易度(学習コスト・資格要否)
参入難易度は、その仕事に就く難しさです。学習時間や費用、資格の要否や実績化のしやすさから現実性を判断します。
自動化・AI耐性(非定型業務/対人・創造領域)
自動化やAIによって仕事を失わないかを確かめる指標です。非定型・対人・創造・現場判断の比重として、人間の価値が高いかを確かめます。
以下では、選定基準に沿った具体的な職種について詳しく解説します。
【未経験から目指しやすい】将来性の高い仕事
この項目では、未経験から目指しやすい将来性の高い仕事についてポイントと合わせて解説します。これらの仕事は以下の傾向を持っています。
- 需要の高さ:あり、求人も多い傾向
- 転用性:あり、スキルアップ、転職の道もある
- 収益性:職種やポジションによる
- 参入難易度:低い、未経験でも挑戦しやすい
- 自動化・AI耐性:強い、思考錯誤やコミュニケーション能力を使う
ITエンジニア
IT業界は大変な人手不足です。職種・求人とも多い傾向で、未経験者を積極採用している企業もあります。例えばシステムエンジニア(SE)であれば、顧客から要望をヒアリングし、顧客の課題解決のためにシステム設計をおこなう能力が身に付きます。またプログラム完成後のテストやシステム稼働後の運用・保守もSEの職務範囲です。
- 入口となる仕事:監視・ヘルプデスク・インフラ運用など
- 成長ルート:開発基礎 → 自動化・CI / CD → クラウド・上流工程など
- 初学習の目安:Linux基礎、ネットワーク、言語(例Python / Java)など
Webサイト運用・SEO/コンテンツマーケティング
ECサイトなどがある企業では高い需要があります。仕事内容は、Webサイト完成後の情報更新や運用・管理を担当することです。コーディングやSEOの知識が身につくとともに、改善実績の積み上げが成果や評価につながります。
- 入口となる仕事:Webサイトの更新、簡易解析、記事制作・編集など
- 成果の形:検索順位・CVR・離脱率などの改善指標など
- 初学習の目安:GA4、Search Console、キーワード設計、E-E-A-Tの理解など
法人営業(ソリューション営業・インサイドセールス)
人間力とコミュニケーション能力がモノをいう、課題発見と提案力で市場不況下でも需要が堅い仕事です。交渉力、ヒアリング力、課題発見能力、ロジカルシンキング、トラブル対応力、ストレス耐性が身につきます。
- 入口となる仕事:インサイドでのリード創出や商談設定、SMB担当など
- 成長ルート:フィールド営業→重点アカウント対応→営業マネジメントへの挑戦など
- コアスキル:課題の傾聴、提案設計、案件進行、予実管理、CRMの理解や活用など
【資格が必要】安定需要の高い仕事
この項目では、要資格で安定需要の高い仕事についてポイントと合わせて解説します。この仕事は以下の傾向を持っています。
- 需要の高さ:あり、景気に左右されにくく安定需要も見込める
- 転用性:あり、資格を活かした転職が可能
- 収益性:職種による、医療業界は高い傾向
- 参入難易度:高い、資格取得には長期の学習が必要
- 自動化・AI耐性:強い、人間にしかできない実務が伴う
看護師
医療需要が安定している一方、看護師不足は深刻です。実務ではコミュニケーション能力や判断力が必要で、メンタルの強さも求められます。職場によって必要な技術は異なりますが、体力と精神力があれば食いっぱぐれない代表的な仕事と言えるでしょう。
- 強み:現場判断・対人支援・チーム医療は特に自動化耐性が高い
- 働き方:病院・在宅・企業(産業保健)など選択肢が広い
- 留意する点:体力・夜勤負荷への自己管理が必要
介護職・介護福祉士
少子高齢化に伴い人材需要が非常に高まっているのが介護業界です。実務の現場では、コミュニケーション能力・観察力・判断力や、相手の立場に立って考える力・広い視野で情報収集するといった能力が身につきます。また3年以上の実務経験があれば国家資格である介護福祉士の受験資格が得られます。
- 入口となる仕事:介護助手(無資格未経験でも可)や介護職員(要基礎資格)
- キャリア:介護職員初任者研修→実務者研修(実務3年以上)→介護福祉士など
- 追い風:介護職員等処遇改善加算(2024年6月から)といった制度面の支援がある
保育士
保育園・幼稚園・児童福祉施設などで、専門的な知識と技術をもって子どもの保育や、保護者に対する育児指導を行う専門職です。地域の子育て支援にも関わることもあり、公私問わず選択肢がある仕事です。
- 入口となる仕事:保育所(認可・企業内・小規模)などへの就業
- 転用性:保護者対応、記録・連絡、行事運営といった実務管理スキルが身に付く
- 働き方:時短・パート・企業主導の柔軟な形も増加傾向にある
【汎用スキルで長く戦える】クリエイティブ/コンサル領域
この項目では、汎用スキルで長く戦えるクリエイティブ、コンサル領域の仕事についてポイントと合わせて解説します。この仕事は以下の傾向を持っています。
- 需要の高さ:業界や業種による
- 転用性:高い、高度かつ汎用的なスキルで、つぶしがきく
- 収益性:クライアントや企業、案件や業務内容、ポジションによる
- 参入難易度:高い、専門性を高める学習や経験が必要、ポートフォリオも有効
- 自動化・AI耐性:強い、人間の感性を使うなど非定型の仕事が多い
Webデザイナー
Webデザイナーはクライアントの求めに応じたデザインを考え、Webサイトの目的やコンセプトを理解し、見栄えだけでなく利用者にとってわかりやすく使いやすいデザインを形にする仕事です。経験と制作の実績が転職や副業の選択肢につながります。
- 入口となる仕事:LP / バナー・ノーコード制作(CMS)・軽微なHTML / CSSなど
- 成長ルート:UI / UX → デザインシステム・アクセシビリティ → Webディレクターなど
- 初学習:配色 / タイポ、コンポーネント設計、基本的なレスポンシブなど
- 実績化:ビフォー / アフター比較、KPI(CVR/滞在時間)改善の提示など
コンサルタント
コンサルタントは企業の経営課題を明らかにし、課題解決の戦略を立案・提言することで、企業の成長や業績改善を支援する仕事です。課題の発見力や解決能力、論理的思考や提言能力が身につきます。
- 入口となる仕事:業務改善/PMO補助、IT導入支援、アナリスト職など
- コアスキル:論点設定、仮説検証、定量分析(Excel / SQL)、資料構成など
- 初学習:基本フレーム(MECE / ロジックツリー)、可視化(スライド作法)など
- 実績化:小改善の効果測定(工数 / ミス率/在庫回転)を数字で示すなど
よくある質問(FAQ)
この項目では、就職・転職への不安やコツ、リスクなどの質問にお答えします。
30代・未経験でも間に合いますか?
十分間に合います。業界にもよりますが需要の大きい職種は入り口になる業務も多く、未経験者への教育制度を充実させている企業も数多く存在します。募集要件に不安があれば人事に問い合わせるとよいでしょう。
資格は必須ですか?独学でも大丈夫?
大丈夫です。非資格職(IT運用・Web・営業・デザイン)でも、資格は一定の信頼や学習の証明に有効です。しかし営業職であれば実績が、技術やデザインの分野では成果物が最も大きな説得力を持ちます。独学でも学習実績や成果物のポートフォリオは、ぜひ提出してください。
副業から始めて転職につなげるコツは?
副業やフリーランスであれば、小規模案件での成功体験を積み重ねてポートフォリオに反映し、継続案件の獲得やクライアントからの推薦を得て人脈を広げる方法もあります。
AIで仕事は減らない?今後のリスクは?
AIの発達は目覚ましく日々対応力も上がっています。今後は定型業務の減少が予測されるため、非定型の業務や対人スキルを向上させるなど、AI耐性を高めることが重要です。
まとめ
今回は、つぶしがきく仕事について紹介しました。就活・転職とも仕事の将来性は、需要・転用性・収益性・参入難易度・AI耐性の5基準で見極めれば迷いません。
未経験なら入口の業務から小さな実績を素早く可視化し、経験や実績を積み上げていきましょう。対人スキルのみならず、成長目覚ましいAIも味方につければ手持ちの業務を自動化・高速化でき、人材としての価値も高められます。
将来の選択肢の多さにつながるよう、成功と実績を積み重ねていきましょう。本稿が理解と選択の一助となることを願っています。











