Web-GAB対策のコツ大全|例題でわかる突破法


はじめに
- GABとは統合適性診断テストのことで適性検査のひとつである
- 検査内容は言語理解、計数理解、パーソナリティ(OPQ)などがある
- テスト形式はWeb-GAB、C-GAB、GABの3種類がある
- 受検時期の2週間から1カ月前を目安に対策する
- 時間配分、先読み、正確さが受検突破の鍵である
GABテストという適性検査をご存じですか? GABテストの結果によって、問題解決力やチームワーク、さらにバイタリティがどのくらいあるかを確認できます。GABテストは、多くの中小企業や大手企業が採用の判断材料として取り入れています。
GABテストは、受ける前に適切な対策をしなければ、高得点を簡単に獲得できるものではありません。GABテストの内容やテスト形式などを押さえ、しっかりと対策しておくことが重要です。
GAB(ギャブ)テストとは?
GAB(Graduate Aptitude Battery|総合適性診断テスト)とは、日本エス・エイチ・エル社が提供する適性検査のひとつです。新卒総合職の採用を目的とし、さまざまな企業においてGABテストの受検が広く行われています。
GABテストは、1問あたり1分未満で解答という問題数に対する制限時間が限られるため、正確さとスピード感が求められ、さまざまな適性検査の中でもっとも難易度が高めとされています。
CAB(キャブ)テストとの違い
GABと同じ日本エス・エイチ・エル社が提供している適性検査にCABテスト「Computer Aptitude Battery」があります。スペルからもわかる通りGABと違い、主にIT関連を中心としたプログラマーやシステムエンジニア(SE)といった職種の適正を目的としたテストです。
テスト内容は、バイタリティ・ストレス耐性をはかるものから暗算・法則性などの問題が出題されます。
GAB適性検査における特徴
GABが就活で推奨される理由は、SPIは中高生クラスの基礎レベルなのに対し、GABは論理的に考察する力により高得点を獲得できる面で有利に働くからです。以下、検査内容や検査方式について紹介します。
GABの検査内容と問題例
GABの検査内容は、言語理解、計数理解といった知的能力を測定する科目と、パーソナリティ(OPQ)という受検者本人の人柄・性格を検査する科目のあわせて3構成です。追加科目の英語を含めて、それぞれの検査内容について見ていきましょう。
1.言語理解
言語理解とは正しく文章を読み取る読解力、いわゆる国語分野の理解度です。400~800字程度の長文問題から答えを導き出します。質問の内容が本文と「マッチしている」あるいは「どちらでもない」等の選択肢を選んで回答していきます。読解力を身につけるために、日ごろから文章を瞬時に読み取る練習をしたり情報整理をしたりの、習慣づけをしておくとスムーズに答えられるでしょう。
問題例
次の文章を読み、続く設問それぞれについて、以下のA、B、Cのいずれかに当てはまるか判断し、その記号を1つ選びなさい。なお、自分の価値観や常識、細かい言葉じりで判断しないでください。
A:本文の内容から明らかに正しい、または正しい内容が含まれている
B:本文の内容から明らかに間違っている、または間違った内容が含まれている
C:本文の内容からは、正しいか間違っているか判断できない
外国人旅行者にとって日本は不便な国だといわれる。しかし、実際はどうだろうか。公衆トイレは無料で提供され、レストランでは無料で水が飲める。便利であるとは絶対的な価値観ではなく、比較して初めて成り立つのではないか。私が日本の便利さに関して考察できるのも、異国を実際に経験し比較できるからに他ならない。すなわち価値観を検討する際には必ず比較という過程が必要となる。しかしながら比較から物事が語られることは意外に少ないのではないだろうか。
1 日本は便利な国だ
2 比較することで初めて価値観を検討できる
3 外国では無料でトイレを使えない
4 筆者は海外生活を経験していない
解答
1 C 2 A 3 C 4 B
引用:ワンキャリア|【GAB対策】全種類の問題&解答集|例題で練習必須の独特な適性検査とは
2.計数理解
計数理解とは図表やグラフを見て解いていく問題です。マークシート方式の問題では自分で図表を見つけることから始めるため、可能な限り多くの解き方を身につけておくことがポイントです。またWeb-GAB受検では電卓使用可能ですが、C-GABやGABの受検では原則として電卓の持ち込みができません。
そのため、四則演算や百分率計算を暗算で行うトレーニングが必須であるといえます。参考書をもとに解き方のパターンをいくつか身につけておくと、回答もスムーズにできるでしょう。
問題例

※クリックで画像を拡大できます
上の図表を見て、以下の問題の答えを選びなさい。
【問題①】A国の穀物輸出量はD国の穀物輸出量の何倍か?
・約1.5倍
・約2倍
・約2.3倍
・約2.5倍
【問題②】A国の肥料輸出量を100とした場合、D国の肥料輸出量は何と表せるか?
・100
・115
・125
・135
【問題③】輸出量全体に対する農機具の割合が最も大きいのはどの国か?
・A国
・B国
・C国
・D国
解答
【問題①】約2.3倍 【問題②】125 【問題③】C国(9.1%)
引用:就活の教科書|【例題あり】GAB/Web-GABの練習問題と過去問対策 | 解答,合格ライン,出題企業も
3.英語
Web-GABは英語の科目の有無が企業によって変わりますが、C-GABでは必ず実施される科目です。言語理解の問題と同じように、50~80字程度の英文を読み、質問が本文と「マッチしていない」 あるいは「どちらでもない」といった選択肢から回答していきます。この科目では文章の意味を理解しようとすると、制限時間に間に合わなくなる恐れがあるため、先に選択肢を確認してからどう問われるのかを把握するのがコツです。
スピード感を持って読み解く力も必要ですが、英語が苦手な場合は、長文を理解するための練習を何度もしておきましょう。
問題例
Read the text and choose the best description for each of the question that follow.
A:The statement is patently TRUE or follows logically, given the information or opinions contained in the passage.
B:The statement is patently UNTRUE or the opposite follows logically, given the information or opinions contained in the passage.
C:You CANNOT SAY whether the statement is true or untrue, or follows logically, without further information.
The ice cream cone is said to have been invented by accident at the St. Louis Exposition of 1904. It was created through the collaboration between a waffle-maker and an ice cream. At that moment, a nearby waffle-maker offered to make cones by rolling up waffles. The two served cones containing ice cream. The new product became popular at the exposition — and worldwide.
問1 Lots of new industrial products were displayed at the St.Louis Exposition.
◯A ◯B ◯C
問2 The ice cream seller sold waffles instead of ice cream.
◯A ◯B ◯C
問3 The ice cream cones were made out of waffles.
◯A ◯B ◯C
解答
1. C:本文では万国博覧会の陳列内容については触れられていないため、正誤の判断はできません。
2. B:アイスクリームの代わりにワッフルを売ったのではなく、ワッフルを丸めて作ったコーンにアイスクリームを入れて売ったため、設問文は間違いです。
3. A:アイスクリームコーンはワッフルを丸めて作られたため、設問文は正しいです。
引用:ワンキャリア|【GAB対策】全種類の問題&解答集|例題で練習必須の独特な適性検査とは
4.パーソナリティ(OPQ)
パーソナリティ(OPQ)は、受検者のポテンシャルや特性をチェックするためのテストです。この科目は、企業のニーズに合っているかどうかを判断する目的で出題されます。テストでは200問以上の質問が用意されており、「あてはまる」「どちらかといえばあてはまる」などの選択肢を選んで回答する形式です。
注意点は、質問に対する回答が極端であると、企業側で求める人物像との相違を生じる場合があります。事前対策として自身の考え方や感じ方を自己分析しておき、なるべく自然な回答を意識するとよいでしょう。
問題例
各項目に対して自分がどの選択肢に当てはまるかを選択してください。
・何が起きても動じない方だ
・友達と居るより一人でいた方が楽しい
・初めて会う人でも仲良くできる方だ
<選択肢>
〇あてはまる
〇どちらかといえばあてはまる
〇どちらでもない
〇どちらかといえばあてはまらない
〇あてはまらない
引用:就活の教科書|【例題あり】GAB/Web-GABの練習問題と過去問対策 | 解答,合格ライン,出題企業も
GABのテスト形式
GABテストには3つの形式があります。自宅受検するWeb-GAB、会場で受検するC-GAB、そして企業指定会場で受検するGABにわかれており、それぞれ科目や制限時間が異なります。以下、3つのテスト形式について説明します。
1.Web-GAB(自宅受検)
会場は自宅を拠点とし、手持ちのパソコンを利用してWeb上で受検する形式です。特徴として性格検査のみ全問回答が必須で、制限時間に限度がありません。
| Web-GAB(電卓使用可) | |
|---|---|
| 言語理解 | 52問/制限時間25分 |
| 計数理解 | 40問/制限時間35分 |
| 性格適性検査 | 68問/制限時間なし |
2.C-GAB(会場受検)
全国に300カ所以上の会場が設けられており、最寄りの会場に足を運んで受検を行う形式です。特徴としては英語が出題される点でしょう。電卓を持ち込めないため注意する必要があります。また、他企業の選考に受検結果を使い回せることはメリットのひとつです。
| C-GAB(電卓使用不可) | |
|---|---|
| 言語理解 | 32問/制限時間15分 |
| 計数理解 | 29問/制限時間15分 |
| 英語 | 24問/制限時間10分 |
| 性格適性検査 | 制限時間なし |
3.GAB(ペーパーテスト方式)
各企業があらかじめ用意した会場で受検を行うペーパーテスト形式です。紙ベースでの受検となり、問題冊子が配布されます。GAB(ペーパーテスト方式)では問題数が公表されていません。そのため、テスト開始と同時にまず問題内容にざっと目を通し、時間配分を決めてから解答する方法がおすすめです。
| GAB(電卓使用可) | |
|---|---|
| 言語理解 | 制限時間25分 |
| 計数理解 | 制限時間35分 |
| 性格適性検査 | 制限時間30分 |
GAB試験の事前対策
GABテストを受検すると決めたら、どのような対策をしたら良いのか気になるのではないでしょうか? 対策をスタートする時期は、受検時期の2週間から1カ月前を目安に、おおよそ10時間から20時間程度の学習時間を目標とし無理のない自分のペースで始めましょう。
問題集や過去問の活用
問題集や過去問などの書籍をひととおり読み込むことで、さまざまな問題のパターンを理解することが可能です。何度も繰り返し、解いていくことで時間配分やスピード感を上げられます。書店やネットショップで問題集や過去問題集を購入し繰り返し練習しましょう。
- 400~800字程度の長文が記載される
- Q1~Q4程度の質問が記載される
- A1~A5程度の解答例が記載される
たとえば、Q1の質問はA1~A5の中のどの解答が当てはまるかを選ぶ
GAB対策アプリの活用
書籍以外でWebサイトや対策アプリなどを活用した学習方法です。アプリでは模擬試験も扱っているため、本番同様の緊張感で何度も練習ができます。何度も繰り返すことで、焦らずに落ち着いて受検に臨めるようになるでしょう。
無料の対策アプリやレベル診断できるものもあります。問題集等で練習した成果を定期的に確認することも可能です。
玉手箱|体験版の活用
玉手箱は日本エス・エイチ・エル社が提供する適性検査で、GABが出題される問題内容や形式と変わらないのが特徴です。実際に「本番では力を発揮できるのか不安……」と考える就活生もいると思います。玉手箱はそういった人にぴったりな対策方法のひとつです。スピード感もコントロールできるので、ぜひ、活用してみてください。
GABの注意点とコツ
GAB受検を突破するには、「時間配分」「先読み」「正確さ」の3つが鍵です。当日、慌てることがないよう、しっかりコツをつかんでおくことが重要です。注意点とコツを理解し、シミュレーションを繰り返すと良いでしょう。
スピード感:時間配分を意識する
練習の際は余裕を持ってできたとしても、いざ本番になると時間配分を誤り、焦ってしまうことがあります。GABテストでは、なるべく制限時間内に多くの問題を解くことが高得点を獲得するコツです。まず、問題内容に目を通して自分の得意不得意分野を把握し、それぞれ解答時間の配分を決めておきましょう。分からない問題にぶつかった際にすぐ答えられない場合はチェックマークをつけて、残った時間内でじっくり回答する方法がおすすめです。
言語:設問を先に見る
長文を読む前に設問の内容を把握しましょう。先に数百字の長文を読んでから設問に進んでしまうと、該当箇所が分からなくなる恐れもあるからです。まず、何を聞かれているのかどこを指しているのかを理解しておきます。そうすることで時間を上手に配分でき、なおかつ落ち着いて設問に答えられます。
計数:図表の読み取り
計数ではいかに素早くグラフ・表などの図表が読み取れるかが、正確に答えを導くコツです。テストでは図や表に示された数値をもとに計算し、それに対する設問に答えなければなりません。
そのため、例題を使った練習でもさまざまな問題の形式を試し、図表を瞬時に読み取れるようにしておきましょう。
まとめ
GABテストについて理解いただけたでしょうか? 適性検査のひとつでもあるGABは採用における判断材料になるため、書類選考や面接の突破につながります。テストの本番では「時間配分」「先読み」そして「正確さ」の3つを意識して受検に臨むことが肝要です。また3つの受検方式によって学習方法も異なるため注意する必要があります。GABテスト本番まで自分のペースで計画を立てて、さまざまな問題形式に慣れておくようにしましょう。ぜひ、GAB受検に向けてしっかり対策し、準備万全にしてください。












