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Z世代のYouTube離れ|原因・マーケティング戦略など

date2025年12月12日
Z世代のYouTube離れ|原因・マーケティング戦略など
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はじめに

  • Z世代とは1990年代半ばから2010年代序盤に生まれた世代のこと
  • Z世代のYouTube離れとは動画との付き合い方が変わり多様化した状況のこと
  • Z世代のYouTube利用は視聴時間の減少、ながら視聴の増加という状況にある
  • 原因はZ世代のタイムパフォーマンス重視、ショート動画の台頭、トレンドを生み出すプラットフォームへの移行
  • これからのマーケティング戦略は日常利用するプラットフォーム活用、インフルエンサーマーケティング増強、ユーザ参加型コンテンツの作成

私たちの動画視聴スタイルに大きな変化が起こっています。本記事では、この現象を深く理解し、ビジネス戦略に活かすための情報を提供します。

Z世代とは

Z世代(Generation Z)とは、一般的に1990年代半ばから2010年代序盤に生まれた世代を指します。デジタル・多様性という環境で育ち、安定志向・効率重視の現実主義的な価値観を持っています。特徴を以下にまとめます。

  • デジタル・SNSネイティブ:物心ついた頃からインターネットが身近にある環境で育ち、デジタル技術を抵抗なく自然に使いこなす
  • タイムパフォーマンス(タイパ)重視:効率性を重視し、短い動画コンテンツを好む傾向がある
  • 多様性・個性の尊重:多様な価値観を理解・尊重し、個性を大切にする傾向が強い 堅実・安定志向:保守的な価値観を持つ傾向がある
  • 体験・経験の重視:モノを購入すること以上に体験・経験を重視する傾向がある

Z世代のYouTube離れとは

結論から言うと、Z世代のYouTube離れとは、YouTubeを利用しなくなったわけではなく、動画との付き合い方が変わり多様化した状況を指しています。
離れという表現を使っていますが、実情は利用の完全停止ではなく視聴スタイルがタイムパフォーマンス(タイパ)重視の価値観に基づき最適化された結果、他のプラットフォームとの使い分けが進んだ状態のことです。

Z世代のYouTube利用状況

近年、Z世代におけるYouTube利用の状況に変化が見られます。実際どのように使われているかを解説します。

1 視聴時間の減少

Z世代はYouTubeの利用率は高いものの、平均視聴時間は減少傾向にあります。これには主に2つの背景があります。

1-1 競合となる動画プラットフォームの台頭

視聴時間が減少する要因の1つ目は、競合の動画プラットフォームが台頭してYouTube動画に割いていた時間がこれらのコンテンツ視聴時間に分散してきているからです。Z世代は、短くてテンポの速い動画に強くひかれる傾向があります。

1-2 長尺動画への心理的ハードル

視聴時間が減少する要因の2つ目は、Z世代が10分以上の動画を敬遠しがちということです。また、YouTube動画の速度を上げて視聴する傾向もあり、同じコンテンツを見るのに要す時間が物理的に短縮される現象も起きています。

2 ながら視聴の増加

Z世代のYouTube利用は、従来の座って集中して見る娯楽としてだけでなく、作業用BGMや作業しながら配信者の声を聞いたりするといったながら視聴が増加しています。映像自体をじっくり見る時間が減り、音声や情報だけを消費するスタイルが定着しつつあるのです。

Z世代YouTube離れの原因

Z世代がYouTube離れ(利用スタイルの変化)を引き起こしている主な要因を3つ解説します。

1 タイムパフォーマンス重視のライフスタイル

Z世代がYouTube離れを起こす原因の1つはタイムパフォーマンス(タイパ)を重視するライフスタイルにあります。
Z世代は効率的な時間の使い方を好む傾向にあり、自分が大切だと思うこと以外は時間を削りたいという意識をもっています。
長尺のYouTube動画に費やしていた時間を、より短くテンポの良いショート動画・自分が本当に価値を感じる活動に振り分けたことがYouTube離れという形で表れているのです。

2 ショート動画

Z世代がYouTube離れをおこす原因の1つはショート動画の仕組みにあります。連続してショート動画を見たくなる仕組みが整っており、いつの間にか長時間視聴してしまったというケースも珍しくありません。

  • アルゴリズムによる最適化:アルゴリズムが好みを瞬時に学習し、興味関心にぴったりの動画が無限に流れ続ける
  • 選択のストレスがないフリック操作:簡単な指先の動作だけで自動で次々と動画が続き、膨大なサムネイルの中から選択に迷う必要がない

3 トレンドを生み出す力

Z世代がYouTube離れをおこす原因の1つはトレンドを生み出す力にあります。
競合のショート動画プラットフォームは、最新の音楽やダンス・ミーム・チャレンジが拡散される場所であり、Z世代の文化そのものです。トレンドを知り、それについて語ることがコミュニケーションの必須要素となっているため、最新の流行に乗り遅れないようチェックする場として利用されています。友人との会話・流行の中心が他のショート動画プラットフォームであるため、相対的にYouTubeからは離れることになります。

YouTube以外のSNS

YouTube以外の主な動画系SNSを4つ取り上げ、その特徴を解説します。

1 TikTok

1つ目はTikTokです。短尺動画に特化したモバイル向けのプラットフォームで、従来のSNSとは異なる特徴をもっています。

  • ショートムービー特化と手軽さ:縦型の短尺動画が中心コンテンツで、作成・編集が簡単(撮影・編集・投稿がスマートフォン1台で完結する)
  • おすすめフィード:ユーザの視聴履歴、いいね、コメント、シェアなどの行動を分析し、興味関心に合った動画が自動で表示されるおすすめフィードが核となっている
  • トレンドの発生と強い拡散力:トレンドのハッシュタグ・チャレンジなどが確認できるのでユーザ参加型のコンテンツが生まれやすく、それをきっかけにトレンドが発生し急速に拡散されていく

2 Instagramのリール

2つ目はInstagramのリール(Reels)で、アプリ上で視聴・投稿できる短尺動画コンテンツ機能です。トレンドチェックをしつつ短時間で手軽に楽しめる手段として定着しており、自然な日常系動画が伸びやすい傾向をもっています。

  • 動画の特徴:短尺の縦型動画
  • 主な目的:新規ユーザへのリーチ、アカウントの認知拡大

3 他の新しいプラットフォーム

3つ目は新しいSNSプラットフォームです。
現在は動画を見る・作る手段が多様化し、利用者のニーズやライフスタイルに応じて最適なプラットフォームを選べるようになっています。短尺動画、音楽系、縦型ミニドラマなど、動画コンテンツの形態自体が進化しており、多様な価値観にマッチし、結果としてZ世代の利用時間を分散させています。

4 YouTubeショート

4つ目はYouTubeショートです。他プラットフォームへの対策としてYouTube側がリリースしました。
短尺動画機能だけではなく、クリエイターがチャンネルを成長させる入口として、ユーザがコンテンツを発見するためのハブとして機能しています。Z世代のショート動画需要に応える形で利用が広がっており、YouTube利用を継続させる重要な要素になっています。

これからのマーケティング戦略

Z世代のYouTube利用スタイルが変化した今、押さえておきたいマーケティング戦略を3つ解説します。

1 日常的に利用するプラットフォームの活用

Z世代へのマーケティングでは、彼らが日常的に利用するプラットフォームの活用が重要です。
具体的にはTikTok、Instagram、YouTubeショート、LINE、Xなど、生活へ浸透しているプラットフォームに情報を届けることです。これらはZ世代のコミュニケーションや情報収集の中心地となっており、企業がZ世代と接点を持つための重要なチャネルと言えます。

2 インフルエンサーマーケティングのさらなる強化

Z世代に対するマーケティングとして、インフルエンサーマーケティングは従来よりも重要な役割を果たします。
Z世代は広告に対して極めて敏感で、企業発信のメッセージよりインフルエンサーの意見や推奨を信頼する傾向があります。単に有名人へ依頼するのではなく、Z世代が信頼し・日常的に利用するプラットフォームに合ったインフルエンサーを選定する必要があります。

3 ユーザ参加型コンテンツの作成

Z世代への有効なマーケティングは、ユーザ参加型コンテンツを作成し、彼らとのエンゲージメントを高めることです。
Z世代は受動的に視聴するYouTube動画よりも、参加できるコンテンツを好む傾向があるため、ユーザ参加型コンテンツが企業とZ世代の距離を一気に縮めるマーケティング手法へと進化しています。

まとめ

Z世代とは1990年代半ばから2010年代序盤に生まれた世代のことです。

Z世代のYouTube離れとは、YouTube利用の完全停止ではなく動画との付き合い方が変わり多様化した状況のことを意味し、他のプラットフォームとの使い分けが進んだ状態のことです。

現在のZ世代によるYouTube利用は視聴時間の減少、ながら視聴の増加という状況にあります。

YouTube離れの原因としては3つありました。

  • Z世代のタイムパフォーマンス重視
  • ショート動画の台頭
  • トレンドを生み出すプラットフォームへの移行

これからのマーケティング戦略を3つ解説しました。

  • 日常利用するプラットフォーム活用
  • インフルエンサーマーケティングの増強
  • ユーザ参加型コンテンツの作成

これからの時代は、Z世代に響くコンテンツを開発していくことがさらに重要になります。その際には、本記事を参考にしていただければ幸いです。

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