業界/資格

IT産業|2026年以降の方向性など

date2026年03月30日
IT産業|2026年以降の方向性など
タグ:

はじめに

  • 日本企業のIT投資増加と生成AI導入が進む一方でスキル不足やリスク管理が新たな課題となっている
  • ITのトレンドはポスト量子暗号 、環境融合型インテリジェンス、省電力コンピューティング、ハイブリッドなコンピューティング・パラダイム
  • 空間コンピューティングや多機能型ロボット、神経系との融合による能力拡張が期待されている
  • 2026年は多くの先進技術が爆発的に普及し、日本企業のデジタルトランスフォーメーションを加速させる年となる

2026年以降、IT産業はかつてないスピードで進化します。最新動向を正しく理解しテクノロジーを戦略的に活用することで、より効率的で豊かな社会の実現を目指しましょう。

日本の最新テクノロジー導入状況

株式会社野村総合研究所(NRI)の「IT活用実態調査(2025年)」に基づき、現在の導入状況における4つの主要ポイントを解説します。

1 IT予算の状況

2025年度のIT予算が前年度より増加した企業は49.0%に達し、減少したと回答した7.5%を大きく上回りました。半数近い企業で増額傾向が続いており、積極的な投資姿勢が伺えます。
伸び率は前年比でやや落ち着きを見せているものの、2026年度も継続的な予算確保を見込む企業は多く、中長期的なデジタル投資の姿勢は揺らいでいません。

参考:野村総合研究所、日本企業を対象に「IT活用実態調査(2025年)」を実施

2 生成AIの急速な普及

最新技術の中でも、生成AIの導入ペースは極めて顕著です。導入済み企業の割合は57.7%に達し、2023年度(33.8%)、2024年度(44.8%)から右肩上がりで増加しています。
ChatGPTやGeminiといった汎用サービスの普及により、検討段階から実運用フェーズへ移行する企業が増えたことが要因です。とくにシステム開発の効率化や、非専門家によるノーコード・ローコード開発での利用拡大が推測されます。

参考:野村総合研究所、日本企業を対象に「IT活用実態調査(2025年)」を実施

3 生成AI導入の課題

活用の壁として最も多く挙げられたのがリテラシーやスキルの不足(70.3%)です。前年度の65.4%から上昇しており、導入が進んだことで現場のスキル不足がより浮き彫りになっています。
技術の進化に人間の適応が追いついていない現状があり、今後はソフトウェアへの投資に加え、教育やナレッジ共有といった人的資本への投資が成果を左右する鍵となります。

参考:野村総合研究所、日本企業を対象に「IT活用実態調査(2025年)」を実施

4 レガシーシステムの残存率

依然として多くの日本企業が旧来のシステムを抱えています。アプリケーション面で47.3%、基盤面で48.2%の企業にレガシーシステムが残存しており、これらがデジタル化やモダナイゼーション(最新鋭化)を阻害する要因となっているのです。
着実に減少はしているものの、依然として約半数の企業が古い資産の刷新という課題に直面しています。

参考:野村総合研究所、日本企業を対象に「IT活用実態調査(2025年)」を実施

AIを構成する必須要素について

AIの正式名称はArtificial Intelligenceで、直訳すると人工的な知能・思考力という意味になり、日本では一般的に人工知能を指す言葉として用いられています。AI技術の構成必須要素は、インプット・解析・アウトプットの3つです。

  1. インプット

    大量の知識を入力する必要がある(POSデータ・株価・Web・アクセスログ・画像・動画・音声・テキストなど)

  2. 解析

    データの解析方法を指示しておく必要がある(ルールベース・機械学習・深層学習など)

  3. アウトプット

    答えを出力する(回答の応用・利用)

今後のコンピューティング

テクノロジーの進化は大きな転換点を迎えています。今後注目すべき4つの領域を解説します。

1 ポスト量子暗号 (PQC)

新しいコンピューティングとして、ポスト量子暗号(PQC:Post Quantum Cryptography)が注目されています。PQCとは、将来登場する超高性能な量子コンピュータでも解読困難な暗号の総称です。
現在広く使われている暗号化技術(RSA暗号・だ円曲線暗号など)は、量子コンピュータが実用化されると短時間で解読される可能性がありますが、そうした中で解読困難な数学問題を基盤とするPQCが必要とされているのです。次世代のセキュリティを担保する不可欠な基盤技術として期待されています。

2 環境に溶け込むインテリジェンス

新しいコンピューティングとして、超小型・低コストのスマートタグとセンサーなどが注目されています。人が意識しなくても周囲の環境が状況を理解し、最適な支援や判断をおこなう新しいコンピューティングの概念で、生活空間や社会インフラへ自然に組み込まれていく点が特徴です。
ユーザが意識してコンピュータを操作するのではなく、周囲の環境そのものが知能を持ち先回りしてサポートしてくれる技術へと進化させる、体験価値を高める基盤技術として期待されています。

3 エネルギー効率の高いコンピューティング

新しいコンピューティングとして、高エネルギー効率コンピューティングが注目されています。消費電力を最小限に抑えながら、計算パフォーマンスを最大化することを目的としたコンピューティング技術です。
AIの爆発的な普及によりデータセンターの消費電力・ITシステムの環境負荷削減は喫緊の課題となっており、計算基盤の抜本的な再設計が進んでいます。

4 ハイブリッドなコンピューティング・パラダイム

新しいコンピューティングとして、ハイブリッドなコンピューティング・パラダイムが注目されています。ハイブリッドなコンピューティング・パラダイムとは、複数の異なる計算方式・処理基盤(量子コンピューティング・古典計算・AI計算など)を組み合わせ、用途に応じて最適に使い分ける新しいコンピューティングの考え方です。単一技術では対応しきれない高度・複雑な処理を、柔軟かつ効率的に実現する点が特徴です。
ハイブリッドなコンピューティング・パラダイムは、一つの計算方式に依存しない柔軟性をもたらします。多様化・高度化する課題に対応するための、次世代コンピューティングの中核的なアプローチとして位置付けられています。

今後の人間とマシンの相乗効果

人間と機械が互いを補完し合うことで生まれる、新たな価値創造の形を3つ紹介します。

1 空間コンピューティング

空間コンピューティングは、人の感覚や直感と機械の高度な情報処理能力を結び付ける技術です。
人は現実空間に重ねて表示されるデジタル情報を視覚や動作といった自然な方法で理解・操作できますし、機械は空間を三次元的に認識して状況をリアルタイムで分析することで、人の判断や行動を的確に支援します。
これらの協働により、作業効率の向上・意思決定の高度化などが期待されています。

2 多機能型スマートロボット

多機能型スマートロボットは、人と共生するパートナーとして期待されています。
従来の産業用ロボットが特定の作業を繰り返すことを得意としてきたのに対し、状況に応じて柔軟に対応できる多機能型ロボットへの注目が高まっています。
複数の機能やAIを備え、環境や状況を理解しながら行動できるため、家事支援や介護、医療、接客、製造現場など幅広い分野で人の負担を軽減します。

3 神経系との融合

神経系との融合とは、人の身体や脳の信号を機械が直接読み取り、情報を返すことで、両者の能力を拡張する取り組みです。
脳や神経から得られる信号をもとに、義手や外骨格、インターフェースを直感的に操作できるようになり、機械は人の意図をより正確に理解します。
ただ、神経系との融合は人類の認知能力を飛躍的に向上させる可能性を秘めていますが、多くの課題も存在しており、その実現には慎重かつ段階的なアプローチが必要となります。

まとめ

この記事ではIT産業における2026年以降の方向性を解説しました。

まず初めに、株式会社野村総合研究所(NRI)によるアンケートをもとに、日本における最新テクノロジー導入状況について4つのポイントを解説しました。

  1. IT予算の状況
  2. 生成AIの急速な普及
  3. 生成AI導入の課題
  4. レガシーシステムの残存率

以上の状況下における今後のコンピューティングの方向性として、以下の4領域を解説しました。

  1. ポスト量子暗号 (PQC)
  2. 環境に溶け込むインテリジェンス
  3. エネルギー効率の高いコンピューティング
  4. ハイブリッドなコンピューティング・パラダイム

さらに、人間と機械の相乗効果・協働によって期待される変化として、3つ解説しました。

  1. 空間コンピューティング
  2. 多機能型スマートロボット
  3. 神経系との融合

テクノロジーの進化は年々加速し、ビジネス環境は大きな転換期を迎えています。企業は、変化を的確に捉えデジタルを活用した新たな成長戦略を描くことが求められています。2026年は多くの先進技術が爆発的に普及し、日本企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)を加速させる年となるでしょう。

IT業界に挑戦したい23年卒の方、私たちの仲間になりませんか?
【会社選びは、仲間探しだ】IT業界に挑戦したい23年卒の方、私たちの仲間になりませんか?
株式会社セラク 開く