フリーランス・業務委託

業務委託と個人事業主の違いとは?メリット・デメリットを徹底解説

date2026年09月29日
業務委託と個人事業主の違いとは?メリット・デメリットを徹底解説
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はじめに

  • 個人事業主とは法人をつくらず個人で事業を営む者を指す
  • 業務委託とは、業務を委託・受託する際の契約形態である
  • 業務委託の内、請負契約は成果物に、委任契約では業務遂行に報酬が発生する
  • 個人事業主は契約・報酬・税金・社会保障などさまざまな面で会社員と違いがある
  • 業務委託で働くときは契約内容をよく確認し、成果物の著作権の所在等を確認する

業務委託と個人事業主の違い

業務委託とは、個人あるいは企業が仕事を外部に依頼する際の契約形態のひとつです。一方個人事業主は、独立して事業をおこなう個人のことです。はじめにそれぞれについて解説します。

業務委託とは

業務委託とは、企業や個人が、業務の一部またはすべてを外部委託することを指します。業務委託は契約形態の一呼称です。したがって、企業の業務を個人が請け負うこともあれば、企業間や個人事業主等の個人間での業務委託もあります。

業務委託を個人が請け負う場合、会社員のような雇用契約ではなく、業務委託に関する契約の締結が必要です。業務委託は、請負契約と委任契約の2つの契約形態があります。

  • 請負契約

    成果物に対して報酬が発生する形で委託者と受託者が結ぶ業務契約を指す。

  • (準)委任契約

    業務の遂行を目的とした作業に対して報酬が発生する契約形態を指す。
    委任契約と準委任契約がある。

    • → 委任契約

      弁護士や税理士など法律行為を伴う業務をおこなう者に業務を委託し、受託者が遂行する

    • → 準委任契約

      法律行為を伴わない業務を委託し、受託者が遂行する。たとえば、独立したエンジニアがプロジェクトに参加する場合は準委任契約となる。

個人事業主とは

個人事業主とは、法人をつくらずに個人で事業を営む人のことです。税務署に開業届を提出することで個人事業主と認められます。

個人事業主の職業には、飲食店や服飾店などの店舗経営、弁護士や税理士といった士業、開業医、独立して仕事を請け負うコンサル業やエンジニア、漫画家やイラストレーター等のクリエイターなどが該当します。成果物や商品の納品もしくは業務遂行により報酬を得るため、働き方を自分で自由に決めることが可能です。

個人事業主と会社員の違い

この項では、業務委託を受けることの多い個人事業主と、雇用契約を結ぶ会社員との違いを詳しく解説します。

報酬の違い

会社員は、企業と雇用契約を結んで業務に従事する働き方です。企業の業務指示に従って働き、賃金が定期的に支払われます。契約で決められた時間に働き、残業には労働基準法で決められた割増賃金が支払われます。

一方個人事業主は、提供した成果に対して報酬を得られ、能力が高ければ、会社員と比較して高収入を得られる可能性があります。

税金の違い

会社員は、年末調整や源泉徴収(給料から天引き)の仕組みにより、勤め先が代行して所得税の申告・納税をしてくれます。

しかし、個人事業主は、毎年自分で確定申告をおこない、所得税を支払う必要があります。確定申告に備え日々の経理処理が必要になり、納税にはまとまった金額の準備も必要です。

社会保障における違い

個人事業主の社会保障も、会社員と比較して異なる点があります。社会保険とは、会社員が加入する健康保険(および介護保険)・厚生年金・労災保険・雇用保険のことです。個人事業主として生計を立てている場合、一部の社会保障は対象外となり、さらに費用も全額自己負担となります。以下で詳しく解説します。

  1. 健康保険

    日本では国民皆保険制度をとっており、国民はいずれかの健康保険に加入する必要があります。
    会社員は、所属企業が運営する組合健保、もしくは中小企業向けに運営される協会けんぽのどちらかの健康保険に加入します。一方個人事業主は国民健康保険への加入が必要です。

    また、会社員と個人事業主では、健康保険の保険料にも違いがあり、会社員の保険料は所属企業と本人との折半ですが、個人事業主は全額自己負担となります。

  2. 年金

    年金制度は、いわゆる2階建てのつくりになっており、国民全員が加入する国民年金と、会社員が国民年金に加えて加入する厚生年金のふたつが運用されています。

    つまり、個人事業主は国民年金のみの加入ですが、会社員は国民年金と厚生年金の両方に加入する形です。このため会社員の納める年金保険料は大きいですが、その分将来もらえる年金額も増える仕組みといえます。

    厚生年金に加入している会社員と比較して、国民年金のみの個人事業主では将来もらえる金額がかなり少なくなるので注意が必要です。

  3. 雇用保険

    雇用保険は、労働者が失業し収入がなくなったときに、失業手当をもらえる国の制度です。

    会社員は、一定の基準を満たすと雇用保険への加入義務が生じ、加入期間が通算12か月以上あれば、失業時に失業手当がもらえます。しかし、個人事業主は、労働者でないため雇用保険に加入できません。廃業等により失業しても保障がないので自分で準備しておく必要があります。

  4. 労災保険

    労災保険は、労働者が通勤または業務中に怪我・病気などをした際に保険金が給付される制度で、会社員は加入が必須です。

    一方個人事業主は、原則として労災保険への加入できません。しかし、労働者と同様に保護されるべき立場として一人親方など一部の個人事業主には、特別加入制度による任意加入が認められています。さらに、2024年11月からは「フリーランス新法」の施行により、特定のフリーランス(個人事業主も含む)も特別加入の対象に加わりました。

参考:厚生労働省|令和6年11月1日から「フリーランス」が労災保険の「特別加入」の対象となりました

法律面での違い

労働基準法は、労働者を守るための法律のため、個人事業主は適用外となります。つまり、個人事業主には最低賃金や残業の概念は適用されず、6時間以上の労働に休憩が義務付けられることもありません。働き方や労働時間などは、自分の裁量で決めていきます。

このような働き方の中で悪質な企業(委託者)も存在し、業務委託の報酬が支払われない等のトラブルもあります。こうしたトラブルの解消を目的に2024年にはフリーランス新法が施行され、2026年1月には、下請法が改正され中小受託取引適正化法(取適法)が施行されました。個人事業主をはじめとした中小事業者の権利の保護が後押しされています。

参考:厚生労働省|フリーランスとして業務を行う方・フリーランスの方に業務を委託する事業者の方等へ

参考:政府広報オンライン|2026年1月から下請法が「取適法」に!委託取引のルールが大きく変わります

業務委託の注意点

続いて、個人事業主が業務委託で仕事を請け負う際の、注意すべきポイントを解説します。

偽装請負に気を付ける

準委任契約は、委託者と受託者の契約であり、契約書記載の業務を受託者の裁量でおこないます。会社員のように上司の指示に従って動く必要はありません。

しかし実際の現場では、委託者である企業から、仕事のやり方を細部まで指示されたり、まるで部下に行うような管理がされたりするケースがあります。これらはいわゆる偽装請負が疑われ、違法行為となる可能性があります。このような働き方をするのであれば、会社と雇用契約を結ばなければいけません。

法律では実際の業務形態を重視するため、契約書上は準委任契約となっていても実態が労働者のような働き方であれば法律違反とされます。

業務内容をよく確認する

業務委託を請け負う場合、自分の業務範囲は契約書に記載されている内容に準じます。この点をあいまいにすると、自分の仕事の範囲が不明瞭となり、トラブルにつながりかねません。

業務として確認すべき項目範囲には、成果物の修正回数や、事務なら給与計算のみなのか勤怠管理も含まれるのかなどがあります。業務範囲はきちんと相談の上で決定し、契約書にも業務内容の範囲を明確に記入することが重要です。

さらに、取引条件や報酬の支払い期日、契約解除条件など細部にわたって契約書を確認する必要があります。

参考:公正取引委員会|フリーランス法特設サイト

著作権が誰に帰属するか必ず確認をする

著作権とは、その作品をつくった人が持つ権利です。著作権を持たない者は、作品を勝手に使用したり、販売したりすることはできません。これらの行為をおこなうためには、著作権所有者の承諾が必要です。

請負契約は完成した成果物を納品し、対価として報酬を受け取る契約です。この成果物について著作権がどちらの所有かという問題があります。結論からいうと、請負業務の場合は、契約により依頼した企業(委託者)に成果物の著作権が帰属することが多いようです。しかし、双方相談の上、制作者(受託者)に著作権が帰属する契約にすることも可能です。

とくにクリエイター系のフリーランスの間では、著作権問題で多くのトラブルがあります。著作権について認識があいまいな場合は、成果物の著作権が誰に帰属するのか、契約締結時に契約内容をよく確認するようにしましょう。

まとめ

個人事業主とは、法人をつくらずに個人で事業を営む人のことです。業務委託とは、企業や個人が業務の一部またはすべてを外部委託することを指します。つまり、個人事業主が業務を請け負うときの契約形態のひとつが業務委託です。

個人事業主は、会社員のような毎月決まった収入や手厚い社会保障は望めない傾向にあります。さらに、個人事業主の中には、業務委託により契約単位で報酬を得ている人も多く、不安定な収入や薄い社会保障に加え、トラブルが起きても自分ですべて対応しなければなりません。偽装請負等の被害にあわないためにも、業務委託を受ける際は、契約書の内容をきちんと確認・把握しておくことが重要です。

また、個人事業主やフリーランスの権利を保護する目的で、フリーランス新法や取適法が施行されました。こちらも業務委託に係る内容が多数含まれていますので、確認してみてください。

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