ブラック企業の特徴9項目|当てはまったら要注意


はじめに
- ブラック企業とはコンプライアンス違反や違法行為が常態化している企業
- ブラック企業を避けるためには特徴の把握と見極め方の理解が重要
- 自分が不利にならないよう不法行為や未払いの証拠を集めておく
- ブラックな環境から抜け出すには適切な相談先の把握が重要
- 改善が難しければできるだけ早めに転職を検討する
長時間労働や給与の未払い、ハラスメントなどが日常的に横行している職場は、一般的にブラック企業と呼ばれます。本稿では、ブラック企業の特徴や事前に見分ける方法とともに、ブラック企業に入社してしまった場合の対応策について解説します。
ブラック企業とは
ブラック企業とは、労働者に対して過度な長時間労働や給与未払い、さらにはパワーハラスメントなどの違法行為が常態化している企業のことです。以下にブラック企業の代表的な特徴をまとめました。
- 労働者に対し極端な長時間労働や過度なノルマを課す
- 給与や残業代の未払いや不払いが常態化している
- 労働者に対して過度の選別を行う
- パワーハラスメントの横行など企業全体のコンプライアンス意識が低い
参考:厚生労働省|確かめよう労働条件
ブラック企業が増加している背景には、業界構造や労働環境への意識不足、そして労働者の権利に対する認識の低さなどが挙げられます。特に人手不足が深刻な業界では、社員への負担が増大しやすい要素が顕著です。昨今ではブラック企業が社会的にも問題視されています。そのため、これらの是正に取り組む企業をホワイト企業として認定する動きも加速しており、認定基準やメリットが注目されています。
ブラック企業の特徴
この項目ではブラック企業が持つ特徴を9つに分けて解説します。志望する企業が以下の項目に多く該当する場合は、就職・転職について慎重に判断するべきです。
特徴1.長時間労働が常態化している
ブラック企業は、法定労働時間を超える過剰な残業が常態化する傾向を持っています。以下の規定を無視して社員に過度な労働を強いる企業はブラック企業の典型例といえるでしょう。
- 原則として、1日に8時間、1週間に40時間を超えて労働させてはならない。また、労働時間が6時間を超える場合は45分以上、8時間を超える場合は1時間以上の休憩を与える必要がある。
- 36協定では1年間で360時間、月45時間の残業時間を超えてはならない。
- 上記、法定労働時間を超えて労働(残業)を命じる場合、企業は労働基準法36条に基づく労使協定(通称サブロク協定)を届け出る必要がある。
- 臨時で限度時間を越え時間外労働をする必要がある際は特別条項付き36協定を結ぶことが可能。
特別条項付き36協定により残業の上限を延長できるのは年6回。
特別条項付き36協定が適用されるには具体的に特別な理由を記載する必要がある。
参考:厚生労働省|労働時間・休日
特徴2.休日が少ない・有給休暇が取りづらい
ブラック企業では、法定休日が守られていないことが多く、社員が休息を取ることが難しい環境が問題視されています。例えば、休日出勤が当たり前、有給休暇を申請すると嫌な顔をされるといった状況が該当します。労働基準法第35条では、週1回または4週間に4日の休日を確保することが義務とされています。有給休暇についても、労働者には権利があるため、取得に対して不当な干渉があれば問題です。
特徴3.給与が低い・残業代の未払い
ブラック企業では、最低賃金以下の給与が支払われたり、残業代が未払いになったり、といったケースがあります。地域別の最低賃金は厚生労働省のサイトで確認することができます。給与明細を確認し、残業代などの未払いがあれば証拠を収集し、できるだけ早期のうちに労働基準監督署へ相談することをおすすめします。
参考:厚生労働省|地域別最低賃金の全国一覧
参考:厚生労働省|最低賃金額以上かどうかを確認する方法
特徴4.名ばかり管理職が多い
管理職だから残業代は出ないといった、名ばかり管理職が存在するケースもブラック企業の特徴です。管理職として認められるには、経営陣と一体で働くなど厳密な基準がありますが、これを悪用する企業も少なくありません。
特徴5.過度なノルマや精神論の押しつけ
達成困難なノルマを課し、さらに、努力が足りない、根性が必要といった精神論で社員を追い込む企業はブラック企業の可能性があります。特に新卒社員に対して理不尽な要求をする企業には、注意が必要です。
精神論自体は一概に悪いというものでもありませんが、ブラック企業は何をするにしても、精神力・気合・やる気といった言葉を、過度に使う傾向があります。精神論で達成困難なノルマを正当化し、対応せざるを得ない状況に追い込まれるようなら、最寄りの相談できる窓口を利用してください。
参考:厚生労働省|総合労働相談コーナー
特徴6.パワハラ・セクハラが横行している
ブラック企業では、パワハラ・セクハラが頻繁に発生する傾向があります。会社におけるパワハラとは、暴言・嫌味といった言葉による攻撃、大量の仕事を課される、無視や連絡事項の遮断などがこれに当たります。セクハラとは、性的な発言や行動によって、個人または企業全体に不快感を与える行為であり、性別は関係ありません。
これらの被害を受けた場合はできるだけ早期のうちに、労働基準監督署や専門機関に相談することが重要です。
参考:政府広報オンライン|ハラスメント防止のための雇用管理上の措置義務 ハラスメント対策の法制化
特徴7.コンプライアンス意識が低い
法令遵守を怠り、社員の権利や福利厚生を軽視する傾向も、ブラック企業が持つ特徴のひとつです。例えば、労働基準法の違反が常態化しており、是正を求める声が上がっているにもかかわらず、是正が行われない企業は要注意です。
- 昨今では人を大切に扱うこともホワイト企業を構成する重要な要素とされています。そのためコンプライアンス意識が高いとされる企業は、社員の声にも耳を傾ける傾向や仕組みを取り入れています。もちろん、そういった企業であっても人間が運営している以上、コンプライアンス違反のリスクがないわけではありません。しかし、それらが起こりにくい傾向や仕組みによって、トラブル発生時にも適切な対応がとられることで、企業統治が維持される傾向にあります。
特徴8.社内環境が悪い
社内の環境や雰囲気にも、ブラック企業の特徴が潜んでいます。例えば、エントランスやオフィスが不潔・社員が挨拶をしない・電話対応が悪いなど、基本的なマナーが欠けている企業には注意が必要です。
いずれの場合も、企業が外部からの視線を意識できてない可能性や、社員から大事にされていない可能性があります。また、電話応対の方法は、入社時に研修を受けるのが一般的です。対応が悪いということは、社員に十分な研修を受けさせていない可能性も考えられます。
特徴9.面接時の違和感
面接時の雰囲気や対応にもブラック企業の特徴が見え隠れします。そのため面接時の違和感も慎重に観察しましょう。例えば、面接で家族構成や政治の話など、選考と直接関係のない質問を行う企業は、コンプライアンスやハラスメントについて無頓着である可能性があるため要注意です。
採用選考の基本的な考え方は、応募者の基本的人権を尊重し、応募者の適性・能力に基づいた基準によって行うことが、厚生労働省によって定められています。面接時に、これらの基本から逸脱した質問が出た際にも、答える義務はありません。
参考:厚生労働省|公正な採用選考の基本
ブラック企業を見分ける方法
この項目では、ブラック企業を見分ける方法について、就職・転職活動の段階別に解説します。解説する内容はあくまでも一例ですので、志望する企業に照らし合わせて、総合的に判断してください。
- 求人情報を確認する
求人情報を探す段階では、他企業に比べて給与が高額すぎる求人は注意が必要です。給与額が不自然に高額な企業は、離職者の補充が課題になっている可能性があります。
- 口コミサイトや会社四季報を活用する
企業研究の段階では、社員の体験談を参考にすることで企業の実態を客観的な事実として知ることができます。また大手の求人などで離職率を知りたい場合は、会社四季報(東洋経済新報社)で3年後離職率の欄を確認してみましょう。
- 会社訪問時の観察
説明会や面接の段階で企業を直接訪問する際は、外部から見た応対の品質や企業で働く人の働きやすさなど、志望する企業の状況を直接見られる貴重な機会です。エントランスの清潔感や社員の表情、電話対応から受ける印象などを確認してください。
- 終業後のオフィスを確認する
その企業で働くことを具体的に考える段階では、終業後の時間帯に、オフィスの様子を確認するとよいでしょう。もし深夜でも明かりが点いている場合は、長時間の残業が常態化している可能性も考えられます。但し、シフト勤務のある業界であれば深夜の時間帯も通常勤務している場合がありますので、この点だけで判断しないようにしましょう。
ブラック企業に入社してしまった場合の対処法
これまではブラック企業の避け方について解説しましたが、もし勤め先がブラック企業だった場合はどうすればよいのでしょうか。この項目では、今ブラック企業で働いている方がとるべき対策について、状況別に解説します。
- 社内で改善を試みる
社内改善を考える状況では、社内の相談窓口や労働組合に連絡して、改善案について相談します。しかしブラック企業の場合、相談窓口や労働組合が存在しない、または機能していないケースも考えられます。そのような場合は複数企業の従業員によって結成される合同労組も視野に入れるとよいでしょう。
- 外部の相談機関を利用する
社内改善が難しく外部からの働きかけを考える状況では、信頼できる相談機関の利用を検討するとよいでしょう。その際は、先の項目でも触れた合同労組のほか、厚生労働省の総合労働相談コーナーや労働基準監督署を活用してください。
- 証拠を集める
会社からブラックな扱いを受けている場合は、給与明細やタイムカード、メールなどを記録して、違法行為の証拠を確保してください。これらの証拠は自らの安全や労働者の権利を守るためにも重要です。但し、証拠としてデータを持ち出す場合は窃盗や不法行為とならないよう、持ち出し方には注意してください。
- 転職活動を行う
離職を検討する状況に至ったなら、可能な限り早めに離職を検討しましょう。日常的に法令違反を繰り返す企業に長く勤める必要はありませんが、収入が途絶えないように、なるべくなら転職先を決めてから辞めることをおすすめします。その際に企業側の未払いがあれば、請求も忘れずに行いましょう。
参考:厚生労働省|総合労働相談コーナーのご案内
まとめ
今回はブラック企業の特徴や見分け方、そして入社後の対処法について解説しました。ブラックに例えられる過酷な労働環境で働き続けることは、心身に悪影響を及ぼすリスクがあるため、まずは入社を避けることが最善策と言えます。
もしブラック企業に入社してしまった場合は、心身を守るためにも早めに相談窓口を活用し、証拠収集や転職活動などの具体的な対策を講じることが重要です。安心して働ける環境を見つけるために、本稿が一助となれば幸いです。












