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ブラック企業とは/特徴と対処法から入社しないための対策まで

2021年06月24日
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はじめに

「ブラック企業」と聞いてあなたは何を思い浮かべますか?ブラック企業という言葉に明確な定義はありませんが、長時間労働や給料の未払い・パワーハラスメントが日常的に横行している職場は、一般的にブラック企業といえるでしょう。本記事では、このようなブラック企業を事前に見極める方法や、ブラック企業に入社してしまった場合の対応策について解説します。今まさにブラック企業で働いていると感じている方の力になれれば幸いです。

なぜブラック企業があるのか

なぜブラック企業があるのか

国はブラック企業に対して明確な定義を提示していません。しかし、厚生労働省のサイトにブラック企業に対する記載があります。厚生労働省のブラック企業に対する認識は以下の通りです。

厚生労働省においては、「ブラック企業」について定義していません。しかし、一般的な特徴として、以下が該当するとされています。

  1. 労働者に対し極端な長時間労働やノルマを課す。
  2. 賃金不払残業やパワーハラスメントが横行するなど企業全体のコンプライアンス意識が低い。
  3. 労働者に対し過度の選別を行う。

参考:厚生労働省|確かめよう労働条件

では、なぜ上記のような長時間労働やサービス残業などが起こってしまうのでしょうか。

例えば飲食業や宿泊業、流通業などの業界は、多くの労働力が必要とされているにも関わらず、一人あたりの労働生産力が低いため全体的に長時間労働になりがちです。

また、旅行会社や出版社、ウエディングプランナーなどの華のある業種は、志望者の多いことを理由に人材を使いつぶす傾向にあります。かつ競争が厳しく利幅も少ないため賃金も上がりにくいです。

ブラック企業が生まれる所以には、上記のような各業界の働き方が大きく関わっているといえるでしょう。

ブラック企業の特徴

ブラック企業の特徴

次にブラック企業の特徴について詳しく解説していきます。以下の特徴に当てはまれば当てはまるほど、あなたが働いている企業はより労働環境が悪い企業だといえるでしょう。

長時間労働

労働時間に関しては、法定労働時間について厚生労働省で以下のように定められています。

  • 原則として、1日に8時間、1週間に40時間を超えて労働させてはならない。また、労働時間が6時間を超える場合は45分以上、8時間を超える場合は1時間以上の休憩を与える必要がある。
  • 36協定では1年間で360時間、月45時間の残業時間を超えてはならない
  • 上記、法定労働時間を超えて労働(残業)を命じる場合、企業は労働基準法36条に基づく労使協定(通称サブロク協定)を届け出る必要がある。
  • ただし、臨時で限度時間を越え時間外労働をする必要がある際は特別条項付き36協定を結ぶことが可能。
    • 特別条項付き36協定により残業の上限を延長できるのは年6回。
    • 特別条項付き36協定が適用されるには具体的に特別な理由を記載する必要がある。

参考:厚生労働省|労働時間・休日

あなたは1日に何時間働いていますか? 長時間労働をしている場合、勤務先企業は法律に違反しているかもしれません。まずは上記の条件と自分の働いている状況を照らし合わせてみましょう。

また、時間外労働の上限についても36協定により月45時間・年360時間までと定められています。基準を上回ると企業に罰則が与えられます。

休日が少ない・有給休暇が取りづらい

ブラック企業は基本的に休日が少なく、休暇も取りづらい環境にあるといえます。しかし、企業は労働基準法第35条1項と2項では、本来労働者に週に1回、もしくは4週間に4日以上の休みを与えなくてはならないと定められています。法律の内容として、労働基準法35条1項で定められているのが法定休日でそれ以外の休みは法定外休日です。
年次有給休暇(以下有休)に関しても、6ヵ月間勤務をすると10日分、6ヵ月以降は1年ごとに1日ずつ、3年6ヵ月以降は2日ずつ増加した日数(年間で最大20日)が与えられます。

上記の条件で有休をもらえていない場合は、ブラック企業である前に企業側の法律違反にあたります。法律に抵触していないかスケジュールを見返し確認してみましょう。
一方で、有給休暇に対しては、時季変更権もトラブルになりやすいといえます。よくあるパターンとして「繁忙期だから有休はとれない。」などがブラック企業の言い訳の一例です。

トラブルを回避するために、有休取得をする際は社内の繁忙期と重ならないことや周囲の方との業務調整をしっかり行うようにしましょう。企業は労働者が指定した時季に有休を取得した場合、事業の正常な運営を妨げる時、他の時季に有休取得を与えることを前提に労働者の時季指定を拒否できます。(労働法39条5項但書)
過度に有休が取れない状況は異常ですが、企業側の事業運営についても考慮に入れ迷惑がかからないように配慮することで、有休取得がお互いにしやすい環境を作る意識も大切です。

給料が低い・残業代の不払い

ブラック企業では給料が低いだけではなく、残業代の不払いが頻繁に起こります。厚生労働省では「地域別最低賃金の全国一覧」を掲載しています。自分の労働時間と給料を見比べてみましょう。厚生労働省の「最低賃金額以上かどうかを確認する方法」も参考にしてください。

また、残業代は基本給ではなく基礎賃金を元に計算されます。基本給をベースに残業代が計算されているなら、本来もらえる額の残業代をもらえていない可能性があるため注意しましょう。

また、変形労働時間制で勤務している方も要注意です。労働時間を1日単位ではなく、月・年単位で計算する働き方です。繁忙期・閑散期のある業界でよく取り入れられます。変形労働時間制を採用している企業の中には、就労時間をごまかしている企業もあるため、自身の法定時間が超えていないかを確認しましょう。

参考:厚生労働省|地域別最低賃金の全国一覧
参考:厚生労働省|最低賃金額以上かどうかを確認する方法

不明確な雇用契約

例えば社員を無理矢理管理職として扱い、負う必要のない責任を押し付けたり、残業代を支払わなかったりすることがあります。一般的に管理職は課長以上であるものの、企業によってどこからが管理職なのかは統一されていません。(管理職という名称は労働基準法第41条の管理監督者とは異なります)

この場合、会社の中で持っている肩書きと、法律上の管理職である「管理監督者」は重ならない可能性が高いです。「管理監督者」として認められるには、会社の経営陣と一体的に行動するといった厳しいルールがあり、課長などの役職がついているだけでは認められないケースが多いです。肩書きや待遇を利用して社員を不利な立場に追い込むのもブラック企業の特徴です。

過度なノルマと精神論

入社してすぐに行われる研修でも人格否定やグループ内での序列決めなどが横行している場合、それはブラック研修といわれるものです。即日退職もあり得ます。

また、達成困難なノルマを課され達成できないと理不尽に怒鳴られるなんてことありませんか?つまり、精神論を第一としている上司や社長がいる会社はブラック企業かもしれません。

精神論自体は一概に悪いというものでもありません。ただし、ブラック企業の場合、何をするにしても「精神力」「気合」「やる気」といった言葉が振りかざされる傾向があります。どんなに理不尽なことも感情的な言葉で正当化し、対応せざるを得ない状況に追い込まれるようならまさにブラック企業と言えるでしょう。

パワハラ・セクハラの横行

ブラック企業ではパワハラ・セクハラが頻繁に発生する傾向があります。会社におけるパワハラとは、上司から頻繁に暴言・嫌味などの言葉の攻撃や、大量の仕事を課されるといったいやがらせ、無視や連絡事項の遮断などです。

セクハラは性的な発言や行動によって、個人または企業全体に不快感を与えることです。セクハラに男性女性は関係ありません。

低いコンプライアンス意識

ブラック企業は経営陣のコンプライアンス意識が低い傾向にあります。コンプライアンスとは簡単にいうと法令順守のことですが、倫理観や社会規範のことも含まれます。

例えば、労働者の長時間労働を気にしないや休日がとれないといった問題は、経営陣の法令遵守の意識が低いことの表れです。有給休暇などに関しても、労働者の権利として定められている事項であるため、会社都合で認めないなどはコンプライアンスが低いといえます。

反対にホワイトといわれる企業とは

ブラック企業とは逆に、コンプライアンス意識が高く社員の声に耳を傾けている企業はホワイト企業に多いです。

とはいえ、ホワイト企業といわれる企業でも、個人的な意見の相違による不安や軋轢が生じ仕事を押し付けられる、そのために残業が増えるや精神的な苦痛を感じる、などの問題はあります。ただしこれは法令違反ではありません。ホワイトといわれる企業は、社員が働きやすい環境づくりにも注視しています。

勤め先がブラック企業だった場合の対処法

勤め先がブラック企業だった場合の対処法

では、勤め先がブラック企業だった場合はどうすればよいのでしょうか。ここからは今ブラック企業で働いている方がとるべき行動について紹介します。

社内で改善を試みる

まず、対処法のひとつに、労働組合や社内にある相談機関に相談することが挙げられます。しかしブラック企業の場合、そもそも労働組合が存在しない、または機能していないことがほとんどです。そんな方のために「合同労組」というものがあります。

合同労組とは、ひとつの企業からではなく、複数の企業の従業員が集まり、結成された労働組合のことで、個人で加入することが可能です。会社を改善しようと考えている人々に相談することで、自社の労働環境の改善につなげます。

徐々に社内の賛同者を募り、最終的に会社に改善案を提示しましょう。従業員がひとりでは相手にされないことがほとんどですが、結束して改善を求めれば会社も対応をせざるを得ません。

社外の信頼できる相談機関に頼る

次の手段として、社外の信頼できる相談機関に頼るというものがあります。例えば、厚生労働省の「総合労働相談コーナー」や労基署の法テラスなら無料での相談が可能です。

総合労働相談コーナーは、職場のトラブルを解決するための情報提供を行っており、法テラスでは問題に応じて適切な法制度や相談窓口の紹介を行っています。社内の問題を社内だけで解決するのは困難です。積極的に外部の相談機関に頼りましょう。

参考:厚生労働省|総合労働相談コーナーのご案内

見極めるべきこと

見極めるべきこと

ブラック企業へ入社してしまったときの対策も大切ですが、そもそもブラック企業に入社しないようにすることも重要です。ではどうしたらブラック企業かどうかを見分けることができるのでしょうか。見極めるポイントについて解説していきます。

労働条件と高すぎる給与の裏側

ブラック企業の求人は、業務内容があいまいなものが多い傾向にあります。まずは労働条件をしっかり確認してみてください。そして何よりも給与が極端に高い場合は要注意です。給料が高い分、残業や休日出勤をしなくてはならなかったり、仕事自体はきつくなくても残業手当がつかなかったりと様々なトラブルを引き起こす可能性があります。

例えば、みなし残業は40時間分の残業代を含むなどと記述されており、これは一般的には残業をしてもしなくても同じ給料ということになります。額面上は高額に見えても実は、みなし残業を含んだ数字であるかどうかのチェックが必要です。

また、年俸制も通常であれば残業代は別で発生するものです。しかし、場合によっては上記のように見なし残業を含んだ数字である可能性もあります。

給料が高いからといって働きやすい環境でないことは覚えておきましょう。

調べる!離職率や採用者率と法令違反

ブラック企業を避けるため、求人に応募する前に事前調査をしておくとよいでしょう。例えば会社の口コミや就職四季報などを確認するという手もあります。

会社の口コミサイトは会員制のものをおすすめします。自由に投稿できるサイトよりは信用できますし、年収・福利厚生・残業時間など項目ごとの評判を見ることも可能です。

また、就職四季報では企業ごとの3年後離職率や平均継続年数などが掲載されています。ふたつともブラック企業を見抜く上で大事な項目となるため、応募する予定の企業のデータを事前に確認してみましょう。

面接時の留意点

面接時の会社の雰囲気や面接官の対応姿勢なども大事な判断基準です。例えば、面接時に急に愛社精神を強要されたり、求人サイトでは記載されていなかった課題をやらされたりする場合は要注意です。例としては、やたらと気持ちや精神面の話が多い場合や求人内容に対して具体的な話をしない場合も注意が必要です

また、面接開始時間を守らない、面接場所が汚いといった場合は、客観性を失っている企業であるため要注意です。

社内や社員の特徴を知る

会社内を見学する機会があれば、社内や社員の特徴を観察することも大切です。社員の仕事をしている様子やデスク周りはチェックポイントです。

社員の顔に覇気がない、デスク周りが書類であふれかえっているような状態の会社だと、労働環境が良くない傾向にあります。このような状態は、過重労働や休暇が取れていないなど、社員に何かしらの負荷がかかっていることの表れです。

就職活動中の新卒者が注意すること

新卒者が最も注意しなくてはいけない点として、ブラック企業の「うちの業界では当たり前」というフレーズなどがあげられます。新卒者は高校・大学を出たばかりのため、業界や会社に対する知識・ルールを把握していないことから、労働基準法を逸脱していることに気付かない可能性があります。また、長い間求人募集している企業の場合、退職が多いために掲載していることもある点は把握しておくことが大切です。

そのため、会社説明会やインターンシップなどの企業情報を収集する機会には、上記で述べた内容や雰囲気がないかをチェックしましょう。

まとめ

本記事ではブラック企業の特徴をメインに、ブラック企業に入社してしまったときの対応策や、見極めるためのポイントなどを解説してきました。ブラック企業は、労働者に対して違法な行為を繰り返している可能性が高いです。まずはブラック企業に入社しないことが一番大切ですが、もし今ブラック企業で働いている場合は、まずは相談機関に話してみることが、ブラック企業脱却への糸口となるでしょう。

最後のチェックポイント

  • ブラック企業には明確な定義がないが、わかりやすい特徴が3つある
  • ブラック企業は長時間労働や休日が少ないなど、精神的・肉体的に従業員を追いつめる
  • ホワイト企業でも意見の相違といったコミュニケーションなどの内部の問題はある
  • ブラック企業から抜け出すには、まず外部機関への相談が必要
  • ブラック企業を見抜くには企業への下調べが必要不可欠。
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