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リワークとは?種類やプログラムの内容、メリットや注意点を解説

date2024年04月30日
リワークとは?種類やプログラムの内容、メリットや注意点を解説
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はじめに

  • リワークとはメンタル疾患で休職した人が職場復帰を目指す活動である
  • リワークには医療リワーク・職リハリワーク・職場リワーク・民間福祉系リワークの4種類がある
  • リワークを受けるには症状が安定している必要がある
  • リワークプログラムには認知行動療法やオフィスワークトレーニングなどがある
  • リワークは再休職や退職を防ぐ効果が期待できる

リワークとは

リワークとは、Return to workの略です。メンタルの不調で休職した従業員が、リハビリを受けて職場復職を目指す活動を指します。リワークプログラムとも言います。

リワークの概要

休職の原因となるうつ病をはじめとする精神疾患は再発の可能性が高く、復職の妨げとなりがちですが、リワークを受けることで再休職や退職を防ぐ効果が期待できます。

リワークの対象者

うつ病や適応障害などの精神疾患により休職中で、なおかつ病状がある程度安定してきたと医師が判断した人が対象です。健康保険・自立支援医療制度が適応されます。

リワークの種類と費用

リワークには大きく分けて医療リワーク・職リハリワーク・職場リワーク・民間福祉系リワークの4種類があります。それぞれの特徴や費用などを見ていきましょう。

医療リワーク

精神科や心療内科などの医療機関で行われるリワークです。精神疾患で休職中の人が対象で、医師の診断書が必要となります。医療機関で行われるので症状の変化にもすぐに対応してもらえるのがメリットです。
健康保険や自立支援医療制度が使え、費用は収入に応じて0円~30,000円までとなっています。自立支援医療を使えば年収が833万円以下の方は月額1万円以内で利用できます。

職リハリワーク

地域障害者職業センターで行われます。無料で受けられますが公務員は対象外となっています。利用するには企業の同意が必要です。また、地域障害者職業センターは各都道府県に1か所程度しかないため順番待ちとなることも多いです。

職場リワーク

企業内で行われる復職支援プログラムを職場リワークと呼びます。EAP(従業員支援プログラム)を活用する企業もあります。安定した復職ができるかどうかを見極めるのが狙いです。費用は企業が負担するためかかりません。

民間福祉系リワーク

就労移行支援や自立訓練事業所で行われます。休職者だけでなく退職者も対象となっている点が他のリワークとの違いです。前年度の収入に応じて利用料が計算され、月額0円~37,200円と違いがあります。診断書か精神保健福祉手帳が必要です。事業所によりプログラムの内容が多彩である点も注目です。

リワークの流れ

実際にリワークを受けて復職するまでの流れを見ていきましょう。

リワーク運営団体の選定

まず大切なのは、症状が安定していてリワークを受けられる状態であるかどうかを医師に相談することです。医師の許可が出たならば、通いやすさや雰囲気が合っているかなどを実際に見学して確認します。無理なく続けられそうなところが見つかったなら申し込みに進みます。
選ぶ際には下記のポイントに注目してみましょう。

  • 施設の立地、通いやすさ
  • スタッフの雰囲気
  • (発生する場合は)費用
  • ブログラムの内容が合っているか

プログラムの利用

プログラムはどのように進められるのでしょう。以下に見ていきましょう。

コーディネート期間(初期)

まずは生活リズムを整えることを優先しましょう。そして休職に至った原因を分析し、どのようなプログラムが必要かをスタッフと共に決めていきます。症状が本当に安定しているかどうかを確かめながら進めていきます。

プログラム利用期間

コーディネート期間に作成した計画をもとに適したプログラムを受講します。リワークプログラムの具体的な内容については後述します。

復職とフォローアップ

職場復帰を果たしたとしても、再休職や退職などということにならないよう、その後のフォローアップが重要です。
違和感やストレスを感じたら復職後でもリワーク機関のスタッフに相談し、業務内容や職場関係の調整を図りましょう。

リワークの内容

リワークプログラムの内容にはどのようなものがあるでしょうか。以下に見ていきましょう。

自己分析

自分の体調や症状の変化を自覚し、管理する能力を身につけます。また、どのような場面で自分がストレスを感じやすいかを把握することが重要です。なぜ休職に至ったかを分析し、繰り返しを予防します。

認知行動療法

自分の思考パターンや感じ方の癖を把握し、対処法を変えていく作業です。ストレスがかかっている真っただ中では余裕がなくなりがちですが、普段から対処法の練習をしておくことでいざという時でも冷静に判断できるようになります。

オフィスワークトレーニング

プログラムの中心になるメニューです。パソコンを使っての作業や打ち合わせなどを行って、実際の業務に必要な集中力や問題解決能力の回復を図ります。

 SST(ソーシャルスキルトレーニング)

少人数でグループを組み、ロールプレイング形式で対人コミュニケーションの訓練をします。メンタル疾患ではコミュニケーションに困難が生じる場合も多く、SSTを通じて苦手意識を克服することは復職に向けて重要な訓練になります。

リワークのメリット

リワークにはどのようなメリットがあるでしょうか。次に見ていきましょう。

生活リズムが整う

休職期間中は生活が不規則になりがちです。リワークプログラムに通所することの大きな目的のひとつは睡眠、食事などの生活リズムを整えることです。特に初めのうちは「プログラムをこなせなくてもとにかく時間通りに通所するだけでもいい」という意識で臨むのが継続のポイントになります。

セルフケアが身につく

リワークプログラムでは自己分析や対処法について学びます。それにより、復職後に困難な場面に遭遇しても体調を崩すことなく課題に立ち向かっていけるようになるでしょう。

再休職・退職を予防できる

精神疾患は再発しやすいため、復職しても再休職や退職となるケースも少なくありません。リワークプログラムで自己分析や認知行動療法を身につけると病気の再発を防ぎ、再休職や退職といった事態を予防する効果が期待できます。

リワークは意味ない?リワークの注意点

リワークにデメリットはないのでしょうか。リワークを利用するにあたって注意したい点を見ていきましょう。

復職を焦らない

精神疾患を抱えて休職している人には「早く復職しなければ」という焦りを抱えているケースが目立ちます。そのような状態でリワークを受けてもプレッシャーが重くのしかかり、症状が再発してしまう可能性もあります。焦らずに少しずつ社会生活に自分を慣らしていくように心がけましょう。

周りに相談する

リワークを受けるにあたって、また受けている最中に、悩みごとや困りごとが生じたらすぐに周りに相談しましょう。
医師やスタッフなど、復職までの道のりについて詳しい人たちがそばについていてくれるのはリワークのメリットです。困った時に周囲を頼る習慣をつけるのは復職への近道です。

復職はゴールではなくスタート

リワークを経て、復職が叶ったとしたらそれは素晴らしいことです。しかし、肝心なのは就労の継続です。リワーク期間に学んだことを活かし、再度困難にぶつかったとしてもうまくやり過ごすのが重要でしょう。そういう意味では、復職はゴールではなくスタート地点であるとも言えます。

まとめ

病気になって休職してしまった時、必要以上に落ち込み、自分を責めてしまうのが精神疾患の特徴です。そのような時に、ひとりで思い悩むのではなく専門機関の助けを借りて、新たな一歩を踏み出す訓練をするのがリワークです。リワークプログラムのタイプや内容はさまざまあります。自分に合ったものを探して復職の一助としてみませんか?

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