10年後もなくならない仕事とは?職種や就職する方法を紹介!


はじめに
- 将来AIによって49%の仕事がなくなるという予測がある
- 今後もなくならない仕事は、AIは苦手だけど人間は得意な仕事である
- コミュニケーション力やクリエイティブ力はAIが苦手で人間の得意分野である
- AIを作る側の仕事や仕事の責任を取る立場の管理職も今後なくならない
- コミュニケーション力や思考力を伸ばすことが今後生き残るために大切である
- 今後もなくならない仕事に関連する資格を取ることも有効である
ChatGPTやBingで利用できる性能の高い対話型チャットシステムが複数登場し、凄まじいAIの進化に世界中が驚きました。以前から「仕事がAIに代替されるのではないか」といわれていたのがいよいよ現実味を帯びてきたように感じて、不安になる人もいるのではないでしょうか。この記事ではAIによってなくなる可能性のある仕事、なくならない仕事、その特徴や今後どう対策すればいいかなどを解説します。
将来、AIによって49%の仕事がなくなる?
英オックスフォード大学の研究者と野村総合研究所が2015年に発表した分析では、10~20年後に日本の職業の約49%がAIやロボットなどで代替可能となる可能性があると示されました。これはすべての社会人だけでなく、これから社会人になろうとしている就活生にとっても大変重要な話題です。しかし、言い換えれば51%の仕事は今後もなくならないのです。この差はどこに生まれるでしょうか。次項で詳しく解説します。
参考:株式会社野村総合研究所|日本の労働人口の48%が人工知能やロボット等に代替可能
AIによってなくなりやすい仕事の特徴
AIは膨大なデータの蓄積と分析、単純作業や定型業務などをおこなうのが大変得意です。AIはこれらの作業を、人間がおこなうよりずっと早いスピードでこなせ、なおかつ人的ミスもなく正確なのです。これらに該当する仕事はAIへの代替が起きやすいと考えられます。今後、人口減少下の日本では、生産性向上やコスト削減のため、AIの導入・活用はさらに進むでしょう。
将来AIによってなくなる可能性が高い仕事
ここでは具体的な職種名を挙げて解説します。
事務員
全体の流れや作業手順が定まっている業務が多い事務業務は、AIに代替される代表的な仕事であるといわれています。一般事務だけにとどまらず、経理や医療事務などの定型業務はAIへの代替が進むと予測されています。
スーパー・コンビニ店員
スーパーやコンビニでは、現在セルフレジの導入が急速に進んでいます。今後も人から機械への代替が進み、大幅に人員が減ると予測される職業のひとつです。
工場員
工場ではAIによる作業のオートメーション化が以前から進んでいます。こちらも今後ますます機械化が進み、人員削減が進むと予測されます。
警備員
工場員と同様に機械化が進むと考えられるのが、警備員です。見回りやカメラ監視などAIによる自動化が進み、人員の削減が予想されています。
タクシー・バスなどの運転手
車の運転について、自動運転の実現を目指して研究や試験運転が以前からおこなわれているのは周知の事実です。この技術が進み、自動化による無人運転が普及すると予測されています。結果として、タクシーやバスの運転手という職業がなくなる可能性があります。
フロント・受付係
最近、ホテルやレストランでは、フロント・受付のセルフ化(自動チェックイン機など)が進み、給仕にもロボットの導入が加速しています。
今後この分野も、機械への代替による人員削減に向かうと予測されます。
今後もなくならない仕事の特徴
AIの活用が当たり前の時代に今後もなくならない仕事とは、端的にいうと前例の乏しい課題で新しい価値を生み出すことができるものです。具体的には高いコミュニケーション力が必要な仕事やクリエイティブ能力を求められる仕事です。AIはデータの蓄積・処理や定型業務は大変得意である一方、複雑で高度なコミュニケーションをしたり、0から1を作り出したりといったことは苦手です。これらの仕事をおこなうための能力を伸ばせば、大きな強みとなるでしょう。
そのほか、AIそのものを作る側の仕事、イレギュラーや難しい案件に対応できる柔軟な考え方と対応が求められる仕事もなくならないと考えられます。
将来にわたって必要とされる仕事
この項目では、現在ある職種で今後も必要とされる仕事を具体的に解説します。ぜひ今後の進路の参考にしてください。
医師、看護師など医療職
医療分野の職業はいずれも高いコミュニケーション能力と専門知識による決断、責任が生じます。この分野では人間とAIとの協働が進むことはあっても、AIによる仕事の代替は不可能です。人が主導して仕事を進めていく必要があるため、今後もなくなることはないと考えられる筆頭の職業です。
教育・保育関係
教育・保育分野の仕事も、医療職と同じく高いコミュニケーション能力と専門知識による判断が必要とされるため、今後もなくならないと考えられる職業です。たとえば保育士では、乳児や幼児の相手をしたり、面倒をつきっきりでみたりする必要があるため、イレギュラーな事態への対応が続く仕事です。つまりAIに代替されにくい職業といえます。
アーティスト、作家などクリエイティブ関係
AIは0からモノを作ることが大変苦手です。創造することは人間だからできることであり、AI時代においては非常に有利な能力です。クリエイティブの分野で食べていくにはかなりのクオリティを要求されることが難点ではありますが、AIにとってかわられることがない分野であることは間違いありません。
コンサルティング関係
AIはひとつの分野に特化することは非常に優れていますが、複数分野にまたがり、かつ重要な決断を要する仕事は苦手です。これらの特徴に合致するのはコンサルティング関係の職業です。
AIを開発するエンジニア
AIは結局のところ、人間が使う道具です。その便利な道具を作る側になれば、仕事は今後も需要が続くでしょう。職業名でいうと、データサイエンティストやデータアナリストが該当します。
ITエンジニア
AIエンジニア以外の各種ITエンジニアも将来なくならない職業と予測できます。IT技術は現代の生活・企業活動になくてはならない基盤であるからです。しかも、AIはこれらを活用したうえで稼働するものなので、ITエンジニアはこれからも社会にとって必須の職業といえます。
AIによって新たに生まれると予測される仕事
今後、AIの普及によって新しい仕事が生まれる可能性があります。予測される職種名を解説します。
人工知能・AIエンジニア
今後AIがさらに進化すると、人工知能(AI)に特化したエンジニアが生まれると考えられます。これまでのIT分野はひとつの分野が深まるとその分野専門のエンジニアが生まれてきたためです。前項で述べた通り、AIを作る側の仕事はなくなる可能性は低いため今後伸びる分野でしょう。
AIと人間の協働における責任者
AIの仕事範囲が広まると、AIがこなした仕事にたいして監督責任を担う管理職が生まれると考えられます。AIは仕事をこなすことはできても、責任を取ることはできないからです。このポジションには必ず責任能力のある人が必要とされます。
散歩相手や会話相手
AIが普及したとき、機械的な応答では埋めにくい孤立の解消や日常的な見守りへの需要が高まる可能性があります。地域・福祉・ヘルスケアと連携したコミュニティコンシェルジュや会話パートナーのような仕事が生まれるかもしれません。
今後仕事をしていくために今できること
AI時代になくなる可能性のある仕事・なくならない仕事とその特徴をみてきました。では、今後社会人として仕事を続けていくために今できることは何でしょうか。いくつかの具体策を次項で解説します。
AIにできないスキルを伸ばそう
前項で述べた通り、AIは得意な分野がある一方、深いコミュニケーションを必要とする仕事や、クリエイティブな活動は苦手です。これらは人間にしかできない強みなのです。AIにはできない仕事のスキルを身に着けることができると、今後を生き抜くための強力な武器になるでしょう。具体的には次のようなスキルです。
コミュニケーション力をつける
AIは多くの会話をパターン化し、簡単な反応を返すことは可能です。しかし本来、対人コミュニケーションというのは非常に複雑で、イレギュラーな反応に対し、その都度違う答え方があるものです。つまり、コミュニケーションに正解はありません。正解がないというのは機械が大変苦手とするところです。相手や場面に応じた対話力を伸ばせば、それは大きな力となるでしょう。
論理的思考力を身に着ける
AIは仕事の責任を負うことができません。それは人間の仕事です。つまり、責任者のポジションはAIが普及してもなくなりません。責任者や管理職が今後、AIがこなす仕事の責任も担うことになっていくでしょう。このポジションに就くには、クリティカルシンキングや論理的思考力といったスキルを身に着けることが重要です。リスク対策にはこれらのスキルが必須だからです。
取っておくと有利な資格
AIが苦手な仕事の分野があることは前項で解説しました。つまり言い換えると、AI時代の到来を意識して勉強しておいた方がいい分野や取っておくとよい資格があるということです。次の項目で解説します。
医療・保育分野
医療や保育などの分野は、高い専門知識と対人コミュニケーションが必須であるため、AIへの代替ができる仕事ではないことを前項で説明しました。これらの分野の資格を取るためには専門の大学などに入らなければなりませんが、中には社会人になってから医療分野の専門学校に入りなおす例もあります。それだけ就業ニーズが安定した分野です。
IT分野
AIに代替されない仕事をするためには、AIを作る・支える側にまわることもひとつの手です。データサイエンティストやデータアナリストになるための資格は難易度が高いといわれていますが、今から勉強をはじめておいて損はないでしょう。
AI時代を見据えた企業をみつける
現代の就職状況に不安があるという人は、10年後どうやって生き残るかを考えている企業の求人を探してみるのもひとつの手です。現代のような不安定な時代では、いち早く時代の変化にアンテナをたて、先を見据えて考え行動できる人や集団が強いといえます。今後生き残るにはそのような企業に就職するのは有効です。
自身の考え方や行動を少しずつ変えてみる
これまで挙げたことをすぐ実行するのは難しいという人もいるでしょう。そのようなときは、AIに対して考えを巡らせてみたり、AIのことをまずは少し調べてみたりして、スモールステップでAIが活躍する将来に向き合ってみましょう。小さなことでも積み重ねれば将来大きな変化が訪れたることもあります。それにはまず第一歩を踏み出すことが肝心です。
不安定な時代である今、できること
AIによって仕事の在り方が変わるだけでなく、他の要因で変化することもあります。近年ではコロナ禍によって社会に大きな影響がありました。テレワークを実施する企業が増えたり、観光や飲食など一部の業界で売上が大幅に減ったりしたことは記憶に新しいでしょう。この不安定な時代は10年後どころか、5年後の見通しを立てるのも容易ではありません。だからこそ時代の変化やトレンドにアンテナを立て、自分の人生の見通しをこまめに見直し、これらを照らし合わせて自分の生きる道を考えていくことが肝要です。
まとめ
10年後、49%の仕事がAIに代替される可能性があるという研究結果があります。今後もなくならない仕事の特徴はAIは苦手だけど、人間は得意な仕事です。具体的な職種を挙げると、医療分野や教育・保育分野、クリエイティブ関係、コンサルティング職、ITエンジニアなどです。コミュニケーション力やクリエイティブ力を求められる仕事、AIを作る職業がこれにあたります。今後生き残るためには、コミュニケーション力や論理的思考力といったスキルを伸ばしたり、今後なくならない仕事で挙げた職種の資格取得を目指したりするといいでしょう。現代は不安定な時代なので、時代のトレンドを鋭くキャッチし、今後も生き残れるよううまく戦略を立てましょう。














