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Webマーケターとは?仕事内容/スキル・資格/未経験から目指すには?

date2025年07月16日
Webマーケターとは?仕事内容/スキル・資格/未経験から目指すには?
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はじめに

  • Webマーケターとは、Webでマーケティングを行う専門家のこと
  • Webマーケターには未経験からでもなれる
  • 将来性があり、年収も高い傾向にある
  • WebマーケティングではPDCAサイクルを回すことが大切

そもそもWebマーケティングとは?

Webマーケティングとは、インターネットを介して行うマーケティングのことです。
従来、マーケティングとは「企業が新しい市場を創り出すための活動(売れるための仕組みづくり)」を指していました。

一方、2024年に日本マーケティング協会が刷新したマーケティングの定義では、企業の持続可能性・社会貢献の重要性および、顧客・ステークホルダー・社会との共創の必要性を説いています。
従って、次世代マーケターには、CSRやSDGsの知識・顧客や社会と共に価値を創造していくスキルなどが必要です。

Webマーケターとは?

Webマーケターとは、インターネットを介してマーケティングの活動を行う人々・職種のことです。Webマーケターの役割は、商品やサービスの認知拡大および、販売促進です。

基本的に、Webマーケターの業務は多岐にわたります。
一般的に、日々の業務では、下記の表にまとめたようなPDCAサイクルを回していきます。

WebマーケターのPDCAサイクル
Plan(企画)
Webマーケティングの戦略を立てる
例:
・市場分析
・競合分析
・ターゲット
・ペルソナの策定
・Webマーケティング戦略策定
・Webコンテンツ設計
・企画
Do(実行)
計画に基づき施策を実行する
例:
・Web広告の出稿
・SNS・自社サイトなどへ投稿・宣伝
・メールマガジンの配信
Check(評価)
実行した結果を振り返り評価する
例:
・効果測定の実施
・アクセス解析の実施
Action(改善)
評価結果を踏まえて改善策を考える
例:
・コンテンツの修正
・改善案の実施

Webマーケターは将来性が高い職種?

総務省が発表している「情報通信白書」によると、今後もインターネットの利用者は増え続ける見通しです。
そのため、SNSやWeb広告などからの集客に力を入れる企業は年々増加しており、施策ができるWebマーケターの需要は高いといえます。

参考:総務省|令和6年版 情報通信白書

Webマーケターの年収はどれくらい?

厚生労働省は、Webマーケターを「企画・調査事務員」に分類したうえで、労働時間や賃金の統計データを算出しています。

それによると、企画・調査事務員の全国の平均年収は、690.7万円でした。こちらのデータは、令和6年賃金構造基本統計調査の結果を厚生労働省が加工して算出したものです。
なお、厚生労働省は、Webマーケターの給与水準が比較的高いとしたうえで、残業時間の多さにも言及しています。

job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET))|Webマーケティング(ネット広告・販売促進) – 職業詳細

Webディレクターとの違い

Webマーケターと混同しやすい職種に、Webディレクターがあります。
以下では、違いを簡単に説明します。

  • Webマーケター:インターネットで商品やサービスを売るためにマーケティング活動を行う人々・職種
  • Webディレクター:Webサイトを制作するうえで、全体をまとめる人々・職種

Webディレクターの役割は、企画から制作・運用までを指揮・管理することです。また、顧客・Webライター・画像制作者などとの連携能力やコミュニケーション能力も求められます。
業務内容やスキルの一部は共通していますが、WebディレクターはWebサイト制作における責任者であり、Webマーケターとは役割が異なります。

Webマーケターの仕事内容

以下では、Webマーケターの仕事内容をご紹介します。

リスティング広告の運用

リスティング広告とは、検索エンジンで検索したときのワードに合わせて表示される広告のことです。
リスティング広告の最終目的は、ユーザからの購入・問い合わせ・資料請求といった企業が求めるアクション(CV:コンバージョン)へとつなげることです。

従って、リスティング広告は検索エンジンで競合他社よりも上位表示させる必要があります。

SEOの改善

SEO(Search Engine Optimization)は、日本語で「検索エンジン最適化」のことです。検索エンジンで検索したときに自社サイトやリスティング広告を上位表示させるための施策です。

たとえば、自社が広告事業を展開している場合は「リスティング広告」「インターネット広告」などのワードで上位表示されるように施策します。

LPの最適化

LPとはランディングページの略称であり、Web広告や検索結果などから、ユーザが最初にアクセスするページのことです。
以下のようにLPには広義の定義と狭義の定義があります。

  • 広義の定義

    Webサイトへの入り口となるページ全般のこと

  • 狭義の定義

    資料請求、購入、問い合わせなど、CV(コンバージョン)へつなげることに特化したページのこと

WebマーケティングにおけるLPは、主に狭義の定義で用いられることが多いです。
そのため、一般的にはCVにつながるページの改善をLPの最適化といいます。

SNSの運用

SNSとは、Social Networking Service(ソーシャルネットワーキングサービス)の略称です。代表的なSNSには、X(旧:Twitter)・Instagram・Facebookなどがあります。

SNSは、自社のターゲットに合わせて情報発信ができると、集客効果や認知度の向上につながります。
一方、不適切な投稿から炎上に発展することもありますので、日頃から炎上対策についても考えておかなければなりません。

Webマーケターの担当領域

事業会社と代理店ではWebマーケターの担当領域が異なります。
以下では、一般的なWebマーケターの仕事の流れや、両者の違いを解説します。

Webマーケターの一般的な仕事の流れ

一般的に、Webマーケターの仕事の流れは、1.調査・分析2.設計・企画3.施策・制作に大別されます。
以下では、Webマーケターの仕事内容を簡単にまとめました。

  1. 調査・分析

    自社の強み・顧客が求めているもの・社会の動向・競合の強みなどをリサーチして、分析する

  2. 設計・企画

    見込み客をターゲットにしてペルソナ(自社商品やサービスの利用を想定して設定した架空の人物・顧客像)やキーワードの策定を行う

  3. 施策・制作

    設計・企画段階で決定した施策や、コンテンツの制作・運用などを行う工程。改善点があれば問題を洗い出して継続的に運用していく

事業会社に勤めているWebマーケターの場合

事業会社とは、営利目的で経済活動を行う企業(自社で商品やサービスを開発・提供している企業)のことです。

事業会社におけるWebマーケターは、「Webマーケターの仕事の流れ」の項目で紹介した、調査・分析から施策・制作まで幅広く担当することが多いです。商品やサービスのプロジェクトや業務に関わる人が他部署にいる場合は、スケジュールの調整・高いコミュニケーション能力などが求められます。

事業会社のWebマーケターは、自社プロジェクトのWebマーケティングで培ったノウハウが蓄積しやすく、PDCAを回しやすいのがメリットです。

代理店に勤めているWebマーケターの場合

代理店とは、クライアントの要望に応じてサービスや商品を開発・提供している企業のことです。代理店におけるWebマーケターの役割は、事業規模ごとに異なります。

なかには、業務の担当領域を細分化している企業も多く、専門性を高めやすいのが特徴です。

Webマーケターに必要なスキル

以下では、Webマーケターに必要なスキルをご紹介します。

データ分析力

従来のマーケティングと異なり、Webマーケティングでは、施策実行後にほとんどの結果が数値で表されます。そのため、Webマーケターには、さまざまなデータ分析力が求められます。

また、分析結果が著しくないときには、別の角度からアプローチできるスキルも必要です。
たとえば、CVにつながりにくい場合は、PV(閲覧数)や滞在時間などに問題があるかもしれません。他には、競合分析を行うことで、自社の弱みや改善点が見つかる場合もあります。

マーケティングの知識をITへ活用できるスキル

インターネットを介してマーケティングの活動を行うWebマーケターには、マーケティングの知識および、IT知識が必要です。また、マーケティングの知識をIT分野へ活用できるスキルも求められます。
たとえば、ソーシャルリスニングもその1つです。
ソーシャルリスニングとは、インターネットに投稿されている消費者の声を収集するマーケティングの手法のことです。従来のマーケティングでは、アンケート調査やインタビュー調査の結果を基にして消費者のニーズを分析していました。

しかし、昨今では消費者自らがインターネット(掲示板・SNS・ブログなど)へさまざまな意見や感想を書き込んでいます。
そのため、従来よりもリアルで幅広い消費者のニーズを分析できるようになりました。

加えて、ソーシャルリスニングは市場調査や消費者のニーズだけでなく、SNS投稿への反応を分析する際にも用いられます。従って、炎上対策や自社への評価を知る手段としても有効です。

論理的思考力(ロジカルシンキング)

論理的思考力(ロジカルシンキング)とは、物事を整理・分類しながら矛盾なく構築する思考法のことです。また、論理的思考力が高まると問題解決能力も高まり、不測の事態にも適応しやすくなります。

さまざまな角度からデータ分析を行うWebマーケターにも、論理的思考力が必要です。
たとえば、データから現在のコンテンツの状況や、今後の商品やサービスの売れ行きなどを分析・改善する際は、事実や根拠に基づいて施策や対処法を考えなければなりません。

論理的思考力は早急に身に付くものではありませんが、トレーニング次第で高めることは可能です。まずは、ロジックツリーやMECEなどのフレームワークから試してみることをオススメします。

コミュニケーション能力

コミュニケーション能力は、次世代Webマーケターに求められるスキルの一つです。
2024年に刷新されたマーケティングの定義でも、顧客やステークホルダー(利害関係者)との協働スキルが重視されています。協働するには、綿密なコミュニケーションを取れる能力が必要です。

コミュニケーション能力を高めるには、アサーションスキル・論理的思考力・非言語能力なども同時に高める必要があります。
アサーションとは、相手を尊重しつつ自分の意見を主張するコミュニケーション手法のことです。また、非言語とは表情や身振り手振りなど、言語以外で交わすコミュニケーションを指します。

学習能力

Webマーケターには、学習能力が必要です。
学習能力とは、新しい知識やスキルを習得してそれを活かす能力のことです。

たとえば、Webマーケターが求められる学習能力の1つに、新しい施策やツールへの順応性があります。
また、時代や社会情勢に応じて、顧客のニーズに対応できるよう、都度マーケティング戦略を変えていける知識やスキルが求められます。

Webマーケターに向いている人の特徴

以下では、Webマーケターに向いている人の特徴をご紹介します。

変化に強くて知識やスキルをアップデートできる人

Webマーケターは変化に強い人や好奇心が旺盛な人ほど向いています。

また、Webマーケターには学習能力が求められますので、知識やスキルをアップデートすることに抵抗がない方や流行に敏感な方にもオススメです。

忍耐強く分析が得意な人

忍耐強い方や分析が得意な方はWebマーケターに向いています。
先述したように、Webマーケティングでは、さまざまなデータ分析を行い、分析結果に適した施策を行います。

一方で、Webマーケティングの施策には正解がありません。施策が軌道に乗るまでは、何度も仮説を立てなおしたり検証を繰り返したりすることも珍しくありませんので、忍耐力は必要です。

多角的な視点に立って考察できる人

消費者・顧客のニーズに応えるには、多角的な視点から物事を分析できるスキルが重要です。
多角的な視点を持つことで視座が高まり、今までは気づかなかった問題点や解決策が見つかりやすくなります。

また、他者の意見や価値観を認められると、消費者や顧客との関係も円滑になりやすいです。多角的な視点を持つには、普段からあらゆることに興味を持ち、世間の動向や流行を把握しておきましょう。

SDGsやCSRへの知識や理解がある人

2024年に刷新されたマーケティングの定義では、持続可能性(SDGs)や社会貢献・企業の社会的責任(CSR)の重要性にも言及されています。そのため、今後はとくに、SDGsやCSRなどへの知識や理解が必要になってきます。

SDGsの目標は、国や企業(のなかの一人ひとり)が協力して、環境保護や貧困などを解決していくことです。対して、CSRとは、国際社会をより良いものにするために企業が担う社会責務のことです。また、企業がCSRに取り組むことでSDGsの目標達成につながると考えられています。

未経験からWebマーケターになるには?

以下では、未経験者がWebマーケターを目指す方法について解説します。

資格取得を目指す

Webマーケターを目指すうえで、必須の資格はとくにありません。
しかし、未経験からWebマーケターを目指す方や知識・スキルを向上させたい方には資格取得をオススメします。
以下では、Webマーケターに役立つ資格を表にまとめましたので、ご参考になさってください。

資格名対象者
Webアナリスト検定Web解析の基本を身に付けたい方
Internet Marketing Analyst(IMA)検定Webマーケティングの基礎を学びたい方
ウェブ解析士認定Web解析のスキルを身に付けたい方
マーケティング・ビジネス実務検定マーケティングにおける幅広い知識と理論を身に付けたい方
ネットマーケティング検定Webマーケティングの基本を体系的に習得したい方
Web検定 Webリテラシー(Webアソシエイト)Web全般業務におけるリテラシーを身に付けたい方
統計検定データを客観的に判断できる能力を身に付けたい方
ITパスポート試験ITに関する基礎知識を身に付けたい方
Googleアナリティクス認定資格Googleアナリティクスの習熟度を客観的に判断してもらいたい方
Google広告の認定資格(検索広告・ディスプレイ広告など)Google 広告に関する基礎や上級知識があることを客観的に判断してもらいたい方
ネットショップ実務士(ネットショップ検定)ネットショップの全体像を把握したい方
ビジネス著作権検定著作権の知識を身に付けてWebマーケティングで活用したい方

自分でブログやSNSを運用する

個人でもブログやSNSを運用しているうちに、Webマーケティングのスキルを身に付けることが可能です。

たとえば、アクセス解析やPV数などを把握することで、ユーザのニーズに沿ったコンテンツがどういったものかイメージしやすくなります。

Webマーケティングスクールを活用する

Webマーケティングスクールへ通って、知識やスキルを習得する方法があります。Webマーケティングスクールの利点は、独学で勉強するのが不安な方や、Webマーケターへの転職を希望している未経験者でも安心して利用できることです。

また、講師全員が現役のWebマーケターのスクールもありますので、実践的なWebマーケティング戦略や実務を身に着けたい方にはオススメです。

就業中の会社でWebマーケター部門への異動願いを出す

Webマーケティング部門がある企業に就業している方は、そちらの部門へ異動申請するのも一つの手段です。Webマーケティング分野への異動が難しい方は、営業職や広報職への異動も視野に入れてみましょう。

営業職や広報職においても、ターゲットの選定やアプローチ方法などはWebマーケティングと共通している部分があります。

副業でWebマーケターの経験を積む

現職を続けながら、副業でWebマーケターとしての経験を積むという方法もあります。
以下では、未経験者におすすめのものを4つご紹介します。

  1. SEOマーケティング
  2. SNSマーケティング
  3. 広告運用代行(クライアントの代わりにWeb広告を運用すること)
  4. ブログ運営

Webマーケターのキャリアアップ方法は?

以下では、Webマーケターのキャリアアップ方法の一例をご紹介します。

代理店から事業会社への転職を検討する

Webマーケターのなかには、代理店から事業会社へ転職する方もいます。

とくに、自身のスキルの向上やキャリアアップを目指している方にはオススメです。
一般的に、事業会社では代理店よりも業務量は増える傾向にありますが、今まで見えなかった企業の課題に気づくことができます。

起業することやフリーランスになることを検討する

Webマーケターのスキルを身につけたあとに、起業したりフリーランスになったりする方もいます。
働き方や裁量が自分で選べるのはメリットですが、リスク管理も必要です。

一方で、Webマーケティング業界は、年々人材不足が問題視されています。スキルや実力に自信があれば、独立後も需要があります。

まとめ

Webマーケターとは、Webでマーケティングを行う専門家のことです。業務範囲は、データ解析・SEOの改善・リスティング広告の運用など多岐にわたります。

未経験者でもWebマーケターにはなれますが、事前に基本的な知識やスキルを身に付けておくことが大切です。
また、事業会社と代理店では業務の担当領域に大きな差が出る場合もあるため、どちらが自分に合っているかよく考えましょう。

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