画像生成AI「SeaArt」とは?~使い方の基礎と危険性、商用利用


はじめに
- SeaArtとは多様な機能やモデルが利用できる画像生成AIのこと
- SeaArtの利用にはアカウントの登録が必要
- 商用利用は認められているが他者の著作権を侵害しないように注意する
- センシティブなコンテンツを生成するリスクがある
画像生成AIとは
画像生成AIとは、入力したテキストや指示から写真やイラストを生成する人工知能のことです。
従来のデザイン作成においては、専門知識を身に付けたりデザインソフトを導入したりする必要がありました。しかし、昨今では画像生成AIの登場で、誰でも簡単に高品質な画像を生成できるようになりました。
この記事では、SeaArtという画像生成AIについて解説します。
SeaArtとは
SeaArt(シーアート)は、シンガポールのSTAR CLUSTER PTE. LTD.が運営する画像生成AIです。
SeaArt はStable Diffusion(ステイブル・ディフュージョン)をベースに作られました。
Stable Diffusionは、従来の画像生成AIよりも高速で高品質な画像生成を得意としています。従って、SeaArtもそういった特徴や機能を受け継いでいます。
SeaArtの料金
SeaArt は無料でも利用できます。
ただし、利用には「スタミナ」が必要です。スタミナとは画像を生成するのに必要な数値であり、無料ユーザであっても一定数のスタミナは毎日付与されます。
有料版の場合は、課金額に応じて付与されるスタミナの量が異なります。
また、課金できるアイテムにはスタミナの他に「コイン」があります。コインには利用期限がありません。
コインとはスタミナがなくなったときに利用できるアイテムであり、スタミナが不足している場合に利用できます。
以下では「2025年9月現在のスタミナの料金・概要」「2025年9月現在のコインの料金」をそれぞれご紹介します。
2025年9月現在のスタミナの料金・概要
| 料金プラン | 月額 | 年額 | 獲得スタミナ数/日 | 最大画像作成数/月 | 保存期間 |
|---|---|---|---|---|---|
| 無料 | ¥0 | ¥0 | 130 | 4,500枚 | すべてのユーザの作品が永久保存可能 |
| 初級 | ¥430 | ¥340 | 300 | 9,000枚 | |
| スタンダード | ¥1,440 | ¥1,000 | 700 | 21,000枚 | |
| プロ | ¥4,300 | ¥3,010 | 2,100 | 63,000枚 | |
| マスター | ¥7,200 | ¥5,040 | 3,500 | 105,000枚 |
2025年9月現在のコインの料金
| コインの種類 | 料金 | 元のコイン | 増量分 (元のコインの増量比) |
|---|---|---|---|
| 700コイン | ¥140 | 600 | 100(+17%) |
| 3800コイン | ¥720 | 3000 | 800(+27%) |
| 8200コイン | ¥1,440 | 6000 | 2200(+37%) |
| 17600コイン | ¥2,860 | 12000 | 5600(+47%) |
| 45000コイン | ¥7,200 | 30000 | 15000(+50%) |
| 93000コイン | ¥14,400 | 60000 | 33000(+55%) |
SeaArtのモデル
SeaArtではフォトテイストやアニメテイストの画像を生成できます。生成される画像の画風に合わせてモデルを選択しましょう。
以下ではSeaArtの具体的なモデルについて解説します。
生成される画風はモデルごとに異なる
以下では、リアルな画像の生成を得意とするモデルと、アニメのようなイラスト画像の生成を得意とするモデルの一例をそれぞれご紹介します。
- LOFI
- MUSE_v1
- ChilloutMix
- Beautiful Realistic Asians
- Uber Realistic Porn Merge (URPM)
- GhostMix
- MeinaMix
- Cetus-Mix
- majicMIX lux
- AnyLoRA – Checkpoint
なお、モデル選択画面は下記の画像を参照してください。

※クリックで画像を拡大できます
SeaArtの使い方
以下では、SeaArtの使い方・アカウントの作成方法・画像の作成方法などについて解説します。
アカウント作成・登録
SeaArtを利用するには、アカウントの登録が必要です。SeaArtのホーム画面右上の「新規登録」ボタンを押すと登録方法が選べます。
新規登録の際は、以下の5つから選択しましょう。
- Googleアカウントを利用して登録する
- Discordアカウントを利用して登録する
- Facebookアカウントを利用して登録する
- 携帯電話の番号を利用して登録する
- メールアドレスを利用して登録する
新規登録・ログイン画面は以下のようになっています。


プロンプトを入力して生成画像を保存する
モデル選択後は、テキストボックスへプロンプトを入力しましょう。プロンプトとは、AIやシステムに対するユーザからの指示や質問のことです。プロンプトは生成画像の品質に影響します。
画像生成時は以下の2点に注意しましょう。
- 生成したい画像の特徴・雰囲気などのイメージを明確にする
- プロンプトは簡潔・具体的に記入する
プロンプトの入力後は生成ボタンをクリックしましょう。しばらくすると画像が生成されます。
画像を保存する場合は、画像を右クリックして「名前を付けて画像を保存」を選択しましょう。
画像を編集する場合
SeaArtで生成した画像は、さらに編集することが可能です。
具体的に以下のような編集方法があります。
- プロンプトを変更する
- 参考として既存の画像をアップロードする
- LoRAを追加する
また、生成された画像をクリックして個別に編集することもできます。
SeaArtの機能
SeaArtには多くの機能が搭載されています。
以下では、主な機能の一部について解説します。
創作アシスタント
「助手」ボタンを押すと創作アシスタントが起動します。
創作アシスタントでは、チャット形式でアイデアを入力すると簡単にAIが複数のプロンプトを掲示してくれます。
今回「夜中にくるみ割り人形と踊る少女。イラスト」と入力したところ80文字程のプロンプトを4つ掲示してくれました。


上記のプロンプトの1つ(赤枠)を編集して生成した画像は以下に写っている4つです(水彩風からアニメ風に変更しました)。


Img2Img
Img2Img(イメージtoイメージ)とは、元となる画像から新たに画像を生成する機能です。プロンプトを編集・加筆することで画像を部分的に変更・修正できます。また、見切れている部分を付け足すことも可能です。
SeaArtで生成した画像をImg2Imgに変換する場合の手順はまず、画像作成ページで編集したい元画像を選択します。そのあとに「バリエーション」ボタン、もしくは「遊んでみる」ボタンから設定できます。


それ以外の画像を編集したい場合は「参考画像」ボタンからImg2Imgを選択してアップロードしましょう。


コントロールネット
コントロールネットとは、掲示された画像を基に特定のポーズで人物を生成したり、似た構造の建築物を生成したり、元画像を特定の画風に変えたりできる機能です。
既存の画像をアップロードする場合、作成方法はImg2Imgと方法が同じです。
SeaArtで生成した画像を選択する場合は「バリエーション」ボタンをクリックして、一度Img2Imgに変換してから「参考画像」ボタンをクリックすると変換できます。また、2025年9月現在では、14種類から選択できます。
AI画像アレンジ
AI画像アレンジとは、画像内のモノやヒトなどを置き換える機能です。
たとえば、イラスト内の星を月に変えたり、人物がかけているメガネを外したりすることが簡単にできます。
AI画像アレンジは「参考画像」ボタンをクリックして変換できます。
ここでは、SeaArtで生成した以下の画像のうちの1つを置き換えました。


上記、右端の画像を使用


背景に三日月を付け足したもの


参考画像
参考画像とは、元となる画像を参考にして新たにキャラクターを作成してくれる機能です。
たとえば、生成したキャラクターや既存のキャラクターを少しアレンジしたい場合などに活用できます。
参考画像を利用する際は「参考画像」ボタンをクリックして変換しましょう。
LoRA
LoRA(ローラ:Low-Rank Adaptation)とは、既存の生成モデルに追加で画像を読み込ませて学習させる機能です。モデルに追加学習させることで、生成結果を微調整できます。
かつて、LoRAはStable Diffusionでしか使用できず、手順も複雑でした。
しかし、現在は専門知識のない人でも手軽にSeaArtでLoRAが利用できます。
LoRAの利用手順は以下の通りです。
1.「画像作成」ページの「追加」ボタンから選択する


2.使いたいLoRAを選ぶ(「使用する」ボタンをクリックする)
※ここでは、画像右下のLoRAを選択しました。


3.LoRAが追加された


アップスケール
アップスケール機能を利用すると、元画像が拡大できます。
SeaArtで生成した画像を選択する場合は、「超解像」ボタンをクリックします。
一方、それ以外の画像を拡大する場合は「AIツール」タブのアップスケールを選択して既存の画像をアップロードしましょう。
再描画
再描画とは、SeaArtで生成した画像をアレンジしてくれる機能です。選択箇所を指定してプロンプトを入力すると描画してくれます。利用する場合は、画像をクリックして「再描画」ボタンをクリックしましょう。
生成したい画像のサイズを選び、「塗る」ボタンで描画したい箇所を選択します。今回は、プロンプトに「空には無数のランタンが降っている」と入力しました。


以下は生成された画像です。


SeaArtの危険性・注意点
以下では、SeaArtの危険性や注意点について解説します。
商用利用の可否と著作権について知っておく
SeaArtの公式サイトによると、コンテンツの知的財産権は作成者に帰属するため、自身がSeaArtで作成した画像は商用利用が可能であると書かれています。
一方、他のユーザの作品を商用目的で利用する場合は、作成者から承諾を得るようにとの記載もあります。
これは、他者の著作権を侵害しないようにするためです。
画像生成AIで生成した画像が著作権を侵害しているかどうかは、類似性(2点以上の作品がどれだけ似ているか)と依拠性(既存の著作物をどれだけ参考にしたか)の2軸で判断されます。
また、SeaArtの公式サイトでは、商用利用に関するリスクや責任は負わないことを明言しています。従って、他者の作品を商用利用する際は、きちんと作成者に承諾を得てからにしましょう。
センシティブな画像を生成する危険性がある
センシティブな画像とは、一般的に露骨な性的描写や暴力描写などを指します。
職場や公共の場での閲覧が、躊躇われるコンテンツを想像するとわかりやすいかもしれません。
このようなセンシティブなコンテンツを、NSFW(Not Safe For Work)といいます。SeaArt側の対策では、NSFWコンテンツへぼかしが入るように設計されています。
また、画像生成時にNSFWを生成しないよう、ネガティブプロンプトを入力することも可能です。
ネガティブプロンプトとは、画像生成AIの使用時に生成してほしくない要素をあらかじめプロンプトとして入力することを指します。
まとめ
SeaArtには、豊富な機能が搭載されており、誰もが手軽にクオリティの高い画像を生成できます。
また、これまでは操作が難しく、一部の人しか使えなかったLoRAを手軽に扱える点もSeaArtの魅力です。
一方で、画像生成AIの利用時には著作権を侵害する危険性や、センシティブな画像を生成してしまうリスクがあります。
画像生成AIを安全に利用するうえでは、AIリテラシーを身に付けることが大切です。













