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【5分でわかる!】リソースとは?意味を簡単に解説

date2025年06月12日
【5分でわかる!】リソースとは?意味を簡単に解説
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はじめに

  • リソースとは資源・財源・供給源を指す
  • ビジネスにおいては、企業運営に欠かせない人材・モノ・資金・時間などの総称
  • リソースのうち、とくに重視されているのはヒューマンリソース
  • 外部リソースとは、社外から調達・活用できるリソースのことを指す
  • リソースを管理することでトラブル時にも慌てず対応できる

ビジネス用語の一つに「リソース」という言葉があります。若手社員が「リソース管理を行う」と言われてもピンとこないかもしれません。しかし、企業の経営に欠かせないリソースの存在を知り、自身がどのように行動すべきか考えることも重要です。
この記事ではリソースの意味や必要性について簡単にご紹介していきますので、お役立てください。

リソース(resource)とは?

リソースとは、資源・財源・供給源などを示す言葉です。ビジネスシーンにおいては、人材・モノ・資金・時間など、企業を運営していくのに欠かせない資源の総称として使われます。また、IT分野ではハードウェアとソフトウェアの総称やCPUの処理速度、メモリの容量などをリソースと呼びます。

ソース(source)との違い

リソースと混同して使われやすい用語に、ソース(source)があります。ソースとは、情報源・発信源・出典・起源などを示す言葉です。たとえば、企業が業務で使用する備品はリソースと呼ばれ、備品の仕入れ先をソースと呼びます。
プログラミング用語では、人が理解・編集しやすい形式のプログラムのことを「ソースコード」「ソースプログラム」と呼ぶことがあり、これらを省略してソースと呼ぶ場合があります。

アセット(asset)との違い

アセットとは、資産・財産・資源などの意味を持つ言葉で、一般的には経済的な価値や換金性が高い資産を指します。この場合の資産に該当するのは、銀行預金や有価証券、不動産などです。また、人材を資源ではなく資産と捉えて「ヒューマン・アセット」と呼ぶ企業も存在します。
リソースと似通っていますが、アセットは所有しているだけで価値のあるものを指し、リソースは生活や産業の材料となって初めて価値が出るものを指すため、価値の対象に違いがあります。

リソースの種類について

ビジネスにおけるリソースには、大きく分けて3つの種類があります。

  • ヒューマンリソース
  • 経営リソース
  • 外部リソース

それぞれの特徴をご紹介します。

ヒューマンリソース(人的資源)

ヒューマンリソースとは、従業員や役員などの企業運営に欠かせない人材のことであり、人的資源と呼ばれます。単なる労働力としてだけでなく、知識やスキル、経験や創造性などの総合的な価値を持つ人的資源のことを指します。ビジネスにおいて多く使用されるリソースとも言えるでしょう。
人的資源の管理は「ヒューマン・リソース・マネージメント」という考え方をもとに行われ、HRM(Human Resource Management)の略称で表されます。企業では主に人事部や管理職が管理業務を担います。

経営リソース(経営資源)

ヒューマンリソースから視野を広げた、企業が経営活動を行うために必要となるリソースを、経営リソース(経営資源)と呼びます。経営リソースはヒト・モノ・カネの有形財産と、情報・時間・知的財産の無形財産に分けられ、いずれも適切なタイミングでの活用が大切な資源です。

経営リソースの内訳
ヒト 従業員が持つ知識・経験・スキルなど、企業の活動を支える重要な要素の1つ。教育や研修、適切な評価・配置などの人事管理を通じて、個々の能力を最大限に引き出すことで、従業員のモチベーション維持につながり、組織全体のパフォーマンス向上にもつながる。HRMの一環として考える企業もある。有形財産
モノ建物・機械設備・原材料・在庫など、企業の事業活動や業務遂行に必要不可欠な要素のこと。利益につながる商品・サービスも含まれる。老朽化した設備の更新や変更、原材料の調達ルートの見直しといった、適切な管理とメンテナンスが求められる。業務効率の改善やコスト削減とも関係する。
カネ設備への投資や借入金、製造コスト・利益など、企業の事業運営に必要な資金のこと。従業員の賃金や人材育成・採用にかかるコストも含まれており、適切な資金調達や予算管理、投資・運用は、企業の健全な経営維持に不可欠。モノと併せて「財務リソース」とも呼ばれる。
情報企業が独自に所有する顧客データや情報・技術ノウハウなど、目には見えない無形財産全体を指す。企業情報(組織力・経営力・企業イメージ・信用など)が該当する。情報は金銭で購入できない場合が多く、一から収集・整理するには膨大な時間コストがかかる。複数の製品や分野で並行利用可能で、企業活動に重要な影響がある。無形財産
時間時間は、お金で買うことができない大切な無形資産で、企業の経営活動に関わるすべての時間的リソースを指す。業務の意思決定にかかる時間や、製品の開発・製作にかかる時間などが該当する。管理業務などにかかる時間も同様で、限られた時間を有効活用し、生産性を高めることが重要。
知的財産経営リソースの知的財産とは、企業独自の技術や著作権、特許・ブランドなど、企業の競争力において重要となる無形財産のこと。企業の組織力や顧客とのネットワーク、権利やノウハウも含む、企業の強みとなる幅広い資産の総称でもある。知的財産の保有は、競合他社との差別化を図ることができる、重要な要素。

コロナ禍でテレワークが増加した影響から、ジョブ型人材を求める企業が増えています。スキルや知識・経験を持つ人材を求める傾向もあり、ヒューマンリソースと経営リソースを別個に考え、しっかりと管理することが重要と言えるでしょう。

外部リソース(外部資源)

外部リソースとは、企業が外部から調達・活用できるリソースのことで、業務委託や派遣人材の活用がこれに該当します。自社内でリソースが不足している場合に、業務委託(アウトソーシング)や専門的な人材を外部から招くことで、必要な資源を調達(人材を確保)する方法です。外部リソースを適切に活用することで、業務効率化や従業員の負担の軽減につなげられます。

ビジネスにおけるリソースの使用方法

前述したように、リソースという言葉は複数の種類に分けられます。種類によって意味合いも変わるため、ビジネスにおけるリソースの使用例も複数存在します。

  • リソースの確保・不足
  • リソースを割く
  • リソースの偏り
  • リソースの管理

ここからは、上記4つの使用方法についてご紹介します。

リソースの確保・不足

業務遂行や企業運営に必要な資源を用意する際に「リソースの確保」といった表現が多く使われます。対して「リソースの不足」とは、必要な人員や資金、物資などが足りていない場合に使用される表現です。

使用例

・プロジェクトに必要なリソースの確保はできています。
・人的リソースが不足して生産性が落ちている。

リソースを割く

企業が目的達成のために所有しているリソースから、特定の目的や業務のために必要な資源を割り当てることを「リソースを割く」と表現します。

使用例

・急ぎの開発のため、担当チームにリソースを割くことが決まった。
・プロジェクト進捗のためには、各部署から人的リソースを割く必要があるだろう。

リソースの偏り

利用可能なリソースが均等に分配されず、特定の分野や場所、時間に集中している状態を「リソースの偏り」と表現します。業務の専門性が高すぎて他に担当できる人がいない、業務プロセスが個人に集中している、といった状況も当てはまります。
情報や資源などのリソースが一点に集中し、他の部署へのリソースが足りなくなる、といった問題が起こる可能性があるため、改善の必要があるでしょう。

使用例

・アプリ開発を進めたいが、リソースがシステム管理に偏っており、リソースが不足している。
・一部のメンバーにタスクが集中しており、他メンバーの作業が進まず、リソースの偏りが発生している。

リソースの管理

十分なリソースの確保や、リソース不足・偏りを防ぐために必要なことは、企業が持つリソース状況を的確に把握することです。企業全体のリソースと、使用中または使用する予定のリソースを把握し、必要なところへ的確に振り分けることを「リソースの管理」と表現します。

使用例

・リソース管理を徹底することで、リソースが必要な部署へ適切に振り分けられる。
・リソースの偏りや不足が頻発していたため、リソースの管理は部署ごとに行うことになった。

リソース管理の重要性

すべてのリソースには限りがあります。企業を経営していくためには、自社の取り組みや進捗状況を把握し、限られたリソースを有効活用・管理することが重要です。
管理を怠ってしまうと、リソースの不足や偏り、人材の配置ミスなどを引き起こす場合があります。自社のリソースの状態を常に把握し、現状の課題やこれから起きる可能性がある問題の予見・防止につなげましょう。

リソース管理で得られるメリット

近年では正社員だけでなく、パートや時短勤務など働き方も多様化しています。そのため、リソース管理は企業の上層部だけでなく、一社員にも関係があります。個々の価値観や適性を把握した上で業務を割り振り、足りない場合は調達・補充をするなど、部署やプロジェクト単位でのリソース管理が重要となるでしょう。また、各部署に適切な人数を配置したり従業員同士が互いのリソース状況を把握したりと、互いにサポートし合うことで適切なリソース管理につながり、想定外の作業やトラブルにも慌てず対応できるでしょう。

管理において、把握しておくといいポイントは以下の3点です。

把握しておくべきポイント
  • 自社(部署ごと)のリソースはどれくらいあるか
  • どのリソースをどれくらい何に使うか
  • 使用後のリソース残量はどれくらいか

従業員の配置ミスや部署のリソースの把握不足などがあると、人手や時間、予算などのリソースが不足し、業務が滞る要因になる可能性があります。自社のリソースを適切に管理することで、業務の効率化を図れるだけでなく、働きやすい職場環境づくりが可能になるでしょう。
働きやすい職場は、従業員のモチベーション維持や健康維持にもつながり、定着率も高い傾向にあります。人材が流出しにくいため人手不足に悩む心配も少なく、企業全体の生産性が上がりやすいのも特徴です。

まとめ

ビジネスにおけるリソースとは、人やモノ、資金や時間など、企業を運営していくために欠かせない、さまざまな資源の総称です。企業全体の生産性を高めるためにも、重要な要素と言えます。リソースの管理は非常に重要であり、企業の上層部だけでなく、現場で働く社員にも十分関係があります。人事職や管理職を目指している方は、いずれ人材育成に関わる可能性が高いです。どのようにリソースを確保し、何を優先として振り分けるかといった、リソース管理の重要性を確認しておくといいでしょう。

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