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【新卒向け】陥りがちなコンプライアンス違反の事例と注意点

date2023年07月06日
【新卒向け】陥りがちなコンプライアンス違反の事例と注意点
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はじめに

新卒の皆さんも、一度はテレビやネットのニュースで「コンプライアンス」という言葉を耳にしたことがあるのではないでしょうか。違反した場合「大変なことになる」といったイメージを持っている方も多いかと思われます。
この記事では、コンプライアンス違反に陥りやすい事例を、注意点や社会的なマナーなどと併せてご紹介していきます。注意や意識的な心掛けの一助になれば幸いです。

コンプライアンス違反とは?

コンプライアンス(Compliance)は日本語では「従順」を意味する言葉ですが、企業では「法令遵守」の意味合いで使用されています。このことから、コンプライアンス違反とは「法令違反」または「社会的倫理観や規範への違反」といった意味だと言えるでしょう。
コンプライアンス違反の事例は労働問題や衛生管理問題をはじめ、会計の不正処理や商品の不適切表示、公的書類や重要データの改ざん、個人や取引先などの情報漏えいなど多岐にわたっています。上記に挙げた事例の原因には、組織ぐるみのものと、個人の意識の低さによるものがあります。違反した結果、企業や個人の信用を失う場合や、多額の損害賠償といった社会的・金銭的なリスクがあるため、個人で意識していくことが大切です。

新卒が陥りがちな事例

新卒入社した人の中には、何がコンプライアンス違反となるのか、よくわからないまま仕事に励んでいるかもしれません。家族・友人との会話やSNS利用など、何気なく過ごす日常の中で、ふとした拍子にコンプライアンス違反にあたることがあります。もし違反してしまった場合は、自分だけでなく家族や友人、勤め先を巻き込む事態となる恐れがあることを知っておきましょう。
ここからは、新卒が陥りがちな事例を6つ、紹介していきます。

帰省時の会話で情報漏えい

帰省などで久しぶりに会う家族や気が置けない友人との会話は、楽しかったりリラックスできたりと、誰しも多少は気が緩むものです。その時に、本来は社外秘である情報をうっかり話してしまう、といった事例があります。話してしまった情報によっては、インサイダー取引(上場企業の社員や役員が、職務や地位により得た未公表の会社情報を利用して、自社株等を売買して自己の利益を図ろうとすること)として逮捕されることもあります。会話を楽しむのはいいですが、社外秘の情報を話してしまわないよう、気をつけることが重要です。
また、エレベーターや電車など不特定多数が利用する空間、LINEやメールなどの連絡ツールでも、社外秘情報を話すことは避けるよう心掛けましょう。

SNSの不適切な利用

個人だけでなくさまざまな企業・法人、団体など、多くの人が日常的にSNSを利用しています。そのため、何気なく投稿した内容が突然拡散され広まってしまう、といった事態が起こりやすくなっています。個人のアカウントであっても、いつ誰が見ているかわからないことを意識し、中傷するような発言や、差別的な発言などを行わないよう注意しましょう。また、何気ない写真を載せようとして「仕事の資料が映り込んだ画像を投稿してしまった!」といった事例もあります。企業の機密情報漏えいにつながるような投稿を行わないよう、文章だけでなく画像・写真の内容にも注意が必要です。
一度ネットに書き込んだものは残り続けてしまいます。不用意な発言の結果、周囲を巻き込むほどの影響が出てしまうことを理解して、不適切な投稿を行わないよう注意しましょう。

勤め先に届け出のない副業

多くの企業では、就業規則の中で副業に関する取り決めがあります。契約時にも説明されるものではありますが、ご自身の勤め先が副業を禁止とする企業か、副業をOKとする企業かを把握しておくといいでしょう。そのうえで、どうしても副業が必要となった時は、黙って副業を始めたりせずに上司に相談することが重要です。禁止とされているのに副業を始める、OKであっても届け出を行わずに副業を始めた場合は、コンプライアンス違反にあたります。出勤停止や降格、減給など、相応の処分を受けることもあります。
就業規則は、書面やデータで配布されていることが多いです。もし配布されていなくても、従業員であればいつでも確認することが可能です。規則の内容は事前に確認しておきましょう。

飲酒運転や泥酔などの飲酒トラブル

飲酒運転は、コンプライアンス違反の前に、重大な法律違反です。逮捕される確率は高く、企業としても懲戒免職などの厳罰に処すことが多い事例です。勤め先企業のイメージを損なうことにもつながるため、たとえ就業時間外であっても「○○企業の一社員である」という意識を持ちましょう。軽はずみな行動が企業の評価、ひいては自身の社会的な評価につながるという自覚をもつことが何より重要です。
また、泥酔などの飲酒トラブルの場合も、企業のイメージを著しく損なう事例につながることがあります。もし泥酔して路上で寝てしまい社員証などのIDを盗まれた場合、個人および企業の内部情報など、さまざまな情報が漏えいする事態を引き起こしてしまいます。「自分は酒に強いから大丈夫」などと過信せず、飲酒トラブルを起こさないよう細心の注意を払いましょう。

社外秘データの持ち出し

企業における社外秘情報は、持ち出しが原則的に厳禁とされていることが多いです。例に挙げるなら、開発中の製品情報や顧客情報、社内情報などの秘匿性の高いものが該当します。これらの情報が漏えいすることで、金銭的ダメージだけでなく社会的信用を失うことにもつながるため、リスクが非常に大きくなります。どうしても持ち出しが必要な場合は、上長の許可を得ることが大前提です。その際は、通勤の電車・バスに置き忘れないよう、細心の注意を払って取り扱いましょう。アルコールは注意力を低下させやすいため、特例で持ち出す際には出先での飲酒を極力避けることが大切です。
最近はセキュリティ対策に力を入れている企業が増加しています。情報漏えいに関しては厳しい規約が設けられていることも多いため、規則にしっかりと目を通すことが重要です。疑問点はそのままにせず、先輩や上長に確認しておきましょう。

企業からの支給・貸与品の不正利用

テレワークや出向でパソコンなどの機器を社外で使用する内に、支給・貸与品であることを忘れてしまう、といった事例があります。業務に関係ないサイトの利用やアプリのインストール、家族に貸与パソコンを貸すといった使用方法は、支給・貸与品の不正利用にあたります。支給・貸与品は個人のものではなく、勤め先企業のものです。本来外に持ち出すべきでないものを持ち出す際には、細かな取り決めを書面で通知しています。セキュリティの面からクラウド利用を許可しない企業もありますので、取り決め内容をしっかりと確認して、不正利用をしないよう注意しましょう。

社会的なルールやマナーも重要

法律には触れなくとも、社会的なルール・マナーではアウトになる「不快になる行動・言動」といったものがあります。「こういった行動を取られたら不快に感じるか?」という想像を、自分目線や他人目線で想像する力が必要となるため『グレーゾーン』とも言われます。この観点から、コンプライアンス違反にあたるものを3つ、紹介します。

社内メールでもマナーは大切

社内メールの文面にも、手紙と同様にマナーがあります。社内メールは単なる会話ではなく、情報共有などを主としたコミュニケーションを行うものです。学生時代の感覚のまま、ストレートに感情表現してよいものではありません。一時の感情で送ったものだったとしても、完全に消去されない限り、メール内容はいつまでも残ります。
評価の際にマイナスの見方をされる場合もあるため、注意しましょう。
また、機密事項や個人情報などの内容をメールで送る際は、送信先のアドレスが間違っていないか、しっかりと確認することが重要です。送信先を間違えてしまった場合、誰だか知らない相手に社外秘の情報を漏えいしてしまったことになり、重大な事案となる可能性があります。社内メールを送る際は、メールの内容がマナーを守っているか、アドレスが間違っていないか、細心の注意を払いましょう。

危険を「見て見ぬふり」しない

業務中や通勤時に「このままだとコンプライアンスに違反するかもしれない」「あの服装での作業は危険では?」といった事象に出遭う場合があります。休みの日にSNSで見かけてしまう、といったこともあるでしょう。そういった事例に気付いた時は、見て見ぬふりせずに作業中の人に危険を直接伝えたり、自己判断が不安な時は先輩や上司に伝えたりすることが大切です。コミュニケーションが苦手だから、と人に無関心でいることは、社内のチームワークを乱す原因となりかねません。チームであれば、もし危険なことがあったとしても、互いに知らせ合うことで回避が可能です。
見て見ぬふりをしてコミュニケーションを断ち、危険を見過ごさないように意識しましょう。

社会人としての意識を持とう

卒業・就職した時点で、社会人の扱いを受けるようになると同時に、学生時代は常識だと思っていたこと、許されていたことが許されなくなります。学生時代に「遅刻が多くても、試験結果などが良くて卒業できた」という事例があったとします。社会人になっても同様に遅刻を繰り返すと、非常識だと認識され「この人は勤務態度が悪いな」といったマイナス評価につながりかねません。学生時代の遅刻などは「大目に見てもらっていた」ことを理解し、社会的なマナーやルールに合わせた行動を心掛けましょう。
さらに、働き始めたことで、学生時代は免除されていた納税義務なども発生します。社会人ともなれば、これまでとは環境も立場も大きく変わるため、何事にも当事者意識をもつことが重要と言えます。社会人として必要なルールやマナーを意識して身につけていきましょう。

「終わり良ければ全て良し」ではない!

コンプライアンスを遵守するためには、結果だけでなく過程も大切にする必要があります。最良の結果を追い求めるあまり、コンプライアンスに違反しては意味がありません。結果だけでなく、結果に至るまでの過程でも、コンプライアンスを守れていることが重要となるのです。どういったプロセスを踏んでから結果に行きつけば違反にあたらないか、といったことも含め、自身の作業におけるリスクを洗い出し、考えてみることも大切と言えるでしょう。

過程を大事にする例

  • 処理が必要な顧客の数が多く、仕事が終わらない

    ×顧客リストをUSBメモリに移して持ち帰り、営業の業務を行う
    ○上長に処理に時間が掛かる旨を報告・相談し、終わらない分を翌日に持ち越したいことを伝える

  • 在宅勤務中に貸与パソコンに不具合が起きて、業務が進まない

    ×自宅のパソコンに社外秘のデータをダウンロードして、業務を続行した
    ○上長やシステム部に不具合の状況を相談し、対応を仰ぐ

まとめ

何気ない会話やSNSの投稿で、コンプライアンス違反になる事例は多いものです。SNSは不特定多数が利用していることから、炎上騒動などに発展すれば悪いイメージだけが先行してしまうこともあります。また、企業内の取り決めに反した行動は、コンプライアンス違反だけでなく、重大な規約違反や法律違反につながる場合があります。就職したら社会人である自覚を持ち、コンプライアンスや社会的なマナーを意識して行動するよう心掛けましょう。

最後のチェックポイント

  • 違反となる主な原因は「組織ぐるみ」と「個人の意識の低さ」の2点
  • 不特定多数が利用する空間・ツールなどは、発言や発信の内容に気をつけよう
  • 黙って副業を始めずに、上司への相談と就業規則を確認しよう
  • 飲酒トラブルは、勤め先からの厳罰と法律違反による逮捕の可能性がある
  • 社外秘データの取り扱いは細心の注意を払って、違反リスクを減らそう!
  • 卒業・就職したら、社会人としての意識を持つことが重要!
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