【2026年最新】初任給の引き上げ企業一覧とその理由とは?


はじめに
- 物価高や人手不足を背景に、初任給を引き上げる企業が増えている
- 初任給の引き上げは大企業を中心に行われている
- 新入社員だけでなく在籍社員や役職者の待遇改善も重要
- 非正規従業員の給料についても賃金引き上げが実施されている
初任給引き上げの背景
近年、初任給を引き上げる企業が増えています。2026年もその動きは進み、多くの企業が初任給の大幅引き上げに踏み切りました。その背景には何があるのでしょうか。詳しく解説します。
物価高
世界情勢に伴う原油価格の高騰や猛暑・天候不順の影響により、食料品や光熱費などの生活に関係するあらゆる品目の価格が上昇しています。物価上昇が続くなか、実質的な生活負担を軽減するため、賃上げの必要性が高まっています。実質賃金を上げるためには物価高を上回るだけの給与の引き上げが必要です。
人手不足
日本では少子化に歯止めがかからず人手不足は深刻な問題となっています。採用競争が激化するなか、企業は初任給を引き上げることで優秀な人材を確保しようとしています。学生に自社を選んでもらうメリットのひとつとしてあげられるのが、初任給の高さです。
賃上げムードの高まり
相次ぐ最低賃金改定に伴い、賃上げムードは年々高まっています。
2026年春闘では大手企業の満額回答が続くなか、中小企業では物価高によるコスト増や売り上げ低迷などの理由から、なかなか賃金改善に踏み切れない企業も多いのが実情です。
30年続く不況からの脱却のために、国や企業が一丸となって賃上げに取り組む必要があると言えるでしょう。
初任給引き上げ最新事例(2026年最新版)
どのような企業で初任給の引き上げが行われているか、業界別に見ていきます。
商社
丸紅
丸紅は2026年4月に入社する大卒新入社員の初任給を、月30万5,000円から33万円に引き上げます。院卒は36万5,000円となります。引き上げ幅は2万5,000円です。同社が初任給を引き上げるのは2年ぶりのことです。
伊藤忠商事
伊藤忠商事の2026年度総合職初任給は、大卒が36万円(入社後3ヶ月間は試用期間のため34万円)、院卒は40万円(試用期間中は37万5,000円)となりました。
金融
住友生命
住友生命では2026年4月に入社する大卒新入社員の初任給を7万5000円引き上げ、33万5,000円となります。固定残業代含めた金額で、海外を含めた全国転勤のある総合キャリア職員が対象です。住友生命の初任給引き上げは3年連続となりました。今年度以降は中堅社員の待遇改善に方針を固めており、社員の役割や技能に応じた賃金の見直しを行うことで離職を防ぐ狙いがあります。
第一生命ホールディングス
第一生命ホールディングスは、国内従業員5万人を対象に平均約7%のベースアップを行う方針です。全国に転勤がある大卒総合職の初任給は、35万4,000円に引き上げとなりました。同社の賃上げは4年連続で実施されています。
りそな銀行
りそな銀行は、2026年4月入社の新卒社員より、10種類ある応募コースのうち、8つの専門コースの初任給を引き上げます。大卒初任給は25万5,000円から28万円となり、引き上げ幅は2万5,000円となります。専門コースでは、能力に応じてさらに高い初任給となる場合もあり、特に優れた人材の場合は30万円を超えるケースも出てくる可能性があるそうです。
みずほフィナンシャルグループ
みずほフィナンシャルグループは、2026年に入社する学部卒新入社員の初任給を28万円、修士了を30万円とし、それぞれ2万円ずつ引き上げました。博士了は8万円増の38万円とし、外資企業とも奪い合いとなる高い専門性を持ち相応の役割を担う人材の採用を強化する方針です。
建設・不動産
大成建設
大成建設は、2026年度全従業員を対象に基本給のベースアップと定期昇給を合わせて平均5.7%の賃上げを実施する方針です。同社の賃上げは5年連続となります。
オープンハウス
オープンハウスは2027年春から営業職の初任給を40万円(42時間相当分の固定残業手当97,200円を含む)に引き上げ予定です。現社員の営業職給与も同様に引き上げる見込みで、待遇改善を通じて意欲的な人材の獲得につなげています。
大東建託パートナーズ
大東建託パートナーズは、2026年4月より全社員を対象に定期昇給を含めて平均5.54%の賃上げを行います。同社の賃上げは3年連続です。
これにより2027年新入社員の初任給は大卒・大学院卒 25万2,000円(一律手当・勤続手当を含む)となりました。
宿泊・ホテル
ダイワロイネットホテルズ株式会社
大和ハウスグループが展開するダイワロイネットホテルズ株式会社では、全社員の給与水準改定を行い、大卒初任給も引き上げられました。2026年度入社の新入社員初任給は、全国社員が9万円増の31万円、地域限定社員が7万円増の27万8,500円と、大幅な引き上げ率となっています。
宿泊業界はインバウンド需要の高まりによって業績が拡大している一方で、長時間労働や人手不足といった課題も抱えており、給与・待遇改善が望まれています。
株式会社西武・プリンスホテルズワールドワイド
株式会社西武・プリンスホテルズワールドワイドでは、昨年新設した資格手当に加え、基本給の引き上げを行いました。
これにより2026年度の初任給は、高卒が23万2,000円、専門学校卒(1年制)が23万7,500円、短期大学卒・専門学校卒(2年制)が24万5,000円、大卒が27万3,000円となりました。引き上げ幅は2万3,000円~3万1,600円増です。さらに複数資格取得時に月額最大 5万円が付与されます。
情報・通信
KDDI
KDDIは新卒初任給の見直しを行い、卒業学位やスキル・経験に応じた設定を行いました。
2026年度入社新卒者のベース初任給は、大卒が31万3,000円~、修士了が33万3,000円~、博士了が37万3,000円です。長期インターンシップ優秀者や学会の経験・論文投稿者はさらなる加算が望めます。
KDDIでは定期昇給のほか、2020年にジョブ型人事制度を導入し、特別昇給と特別賞与の支給を実施しています。
LINEヤフー
LINEヤフーは、2027年度エンジニア(技術)職新卒採用者の初任給を43万4000円以上に引き上げると発表しました。技術職の初任給改定は、同社発足以来初めてです。従来比の1.3倍の引き上げとなり、650万円以上の年収が望めます。
小売り
ファーストリテイリング
ユニクロやGUなどのアパレルブランドを展開しているファーストリテイリングは、2026年3月以降に入社する新卒従業員の初任給を33万円から37万円に引き上げました。引き上げ幅は4万円で、年収では約10%増の約590万円になる見込みです。グローバル水準の高い目標に挑戦する新入社員を後押しする環境を強化するため、柳井正会長兼社長は更なる賃上げにも前向きな姿勢を示しています。
アシックス
アシックスは2026年の新卒初任給について、大卒は33万円、修士了は35万円に引き上げました。引き上げ幅は各3万円で、3年連続の大幅引き上げです。4年前の初任給と比較するとの増加幅は約5割増しになります。
ノジマ
ノジマは、2026年度の新入社員について、初任給を34万4,000円~最大40万円に引き上げました。「出る杭入社」という新卒枠を新たに設け、アルバイトとして1年以上の勤務経験がある学生を対象に、即戦力となる人材を迎え入れる狙いです。
そのほか、業績に応じたベースアップや、賞与支給回数を変更して月額給与に上乗せし月々の手取り額を増やす施策も行います。
食品
サントリー
サントリーは、2026年4月入社の大卒新入社員の初任給を30万1,000円に引き上げました。引き上げ幅は1万1,000円です。また同時に、組合員についても一律月1万1,000円の賃上げを行います。
味の素
味の素は、2026年春入社のグローバル型の新卒社員初任給について、1万6,000円の引き上げを実施しました。これにより、大卒は29万1,000円、修士了は30万3,000円、博士了は35万2,000円となります。
そのほか、管理職は1万6,000円、非正規雇用社員は4%以上の賃上げを行いました。
モスフードサービス
モスフードサービスは、2026年4月分から新卒社員の初任給を約25万円としました。前年に比べ8,000円増で、3年連続の引き上げです。また、同社の全社員の給与もベースアップを含めて約5%引き上げます。
株式会社ゼンショーホールディングス
すき家やゼッテリアなどの多彩な飲食店経営を行う株式会社ゼンショーホールディングスでは、正社員を対象とした給与改定と新卒初任給の引き上げを行います。
2026年入社の新入社員初任給は、大卒が32万2,000円となり、引き上げ幅は1万円です。
同社は継続的な賃上げに積極的な姿勢を見せており、2030年まで継続的なベースアップを労働組合と合意しています。
Umios(旧マルハニチロ)
2026年3月に社名変更したことも話題となったUmios(旧マルハニチロ)では、2026年春季労使交渉で、基本給一律引き上げのベースアップを月額1万4000円とし、労働組合と妥結しています。5年連続のベースアップとなり、一般職の平均給与基準で定期昇給を含めて約6%賃上げです。
初任給も同様に引き上げされ、大卒は28万8000円となりました。
インフラ系(電力・資源・運輸)
東京電力ホールディングス
東京電力ホールディングスは、2026年度の全社員年収水準を4.6%引き上げることを発表しました。
初任給は、高卒が21万2,900円、短大・専門学校卒が22万5,500円、高専(本科)卒が23万9,100円、大卒・高専(専攻科)卒が27万2,600円、修士了が29万8,800円、博士了が32万4,900円となります。引き上げ幅は9,800円〜1万5,000円です。
東北電力
東北電力は、2026年度の初任給を最大で1万8000円引き上げると発表しました。
引き上げ幅は学歴ごとに異なり、高卒は21万3,000円、短大卒は21万5,000円、高専卒は23万4,000円、大学卒は25万3,000円、修士了は27万6,000円、博士了は28万5,000円となります。初任給の引き上げはこれで3年連続です。
四国電力
四国電力は、2026年度の初任給を、1万3,000円~1万5,000円引き上げます。これにより、高卒は20万9,000円、高等専門学校卒は23万1,000円、大卒で総合職となる新入社員は25万5,000円、大学院卒は27万7,000円となります。そのほか、高校卒30歳・勤続12年の社員のベースアップを行い、賃金を1万3,000円引き上げました。
JR東日本
JR東日本では、ベースアップや昇給、制度改正による引き上げで、全体で平均4万円超の賃金引き上げを行います。
2026年4月から新入社員の初任給については2万円超の引き上げとなり、総合職の高専卒・短専卒等は30万7,000円、大卒は31万3,000円、博士了は32万3,000円、博士号は35万8,000円です。
そのほか、夏季手当を昨年度比から0.1ヶ月分増の2.9ヶ月とし、平均支給額が会社発足以来最高額となります。
名鉄バス
名鉄バスは4年連続のベースアップを行いました。2026年4月入社の新入社員初任給は、専門卒・短大卒が21万2,000円、大卒が22万6,000円となり、年齢や学歴・経歴によって変動します。
また、親会社で鉄道事業の名古屋鉄道も初任給の引き上げを行う見込みです。
バス業界は運転手不足による減便や廃線も増加しており、人員確保のための待遇改善が強く求められています。
メーカー
ソニーグループ
ソニーグループの2026年度初任給は大卒が33万3,000円、修士了が36万3,000円、博士了が38万3,000円となっています。
グループ全体で賃上げを行っており、特にソニーグループ傘下のゲーム事業であるソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)が初任給の大幅な引き上げを発表したこともニュースになりました。大卒が42万5千円、修士了が46万円、博士了が48万円と、5万5,000円~6万円アップしています。
日本ガイシ
日本ガイシは2026年度の春闘での賃上げ要求に6年連続の満額回答をし、平均賃上げ額は過去最高となる月2万6600円増となりました。
総合職の初任給は2万円引き上げとなり、初任給は高専卒が28万7,500円、大卒が30万5,000円、修士了が32万5,000円、博士了が35万2,200円です。
エンタメ
オリエンタルランド
東京ディズニーリゾートの運営で知られているオリエンタルランドは、2026年4月より大卒・大学院卒の初任給を一律2万円引き上げ、29万2,000円としました。基本給の引き上げは4年連続です。また、パート・アルバイトを含む準社員に対しても、基本時給一律70円の引き上げを行います。
コナミグループ株式会社
コナミグループ株式会社は2027年度の基本給月額5,000円増額を行い、大卒の初任給は31万円となりました。基本給のベースアップは5期連続です。基本給と賞与に加えてインセンティブの支給も行っており、人的資本投資を継続的に実施しています。
まとめ
近年続いてきた物価と賃金のアンバランスを埋めるように、初任給の引き上げが相次いでいます。日本経済復調のためにはこの傾向が続くことが望まれます。また、現状ではこの初任給の引き上げは大企業中心となっています。人材の偏りを防ぐために、中小企業にまでこの流れが波及することが必要です。









