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売り手市場は就活にどんな影響がある?ポイントを徹底解説

date2023年07月19日
売り手市場は就活にどんな影響がある?ポイントを徹底解説
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はじめに

就職活動にまつわる言葉のひとつに、「売り手市場」というものがあります。近年、リクルート関連のニュースなどで多く取り上げられ、「就活生に有利」とも言われていますが、そもそも何を意味し、就活にどう関わってくるのでしょうか。この記事では、売り手市場での就職活動で予想される就活生への影響や、気を付けたい点について解説します。

就活における売り手市場とは

就職活動において「売り手市場(しじょう)」とは、売り手=求職者・就活生よりも買い手=企業の求人数が多い状態のことです。求職者の数に対して多くの採用枠があるため、売り手側にとっては有利な状況といえます。

逆の意味をもつ言葉が「買い手市場」で、こちらは求職者の数に対して求人数が少ない状態を指します。買い手である企業は多くの就職希望者から人材を選択できますが、売り手にとっては採用枠が減り、就職が難しくなるような状況です。

有効求人倍率の見方

現在売り手市場か買い手市場かは、「有効求人倍率」を見ることで判断できます。有効求人倍率とは、求職者ひとりに対して何件の求人があるかを示した数値で、たとえば求職者100人に対して求人数が150件ある場合は1.5倍です。ひと月ごとに更新され、有効求人倍率が1.0以上であれば、その月は売り手市場になります。

なお有効求人倍率は、厚生労働省がハローワークにおける求人数・求職者数などの情報をまとめて算出しているものです。したがって、ハローワーク以外の求人サイトや新卒者の情報は反映されていません。有効求人倍率をデータとして読み解く際は、あくまで目安とするのがオススメです。

売り手市場はいつまで続くのか

少子高齢化などに伴う人手不足に加えて、コロナ禍を経た2023年7月現在は多くの業種で採用枠数が回復傾向にあり、売り手市場は今後も継続するものと見込まれます。労働者を取り巻く状況は景気や社会情勢により絶えず変動するため、普段から長期的かつ広い視野をもっておくと、就活の場面でも役立つでしょう。

売り手市場による影響

先述の通り、売り手市場は就活生に有利な状況とされますが、ここからは就活生にとって具体的にどのようなメリットがあるのか、例を3つ紹介しましょう。

企業選びの選択肢が多くなる

売り手市場では求職者の数より求人数のほうが多いため、就活生にとっては企業選びの選択肢が多くなり、内定獲得につながる可能性が高まります。さらに、今後の人手不足などに備えて、企業が例年より採用枠を増やすことや、これまで新卒採用をしていなかった企業が新たに新卒採用に踏み切ることも増えるかもしれません。

条件のよい求人が多くなる

年々減少傾向にある就活生の中から優秀な人材を確保するため、企業側は他社より少しでも高い給与、他社より手厚い福利厚生など、さまざまな好条件を提示してくる可能性があります。就活生から見て条件のよい、魅力的な求人が増える傾向にあることは、売り手市場におけるメリットのひとつといえるでしょう。

早期に内定獲得できる可能性がある

売り手市場では、企業側が他社よりも早く人材を確保するために、早期の段階で内定を出すケースが多くなることもあります。実際、政府推奨のスケジュールにおいて企業による採用選考が開始する6月の段階で、新卒内定率はすでに7割を超えているとされます。とはいえ、「内定が出やすくなっている」わけではないことに注意しましょう。

売り手市場なのに就職できない?

メリットの多い売り手市場だからといって、簡単に就職できるというわけではもちろんありません。売り手市場だからこそ就活の際に注意するべきポイントを2つ紹介します。

視野の広い企業選びが大事

有効求人倍率の統計をよく見ると、数値が1.0倍に届いていない産業があったり、企業の規模(従業員数)や地方によっても差があったりすることがわかります。すべての業種や企業が売り手市場というわけではなく、また応募者の数も企業によって偏ることがよく見られるのです。

たとえば、有名企業や大手企業にばかり応募したり、人気の高い業界を志望したりする場合は、おのずと採用難易度が上がります。「売り手市場」をうのみにせず、視野を広げて企業選びに取り組むことが重要です。

参考:厚生労働省|一般職業紹介状況(令和5年5月分)について

自分の軸を見失わないよう注意

「選択肢が多すぎて混乱してしまう」ことも、売り手市場ならではのデメリットのひとつといえます。具体的には、複数の企業から内定を得たあと、最終的に入社する1社をなかなか絞り切れないなどのケースがあります。

また、内定を承諾してから「自分の選択は正しかったのか」「もっとよい就職先があったのでは」と不安になる「内定ブルー」に陥ることも、売り手市場では多い傾向です。入社後のミスマッチを防ぐためにも、就活における「自分の軸」を見失わないようにしましょう。

まとめ

たとえ売り手市場であっても、真剣に就職活動に努めなければならないことは変わりません。「いずれどこかに受かるだろう」などと必要以上に安心せず、気を引き締めて準備することが大切です。

売り手市場だからこそ、自分が何をしたいか・何ができるかなどの自己分析と、綿密な企業研究の成果がより活きてきます。落ち着いて、やるべきことを一歩一歩確実に行っていきましょう。

最後のチェックポイント

  • 売り手市場とは売り手=求職者よりも買い手=企業の求人数が多いこと
  • 有効求人倍率を見ることで現在売り手市場か買い手市場かが判断できる
  • 売り手市場では企業選びの選択肢が増え好条件の求人や早期内定が多くなる
  • 企業によっては競争率が上がったり選択肢が多くて混乱したりすることも
  • 売り手市場だからこそ気を引き締めて自己分析や企業研究に取り組もう
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