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初任給はいつもらえる?支給が5月以降になると違法?

date2024年04月30日
初任給はいつもらえる?支給が5月以降になると違法?
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はじめに

就職してからはじめて支給される給料を初任給といいます。初任給の額や支払われる時期は企業によって異なりますので、同じ新卒といえども給料日までの生活方法が変わってくるかもしれません。
この記事では新卒向けに初任給が支払われるタイミングや、収入が安定するまでに気を付けることなどを紹介していきます。

初任給が支払われるのはいつから?

入社後は速やかに給与事項に関するルールを把握しておきましょう。以下から詳しくご説明します。

就業規則や雇用契約書を確認する

同じ企業の社員でも給与額や支給法は雇用形態によって異なります。たとえば、月給制の方は欠勤の有無に関係なく1ヶ月の給料に変動はありませんが、日給制の方は1日の賃金が決められており、締め日までの実労働日数分しか給料は支給されません。
また、入社日が同じでも締め日や給料日は企業ごとに定められていますので、就業規則の「給与規程(賃金規程)」を確認しておくことが大切です。就業規則がない場合は採用条件通知書および雇用契約書を確認しましょう。

初任給が支払われるタイミング

就業規則を読んでも、いつからいつまでの期間の給料がいつ支給されるかよくわからない方も多いでしょう。以下、入社日を4月1日と仮定してさまざまなパターンをご紹介します。

給料日が4月のケース

給与ルール例その1:月末締め当月25日払い
4月1日から4月30日分の給料が4月25日に支給されます。実労働日数分に加えて4月25日から30日までの給料が前払いされる仕組みです。残業代は予測がつかないため翌月の給与に合算されて支給されます。

給与ルール例その2:15日締め当月25日払い
前月3月16日から4月15日分の給料が4月25日に支給されます。また、このケースは残業代込みで支給されるケースが多いです。入社日が4月1日でしたので給料は日割り計算されて少なくなります。月給制でも初任給を日割り計算する企業が多いので就業規則を確認しておきましょう。

給料日が4月のケースの説明図

給料日が5月以降のケース

給与ルール例その1:月末締め翌月10日払い
4月1日から4月30日分の給料が、翌月の5月10日に残業代込みで満額支給されます。

給与ルール例その2:月末締め翌々月5日払い
4月1日から4月30日分の給料が、翌々月の6月5日に残業代込みで満額支給されます。
給料日が翌月の後半以降になるケースは初任給を2ヶ月近く待たなくてはなりませんので、その間金銭を計画的に管理することが大切です。

給料日が5月以降のケースの説明図

初任給が5月以降に支給されるケースは違法?

労働基準法「賃金支払の五原則」では、1:「通貨で」、2:「直接労働者に」、:「給与の全額を」、4:「毎月1回以上」、5:「一定の期日を定めたうえで支払わなければならない」と規定されています。そのため、初任給が5月以降に支給されるケースを違法と捉える方もいるかもしれません。
しかし、4:「毎月1回以上(毎月払いの原則)」は支払い期限に関するルールではないので不当に長い期間支払いが滞らなければ問題ないとされています。

額面と手取りの違い

額面と手取り額の違いや、覚えておくと便利な手取り額の計算方法を以下から詳しくご説明します。

額面から手取りはいくら引かれる?

勤め先から支給される給料の全額を額面といい、額面のうち保険料や税金などを差し引いた上で実際に手元に入ってくるお金のことを手取り金額といいます。手取り金額は以下の式で表されるので、事前に初任給がどれくらい支給されるか知りたい方はご参考ください。

  • 手取り金額=額面給与(基本給+残業代+その他の手当)-控除(各種保険料・税金)

健康保険料と厚生年金保険料は翌月の給与から控除する企業が多いので、初任給が満額で支給された場合は2ヶ月目以降の手取り金額が少なくなります。

試用期間中に気を付けること

試用期間中は正規雇用と取り決めが異なる場合もあります。以下から注意点をご紹介しますのでご確認ください。

企業間との取り決めを確認する

正規雇用になるまでは生活費に困るケースもあります。たとえば、「最低賃金の減額の特例」制度を利用している企業では試用期間中の賃金が最低賃金以下の場合もありますので、収入が大幅に少ないこともあり得ます。
家族に援助をお願いしたり学生時代の貯金を崩したりする必要も出てくるかもしれませんので、試用期間中の給与額や支払い方法などの労働条件は事前に企業へ確認しておきましょう

一人暮らしはどれくらいお金がかかる?

一人暮らしをされる方の中には家賃や生活費を自分で支払うケースも多いでしょう。しかし、1ヶ月の支出内容を具体的にイメージできない方もいると思われますので、以下に家賃・生活費の相場と節約方法のヒントをまとめました。

手取り額が16万円の家賃・生活費の相場

新卒で一人暮らしを希望されている方の中には、「手取り額が少ないから実家から出るのは難しい」と感じている人もいるかもしれません。 厚生労働省の「賃金構造基本統計調査結果」によると、令和元年の大卒新卒者の初任給は平均210.2千円(約21万円)でした。給料の手取り額は額面のおよそ75~85%ともいわれていますので額面が21万円の場合、手取り額は約16万円~18万円と推定されます。
では、収入が16万円の方が一人暮らしをした場合、1ヶ月にかかる費用はどれくらいでしょうか? 以下、都心・地方別にシミュレーションしてみましたのでご参考ください。なお、家賃は手取り額の3分の1以内が理想といわれています。

都内地方
家賃55,00045,000
食費35,00035,000
電気ガス水道代8,0008,000
日用品代9,0009,000
被服費10,00010,000
医療費3,0003,000
交際費10,00010,000
通信費9,0009,000
雑費10,00010,000
合計149,000139,000
残額11,00021,000

参考:厚生労働省|1 学歴別にみた初任給

収入が安定するまでは節約しよう

実際に、水や電気をこまめに止めたり自炊をしたりして生活費を浮かしている方は多いでしょう。最近では、スマートフォンのキャリアを格安SIMに変更して通信費を節約する方も増えてきました。
また、還元されたポイントを生活費の一部に充てることも可能ですので、生活費をクレジット払いするのもオススメです。生活費をすべてクレジット払いにした場合は利用明細も一元化されるうえに、面倒な計算もすることなく支出管理を把握できるというメリットがあります。

まとめ

一般財団法人労務行政研究所が2023年度の新卒者を対象に行った「新入社員の初任給調査」では、東証プライム上場企業 157 社のうち全学歴の初任給を引き上げた企業は、70.7%にもなりました。結果、初任給の平均額の上昇にもつながりましたので給料日を楽しみにしている新卒の方も多いでしょう。
とはいえ、初任給の額だけでなくいつから支給されるか把握することも大切です。また、正しい金銭感覚を身につけるためにも節約術やお金の管理方法を考えてみてはいかがでしょうか。

参考:一般財団法人 労務行政研究所|2023年度 新入社員の初任給調査

最後のチェックポイント

  • 就職してからはじめて支給される給料を初任給と呼ぶ
  • 試用期間中と正規雇用は労働条件が異なる場合もあるので契約内容を確認する
  • 入社日が同じでも企業のルールや雇用形態ごとに初任給の支払日は異なる
  • 初任給が5月以降に支給されても一概に違法とは言いきれない
  • 手取り金額とは額面から保険料や税金などを引いた残りの金額のこと
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