【初任給・手取り】 大卒・高卒の違いや平均を解説


はじめに
- 大卒の初任給平均額は262,300円(通勤手当含む、令和7年)である
- 学歴や働く地域、業種・職種、企業規模などで初任給の金額は変わる
- 給与は基本給と諸手当の合計が支給される
- 税金と社会保険料が引かれるので、額面と手取り額には差がある
- ボーナスの金額は基本給を基準に算出される
新卒の初任給はどのくらいの金額なのでしょうか。本記事では初任給について、基本給や諸手当といった給与の内訳から、額面給与と手取り額の違いなどの疑問にお答えします。求人の条件面を検討中の就活生へのアドバイスもありますので、ぜひお役立てください。
新卒の給料、初任給平均はどれくらい?
厚生労働省における令和7年賃金構造基本統計調査によると、大卒の初任給平均額(通勤手当を含む)は262,300円です。学歴ごとの初任給平均額は以下の通りです。
| 大学院卒 | 大卒 | 高専・短大卒 | 専門学校卒 | 高卒 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 男性 | 301,200円 | 264,900円 | 241,400円 | 227,800円 | 210,100円 |
| 女性 | 292,900円 | 259,700円 | 230,000円 | 232,400円 | 202,900円 |
| 男女計 | 299,000円 | 262,300円 | 235,500円 | 230,700円 | 207,300円 |
参考:厚生労働省|令和7年賃金構造基本統計調査 結果の概況
基本給と諸手当について
給与は「基本給」と「諸手当」の合計が支給されます。「基本給」は、毎月固定的に支払われる給与の基本部分です。企業によっては、残業代やボーナス、退職金などの算定基礎として用いられることがあります。また「手当」は、諸費用として基本給とともに支給される賃金のことです。
代表的な手当は以下の通りです。
- 時間外手当(時間外労働割増手当)
一般的にいう「残業代」のことです。労働基準法で定められている法定労働時間(原則一日8時間・週に40時間)を超えて、働いた場合に支給されるもので、基礎賃金(基本給と変動しない手当により決定)から算出されます。
- 深夜手当(深夜労働割増手当)
午後10時~午前5時までの労働に対する手当のことを指し、労働基準法によって支給が定められています。基礎賃金から算出されます。
- 休日手当(休日労働割増手当)
法定休日の労働に対する手当で、労働基準法で支給が定められています。基礎賃金から算出されます。
- 役職手当・職能手当
職位の役割に応じて支給される手当です。課長や部長など、役職に応じて支給されるもので、管理職手当という名称で呼ばれることもあります。
- 家族手当・扶養手当
配偶者や子どもなど扶養家族がいる従業員に対して支払われる手当です。企業独自の手当のため、この手当がない企業もあります。
- 住宅手当
家賃・住宅ローンの一部を企業が負担する手当です。企業独自の手当のため、この手当が規定にない企業も多くあります。
新卒のボーナス
ボーナス(賞与)とは、通常の給与とは別に支給される「特別給与」のことで、夏・冬の年2回の支給が一般的です。ボーナスの手取り額は、支給額のおおよそ7~8割とされています。支給前の半年間における人事査定で金額が決定するため、新卒では夏のボーナスまでの査定期間が短いことから寸志となる傾向にあります。満額支給は冬のボーナス以降になるので、知っておきましょう。
また、ボーナスの支給がない企業も中小企業を中心に存在するため、求人票を見るときはボーナスの有無や基本給の金額も確認してください。
高卒のボーナス
e-Stat政府統計の総合窓口の情報によれば、高卒の入社後初回ボーナスの平均額は約19,700円(ボーナス支給の無い企業含む)で、その後は398,200円にアップします。最初の夏ボーナス額が少ないように思えますが、寸志という意味では妥当かもしれません。冬以降になると、半期の査定によって満額支給が見込めます。
参考:e-Stat政府統計の総合窓口|第2表 学歴、年齢階級、勤続年数階級別所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額
大卒の場合
同じくe-Stat政府統計の総合窓口の情報によれば、大卒の入社後初回ボーナスの平均額は約31,900円で、その後は660,500円にアップするようです。新卒最初の夏ボーナスは、高卒同様、やはり寸志程度になるでしょう。冬のボーナスに向けて、半年間の査定期間に成果を上げることで満額支給を目指せます。
参考:e-Stat政府統計の総合窓口|第2表 学歴、年齢階級、勤続年数階級別所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額
みなし残業手当
「みなし残業手当(固定残業代)」とは、実際の残業時間にかかわらず、一定時間分の残業代があらかじめ固定給として支給される手当のことです。
みなし残業制度は、残業が規定の時間に達していなくても残業代が支払われるので一見お得に思えますが、時間いっぱいまで毎月残業することを想定している職場もあります。みなし残業制度がある求人票の給与欄には、「月給:220,000円(固定残業代20時間を含む)」といった記述があるので注意が必要です。
また、この手当がある場合、実は基本給が低く設定されていることがあるため、条件面を必ず詳細まで確認しましょう。
額面と手取りの違い
額面給与(総支給額)とは会社から支給される給与の総額のことを指します。税金や社会保険料などが額面給与から差し引かれて、実際に受け取れる額が「手取り額」です。この手取り額は、同じ基本給だとしても、扶養家族の有無や、残業手当や資格手当、通勤手当などにより一人ひとり異なります。
実際に差し引かれるものを以下で解説します。
- 所得税
個人の所得に対して徴収される税金です。収入金額によって徴収される税金の額が異なります。毎月源泉徴収された金額が年末に年末調整されます。
- 住民税
1月1日の時点で住んでいる自治体に納める税金です。前年の収入に対してかかる税金であるため、新卒入社1年目は差し引かれません。2年目から適用されるので注意しましょう。
- 健康保険
ケガや病気に対する治療費の負担のために、日本ではすべての国民が健康保険に加入する国民皆保険制度を採用しています。一定の条件を満たした従業員は健康保険に加入する義務があり、給与から健康保険料が徴収されます。
- 厚生年金
日本では20歳になったら国民年金に加入します。会社員になり一定の条件を満たした場合に給与から厚生年金保険料が徴収され厚生年金加入者に変更になります。厚生年金は日本における社会保障制度で、必要な公的年金制度です。
- 雇用保険
失業したときに失業給付を受けるための保険です。一定の条件を満たした従業員は雇用保険の加入を義務付けられているので、雇用保険料を徴収されます。
額面給与からいくら引かれる?
「手取り」について、いくらになるのか気になる方は多いでしょう。一般的には額面の75%~85%程度が手取りとなる計算です。
- 【額面から引かれる場合】
- 額面給与220,000円×75%~85%(0.75~0.85)= 手取り額 165,000円~187,000円
初任給では所得税と雇用保険料が引かれ、さらに2か月目以降は健康保険料と厚生年金保険料も引かれます。住民税については前年の所得により算出されるため、引かれるのは社会人2年目からになることを覚えておきましょう。
地域や業種によって給料が違う?
学歴別初任給の平均額は前項で説明した通りですが、学歴以外にも、地域や業種・職種、企業規模などによって初任給の金額に差が出ています。以下で詳しく見ていきましょう。
地域別の新卒給料
地域によって最低賃金に地域差があり、初任給も同様です。厚生労働省の令和元年賃金構造基本統計調査結果(初任給)によると、五大都市圏の大卒初任給平均額は次の通りで、都市部でも地域差はあります。
| 地域別 | 初任給平均額 |
|---|---|
| 東京 | 220,500円 |
| 大阪 | 210,100円 |
| 名古屋(愛知) | 210,100円 |
| 札幌(北海道) | 199,000円 |
| 福岡 | 203,700円 |
参考:厚生労働省|付表3 都道府県、性、学歴別初任給及び都道府県間格差
業種別の新卒給料
業種によっても初任給平均額に差があります。大学卒では、学術研究,専門・技術サービス業は227,200円(令和元年)で、情報通信業が218,100円の順で初任給の高い業種とされています。
参考:厚生労働省|付表2 産業、性、学歴別初任給及び産業間格差
企業規模別の新卒給料
企業規模別の初任給平均額(令和元年)は下の表の通りです。あまり違いがないように見えるかもしれませんが、ボーナスや今後の昇給額に大きな開きがあり、生涯年収に至ってはかなりの差が出る可能性もあります。
| 大学院卒 | 大卒 | 高専・短大卒 | 高卒 | |
|---|---|---|---|---|
| 大企業 | 242,000円 | 213,100円 | 185,600円 | 168,500円 |
| 中企業 | 232,100円 | 208,600円 | 183,600円 | 166,100円 |
| 小企業 | 229,300円 | 203,900円 | 183,200円 | 168,600円 |
参考:厚生労働省|第2表 性、企業規模、学歴別初任給、対前年増減率及び企業規模間格差
何に使う?使い道を決めるポイント
初任給を手にするタイミングから貯金をすることで、後の人生でまとまったお金が必要になったときに大きな差が生じます。株式会社学情の情報によれば、2025年4月時点での、初任給の使い道は「貯金」60.7%が最多でした。次いで「自己投資」32.1%「新生活の準備」28.6%と続きます。上手に使い道を決めることで、今後のライフプランに必要な資金確保を目指していると推察できます。
有効な使い道である貯蓄のポイントを紹介します。
- 貯金の目標金額を決める
まずはいくら貯めるのか、具体的な金額を決めましょう。貯金はモチベーションの維持が重要で、目標金額が具体的なほど効果的です。
- 給与口座と貯金用口座を分ける
給与が振り込まれる口座と預金用の口座を分けましょう。後述する先取り預金がしやすくなります。また、残高で預金額が把握できるので、モチベーションを上げることもできます。
- 先取り貯金をする
給与が入ったらすぐに預金用口座に毎月決まった額を振り替えて、残りを生活費とする預金方法です。「なぜかお金が貯まらない」といった事態を回避できます。
- 家計簿をつける
新卒社会人は、大きな収入を得るのと同時に意外なほどお金も出ていきます。このタイミングで収支の把握を目的に家計簿をつけてみましょう。預金は金銭の収支バランスが重要です。
参考:株式会社学情| 入社を決める際に初任給を重視した新社会人が4割超に。初任給が「上がった」は14.3%。使い道のトップは「貯金」が6割で最多。
給料面だけで企業選びをしない
就活の企業選びにおける給与の額はあくまでひとつの目安です。社会人として働くうえで指標となるものは、やりがい、企業理念、ワークライフバランスなど他にもあります。自己分析を行い、仕事に何を求めるのか、目指す働き方はどういったものなのかを把握し、自分の軸を確立しましょう。これに見合う企業に応募し、社会人生活を充実させるための就活が肝要です。
まとめ
基本給と諸手当の合計金額(額面給与)から、税金や社会保険料を差し引いた手取り額が実際に受け取れる金額です。貯金をする習慣をつけたり、自己投資をしたりと、よりよい生活を送るための使い道を決めましょう。
また、初任給平均額は、学歴や働く地域、業種・職種、企業規模などによって変動しますので、就活では給与面だけでなく、多角的に条件を検討して求人に応募しましょう。













