【2025年版】フリーランスにおすすめの会計ソフト8選|初心者向けに比較・選び方解説


はじめに
- 会計ソフトは、帳簿作成や仕訳管理などの経理業務を効率化できるツール
- 簿記などの専門知識がなくても導入・利用が可能
- 会計ソフトの導入は、経理作業の負担軽減や時間節約のメリットがある
- クラウド型の会計ソフトは、データの自動取込・仕訳機能のあるものが多い
- 使用目的や必要機能を明確にして、会計ソフトを選ぶことが重要
会計ソフトを導入しようとして、どう選んだらいいか、悩むフリーランスの人も多いのではないでしょうか。会計ソフトで何ができるのか、知識がなくても使えるのか、不安に思う人もいるかもしれません。
この記事では、会計ソフトの特徴やメリットについてご紹介します。おすすめの会計ソフトや、選び方のポイントも併せてご紹介しますので、参考になれば幸いです。
会計ソフトとは
会計ソフトとは、企業や個人事業主が経理業務を効率化するために使用するツールです。主に帳簿作成や仕訳管理、税務申告書の作成などが可能で、紙やExcelでの手作業よりも正確かつ効率的な管理が可能です。初心者でも簡単に使える設計のものが多く、簿記などの経理知識が少ない場合でも、導入できます。
また、会計ソフトを導入することで、データの一元管理も可能です。銀行口座・クレジット明細などと連携することで、仕訳の自動化が実現できるでしょう。
フリーランスが導入するべき理由
会計ソフトの導入は、経理作業の効率化やミスの軽減、時間の節約を可能にします。
手作業では煩雑になりがちな仕訳や帳簿作成が自動化されるため、本業に集中できる環境を整えられます。また、本業に必要な資格の勉強にも時間が充てられるでしょう。
税務申告の際に必要な書類を用意するためには、会計知識が求められます。しかし会計ソフトを利用すれば、知識がなくとも入力でき、簡単に帳簿や必要書類が作成できます。インボイス制度や電子帳簿保存法に対応していれば、申告トラブルのリスクも回避できますので、会計ソフトの導入はフリーランスにとって大きなメリットと言えるでしょう。
【タイプ別】会計ソフトの特徴
タイプごとに特徴があるため、フリーランス・個人事業主は事業状況や予算、用意可能な環境に合わせて選ぶといいでしょう。
ここからは会計ソフトのタイプ別に、特徴やおすすめの理由、デメリットをご紹介します。
会計ソフトは、利用形態や求める機能によって3種類に分けられます。
- クラウド型(インターネットを活用した利便性)
- インストール型(ローカル環境での安定性)
- オンプレミス型(高度なカスタマイズ性)
タイプごとに特徴があるため、フリーランス・個人事業主は事業状況や予算、用意可能な環境に合わせて選ぶといいでしょう。
ここからは会計ソフトのタイプ別に、特徴やおすすめの理由、デメリットをご紹介します。
クラウド型
クラウド型は、インターネットを介して利用する会計ソフトで、場所を問わずアクセスできる利便性があります。データをクラウド上で管理するため、PCが故障しても問題ありませんが、セキュリティ上のリスクに注意が必要です。
| 特徴 | ・インターネットに接続できれば、場所に関係なく、どこでも利用可能 ・法改正の対応や、機能追加の自動アップデートがある ・税理士などの外部と、リアルタイムのデータ共有が容易 |
|---|---|
| おすすめの 理由 | ・初期費用が低い ・月額課金制が多く、導入しやすい ・自動アップデートで、常に最新バージョンが利用可能 ・簿記や経理の知識が少なくても直感的な操作が可能 ・スマホやタブレットに対応しており、移動中も利用可能 |
| デメリット | ・インターネットの接続環境によっては使いにくくなる ・データをクラウド上に保存するため、セキュリティ上のリスクがある ・月額制は、年額制と比べてコストが高くなる場合がある |
インストール型
インストール型は、PCにソフトウェアを直接インストールして利用する会計ソフトです。インターネットの無い、オフライン環境でも利用可能なため、ネット接続が不安定な場合でも処理速度が速く、動作に安定性があります。一括購入型が多く、初期費用がクラウド型より高くなりやすい反面、追加費用が少なく済む傾向にあります。
| 特徴 | ・オフラインでも利用可能 ・一括購入型が多く、購入後の追加費用が少なく済む ・PCに直接インストールするため、処理速度が速く、動作の安定性がある |
|---|---|
| おすすめの 理由 | ・一括購入のため、長期的なコストが抑えられる ・ネット環境が不安定な場所でも利用可能 ・充実した専用機能により、経理作業の細かな点を効率化しやすい |
| デメリット |
・ソフトウェア更新が手動のため、更新を見落としやすい ・法改正への対応遅れなどの影響が出る可能性がある ・PCの故障で、データが消失するリスクがある ・複数のデバイスで利用したい場合は、ライセンスの追加課金が必要 |
オンプレミス型
オンプレミス型は、企業内に専用のサーバを設置して運用する会計ソフトです。データの管理を完全に自社内で行えるため、高いセキュリティ性を維持できます。カスタマイズ性が高い特徴があるものの、初期費用が非常に高額であり、サーバの設置・運用には専門的な知識が必要です。
| 特徴 |
・データ管理が完全自社内で行えるため、非常に高いセキュリティが構築できる ・カスタマイズ性が高く、事業のニーズに合わせて柔軟に設定できる ・インターネット環境に依存しないサーバで管理できるため、動作が安定しやすい |
|---|---|
| おすすめの 理由 |
・高いセキュリティが維持しやすいため、外部へのデータ流出対策が可能 ・高度なカスタマイズが可能なため、特定の業務に合わせた機能を利用・構築可能 |
| デメリット |
・必要機器にかかる初期費用が非常に高額で、サーバ設置やメンテナンスのコストも高め ・運用が煩雑になりやすく、技術的な知識が必須 ・個人規模では機能が過剰で、使いこなすのが難しい |
会計ソフトを導入するメリット
会計ソフトの導入は、経理業務の効率化に大きな効果があります。手作業ではミスが発生しやすく時間的コストもかかる作業も、会計ソフトを導入すれば正確かつ短時間で処理できるようになります。確定申告や税務処理の負担軽減にもつながるため、本業に集中しやすい環境を整えることも可能です。
ここからは、主なメリットを3つ、ご紹介します。
経理作業の負担軽減と作業の時短ができる
会計ソフトの自動取込・仕訳機能などを活用すれば、経理作業の多くが自動化され、手作業で行うよりも簡単に帳簿作成が行えます。たとえば、銀行口座やクレジットカードを連携させることで、取引データが自動で取込・仕訳されるため、手入力する必要がありません。請求書や領収書の作成機能を備えた会計ソフトを選べば、書類作成の手間も軽減可能です。
経理にかける時間を大幅に削減できるため、フリーランスにとって貴重な、本業に集中する時間が確保できます。また、他の業務や勉強に時間を充てることも可能なため、大きなメリットと言えるでしょう。
確定申告の負担を軽減できる
確定申告は、フリーランスや個人事業主にとって欠かせない業務です。会計ソフトを導入することで、青色申告または白色申告に必要な書類作成や仕訳作業を効率化でき、作業時間と負担を大幅に減らせます。多くの会計ソフトはe-Taxに対応していますので、電子申告をスムーズに行うことも可能です。また、税制改正や法改正などにも対応しており、税務知識のない初心者でも安心して利用できます。
入力や集計ミスを減らせる
前述したように、会計ソフトは自動取込・仕訳機能を備えています。多くの会計ソフトには領収書作成が可能な集計・計算機能も備わっており、手作業と比べて入力や集計ミスを大幅に減らすことも可能です。フリーランスの場合、複数の取引を手入力で処理する際にミスが発生しやすく、修正に手間がかかる場合があります。
会計ソフトを使用すれば、取引データは自動で取込・仕訳されるため、自動計算によってミスの未然防止が可能です。エラーチェック機能もあり、申告トラブルの防止にもつながるため、安全で正確な帳簿作成ができます。
フリーランスにおすすめの会計ソフト8選
会計ソフトと一口に言っても、どれを選んだらいいか悩む人もいるかもしれません。
ここからは、フリーランス・個人事業主におすすめできる会計ソフトを、クラウド型・インストール型それぞれご紹介します。
オンプレミス型は中堅~大企業向けであり、フリーランスや個人事業主にはコストが高額になりやすいため、今回の記事では省略します。
【クラウド型】やよいの青色申告 オンライン
初心者にも使いやすい機能やデザインで、入力作業の自動化や会計業務の効率化も可能なため、知識がなくても確定申告ができます。請求書の証憑(しょうひょう:証拠書類のこと)を保存する「スマート証憑管理」も利用することで、インボイス制度や電子帳簿保存法への対応も安心です。
| 料金 | 対応OS(PC) | 申告対応 | 電子申告 |
|---|---|---|---|
| 10,300円/年~ (初年度無料プラン有り) | Windows / mac OS | 青色申告 白色申告 | 〇 |
| 確定申告 | 帳票作成 | 自動取込・ 自動仕訳 | インボイス・ 電子帳簿保存法 |
| 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
【クラウド型】マネーフォワード クラウド確定申告
初めての確定申告であっても、必要な書類を自動作成してくれるため、難しい知識や計算をする必要なく、経理業務の効率化ができます。また、チェックリスト機能を活用すれば作業の可視化ができるため、ミスや漏れなく確定申告が進められます。
| 月額料金 | 対応OS(PC) | 申告対応 | 電子申告 |
|---|---|---|---|
| 1,280円/月~ (または10,800円/年~) | Windows / mac OS | 青色申告 白色申告 | 〇 |
| 確定申告 | 帳票作成 | 自動取込・ 自動仕訳 | インボイス・ 電子帳簿保存法 |
| 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
【クラウド型】freee会計
○×形式の質問に答えることで、確定申告に必要な書類が作成できます。スマホに対応しており、確定申告がスマホアプリで完結できるため、初心者にも忙しい人にも優しい仕様です。自動取込されたデータは、いつでもレポートで確認できます。
| 月額料金 | 対応OS(PC) | 申告対応 | 電子申告 |
|---|---|---|---|
| 1,780円/月~ (または11,760円/年~) | Windows / mac OS | 青色申告 白色申告 | 〇 |
| 確定申告 | 帳票作成 | 自動取込・ 自動仕訳 | インボイス・ 電子帳簿保存法 |
| 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
参考:freee会計
【クラウド型】円簿青色申告
インターネット環境とメールアドレスがあれば、IDを作成しなくても、すぐに利用できる会計ソフトです。無料期間中でもすべての機能が利用でき、データにも保持期間の縛りがなく、3期分のデータが保存可能です。無料期間が終了しても、有料プランに移行することで確認可能になります。
| 料金 | 対応OS(PC) | 申告対応 | 電子申告 |
|---|---|---|---|
| 無料トライアル1年 9,500円/年~ | Windows / mac OS | 青色申告 | × |
| 確定申告 | 帳票作成 | 自動取込・ 自動仕訳 | インボイス・ 電子帳簿保存法 |
| 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
参考:円簿青色申告
【クラウド型】タックスナップ
経理や確定申告を、スマートフォンだけでスムーズに進められる会計ソフトアプリです。ネット経由の支払い画面はスクショがあればデータ取込が可能で、キャッシュレス決済と連携したデータ取込も可能です。仕訳をタックスナップに丸投げ可能で、税理士監修のチェック機能もあり、安心かつ効率的に確定申告を完結させられます。
| 月額料金 | 対応OS(PC) | 申告対応 | 電子申告 |
|---|---|---|---|
| 1,780円/月~ (または11,760円/年~) | Android / iOS | 青色申告 白色申告 | 〇 |
| 確定申告 | 帳票作成 | 自動取込・ 自動仕訳 | インボイス・ 電子帳簿保存法 |
| 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
※この表では、10月1日に改定される内容で記載しています。
参考:タックスナップ
【インストール型】弥生会計
簿記知識のない初心者でも、帳簿付けや試算表の作成はもちろん、経営分析や予算管理ができる会計ソフトです。住居兼事務所などの場合でも、家事・経費分を科目ごとに割り振れます。PCへのインストールが必要ですが、同じ弥生製品のクラウドサービスと連携できるため、自動入力やデータ共有も簡単に行えます。
| 購入料金 | 対応OS(PC) | 申告対応 | 電子申告 |
|---|---|---|---|
| 50,000円 ※IT導入補助金の利用可能 | Windows | 青色申告 白色申告 | 〇 |
| 確定申告 | 帳票作成 | 自動取込・ 自動仕訳 | インボイス・ 電子帳簿保存法 |
| 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
参考:弥生会計
【インストール型】JDL IBEX出納帳Major
直感的な帳簿作成や明細データの取込、試算表・決算書などの財務諸表作成まで、あらゆる会計処理が完結可能な会計ソフトです。インボイス制度や電子帳簿保存法に対応しており、会計事務所との連携機能で簡単・安全にデータの受け渡しができます。
基本的に無料で使用できますが、確定申告や電子申告を行うには別途有料プランへの加入が必要です。
| 料金 | 対応OS(PC) | 申告対応 | 電子申告 |
|---|---|---|---|
| 無料 (別途有料プラン有) | Windows | ー | 有料プラン加入が必須 |
| 確定申告 | 帳票作成 | 自動取込・ 自動仕訳 | インボイス・ 電子帳簿保存法 |
| 有料プラン加入が必須 | 〇 | 〇 | 〇 |
参考:【無料】JDL IBEX出納帳Major
【有料】JDL IBEXクラウド組曲Major
【インストール型】フリーウェイ経理Lite
会計ソフトの比較検討で選択肢に迷ってしまい、なかなか決められない人向けの会計ソフトです。フリープランでも、入力したデータから各種帳票を作成・出力できるため、起業直後の費用を抑えて会計ソフトを利用できます。確定申告や電子申告には対応していませんが、インボイス制度には対応していますので、トライアル(お試し)として利用することも可能です。
| 料金 | 対応OS(PC) | 申告対応 | 電子申告 |
|---|---|---|---|
| 無料 (別途有料プラン有) | Windows | ー | 財務諸表の出力のみ |
| 確定申告 | 帳票作成 | 自動取込・ 自動仕訳 | インボイス・ 電子帳簿保存法 |
| ー | 〇 | × | 〇 (インボイスのみ) |
参考:フリーウェイ経理Lite
会計ソフトを選ぶ時のポイント
会計ソフトは、自分の業務形態やニーズに合っているかを確認して、選ぶことが重要です。特に、初心者の場合は、操作性やサポートの必要な機能や使いやすさを考慮し、最適なソフトを見極める必要があります。
ここからは、会計ソフトを選ぶ時のポイントを5つ、ご紹介します。
- クラウド型か、インストール型か
- 使用目的に合った機能や拡張性があるか
- 法改正やセキュリティ対策への対応は
- 導入後のサポート体制は
- 外部システムと連携可能か
クラウド型とインストール型を比較しよう
フリーランスにおすすめできる会計ソフトには、クラウド型とインストール型の二種類があります。それぞれの特徴を理解して、自分の働き方や事業で使用するデバイスに合わせて選ぶことが重要です。
クラウド型はインターネット環境があればどこでも利用可能で、自動アップデートによる利便性が高い特徴があります。一方、インストール型はオフライン環境でも利用でき、動作が安定しているのが特徴です。ただし、クラウド型は月額制の場合が多く、インストール型は初期費用が高い傾向があります。特徴だけでなく、費用や機能を比較して選びましょう。
使用目的に合った機能や拡張性を確認しよう
会計ソフトを選ぶ際には、使用目的に合っているか、必要な機能があるかを確認・比較することが大切です。たとえば、青色申告を行う場合には対応している機能があるか、時短効果を得たい場合は自動仕訳機能や電子申告機能があるかを確認するといいでしょう。
また、事業規模や将来的な拡張性なども考慮し、スマホ対応やアプリ連携などの柔軟性、長期的に使い続けられるかも判断材料にすることをおすすめします。目的や必要機能を明確にして選ぶことで、効果的に利用できるでしょう。
法改正やセキュリティ対策への対応を確認しよう
会計ソフトが、法改正やセキュリティアップデートなどの対策・対応ができるかどうかを確認することが重要です。特に税制改正は、対応できなかった場合に不正申告と見なされる可能性があり、最新の制度に合わせて迅速に対応できるソフトを選ぶことが求められます。
また、クラウド型のソフトを使用する場合は、データをインターネット上で管理することになりますので、強固なセキュリティ対策が行われているか確認することも重要です。データ漏えいや不正アクセスを防ぐためにも、セキュリティ面を重視するといいでしょう。
導入後のサポート体制を確認しよう
初心者が会計ソフトを導入する場合は、サポート体制が充実しているかの確認は必須です。電話やチャットでのサポートが利用できるソフトを選ぶと、操作に不慣れな場合でも安心して利用できます。使い方に関するマニュアルや、動画解説が充実しているソフトを確認しておくと、より具体的に理解しやすくなります。
また、税務や申告に関する専門家による相談が可能なサービスが付いている場合は、トラブル時にすぐ対応してもらえるため安心です。導入後のサポートが充実したソフトを選ぶことで、長期的に安心して利用できるでしょう。
外部システムと連携可能か確認しよう
会計ソフトを選ぶ際には、外部システムとの連携が可能かどうかの確認も重要です。
たとえば、銀行口座やクレジットカードなどと連携できるソフトは、取引データを自動で取り込むことができるため、経理作業が効率化できます。クラウドストレージやプロジェクト管理ツールとも連携できれば、業務全体をまとめて管理可能です。税理士や担当者とのデータ共有も行いやすくなるでしょう。
まとめ
会計ソフトは経理業務を効率化するツールで、専門的な知識がなくても帳簿作成や仕訳管理、税務申告書の作成が可能です。フリーランスや個人事業主が会計ソフトを導入することで、経理作業の負担軽減や時間節約、本業への集中などのメリットが得られます。
会計ソフトにはクラウド型・インストール型・オンプレミス型の3種類があり、それぞれに特化した特徴があります。選ぶ際には使用目的や必要機能、法改正への対応やサポート体制、外部システムとの連携可能性を確認することが重要です。













