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データベースとは?活用の基本など初心者にもわかる簡単解説

date2024年02月01日
データベースとは?活用の基本など初心者にもわかる簡単解説
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はじめに

データベースと言われて、なんとなくイメージはできても詳しく説明できる方は少ないのではないでしょうか。ITに関わる職種に従事しなければそこまで追求する機会も少ないからです。しかし、このデータベースを活用してデータを有効利用しようとする動きは活発です。基本をしっかり押さえられるように、わかりやすく簡単に解説します。

データベースとは

データベースとは、コンピュータ上にデータを整理して保存する格納庫です。定められたルールで整理・分類されたデータベースは辞書をイメージすると意味がわかりやすいでしょう。必要なデータを簡単に検索して抽出できる点も同様です。

企業にとって蓄積されたデータは、現状把握や企業活動の予測に欠かせない資料となり、意思決定に役立てられます。利用するためには、データベースがどのようなシステムで稼働しているのかを理解する必要があります。

運用に必要なDBMSとは

データベースだけでは、データの整理・更新・検索・保存はできません。データとデータベースをつなぎ、データベースソフトウエアとも呼ばれるDBMS(データベース管理システム)が必要です。

DBMSによって、データは自動で整理・分類されデータベースに保存されます。また、検索や更新のために許可を出したり、データの破損を防いだりする役目も持ちます。

SQL言語が最も普及

データベースとデータをつなぐ信号の役目をするのが、SQLに代表されるプログラム言語です。SQLは国際標準化され一般的に最も多く普及している言語です。

SQLによって、DBMSはデータをどのように整理・分類して、どこに保存するのかなどを判断しています。SQLはDBMSを稼働するための指示役といえるでしょう。

データベースの種類

データベースには、データを収納する方法や形式(データベースモデル)によって種類があります。それぞれ強みとするデータが異なります。代表的な3つのデータベース(以下表)と近年注目されるデータベースについて詳しく見ていきましょう。

階層型データベース

階層型データベースのイメージ図

ツリー型とも呼ばれ、1つに関連する多数が分類・整理されたものです。たとえば、部署の上司から部下が関連づけされた組織図や、ゲームから関連づけされた戦闘系ゲームやテーブルゲームなどの分類図などです。

1から多への一方通行なので検索速度が速いというメリットがあります。しかし、横のつながりや重複する関係など複雑な関係性の構築は難しいと言えます。

ネットワーク型データベース

ネットワーク型データベースのイメージ図

階層型データベースが弱みとされた重複する関係性を関連づけできるデータベースです。たとえば、組織図で一人が複数の部署に在籍して複数の上司と関連がある場合などに、相互に検索できるメリットがあります。また、それぞれの部署に別々に登録する必要もありません。

しかし、システムが複雑になるため、システム管理者の負担が大きくなるデメリットもあります。

リレーショナルデータベース(RDB)

リレーショナルデータベース(RDB)のイメージ図

リレーショナルデータベースは、行と列で関係性を表した表のような形式でデータを配置したタイプです。Excelのようにシート(テーブル)分けも可能です。現在もっとも普及しているデータベースと言えるでしょう。相互関係・重複関係のみでなく、さまざまな関係性の設定が可能です。

たとえば、顧客管理の大区分(テーブル)に利用サービスや製品名を入れ、中区分として、行(レコード)に顧客名・列(フォールド)に利用経過や追加商品・担当者などを入れます。この場合に担当者から検索して、その担当者が担当する顧客一覧や提供した商品一覧を抽出できます。

必要な情報をさまざまな角度から検索・抽出して利用できる柔軟さがメリットです。ただし、データ量が増えると処理速度が遅くなるデメリットもあります。

進化したNoSQLとは

上記の3つのデータベースから進化したSQLを(No)使わないデータベースの総称です。リレーショナルデータベースでは、整理・分類が難しかった画像や音声・動画などを分類・保管ができます。

昨今、無秩序にサーバに保存されている膨大な量のデータ(ビッグデータ)を、分析・整理してAIとも連携した有効活用に向けて開発されたデータベースとも言えるでしょう。データによってさまざまなタイプがあり、新たな開発も進んでいます。

リレーショナルデータベースとNoSQLがそれぞれ扱えるデータをまとめました。

リレーショナルデータベースNoSQL
扱えるデータ一貫性をもつデータ一貫性をもたないデータ
・顧客・在庫管理用データ・画像
・銀行の預金データ・動画
・電子カルテ・PDF
・ECサイト・SNSなどへの投稿
・検索エンジン・一貫性をもつデータ

データベースの機能とメリット

リレーショナルデータベースは、企業が自社のデータ管理・利活用のために最も多く構築されています。ここからはリレーショナルデータベースで、実際にできる機能とメリットについてご紹介します。

大容量のデータの保管ができる

日々、業務の中で作成・更新されるデータは膨大な量に上ることは想像できるでしょう。この大容量のデータを決められたルールのもとコンパクトに整理して保管ができることで、データの利用効率が上がります。
業務の効率化が図れ、経営戦略を立てる際にも必要なデータを抽出して分析することができるのです。

また、データベースは不正データをブロックしたり、バックアップ機能を装備したりと、大切なデータを守ることもできます。

複数人が同時に作業できる

データベースに複数人がアクセスして、データを共有しながら作業することが可能です。これにより、リモートワークなど離れたところにいる人同士も効率的に業務が進みます。

また、複数人がアクセスしてもデータを壊すことなく更新ができる点も安心といえるでしょう。

データの検索・更新が簡単にできる

データベースに保存されたデータは、コンピュータが自動で整理・保管を行います。データは視認できる形で保存されているので、データ利用者が検索する際も容易に行えます。

また、更新時の入力ミスなども知らせてくれるので、作業の煩わしさを大きく軽減することが可能です。

DBMSを介することで安全の確保ができる

データベースが設置されているサーバ自身にもセキュリティ対策は施されています。さらにDBMSを介することで、秘匿性の高いデータには利用権限の付与が必要となるなど、重ねてセキュリティの強化ができます。

企業データには、顧客データ・社員名簿など個人情報や機密情報も多いので、安心の担保・確保ができるでしょう。

他のシステムとの連携ができる

たとえば、営業支援ツールと顧客管理システムを連携して、このデータを連携したデータベースに保存ができます。SQLという普及したプログラム言語を利用しているため、多くのシステムとの連携が可能です。

小容量のデータなら

データベースの最小版といえるのがExcelなどに搭載されているスプレッドシートです。データ容量が小さく、少人数や一人で利用するなら、データベースを構築する必要はありません。スプレッドシートを上手に活用しましょう。

データベースの課題とデメリット

データベースには得手不得手があります。データの種類によって対応できるデータベースが異なるのです。データベース・DBMS・NoSQLも各社が開発し提供しているので、データをどのように利活用したいのか目的をもって選択する必要があります。また、導入時のコストも大きいので十分な検討が必要でしょう。

基本データベースはデータを収集して保存するものです。導入後どのように活用するかは人間にゆだねられます。コンピュータに振り回されては意味がありませんから、何をどう利用するか明確にしましょう。

データベースを構築する人たちは?

データベースの構築には、ITエンジニアの力が不可欠です。では、どのようなエンジニアが関わっているのでしょう。IT職種に興味のある方に、多々あるエンジニア職の中から一部をご紹介します。

データベースエンジニア

その名の通り、データベースを専門とするエンジニアです。データベースの構築から運用・保守・点検と幅広い段階に関わります。詳しくは以下の記事をご覧ください。

サーバーエンジニア

データベースだけでなく、サーバ全般を専門とするエンジニアです。さまざまなサーバの構築から運用・保守・点検とこちらも幅広い段階で関わります。詳しくは以下の記事をご覧ください。

まとめ

これからのビジネスマンにとって、データの利活用は必須といえます。在籍する企業が、どのような目的でどのタイプのデータベースを利用しているのか、大筋を理解することで、業務効率化の手段も選択しやすくなるでしょう。

増え続けるデータを、安全かつ効率よく利活用するためのデータベースは、さらなる開発が進みます。基本を理解し適切な選択が重要となります。

最後のチェックポイント

  • データベースは、コンピュータ上にデータを整理・保管する格納庫である
  • SQL言語を用いて、DBMSに信号を送り制御している
  • データベースモデルによって、有効な種類がある
  • 大容量のデータを整理・保管・検索・更新が簡単にできる
  • データベースの有効活用は、人間にゆだねられる
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