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フロントエンドエンジニアとは?未経験からの転職・年収・資格・今後や将来性とキャリアパスについて

date2024年01月15日
フロントエンドエンジニアとは?未経験からの転職・年収・資格・今後や将来性とキャリアパスについて
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はじめに

フロントエンジニアは、Web制作現場で名を連ねる代表的な職種、「Webデザイナー」や「Webディレクター」と肩を並べる、重要な役割を担っています。Web制作の現場でフロントエンジニアはどのような仕事をするのでしょう。仕事内容や年収、将来性やキャリアパスなど、あらゆる角度からご紹介します。

フロントエンドエンジニアとは

フロントエンドエンジニアとは

フロントエンドエンジニアとは、Webの制作に関わる仕事をするエンジニアです。一般的にWebサイトのレイアウトや動作など、視覚的な部分の設計・構築を担当します。Webサイトでユーザーが直接触れる部分を担当し、ユーザーの見やすさや使いやすさを左右する、大事な役割を担っています。デザイン、ディレクションとも密接な関わりをもつ仕事です。

仕事内容とは

フロントエンドエンジニアは、Webデザイナーが設計したデザインをベースに、下記3つを使用してWebページの作成をします。

  • HTML(Webページを作るための基本的な言語)
  • CSS(文字の装飾や、背景、画像などの配置を指定するための言語)
  • JavaScript(動きのあるサイトを作るためのプログラミング言語)

フロントエンドエンジニアは、HTMLだけではなく、CSSやJavaScriptに対する豊富な知識を求められます。この2つの言語を駆使することで、動きのあるWebサイトを設計・構築していきます。とくにJavaScriptはスマートフォン用のサイト作りにも生かされており、Webサイト制作におけるさまざまな分野で取り入れられています。

とくにJavaScriptはスマートフォン用のサイト作りにも生かされており、Webサイト制作におけるさまざまな分野で取り入れられています。

年収はどれくらい

一般的な求人募集などを参考に、フロントエンドエンジニアの年収を調べてみると、平均年収は500万円程度。詳細な年収から、年代によってかなりばらつきのあることが見えてきます。20代の場合は300万円台、30代になると400万円台、そして40代で平均年収の500万円台になっていきます。一般的な20代の年収と比較すると、フロントエンドエンジニアの年収は少々高くなっています。しかしまったくの未経験の場合は、現場で学びながら専門的な仕事のスキルを習得していく時間がかかるため、300万円台には届かないケースもあります。

最初は年収が低いと感じていても、実力と経験がものをいう職種ですので、HTMLやCSS、JavaScriptの知識を高めていくといいでしょう。スキルを高め、実戦経験を積むことで、1,000万円台を超える年収がもらえる可能性も見えてきます。

将来性とキャリアパスについて

Web業界的に見て、フロントエンドエンジニアの将来性は「ある」と言えるでしょう。現段階ではフロントエンドエンジニアの需要は高く、スマートフォンやタブレットの急速な普及に伴い、小さな画面に生かせるUI(画面上の見た目や使い勝手のこと)設計技術も求められ、そこにフロントエンドエンジニアの力は必要不可欠です。進化し続けるWebの世界で、複雑な知識や技術を習得し、専門性を習得していけばフロントエンドエンジニアとしての将来性は明るくなるでしょう。専門性を高めながらプロジェクトマネジメントスキルを習得することもオススメです。リーダー職へのステップアップを目指せば、年収アップを目指すことも可能です。

フロントエンドエンジニアに必要な資格

フロントエンドエンジニアとして仕事をする上で必須となるのは、HTMLやCSS、JavaScriptです。PHP(SNSや、ブログなどWebサイト全般で利用できるサービスを作成する言語)の設計や実装、CMS(コンテンツマネジメントシステム。HTMLなどの知識がなくても簡単にWebサイトの作成や更新・運営ができるシステム)の構築やカスタマイズもおこなえると、仕事の幅が広がります。フロントエンドエンジニアになるための必須の資格はとくにありませんが、あえて資格取得をしておくことで、自分を売り込むアピールポイントとなるでしょう。

Webクリエイター能力認定試験(HTML5対応版)
サーティファイWeb利用・技術認定委員会が主催する「Webクリエイター能力認定試験」は、フロントエンドエンジニアとして働く上で、真っ先に候補に上がる試験です。フロントエンドエンジニアに必須となるHTMLやCSSに関する基本的な知識をはじめ、Webページの作成能力(デザインや、必要なプログラム言語を記述する「コーディング」)など、必須の技能が身についているかどうかを図る試験です。フロントエンドエンジニアだけではなく、今後Web業界で働くことを考えている方には、基本となるHTMLとCSS、基礎的なWebデザインやレイアウトについて求められる「スタンダード」を取得しましょう。

上級レベルとなる「エキスパート」は、すでにWeb業界で実績を積んでいる方が、今よりさらに発展していくために受験しています。サイトを利用する人のことを考えたユーザビリティーやアクセシビリティーの取り入れ方の検討をおこない、「センセーショナルな動きのあるサイトを作りたい」、「パソコンだけではなくスマホやタブレットのサイトを作りたい」など、さまざまなデバイスに対応したり、クライアントの要望に沿ったサイトを作ったりするための専門知識が問われます。

Webクリエイター能力認定試験(HTML5対応版)
運営会社名 サーティファイWeb利用・技術認定委員会
受験料 「スタンダード」5,900円(税込)
「エキスパート」7,500円(税込)
受験資格 とくになし
受験時期 各試験会場が設定した日程
出題数 「スタンダード」
実技問題・1テーマ
「エキスパート」
知識問題・20問
(デザインカンプによる設問15問、文書による設問5問)
実技問題・1テーマ
回答形式 「スタンダード」
実技問題:配布された問題データおよび素材データに基づき、設問文の指示に従って編集を行い、解答データを提出する
「エキスパート」
知識問題:多肢選択形式(4択)
実技問題:配布された問題データおよび素材データに基づき、設問文の指示に従って編集を行い、解答データを提出する
合格率 「スタンダード」実技問題の得点率65%以上
「エキスパート」知識問題と実技問題の合計得点の得点率65%以上
取得レベル 「スタンダード」未経験者・初級エンジニア
「エキスパート」実務経験あり・中級以上のエンジニア

HTML5プロフェッショナル認定試験
「HTML5プロフェッショナル認定資格」は、特定非営利活動法人エルピーアイジャパン(LPI-Japan)が実施する試験です。試験はレベル1とレベル2にわかれており、レベル1ではスマートフォンやマルチデバイスに対応するコンテンツ制作の知識が問われます。実務経験がない初級者でも、きちんと勉強をすれば、取得可能な合格ラインに到達できます。レベル2はレベル1試験を合格していることが前提となり、マルチメディアや動きのあるコンテンツを制作するための専門的な知識が問われます。

「Webクリエイター能力認定試験」よりも格段に難易度が高くなりますので、実務経験を積みながら並行して勉強を行い、試験に挑むといいでしょう。

HTML5プロフェッショナル認定試験
運営会社名 特定非営利活動法人エルピーアイジャパン(LPI-Japan)
受験料 15,000円(税別)
受験資格 レベル1・とくになし
レベル2・「レベル1」資格取得者
受験時期 日時・会場を全国各地から自由に選択
出題数 レベル1 約60問/レベル2 40~45問
回答形式 マウスによる選択方式・キーボード入力
合格率 一般公表なし
取得レベル レベル1・未経験者・初級エンジニア
レベル2・実務経験あり・中級以上のエンジニア

CIW JavaScript Specialist
Webの基礎知識やモバイルデザイン・Webデザイン、開発やセキュリティなど、それぞれのスキルを認定する国際資格「CIW」。Web開発のスキル認定の中にフロントエンドエンジニアに必須となる「CIW JavaScript Specialist」があります。国際資格であるため出題はすべて英語となり、語学力も必要です。

Ruby技術者認定試験
フロントエンドだけではなく、サーバーサイドでも使われる言語「Ruby」の資格試験「Ruby技術者認定試験」。「Ruby」をマスターしていると仕事の幅が広がり、年収アップも期待できそうです。試験は50問の選択式で、正解が75%で合格。比較的難易度が低く気軽に挑戦できる試験としてもオススメです。

フロントエンドエンジニアについてもっと深く掘り下げた内容を知りたいと思う方は、こちらの突撃Q&A!現役エンジニアに聞くフロントエンドエンジニアのお仕事についての記事を参考にし、フロントエンジニアに就くきっかけを掴んでおくと良いでしょう。

未経験からフロントエンドエンジニアになるには

未経験からフロントエンドエンジニアになるには

フロントエンドエンジニアは未経験でも、「やる気」と「学びたい」という意欲を評価されれば、学び・成長しながら働ける職種です。では未経験の方がフロントエンドエンジニアになるためにはどうすればいいのか。就職方法や、必要なスキルの習得について解説します。

フロントエンドエンジニアにはどんな人が向いている?

フロントエンドエンジニアに向いている人の特徴は次の3つです。

Webデザインなどに興味がある

フロントエンドエンジニアとWebデザインは異なる職種のようで実は表裏一体。サイトを見る人のためにどうすればいいかをデザインするのが「Webデザイン」。サイトを見る人のためにデザインを現実化させるのが「フロントエンドエンジニア」です。デザインにも精通している、デザインにも興味があるとなれば仕事もやりやすくなるでしょう。

コミュニケーション能力が高い

フロントエンドエンジニアとして仕事を進める上で、コミュニケーション能力の高さは重要なポイントです。きちんとチーム内で意見交換をし、わからないことを放置せず、自分からもアイデアや意見を発信していく人は重宝されるでしょう。コミュニケーションを取ることが苦と思わない方にはむしろうってつけの仕事です。

最新情報を入手し、取り込むことがうまい

Web制作の世界は、日々めまぐるしく変化し進歩していきます。アップデートしていく情報を、常に感度のよいアンテナでキャッチできる情報収集能力の高さ、手に入れた情報をすぐさま理解・分析し、どのように取り入れていけばいいかを考えられる力。これらはフロントエンドエンジニアだけではなく、Webに携わるエンジニアとして高評価されることでしょう。向上心と貪欲さで、どんどんスキルアップしていってください。

未経験からフロントエンドエンジニアになるために必要なスキルと習得方法

フロントエンドエンジニアになるためには

  • HTML・CSSの知識
  • JavaScriptの知識
  • その他の技術スキル・知識

これらの3つの知識とスキルが必須です。

HTML・CSSの知識

Webサイトを作る上で必須となる言語のHTML・CSS。現在の標準はHTML5、CSS3となっており、そのときどきに応じたバージョンのHTML・CSSをしっかりと習得しておくことが重要です。作成するWebサイトの制作現場によっては、過去のブラウザーや古いバージョンに対応させるための知識が必要になることもありますので、標準だけでなく幅広く知識を習得しておくと評価にもつながります。

JavaScriptの知識

フロントエンドエンジニアにとって必要不可欠で、仕事における核にもなるプログラミング言語「JavaScript」。動きのあるWebサイトを実現可能にできることから、さまざまなWebサイトで利用されている点でも、必ず習得しておきたいプログラミング言語です。まずは基本から確実に習得し、慣れてくれば少しずつ他の言語にも挑戦していきましょう。使える言語や知識が増えることで、Webサイトの開発効率を高めることもできるようになります。

その他の技術スキル・知識

Webサイトの制作現場によっては、HTMLやCSS、JavaScript以外にも、先に登場したPHPやRubyなどのプログラミング言語や、セキュリティやSEO(インターネットの検索結果のページにWebサイトをできるだけ上位に表示させるための対策)に関する知識などが望まれるケースもあります。また将来的にプロジェクトのマネジメント業務をおこなうためにプロジェクトマネジメントスキルを身に着けておくこともオススメです。

フロントエンドエンジニアとして仕事をしていく上で、必要なスキルを身につける習得方法は以下の3パターンです。

  • 独学で学ぶ
  • 未経験可と募集している企業で働きながら習得していく
  • 専門のスクールに通う

あまりお金をかけずに、時間を効率良く使いたいのであれば、独学でスキルや知識を習得するのもいいでしょう。働きながらスキルを身につけたいのであれば、「未経験可」の求人を探し、給与は低くなるかもしれませんが、仕事をしながらスキルアップしていく方法もあります。早い段階から自分をより高く評価してもらいたい場合は、専門のスクールに通うこともひとつの方法です。しかしスクールは費用がかさみますので、折り合いをどうつけるかがポイントになるでしょう。

フロントエンドエンジニアへの就職、転職方法

常に人材不足のフロントエンドエンジニアの就職や転職は、さほど難しくはないでしょう。未経験でもよいという求人も探せば出てきますので、あとは探し方次第です。転職支援サービスやエージェント、転職サイトなどをはじめ、求人情報ウェブサイトの「Wantedly」や、クラウドソーシング系の「Lancers」、業務委託のマッチングプラットフォーム「SOKUDAN」なども仕事探しの選択肢に入ってきます。

フロントエンドエンジニアのフリーランス

フロントエンドエンジニアのフリーランス

独学でフロントエンドエンジニアに必要な言語を学べる時代が当たり前のようにやってきた昨今、フリーランスでフロントエンドエンジニアの職を選択する方も増えています。先に紹介した「Lancers」や「クラウドワークス」などは、フリーランスで仕事を獲得する際に強い味方となってくれるでしょう。フリーランスの場合は、率先して自分で動くことが成功への鍵になります。積極的に行動し、同業者だけではなく異業種交流をもつなど、とにかく動き続けることがフリーランスで働き続けられるポイントです。人と交流することはフロントエンドエンジニアには必須の特性ですので、日々精進、日々情報収集とコミュニケーションに励みましょう。

まとめ

フロントエンドエンジニアとして働くためには、専門的な知識やスキルが必要ではありますが、やる気と意欲さえあれば、初心者でも未経験者でも挑戦しやすい職種だと言われています。ただ知識やスキルを習得するのではなく、習得したものを別の言語や知識・スキルと掛け合わせ、どのように発展させていけるかを考えてみましょう。未経験からフロントエンドエンジニアを目指すのであれば、無料で学べるITスクールなどをどんどん活用して、フロントエンドエンジニアとしての能力を高めていってはいかがでしょうか。

チェックリスト

  • フロントエンドエンジニアになるにはHTMLやCSS、JavaScriptの知識が必須
  • デザインへの興味やコミュニケーション能力、情報収集能力が求められる職種
  • 特別な資格は必要ないが、資格は自分を売り込むアピールポイントになる
  • Web業界での需要は高い。知識と経験を積めばフリーランスとして活躍できる
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