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OODAループを解説!PDCAとの違いは?

date2023年10月12日
OODAループを解説!PDCAとの違いは?
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はじめに

  • OODAループは素早い意思決定が必要な状況で有効な意思決定方法。
  • OODAループは4つのステップで構成される。
  • OODAループを利用する際は目的を明確にし、自己反省と改善を怠らないこと。
  • PDCAとOODAの連携により、より効果的な問題解決と意思決定が可能。

OODAループの具体的な方法を紹介するとともに、どのように活用できるかを解説します。OODAループをマスターすれば、戦略思考力を身につけられます。

OODAループとは?

OODAループとは、素早く適切な判断と行動を行うための意思決定方法です。米国空軍の戦闘機パイロットであるジョン・ボイドが考案しました。OODAループでは素早くフィードバッグを取得し、常に自分の行動を調整していくのです。変化のスピードが速い状況や素早い意思決定が必要な場面で役立ちます。

OODAループの4つのステップ

OODAループでは4つのステップで意思決定をします。

ステップ1、観察(Observe)では、自分の周囲の環境や状況をできるだけ多くの情報源から収集し、客観的に分析します。このステップで、現在の状況や問題を正しく把握し、次のステップに進むための基礎を作るのです。このステップをおろそかにすると思いつきやその場しのぎの行動を繰り返す結果となってしまうでしょう。

ステップ2、状況判断(Orient)では、観察した情報をもとに、状況や問題を解釈します。自身がどこに向かおうとしているのかを明確にし、次のステップに進むための方向性を判断します。

ステップ3、意思決定(Decide)では、状況や問題に対処するための最適な選択肢や行動方針を考えます。自分が何をすべきかを具体的にし、次のステップに進むために必要なやるべきことや計画を立てていきます。

ステップ4、行動(Act)では、決定した選択肢や行動方針を実行します。また、行動した結果は再び観察する対象となり、OODAループは再び最初に戻り、繰り返されます。

OODAループは、素早く繰り返すと効果が高まります。状況が変化する前にOODAループを完了すれば、優位な立場を保てます。OODAループは、戦闘機パイロットだけでなく、ビジネスや日常生活でも有効です。

OODAループが注目される理由

現代社会は変化が激しいです。時間のかかる意思決定方法では、意思決定が追いつかなくなるかもしれません。OODAループは状況に応じて柔軟に素早く意思決定を修正でき、激しい変化にも対応可能です。次にOODAループでは観察や判断の過程で自分の仮説や前提を検証し、決定や行動の結果を評価し改善します。そのため自分の知識やスキルを自然と向上できるようになります。また、OODAループでは他者や環境からも学べ、新しい視点を得られるでしょう。

OODAループのよい点、注意すべき点

OODAループのメリットは、状況に応じて柔軟に対応でき、自分の思考や行動を客観的に分析できることです。仮説と検証を繰り返し行い、フィードバッグを受け入れやすくします。一方で、スピード重視のため深い分析や慎重な判断が犠牲になる場合があります。

OODAループに固執しすぎると、革新性が失われるリスクも考えられます。OODAループのメリットとデメリットを理解するためには、具体的な事例を見てみましょう。たとえば、携帯電話業界では市場のニーズやトレンドを敏感に捉え、製品やサービスを開発・改善して素早く、新しい商品を販売した会社がシェアを獲得しました。一方、OODAループに失敗した会社はスマートフォン市場の変化に対応できず、時代遅れの製品やサービスを提供し続け、市場シェアを失ってしまいました。

OODAループは、状況に応じて最適な意思決定を行うための有効なツールです。しかし、その利用方法には注意が必要です。OODAループを行う際には、自分の目的や目標を明確にし、常に現実と向き合い、自己反省や改善を怠らないようにしましょう。

具体例から学ぶOODAループ

OODAループを実際に活用する具体例を紹介します。

実際に作業を行う場合はOODAループを一巡させたあと、すぐに最初の観察(Observe)ステップを行うようにしましょう。

事務職でのOODAループ活用例

まず、観察(Observe)ステップとしてプロジェクトの進捗状況やチームメンバーの負荷、関連する資料の整理状況などのデータを収集します。

次に状況判断(Orient)ステップで直近のプロジェクトミーティングでの報告や、メンバーからのフィードバッグをもとに、プロジェクトの作業進捗把握と関連資料の整理が必要な事を把握する。

意思決定(Decide)ステップではプロジェクトの進捗を効率的に進めるため、特定の作業にフォーカスを当て、メンバーに調整をお願いして関連する資料を整理する。

最後の行動(Act)ステップでは、指定された作業を迅速に進め、同時に他のメンバーと連携して資料整理を進める

再び観察(Observe)ステップです。プロジェクトの進捗状況やチームメンバーの負荷、関連する資料の整理状況などをデータ収集し、改善点を探します。

PDCAとOODAの違い

PDCAサイクルとOODAループは、それぞれ問題解決や意思決定に役立つ手法です。PDCAサイクルは、Plan(計画)Do(実行)Check(評価)Act(改善)の4つのステップからなり、繰り返し改善を行うことで目標達成を目指します。

PDCAは目標や基準がはっきりとしている状況に効果的です。一方でOODAループは、不確実性や変化が激しい環境に対応するため、現状観察、即座に決定して行動することを重視します。OODAは目標や基準が曖昧な状況にも柔軟に対処できます。

PDCAとOODAの連携

PDCAとOODAを組み合わせて使用する方法を紹介しましょう。基本的には、PDCAを大きなサイクルとして設定し、その各ステップ中でOODAを小さなサイクルとして実行していくのです。この方法だとPDCAの計画性や体系性とOODAの柔軟性を活用できるでしょう。

PDCAとOODAの連携の注意点としては、情報が不十分だったり偏っていたりする場合は、決断を誤る可能性があります。また、行動した結果が想定したものと異なったり反応が遅れたりする場合は、再度観察ステップを行う必要があります。さらに、PDCAとOODAのサイクルが同期しなかった場合は、各ステップがうまく機能しません。そのため、PDCAとOODAの連携を行う際には、情報の共有などに工夫が必要です。

PDCAとOODAは、それぞれに長所と短所があります。適切に連携させることで、より効果的な問題解決や意思決定ができます。

OODAループを組織で使う際の実践ヒント

組織でOODAループを活用するには、単にステップを理解するだけでは不十分です。組織でOODAループを使う際のヒントを紹介します。

情報収集のステップでは、専門分野だけでなく他の分野や業界から広く情報を収集するようにしましょう。異なる視点や意見を取り入れ、包括的な情報を得られるようにするとよいです。次に自身の立場や思い込みにとらわれず、チームに所属する他者の視点や感情にも注意を払いましょう。OODAループは単発的な方法ではなく、継続的な方法です。観察のステップで収集した情報や仮説は常に更新し、決定事項や行動は常に検証しましょう。組織でOODAループを使う際は、このサイクルをチームで素早く回し、協力できる体制が必要です。

まとめ

ビジネス環境の変化はますます激しさを増していくでしょう。OODAループは競争力を維持し、新たな機会を見逃さない有用な手法です。ぜひ、今回紹介した情報を参考にOODAループの活用を検討してみてください。

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