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システムエンジニアになるには資格なしはまずい?難易度別に取得メリットも解説

2021年08月24日
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はじめに

システムエンジニア(SE)はエンジニアの中でも主に、上流工程を担う職種です。具体的には、顧客から話を聞き、どのようなシステムを作り上げたいのかを可視化するための要件定義、それに続く基本設計ならびに詳細設計が該当します。システムエンジニアになるためには何か必要な資格はあるのでしょうか?システムエンジニアと資格の関係についてご案内します。

システムエンジニアになるには資格は必要?

システムエンジニアになるには資格は必要?

システムエンジニアになるにあたっては、特別な資格は必要ありません。エンジニア向けにはさまざまな資格が存在しますが、そうした資格を全く保有していないシステムエンジニアも存在します。
ただ、資格を取得することによって、一定レベル以上の知識があるということを示せたり、勤勉な姿勢や学習意欲を評価されたりすることがあります。

システムエンジニアにとって資格取得のメリットは

システムエンジニアにとって資格取得のメリットは

システムエンジニアになるためには、上述のとおり資格は必要ありませんが、資格を取得することでの様々なメリットはあります。具体的にどのようなメリットがあるのか、その詳細を紹介します。

客観的なスキルの証明になる

SEの業務を遂行するには、広範なITに関する知識と経験が必要になります。しかしながらそれらを客観的に示すことができるものは余りありません。その点で、資格はスキルの証明になります。
社内に向けては知識や学習意欲があること、転職活動時の希望企業に対しては、知識技能のアピールに使えます。

キャリアアップに有利にはたらく

合格率の低い国家資格や、海外でも通用するようなベンダー資格などは、その資格を持っているだけで評価されます。独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が主催する情報処理技術者試験や、オラクル・シスコのデータベース・ネットワークに関する試験などが代表的な資格と言えます。
一定レベル以上の技術力があることの証明にもなります。
企業によっては昇進・昇格のための条件にしている場合もあります。同じ土俵で他のエンジニアと比較される場合などは、差別化にもつながりますので、転職を考える場合にも有用です。

知らなかった知識も得られる

現場での学びはどのような職種においても大変有益かつ有用なものです。その一方で、実際に発生した事案に依存しますので、どうしても偏りが生じてしまいます。
資格の勉強をすることにより、例えばいまひとつしっくり来なかった内容の理解につながり、場合よっては誤って理解していた点が訂正されるケースもあります。現場だけでは知りえない知識が身につく、網羅的・体系的な知識の習得に役立つと言えるでしょう。

企業も応援 資格手当の支給もある

システムエンジニアになるために資格は必要ないと書きましたが、企業によっては、資格の取得にあたって支援金を支給するなど、資格取得を推奨・推進する会社も見られます。
また、資格を保有していることで、給料に手当がつくといった収入面でのメリットがあるケースもあります。支援金は受験費用の実費、手当もさほど大きな額ではありませんが、資格取得に向けてのひとつのモチベーションにはなります。

資格の種類

資格の種類

エンジニア向けの資格には、大きく分けて、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が主催する国家資格と、IT関連の機器やサービスを提供している民間企業が認定するベンダー資格の2種類があります。

国家資格とベンダー資格とは

国家資格は何と言っても国によってお墨付きを得られるという点で、大きなアドバンテージがあります。
一方でベンダー資格は、より製品やサービスに特化した資格となります。顧客に製品やサービスを提案する際に、そうした資格を取得していると、信頼感の向上にもつながります。
資格によっては、取得するために高額な費用がかかるものもあります。有効期限のある資格は、期限到来前に再試験を受ける必要があるため、学習のための時間や費用もまた必要になってきます。試験自体の難易度・レベルも含め、きちっと事前にリサーチすることをおすすめします。

システムエンジニアにおすすめの国家資格一覧

システムエンジニアにおすすめの国家資格一覧

システムエンジニアにおすすめの国家資格について、初心者向け、中級者向け、上級者向けに分けて紹介します。いずれも、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が主催する試験です。

初心者向け

自分にどの程度知識技能があるかわらかない方、未経験からシステムエンジニアを目指す方などは、まずITの基礎的な知識を問われる初心者向けの資格からチャレンジしてみることをおすすめします。

ITパスポート

ITを利活用する者に限らず、全ての社会人が備えておくべき、ITに関する基礎的な知識が証明できる国家試験です。
試験はCBT(Computer Based Testing)方式により年間を通して実施されています。
ITに関する知識が乏しいと感じる場合は、まずはこの資格で自身のレベルを測ってみるのも良いでしょう。

試験日程希望日時を選択して予約
試験内容四肢択一式
経営全般35問程度
IT管理20問程度
IT技術45問程度
受験料5,700円

情報セキュリティマネジメント試験(SG)

組織の情報セキュリティ確保に寄与し、サイバー攻撃などの脅威から継続的に組織を守るための基本的なスキルを認定する試験です。難易度は高くありません。情報セキュリティに関する基本的知識と技能の習得が望める試験と言えます。令和2年度からは、CBT方式により実施されています。

試験日程年2回(上期、下期)の一定期間
希望日時を選択して予約
試験内容午前90分、午後90分、いずれも多肢選択式で、情報セキュリティを中心に関連分野の出題がされます。
受験料5,700円

基本情報技術者試験(FE)

IPAの情報技術者試験において、エンジニアを対象とした資格のなかで、まず、最初に取得すべき資格です。エンジニアに必要な基本的知識を幅広く問われる内容となっています。難易度は基礎レベルです。就活に備えて大学生のうちに取得する傾向もあります。令和2年度からは、CBT方式により実施されています。システムエンジニアを目指す人は、まずこちらの資格取得を検討してみましょう。

試験日程年2回(上期、下期)の一定期間
希望日時を選択して予約
試験内容午前は択一式80問、午後は長文形式の問題が計11問出題され、その中から5問に解答します。
受験料5,700円

中級者向け

ITに関する知識にある程度自信のある方は、エンジニアを対象とした中級者向けの資格にチャレンジしてみると良いでしょう。次の上級者向け試験への登竜門としても最適です。

応用情報技術者試験(AP)

IPAの基本情報処理技術者試験では基本的知識技能を問う試験とし、その上の応用的知識と技能の習得を測る試験として、応用情報技術者試験を位置付けています。
難易度は中級です。基本情報処理技術者試験に合格し、次の資格を考える際にまず一番に取得すべき資格と言えるでしょう。

試験日程春期4月、秋期10月の年2回
試験内容午前は択一式80問、午後は長文形式の問題が計11問出題され、その中から5問に解答します。
受験料7,500円

上級者向け

ITに関する専門的な分野の知識技能を問われるのが上級者向け試験の特徴です。すでにシステムエンジニアとして従事していて、スキルアップや次の職種にステップアップを狙う際に取得しておきたい資格です。

ITストラテジスト試験(ST)

経営戦略に基づいてIT戦略を策定し、製品・サービスを創出して、ビジネスを成功に導くための知識技能が問われます。CIO(Chief Information Officer)やCTO(Chief Technology Officer)、ITコンサルタントに最適な試験です。エンジニアを対象としたIPAの試験の中では最も高いレベルと言われています。

試験日程年1回 春期4月
試験内容午前は多肢選択式55問。
午後は、設問について業種・事業の特性や制限を反映・考慮した解答が求められる記述式・論述式の試験になります。
受験料7,500円

システムアーキテクト試験(SA)

情報システム、組込みシステム、IoTを利用したシステムの開発に必要となる要件を定義し、それを実現するための構造設計に携わるエンジニアを対象とした試験です。

試験日程年1回 春期4月
試験内容午前は多肢選択式55問。
午後は、情報システム・組込みシステムを題材にした記述式、および与えられた題材に基づく論述式の試験になります。
受験料7,500円

プロジェクトマネージャー試験(PM)

プロジェクト全体を統括し、人員などの必要となるリソースを確保し、予算やスケジュールに基づき、プロジェクトの実行・管理を職務とするエンジニアを対象とした試験です。

試験日程年1回 秋期10月
試験内容午前は多肢選択式55問。
午後は、プロジェクトマネジメントに関わる事例を用いた記述式、および与えられた題材に基づく論述式の試験になります。
受験料7,500円

データベーススペシャリスト試験(DB)

高品質のデータベースを企画し、要件定義・開発、運用・保守するための知識・実践能力を問われます。データベース管理者やインフラ系エンジニアを目指す方に最適な試験と言えます。

試験日程年1回 秋期10月
試験内容午前は多肢選択式55問。
午後は、データベースの基礎理論、設計、保守・運用などを題材にした記述式での試験になります。
受験料7,500円

情報処理安全確保支援士

サイバーセキュリティに関する専門的な知識・技能を活用して、セキュリティーエンジニアやセキュリティコンサルタントを目指す方に最適な試験です。合格者は登録手続きを行うことで、国家資格「情報処理安全確保支援士(登録セキスぺ)」の資格保持者となることができます。

試験日程春期4月、秋期10月の年2回
試験内容午前は多肢選択式55問。
午後は、情報セキュリティに関する様々なケースを想定した文章問題が出題され、記述式での解答となります。
受験料7,500円

難易度別 おすすめベンダー資格一覧

難易度別 おすすめベンダー資格一覧

ベンダー資格には、数多くの種類があります。折角、資格を取得するのですから、しっかりとリサーチし、有効性・評価の高いものを選びたいところです。ここでは国際基準を満たす代表的な資格について、費用や有効期限なども含め紹介します。

初心者向け

ベンダー資格を何も保有していない場合にまず考えたい資格です。直接的に業務に関連しない場合でも、仕事の幅が広がりますので、初心者にはおすすめです。

マイクロソフトオフィシャルスペシャリスト(MOS)

ExcelやWordなどのマイクロソフトオフィス製品の利用スキルを証明できる資格です。世界的に行われている資格試験であり、世界共通のため、合格認定は世界で適用されます。

試験日程毎月1回~2回実施される全国一斉試験または随時試験(各試験会場が設定した日程
ほぼ毎日試験)
試験内容Word、Excel、PowerPoint、Access、Outlookについて、製品のバージョンごとに試験が用意されています。
受験料一般レベル 9,800円
上級レベル 11,800円

オラクルマスター

ORACLE MASTERはオラクル社の「Oracle Database」の管理スキルを証明する資格です。
Bronze・Silver・Gold・Platinumと4つのレベルがあります。Silver以上は世界共通の資格となります。

試験日程希望日時を選択して予約
試験内容「Oracle Database」の活用スキルやStructured Query Language(SQL)の基礎知識
Bronze:データベース技術者の業務に必要な最低限の知識
Silver:大規模データベースの管理者に必要なバックアップ・リカバリ等のスキル
Gold:構築・リカバリだけではなく、チューニング等適切な状況判断のスキル
受験料15,000円

中級者向け

より専門性の高い資格群になります。保有していればそのベンダーの製品やサービスについて、深い知識を有していることが一目瞭然になります。自身の専門としたい分野を考え取得すると非常に有益です。

Cisco Certified Network Associate(CCNA)

シスコシステムズ社が実施する、ネットワークエンジニアの基本的スキルを認定する試験です。
世界共通基準のネットワーク分野では最も有名な資格と言えます。
資格は3年で失効してしまうため、期間内に同じレベル、または上位のレベルの試験に合格して資格を更新する必要があります。

試験日程希望日時を選択して予約
試験内容ネットワーク、IP、セキュリティについて、マウスで選択する問題のほか、キーボードで操作するシミュレーション問題なども出題されます。
受験料33,600円

Linux技術者認定試験

Linux技術者としてのスキルを証明するベンダー資格です。
LPICはレベルが3つあり、最も容易なものから順に、LinuCレベル1、LinuCレベル2、LinuCレベル3となります。海外でも通用する点が魅力の資格です。

試験日程希望日時を選択して予約
試験内容レベル1:物理/仮想Linuxサーバーの構築と運用
レベル2:仮想マシン・コンテナを含むLinuxシステム、ネットワークの設定・構築
レベル3:Mixed Environment、Security、Virtualization & High Availabilityの3分野からいずれかひとつ
受験料16,500円

上級者向け

上級者の方には、中級者向けに紹介した試験に上位資格がある場合は、その取得をおすすめします。自身のキャリア形成にも大きく寄与してくれるものと思われます。

Cisco Certified Network Professional(CCNP)

シスコ技術者認定資格であるCCNAの上位資格になります。全部で5段階あるうちの上から3番目、プロフェッショナルレベルの技術者を認定する資格です。

試験日程希望日時を選択して予約
試験内容CCNPの試験コースは7種類に分類されています。
受験するコースによって認定される資格が異なります。いずれのコースも複数の科目に合格する必要があります。
1科目に合格してから3年の間に全ての科目に合格すれば、CCNP資格として認定されます。
受験料1教科につきコア試験(必須):44,800円
コンセントレート試験(選択):33,600円
総額:78,400円

職種別システムエンジニアにおすすめの資格

職種別システムエンジニアにおすすめの資格

ITエンジニアとして活躍する上で、網羅的に必要となる知識領域があるほか、専門職として不可欠な知識技能もあります。以下では専門領域ごとに有用な資格をまとめてみました。

サーバーエンジニア向けLinux技術者認定試験
シスコ技術者試験
情報処理安全確保支援士
ネットワークエンジニア向けLinux技術者認定試験
シスコ技術者認定
オラクルマスター
ネットワークスペシャリスト
クラウドエンジニア向け1 AWS認定ソリューションアーキテクト
2 Google Cloud 認定資格(Google Cloud Certified)
3 Microsoft Azure 認定試験
セキュリティーエンジニア向け情報セキュリティマネジメント試験(SG)
情報処理安全確保支援士
※その他、サーバー、OS、ネットワーク、IT関連の法規など、ITに関する幅広い知識を習得できる資格
プロジェクトマネジメント向けプロジェクトマネージャー試験
ITストラテジスト試験
応用情報技術者試験

資格を取得するための勉強法

資格を取得するための勉強法

資格を取ろうと思い立ったものの、どのように勉強したら良いかわからない、効率的な学習法が知りたい、といった悩みをお持ちの方は多いと思います。学習法は大別すると、独学か、スクール等に通うかの二択になります。それぞれについて、メリット・デメリットを見て行きましょう。

独学でも取得は可能

紹介したような資格はいずれもメジャーな資格のため、多くの学習書が発売されています。独学であれば、参考書と問題集合わせて数千円で学習がスタートできます。また過去問を解くことも重要ですが、多くの資格の過去問は解答も含めネットに無料で公開されています。ちょっとした空き時間にスマホを使って解いてみるといった学習も十分に可能です。
一方独学のデメリットとしては、分からないことが生じた場合、自分で調べて解決することが必要になります。行き詰まって学習を中断してしまったり、誤った解釈をしてしまったりする懸念があります。また学習を続ける強い意志・目的意識も必要になってくるでしょう。

スクールで総合的に学ぶ

ひとりで学習を進めていくのが、どうしても苦手な方もいます。ついついダラダラと過ごしてしまう。他のことに目が奪われ集中が続かない。子供がいるので邪魔が入ってしまう。こういった場合は、資格スクールや講座に通って学ぶのもひとつの手です。
スクールでは、資格取得に必要な知識に留まらず、総合的・体系的な学習ができます。ちょっとした疑問も講師に質問すれば解決しますので、学習自体も軽快に進みます。時間の無い方には有用です。
一方、独学に比べるとどうしても費用面では高くつきます。一長一短ありますので、自身の状況を踏まえ、検討するようにしましょう。

優秀なシステムエンジニアになるために

優秀なシステムエンジニアになるために

パソコンの前に座ってプログラムを書いていくプログラマーとは異なり、システムエンジニアは人と関わることが多い職種です。
資格も確かに重要ですが、職務を遂行して行くうえで、それ以外にも大切なことがあります。以下では資格以外に身につけるべきことを解説します。

資格は手段のひとつ

資格を取ったら誰でもシステムエンジニアになれるわけではありません。実際の案件において顧客の望むシステムを遅滞なく完成させることがシステムエンジニアの責務です。そのために知識・技能が必要であり、その裏付けとして資格があるわけです。
資格を取ること自体が目的にならないように注意しましょう。業務を進めることや顧客から信頼を得るためのひとつの手段として、うまく資格を利用するように心掛けましょう。

資格以外の必要なスキルを磨こう

技術的な知見があるだけではシステムエンジニアは務まりません。顧客の要望に対し、ヒアリング、提案を行い、プログラマーのマネジメントをすることによって、開発を遅滞なく進めるためのコミュニケーション力が何より問われます。
また、開発案件はタイトなスケジュールであることが常です。当初の予定通り開発が進んでいるかの管理は元より、開発メンバーの業務量の調整などもシステムエンジニアの重要なタスクです。いわゆるマネジメント力が問われる場面と言えます。資格以外の必要なスキルも意識し磨いていきましょう。

現場で技術力・経験・知見を養う

机上での学習も有効ですが、それ以上に実際に現場で体験したことで身につくことも数多くあります。
例えば、何らかの技術的なトラブルが発生したとします。資格の学習のなかで示されていた解決策がありますが、実際の現場ではそれが最適解とは限りません。スケジュールの進捗や人員などのリソースの状況を踏まえて、よりベターな最善策を取らざるを得ない場合もあります。教科書で学ぶことが全てではないことも認識しておきましょう。

まとめ

ご紹介した以外にも多くの資格があります。担当領域や得意分野、将来なりたい職種などを念頭に置き、どの資格が有効かを確認したうえで、資格取得を目指すようにしましょう。資格取得のための努力は優秀なシステムエンジニアになるための一歩です。プロジェクトリーダやプロジェクトマネージャーといった職種へのステップアップ、キャリアアップにもつながることでしょう。

最後のチェックポイント

  • 資格がなくてもシステムエンジニアはできる
  • 資格があれば、スキルの証明やアピールができる
  • 資格取得でステップアップによる収入増にもつながる
  • 専門や得意分野を考えた資格取得が肝要
  • 資格取得が目的とならないように注意
update2025
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