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社会人基礎力とは?必要な3つの能力と習得方法

date2023年08月18日
社会人基礎力とは?必要な3つの能力と習得方法
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はじめに

「社会人基礎力」とは、社会人として職場や地域社会で働く際に重要となる基礎的な能力です。「社会人」と言葉に入っていますが、実は社会人以外の人も知っていると損はありません。

「社会人基礎力」とはなにか、なぜ「社会人基礎力」が必要とされるのか。「社会人基礎力」に必要となる能力の詳細や、「社会人基礎力」を向上させるためのアドバイスを交え具体的に紹介します。

社会人基礎力とは何か?

社会人基礎力とは何か?

「社会人基礎力」という言葉をご存じでしょうか。「社会人基礎力」とはその文字通り、社会人であれば必ず身につけておくべき基礎的な能力のことを差しています。「社会人基礎力」における概念については、2006年に経済産業省が提唱しています。

参考:経済産業省|社会人基礎力

「社会人基礎力」をもう少し簡単に説明すると、会社や地域社会のなかで、自分が活躍し続けるために必須となる基礎的な能力だと考えてください。ちなみに「社会人基礎力」には大きく分けて3つの能力があり、それらに伴った12の能力的要素で構成されています。

必要な理由は?

社会人基礎力とは、自身がもつ能力を最大限に発揮するために幅広く求められることとなる、「社会人」に必須な基礎スキルを差します。

人生100年時代とも言われるようになった現代社会では、時代やライフステージなどに合わせながら常に学び続けることが求められます。学びながら自らをふり返り、都度必要となるスキルアップを行う、アップデートを行うときの指標として「社会人基礎力」が注目を浴びています。

社会人基礎力がベースとして身についていることで、専門的なスキルを発揮することも可能となり、業務の向上・成績アップにもつながります。ひいては企業の業績アップにもつながることからも、重要ではないかと考えられているため、必要なスキルだと考えていいでしょう。

3つの能力と12の能力要素とは?

3つの能力と12の能力要素とは?

経済産業省の提示する「社会人基礎力」では

  • 前に踏み出す力(アクション)
  • 考え抜く力(シンキング)
  • チームで働く力(チームワーク)

上記3つの能力が定義とされており、さらに12からなる能力要素から成り立っています。ここでは社会人基礎力とは何かを知る上で必要となる、「3つの能力」と「12の能力要素」についてお話していきましょう。

「前に踏み出す力」

「前に踏み出す力」には、今いる場所から一歩踏み出し、失敗しても諦めない粘り強さで取り組むための、以下の3つの能力要素が含まれています。

  • 主体性
  • 働きかけ力
  • 実行力

「主体性」とは、物事に自ら進んで取り組む力を意味します。常に当事者としての意識をもち、誰かの指図を待つのではなく、自らやるべきことを見つけ積極的に行動しましょう。

「働きかけ力」とは、他人に働きかけ、巻き込んでいく力を意味します。仕事をする上で周囲と協力し合うことは不可欠です。周囲を巻き込み協力してもらうことで、自身に足りない部分を自覚したり、できないことを補ったりもできるでしょう。

「実行力」とは、目的を設定し確実に実行する力を意味します。何かを成すためには、やる気やモチベーション、技能や技術以外にも明確な目的意識をもつことが必要となります。目的意識をもってゴールを目指すことで実行力は養われていくでしょう。

「考え抜く力」

「考え抜く力」には、疑問をもち、自分自身で深く考え抜く力として、以下の3つの能力要素が含まれています。

  • 課題発見力
  • 計画力
  • 創造力

「課題発見力」とは現状を分析し、目的や課題を明らかにする力です。何も考えず与えられた仕事をこなすのではなく、常に疑問をもち続けることで、隠れた問題点を発見することへとつながるでしょう。

「計画力」とは課題の解決に向けたプロセスを明らかにし、準備する力です。あらかじめ問題が起こったときの対処を考えておくことと、なにかあった際に方向転換を速やかにできるように準備することが重要になるでしょう。

「創造力」とは新しい価値を生み出す力です。固定概念にとらわれず、新しい視点や新しい感覚でものごとを捉え、生み出す力をもつことは、発想の転換となり問題解決への近道になる可能性があります。

「チームで働く力」

「チームで働く力」には、多様な人々と一緒に、目標達成に向けて協力する力を差し、以下の6つの能力要素が含まれています。

  • 発信力:自分の意見をわかりやすく伝える力
  • 傾聴力:相手の意見を丁寧に聞く力
  • 柔軟性:意見の違いや立場の違いを理解する力
  • 状況把握力:自分と周囲の人々や物事との関係性を理解する能力
  • 規律性:社会のルールや人との約束を守る力
  • ストレスコントロール力:ストレスの発生源に対応する力

職場だけではなく、地域社会でも仕事内容は細分化されており、目標達成に向けて一緒に協力し合う人々も多様さを増しています。どのようなチームのなかでも立ち回れる高いコミュニケーション能力と協調性、そして的確な判断力が鍵となるでしょう。

新たな3つの視点「新・社会人基礎力」とは?

新たな3つの視点「新・社会人基礎力」とは?

ここまでに紹介した「社会人基礎力」に加え、経済産業省は2018年の働き方改革が提唱された際、「人生100年時代の社会人基礎力」として新たに下記「3つの視点」を追加しました。

  • 学び
  • 統合
  • 目的

大学生や社会人のみに適応されていた「社会人基礎力」は「人生100年時代」に対応するべく、対象範囲を若年・中年・高齢にまで広げ、どの世代でも活躍し続けられるように内容をアップデートしています。

追加された「3つの視点」とはどのような定義かをみていきましょう。

「何を学ぶか」(学び)

「何を学ぶか」とは、ただやみくもに役立ちそうなことを学ぶという意味ではなく、自身をアップデートしていくために「学び続けることを学ぶ」という意味もあります。

学びのスタートラインは、まず何を学ぶべきかを自分自身で考えることです。人生100年時代に突入した今、何を学び、どう学び続けていくのかを考えることが求められるでしょう。苦手なことを克服し、得意なことを伸ばすことが重要であると考えるとわかりやすいかもしれません。

自身のもつ能力や才能を理解し、時代や状況に合わせて臨機応変に磨くことが求められるなか、持っている力を発揮するためには、自分で考え抜く力がよりいっそう重要になってくるはずです。

「どのように学ぶか」(統合)

「どのように学ぶか」とは、さまざまな体験・経験・能力・キャリアを組み合わせて、統合することを意味します。

先に登場した「3つの能力」の「考え抜く力」と「チームで働く力」が鍵となるでしょう。

2つの能力が鍵となる理由には、視野を広げ、さまざまな体験・経験・能力・キャリアを組み合わせた上で、多様な人々の持ち寄った得意なことを統合していくことが重要となるからです。ここで登場するのは「考え抜く力」。多様な価値観を創出するためにどうするか考え抜く力が必要となります。また多様な人々の「得意」を組み合わせて統合するためには、「チームで働く力」もポイントとなってくるでしょう。

「どう活躍するか」(目的)

「どう活躍するか」とは、自己の実現や社会貢献に向けて行動する力を差します。ここでは「社会人基礎力」の第一の能力としてあげられた、「前に踏み出す力」が重要な鍵を握ることとなるでしょう。

「前に踏み出す力」には、「主体性」「働きかけ力」「実行力」の3つの能力要素が含まれています。

「どう活躍するか」では、自己実現や社会貢献という目的に向かい行動するために、具体的に何をすべきかを考え、自ら行動を起こす。しっかりとした目的意識をもつ。周囲に働きかけ協力しあう。これらの「前に踏み出す力」が、価値ある新たな物事を作り出すための行動を施す力となるでしょう。

社会人基礎力を向上させるには?

社会人基礎力を向上させるには?

自身の社会人基礎力はどの程度なのか見直したいと考える人、自分の社会人基礎力は十分にない、もしくは低いと感じている人もいるのではないでしょうか。

そこで社会人基礎力を向上させるために

  • 客観的に自分を見直しする
  • 日々の業務で基礎力を意識する
  • 社会人基礎力診断を受けてみる

上記の3つを紹介しますので、ぜひ実践してみてください。

客観的に自分を見直しする

社会人基礎力には、「3つの能力」と「12の能力要素」が定義としてあげられています。まずはこれらをご自身が得意とすることと、不得意なこととにふり分けてみることをオススメします。なぜなら社会人基礎力を向上させるためには、客観的に自身の能力を見直しする「自己分析」が有効な手段だからです。

社会人基礎力を向上させるためにアレコレ手を出すのではなく、最初のステップとして客観的な自己分析をおこなうことで、伸ばすべき能力が明確に見えてきます。

ご自身だけでは判断をしかねるようであれば、ご家族や友人など周囲の人から客観的な意見を聞いてみてもいいでしょう。社会人基礎力診断をおこなうサービスもありますので、積極的に利用して、第三者の目からみた自己分析をおこなってみてください。

日々の業務で基礎力を意識する

日々の生活や業務のなかで、「社会人基礎力」の「3つの能力」「12の能力要素」や、「新たな社会人基礎力」を常に意識しながら行動することは、社会人基礎力の向上に大きく貢献してくれるでしょう。

客観的な自己分析から、ご自身のもつ社会人基礎力が明確に把握できたのであれば、得意分野と不得意な分野について、日々の生活のなかでも強く意識してみてください。

社会人基礎力の能力や視点は、一朝一夕で習得できるものではありません。日々の積み重ねや、意識の違いが大きく影響していくでしょう。バランスよく社会人基礎力を向上させるためには、得意・不得意なことのどちらかだけを改善しようと考えるのではなく、得意・不得意の両方を伸ばしていこうとする姿勢が重要です。

社会人基礎力診断を受けてみる

「客観的に自分を見直しする」の項目でも登場した、「社会人基礎力診断」も積極的に利用することをオススメします。ネット上には無料で社会人基礎力診断をできるサービスがあり、スマホやタブレットからの回答もOKなため、時間や場所を選ばず気軽に利用できる点がオススメです。

友人やご家族に客観的な意見を聞くことも悪くはないのですが、専門的な診断サービスを利用すれば、社会人基礎力が自分にどの程度備わっているかが明確に素早く確認できます。適切なフィードバックがもらえるので、今後どのようにして社会人基礎力を向上させればいいかを考える指標にもなるでしょう。得意・不得意が明確にわかりますので、改善点が把握しやすい点で社会人基礎力向上に大きく貢献してくれそうです。

まとめ

社会人基礎力は職種や業種を問わず必須となる能力です。すでに社会人として働いている人は、将来のために備えて社会人基礎力を高めたり向上させたりしておくこと、学生の人は今現在もっている社会人基礎力の能力を研磨し、熟成させておくことをオススメします。

仕事をする上で「社会人基礎力」は、普遍的に必要となる能力ですので、現在のご自身の能力を把握し、得意・不得意分野を理解して改善に取り組んでいきましょう。一度身につければ仕事をスムーズに取り組める他に、キャリアアップの際にも有利に働きます。将来のためにもぜひ社会人基礎力を向上させておきましょう。

最後のチェックポイント

  • 社会人基礎力とは仕事をする上で重要になる基礎的な能力
  • 会社や地域社会で自分が活躍し続けるために必要
  • 自身のアップデートを行うときの指標として注目を浴びている
  • 経済産業省が提唱する「3つの能力と12の能力要素」で構成される
  • 追加された「新・社会人基礎力」では3つの視点がポイントに
  • 社会人基礎力向上には「客観性」や「自己分析」が必要になる
  • 自己分析から得意・不得意を明確に把握することが向上の秘訣
  • 働く上で普遍的に必要となる能力のため自己研磨を怠らないことがポイント
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