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リスキリングとは?何を学ぶ?個人が行うメリットや注意点をご紹介!

date2024年01月30日
リスキリングとは?何を学ぶ?個人が行うメリットや注意点をご紹介!
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はじめに

昨今ではIT人材の不足や、ITに関する知識がないために、時代の変革についていけない企業や人々が多いとされています。そのような中、2020年9月にリクルートワークス研究所は、新しいスキルを身に付けることの重要性を説いた提言書、「リスキリング 〜デジタル時代の人材戦略〜」を発行しました。
リスキリングで得たスキルは自身の成長につながるだけでなく、ビジネスの場においても市場価値を高めてくれますので、今回はリスキリングの意味や必要性・方法などを詳しくお伝えしていきます。

リスキリングとは?

リスキリングとは?

リスキリングは英語で、「Re-skilling」と表記し、「必要な技術やスキルを学びなおし、日々変化する社会に対応すること」を意味します。
リスキリングという言葉は、2020年のダボス会議(世界経済や環境問題などを議論する場)で「リスキリング革命」が発表されたことを機に広がりました。

リスキリング革命とは、「2030年までに10億人をリスキルする」という世界規模の目標です。「世界中の人々が今より高い水準の教育やスキル・仕事などを習得する機会につなげられるように目指すこと」を目的としています。
2022年10月には日本でも、岸田総理大臣が「5年間で1兆円をリスキリングの支援に投じる」と発言して注目を浴びました。

リスキリングはなぜ必要と言われているのでしょうか?

リスキリングはなぜ必要と言われているのでしょうか?

リスキリングの重要性は年々高まっていますが、なぜ必要なのかわからない方も多いでしょう。以下から詳しくご説明します。

第4次産業革命とリスキリング

第4次産業革命に向けて変化し続ける技術に対応するためにも、リスキリングは必要とされています。
第4次産業革命とは、IoT・AI・ビックデータの活用によりもたらされる技術革新のことを指します。従来ヒトが行っていた労働をAIやロボットが代替したり、画一的かつ大量生産のサービスから個々にカスタマイズされたサービスへ移行したりしていく流れの総称です。

DXとリスキリング

第4次産業革命を浸透させるにはDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進も欠かせません。DXとは「企業がITツールやテクノロジーなどを活用してビジネスの推進を展開していき、他社との競争力を高めること」を指します。

一方、経済産業省が発表した「DXレポート」ではIT人材不足が増加していくなかで、業務効率の低下や国際競争に敗れることが懸念されています。リスキリングによって専門スキルを身に付けることの重要性が増しているともいえるでしょう。

新型コロナウイルスとリスキリング

新型コロナウイルスの蔓延を機にリモートワークや在宅ワークなどのオンライン業務が増え、私たちの働き方も変わりました。対面でこなしていた業務がオンラインに移行した結果、今までと違うやり方に対応できない人々が増えています。
現状を打開するためには、新たなワークスタイルへ適応していくことが必要不可欠であり、新しくスキルを習得するためにもリスキリングの重要性が高まっています。

リカレント教育・アンラーニングとの違い

リカレント教育・アンラーニングとの違い

リスキリングは、リカレント教育やアンラーニングとどのように異なるのでしょうか。以下からご説明します。

リカレント教育とは?

英語の「リカレント(Recurrent)」には、「循環する」「繰り返す」といった意味があります。「リカレント教育」とは「個人が必要なタイミングで職場を離れて教育を受けたのち、再び職場に復帰する」という仕組みのことです。リスキリングが業務と並行して行うのに対して、リカレント教育は大学や専門学校などの教育機関における学び直しを指します。

また、リスキリングは「企業が主導して、社員にスキルの獲得を促す」学習方法ですが、リカレント教育は「個人の意思でスキルや技術を学ぶこと」を意味します。

アンラーニングとは?

「学習棄却」の意味をもつ「アンラーニング(Unlearning)」は、今までの仕事の信念や知識をいったん捨てて新しく学びなおすことです。リスキリングの目的が知識やスキルの「獲得」なのに対して、アンラーニングは「棄却」が目的です。

変化が著しい現代社会に対応するためには新たな知識を得るだけにとどまらず、ときには従来のやり方を捨てる必要があります。捨てると言っても過去のスキルを忘れることではなく、意図的に使用停止にするだけなので、必要なときに再び使うことが可能です。

個人がリスキリングを行うメリット

個人がリスキリングを行うメリット

個人単位でもリスキリングに挑戦することは可能です。以下からリスキリングを行うメリットについてご紹介します。

キャリアが開ける

リスキリングにより新しいスキルを獲得することは、自身の成長とともに、勤めている企業への貢献にもつながります。業務を効率化したり生産性を高められたりすると、自社内で活躍の場が増える可能性があります。
業務の幅が広がれば、キャリアも開ける可能性が大きいでしょう。

転職にも有利

企業での実践を通してスキルや知識を身につけるOJT(On-the-Job Training )では、習得したスキルが特定の企業でしか通用しない可能性があります。しかし、リスキリングでは汎用性の高いスキルを身につけることが可能です。そのため、リスキリングで新たなスキルを獲得すると、転職時にも有利です。
たとえば、企業内のデジタル化や自動化などのスキルを持った人材はどこの企業でも需要が高いとされるので、自身の市場価値を高めることにもつながります。

国からの補助金を活用できる

個人で、資格を取ったり学びなおしたりするには金銭面での負担がかかりますので、厚生労働省が施行している「教育訓練給付制度」の活用をおすすめします。教育訓練給付制度とは、厚生労働大臣が指定する通学講座や通信講座の受講終了後に、受講費用の一部が補助金として支給される制度です。

受給には、「就労してから現在まで、雇用保険に3年以上加入している」または、「離職後1年以内でかつ、雇用保険に3年以上加入していた」という条件が必要です。

参考:厚生労働省|教育訓練給付制度

企業がリスキリングを行うメリット

企業がリスキリングを行うメリット

企業側が従業員にリスキリングを行うことで得られるメリットを知っておくと、資格や勉強する際に役立ちますので以下からご紹介します。

人手不足にも対応可能

ICT人材の種類とそれぞれの人材がどのくらい不足しているかを表したグラフ

上記の画像からもおわかりいただける通り、先端技術を必要とするIT業界は専門性が高いため、全国的に人材不足が深刻です。国内においては、10年以内に最大79万人のIT人材が不足するともいわれています。
そのため、従業員にITスキルを身に付けてもらい、人手不足に対処していきたいと考えている企業は増え続けています。

生産性向上や業績アップに期待できる

企業がリスキリングを実施する目的は、従業員の知識のアップデートです。知識を得ることで従業員のキャリアが開けると、「さらに企業へ貢献したい」と考える人も増えるでしょう。
企業と多くの従業員の間で絆が深まれば企業全体の生産性向上や業績アップにもつながり、莫大な利益に直結する可能性があるため、リスキリングの実施は企業側にもメリットがあります。

イノベーション企業へ変わるきっかけとなる

イノベーション企業へ変わるためにリスキリングを推進している企業があります。イノベーション企業とは新たな価値を創造して社会に貢献する企業のことであり、実現するには今までになかった考え方や技術を組織の中に取り入れることが欠かせません。
イノベーション企業は今後も増加するため、能動的に新しいスキルの獲得に向けて行動する人材は需要があるといえます。

リスキリングを実施する際の注意点

リスキリングを実施する際の注意点

リスキリング実施の際には注意点を知っておくことが大切ですので、以下からご説明します。

アンラーニングが必要な場合もある

リスキリングと並行してアンラーニングが必要になるケースもあります。
時代にそぐわない仕事の価値観や、やり方が残っているとリスキリングの効果も高まりません。リスキリングを行う前にアンラーニングを行い、過去のスキルを使用停止にすることで、新たに得た知識を吸収しやすくなります。

モチベーション維持に気を付ける

リスキリング受講中に、モチベーションが下がってしまう場合もあります。リスキリング実施の際にはモチベーション維持にも気をつけましょう。一例として、モチベーション維持には達成後の自分へのご褒美を用意することでやる気につなげるという方法があります。
また、ToDoリストを作成して進捗状況を可視化するとタスクの優先順位が明確になり、作業効率がアップします。

課題解決に結びつく教材を選ぶ

自身の業務や社内の課題解決に結びつく教材を選びましょう。「質のよい教材=リスキリングの効果を発揮できる」とは限りませんので、教材選びは慎重に行う必要があります。
教材選びや何を学ぶか、どのような資格を取得すべきか迷われた際は、下記からご紹介している内容を参考にしてみてください。

リスキリングで何を学ぶ?

リスキリングで何を学ぶ?

リスキリングではまず、「何を学ぶか」を考える必要があります。以下から紹介しますのでご参考ください。

ITスキル

リスキリングではDX推進が深く関わっているため、ITスキルが人気です。
中でもプログラミングスキルは、コンピュータに対して論理的な指示を与えるうちに、ロジカルシンキングや問題解決能力を高めることにつながり、業務トラブル時にもスムーズに解決策が打ち出せるようになります。

デジタルマーケティングスキル

今後もスマホやデジタル機器を保有する人が増えていくため、インターネットやSNS・メールなどを活用したデジタルマーケティングの需要は高まっていきます。
デジタルマーケティングを学ぶ中で、商品・サービスの売り方や顧客心理を分析する力が身に付きますので、効率的に収益をあげられます。

データ分析スキル

近年はさまざまなシステムが開発されて、日々膨大なデータが蓄積されています。集めたデータを整理して加工した上で、数値から情報を読み取って活用するスキルをデータ分析といいます。
しかし、企業の大半は収集したデータをビジネスに活用できていませんので、データ分析が行える人材は貴重といえるでしょう。

英語スキル

英語の基礎はだれもが義務教育で学び終えているため、難易度がそれほど高くないと感じる人が多いかもしれません。しかし、2022年に大手語学学校のEF(Education First)が実施した「世界最大の英語能力指数ランキング」では、日本人の英語力は低く、世界111か国中80位という結果になりました。見方を変えると、日本人で英語ができる人材は貴重という捉え方もできます。
実際に、最近では海外企業と取引をする企業が増えていますので、英語ができる人材の需要は高まっています。

コミュニケーションスキル

コミュニケーションスキルはビジネス分野全般において必要なため、転職活動や就職活動などの採用面接で重視する企業は多いです。また、管理職やリーダーといった役職に就いている方も、部下や同僚との信頼関係を築くうえでなくてはならないスキルとされています。
昨今では、新型コロナウイルスの影響からテレワークの導入が進み、オンラインでのコミュニケーションスキルも求められる傾向にあります。

業務効率化スキル

DX推進には業務効率化を進めることが欠かせません。しかし、企業のほとんどはDX人材の育成に追いついていませんので、業務効率化ができる人材は価値が高いといえるでしょう。
DX人材になるために取っておきたい資格の1つにMOSがあります。理由はマイクロソフト製品を業務で利用する企業は非常に多く、実務に活用できるからです。また、エクセルのマクロの知識はプログラミングを学ぶ際にも役立ちます。

リスキリングのおすすめ資格

リスキリングのおすすめ資格

上記の見出し「リスキリングで何を学ぶ」のスキルの順番に沿って、以下からおすすめの資格をご紹介します。

Python3エンジニア認定基礎試験

PythonはAI技術の開発言語にも利用されているため、年々注目されています。Pythonの基礎を学びたい方には「Python3 エンジニア認定基礎試験」の受験がおすすめです。2022年時点での合格率は75%~80%とされており、難易度もそこまで高くありません。経済産業省のITに関する能力を評価する指標「ITSS(IT Skill Standard/ITスキル標準)」にも掲載されており、資格を取得することで、企業に対しても明確なスキルを持っているとアピールできます。

Webアナリスト検定

「Webアナリスト」はWebサイトの分析、改善を行う人のことです。
「Webアナリスト検定」では、データ分析方法や考え方、集客方法・リピーターを増やすコツ、コンバージョンへのつなげかたなど実践面で役立つ知識が学べるため合格後は実務でも活かせるでしょう。

ビジネス統計スペシャリスト

「ビジネス統計スペシャリスト」とは、エクセルを使用してデータ分析したのち、分析結果を正確に理解して応用する能力を評価する試験です。面倒な計算もエクセルが処理してくれるため、数学が苦手な人にもおすすめです。
現在では、非エンジニアでも「データ分析スキル」を求められる機会が増えているため、デジタル人材育成の第一歩としてリスキリングに取り入れる企業が増えています。

TOEIC

英語力を示すためには「TOEIC」がおすすめです。企業によっては、TOEIC900点以上で年収がアップするケースもあります。
英語力は幅広い企業で評価されるスキルですが、時間やコストがかかるためゼロから人材を育成する企業は少ないです。自ら英語の資格を取得すると知識の証明にもなりますし、社内評価もあがるでしょう。

コミュニケーション検定

「コミュニケーション検定」とは株式会社サーティファイが主催している検定で、ビジネスにおける言葉遣いや会話、TPOに合わせた対応などの能力を証明する資格です。初級と上級の2つに分かれており、受験料や試験時間が異なりますので、あらかじめチェックしておきましょう。
基本的なマナーやトラブル時の対処法など、ビジネスマナーを基礎から学びたい方におすすめです。

MOS

MOSは日々の業務で、多くの文書や資料を作成している方におすすめです。
ExcelやWordなどの機能をあらためて学びなおすと、今まで知らなかった便利な機能に気づく機会にもなります。リスキリングを受けた従業員が周りと情報を共有することで、業務効率化や生産性の向上にもつながりやすくなります。

勉強をする際のポイント

勉強をする際のポイント

資格やスキルを取得する際は、以下3つのポイントに気を付けて勉強に取り組みましょう。

1.目標を決めて細分化しよう

まず、何の資格を取得したいか、なぜこのスキルを学ぶべきなのかといったビジョンをはっきりさせましょう。ビジョンを具体化して細分化することで一つずつクリアしていくことが大切です。
とくに独学では、モチベーションを維持することは大変ですが、学ぶ目的を明確にすることで、一人でも勉強を進められます。

2.目標から必要になるものを選ぼう

目標が決まったら、目標に沿ったスキルの取得手段を考えます。たとえば、プログラミング言語を学習する場合は、AI開発するならPython、スマホアプリを作るならJavaなど自分の目的と合致する言語を選択します。
目標が定まらない状態でなんとなく言語を選んでしまうと、あとでもう一度違う言語を学びなおさないといけない可能性が出てきますので、気を付けましょう。

3.勉強方法を工夫しよう

3つ目のポイントは、自分が毎日勉強できる環境を整えることです。
日々のルーチンワークにするには、毎日の勉強時間を固定しましょう。つい、時間を忘れてしまうという方はアラームをセットすることが有効です。

リスキリングの事例

リスキリングの事例

他企業や自治体のリスキリングの事例はどのようなものでしょうか? 以下から日本国内と海外の事例をそれぞれご紹介します。

鳥取県

鳥取県では、2021年8月からオンライン学習を中心にリスキリング事業を進めています。従来は対面型の職業訓練を実施していましたが、新型コロナウイルスの影響で、対面での研修が難しくなりました。
メリットは地元にいながらも都市部のような研修が受けられることで、転職者だけではなく企業側の人材育成にも積極的に活用されています。

広島県

2022年4月、広島県は自治体としては初の取り組みとなる、「リスキリング推進検討協議会」を設置しました。デジタル分野の人材育成支援だけではなく、雇用の中で人材を生かすための施策を進め、県内企業の競争力を高めようという試みです。
広島県は、DXの進展下においてIT基礎知識の習得を図る目的としてITパスポート取得支援制度も設けており、受験料の補助を行っています。

富士通株式会社

2020年4月に富士通は従業員のだれもが均等に学べる機会を見直し、社内ポータルサイトのリニューアルを行いました。社内ポータルサイトでは、IT技術からビジネススキルまで約9600コースの受講が可能です。
また、興味のある仕事を登録しておくと社内公募システムと連携し、募集がかかると本人を推奨してくれるため、社員のモチベーションアップにつながっています。

マイクロソフト社

2020年6月マイクロソフト社は、新型コロナウイルスの経済損失による失業者2500万人に対して、IT関連の講座を無料提供すると発表しました。
マイクロソフトや子会社がもつ専門技術に特化した講座の受講から、AI面接まで幅広く対応し、失業者がデジタル人材として再就職できるように支援する取り組みです。

リスキリングおすすめツール・講座

リスキリングおすすめツール・講座

リスキリングおすすめツール・講座を以下からご紹介します。無料のものもありますので、興味のある方はご参考ください。

Schoo(スクー)

Schoo for Businessでは、業務効率化や機械学習、コミュニケーション能力向上など幅広いジャンルの講座を提供しています。
リスキリングの最先端企業であるサントリーやKDDIなども導入しており、研修や自己啓発などさまざまな目的で利用できます。

Aidemy(アイデミー)

オンライン型プログラミングスクールのAidemyはAI技術に特化しており、「未経験からでもAIエンジニアになれる」とも評価されています。個人だけではなく法人に向けたDX人材育成サービスも行っているため、多くの企業が導入しています。
約10万人のユーザが利用している、Aidemy Freeという無料教材も用意されていますので、興味のある方は登録してみてはいかがでしょうか。

Pathfinder(パスファインダー)

「Pathfinder(パスファインダー)」は、2018年にアメリカでSalesforce社とDeloitte社が共同でスタートした、DX人材育成プログラムです。
Salesforceをゼロから学べるカリキュラムが組まれており学習のイメージがつきやすく、コードも不要なことから、ITに関する知識があまりない方にもおすすめです。

弊社株式会社セラクでもITエンジニアを積極的に採用しています。
未経験からでもITエンジニアへのキャリアチェンジが可能でかつ教育環境も整っていますので、ご興味がある方はぜひご応募ください。
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まとめ

先の読めない時代だからこそ変化に対応できる柔軟性は必要です。今後ますますIT人材を含めてスキルのある人は重宝されていきます。
リスキリングで得た技術やスキルはキャリアを築くためにも有利ですので、日々学び続けて知識をアップデートしていきましょう。

最後のチェックポイント

  • リスキリングはDX推進と共に需要を増している
  • リスキリング受講中はモチベーション維持に気を付ける
  • 課題解決に結びつく教材を選ぶことが大切
  • リスキリングではまず「何を学ぶか」を考える必要がある
  • 資格やスキルを取得する際は3つのポイントに気を付けて勉強する
  • リスキリングは国内海外問わずさまざまな事例がある
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